「俺がピエロでなにが悪い!」感想
こんにちは、とこーです。
テスト前のナーバスな時期、むちゃくちゃテンション上がりつつ感想を書いていきます。
今日書くのは「俺がピエロでなにが悪い!」です
感想を書く前に。
声を大にして言いたいんですが、この作品マジで読んでください!!!!!!!
私、この作品はまじでハマれる作品だと思いました。
シチュエーション系ラブコメと呼ばれるようなイチャイチャ甘々なラブコメはもういいかな、と思う方には、ホントおすすめ。もちろんそういうとのが好きな方にも、ですけどね。
売れたら2巻が出そうな内容な気がしなくもないんですよ。というか、2巻以降が出たらより一層化けそう。
何より、1巻は230ページほどと短め。
読みやすいし、イラストも最近ラノベでも大活躍中の塩かずのこ先生だからスッキリ読めます!
だから読んで!!!
すっごいいいから!!!!
「ピエロ」って単語が出るラブコメとか、ワクワクするでしょ!?!?
と、さてじゃあここからは感想いきまーす。
今回は丁寧に、分かりやすいように書こうと思います。
まず、思ったのは「そうそうこれ!」って思える内容だったことです。
タイトル「俺がピエロでなにが悪い!」に惹かれて購入した私。
シチュエーション系ラブコメにはちょっと飽きつつあって、俺ガイルとかチラムネみたいな「濃いめのラブコメ」が読みたいお年頃。
そんな私がタイトルを見て期待した通りのものが詰まってました。
何よりも、重すぎない文章。
コメディな要素がちょこちょこあり、一人称ゆえに語り口も心地よかったです。
会話文も多めなので、「目が滑るなー」って時にも読みやすい。
でもそれだけじゃなく、結構深いストーリーも入ってるんですよね。
「あ、これいい」って思うような言葉が時にぽんっ、と出てくるんです。
話も割と重いですしね。
だからこその「ピエロ」であり、そんなところも凄く「求めてたもの!」って感じがしました。
第二に語りたいのは、主人公至上主義な私でも納得できる主人公のかっこよさ!
ストリートパフォーマーを目指し、ホスピタルクラウンのボランティアをやっている主人公、宮守樹。
もうね、彼が濃いこと濃いこと。
一人称で語られるゆえの、彼の癖の濃さと言ったら凄いです。けど嫌じゃない。可笑しくて、好きになれるんです。
加えて!
そんな彼のバックボーンがいいんですよ。
「ピエロ」を目指すきっかけ。考え方。車を克服できない未熟さが残りつつも、しっかり現実に立ち向かうその姿勢!
キャラが濃いだけじゃなかった。うん、好き。
だからこそ、なんとか続刊が出て(そもそも売れたら続刊ではなく、1巻完結なのかもですけど)、彼の人生を見たいのです!
「俺がピエロでなにが悪い!」って胸を張れる彼が見たい!!
それまで続いて……!
実際、色んなキャラが出てきてたし、話はまだ膨らみそうなはずですし……。
そうだ、主人公以外のキャラについても話しましょうかね。
なかでも語りたいのは、大人陣ですね。
主人公が「ピエロ」になりたいと思ったきっかけの人。駄菓子屋のおばさん。吉沢先生。由里姉。
大人のキャラが、みんな魅力的に映るんですよねぇ。
かっこいいな、というか。
現実に立ち向かうというのはひとつのテーマだったように思うんですが、それを実際に体現してたように思うですよ。
あとは主人公の背中を押したりとか。
言葉のパワーみたいなものも、大人キャラから出るものが大きかったように思います。
だからこそ、続き(しつこい)
こほん。
とりあえず、このあたりにしましょうか。
私、偏読家を自称するようになかなかピンとくる作品がないんですよね。最近は少し広がってますが。
だからこそ、ドンっとハマれたこの作品はぜひ読んで欲しい。もうこの際、続刊とかワガママ言いません。とりあえず読んで、語りましょ?
本気でそう思える作品でした。
それでは今回はここまで。
読んでくださってありがとこーざいました!
「千歳くんはラムネ瓶のなか 5」感想
こんにちは、とこーです。
今回はチラムネ5巻の感想を書いていきます!
なんと言っても、ついに来ましたからね。ワクワクです。
今回は、夏休みの話でした。
表紙を飾るのは夕湖ということもあり、やはり夕湖が話の中で結構出てくるのですが……読んでて、ちょっと戸惑ったのは事実です。
面白くなかったかと聞かれれば、それは違います。面白かった。ところどころ笑いネタがあったし、皆可愛かったし、チーム千歳の青春が詰まってた。
それでも、明らかに2-4巻までとは違いました。
これまでは形式の違いはあれ、何かしらの問題が起こり、表紙を飾るヒロインと共に問題に向き合っていくという感じでした。
3人が朔に惚れるまでを綺麗に、丁寧に描いたという感じでしょうか。
物語の中心には朔がいましたし、特に4巻では彼が過去と向き合う展開だったわけで。
それに比べると今回は、そういう「なにか問題を解決」という展開ではありませんでした。
続く青春の日々と日常。その中でみんなが皆、恋に友情に悩み、向き合う。けれども、今までのような分かりやすい「なにか」はなくて、ビターな青春模様って感じがします。
いや、そういうのも好きなんですよ?
一つ一つの描写は気になりますし、朔たちの一年生の頃の話とか、なんか泣けてきますし。男同士の話とか、海人と夕湖のあれとか、細かく言えば言いたいことはたくさんあります。
でもそういうのを全部総括して、
でも、「あれ、これチラムネか……?」とギリギリまで思いました。
「何か変わるのか、これ……?」みたいな。せいぜい誰かが1歩踏み出すなり、宣戦布告してヒロインレース開始みたいな展開なのかな、と。
何しろプロローグとも言える1巻の表紙をも飾った夕湖でしたからね。
仮に5巻以降を第2部とするなら、第2部のプロローグなのかな、と思いましたよ。
でも、なんですあれ。
4章。
がっつり告白……までは、まあね? ギリギリ予想出来ましたとも。
けど、それをフるか??????
まだ5巻だぞ?
夏だぞ????
なのにここでそこまで描いて、こんな展開にできます?
しかも何気ない1巻の一言がここに来て現れて。
胸がすっっっごい苦しいんですけど。
こんなに苦しい伏線回収、辛すぎん?
で、まだ8月上旬であるはずの夏勉最終日に「また二学期にな」ですよ。
あれだけ青春ど真ん中で、日々を楽しく思ってた朔が、このセリフ。
至る所で匂わされていた「終わり」がこんな直ぐに来るなんて思わないじゃないですか。
完全なる不意打ち。えぐいっすよ、えぐい。
でね、その「あー、裕夢先生このまま5巻かぁ。この感じ、6巻に続くパターンか?」と思いながらラスト数ページをめくるわけです。
まあ目次見ても、エピローグがなかったですし?
バイバイして、そこで朔の切ないモノローグと共に「続く」ってくるものだと思ってました。
けれども、彼女が現れました。
そう、彼女です。
約束をした彼女。最初に登場しておいて、何だかんだ今となっては一番ラブコメの匂いがしなくなっているようにすら思える彼女。
彼女が、朔の前に現れて……。
それで。
最後の見開き。
最高にも程がある。展開も何もかも、最高。
音も光も優しさも、全部が見えるようなイラストでしたし、「これがチラムネか?」なんて思ってしまったのを土下座したくなるくらいチラムネでした。
あと、今回は彼女以外のヒロインの視点はあるのに、彼女だけ一切なぃですよね(読み間違えじゃなければ)。
そのあたりも、ここで思い出してグッときました。
なんか、忘れない気がするな、一生。
そんな訳で、読後すぐの感想でした。
また回数重ねて読んでから感想は細かく書きます。
ただひとつ言わせて。
最厚な話なのにこのラストとか、お預けがすぎない!?!?!?
というか、朔の心にいる人って誰!?!?
夕湖は「友達」で。
悠月は「女の子」で。
陽は「相棒」で。
明日姉は「初恋」で、
自然に考えたら「初恋」にあたる明日姉?
奥野先輩も出てきたし、いい人だったしね?
とか思いつつも、ぐあーーーーってなるのが今回でした。
これ、次回で完結したりしないですよね……?
どちらにせよ、早く読みたいものです。
そんなわけで、読んでくださってありがとこーざいました。
以下は5巻を読む前に読んだSSの感想です。
SS冊子については以前も既存のものはうっすら書いていたので、新作SSについて。
「夜更け前の月と夜明け前の太陽」。
悠月と陽の一年生の頃の話なわけなのですが……特に陽パートはやばかったです。
一年生の頃の朔登場からの陽の描写とか、たまらなく好きですわ。4巻読みたい(なお、5巻まだ読んでない時点でこの部分は書いてます)。
悠月パートも、恋の話が結構よかったですからねぇ。より部活動中の様子を知れて、すげぇなぁって思いました
【人気上昇中】「千歳くんはラムネ瓶のなか」のオススメポイント!
初めましての方は初めまして、とこーと申します。
皆さま、青春ラブコメはお好きでしょうか?
今回は青春ラブコメの中でも、「このライトノベルはすごい!2021」にて文庫部門&ノベルス総合部門で一位を獲得した話題作、「千歳くんはラムネ瓶のなか」を紹介したいと思います。
「ラムネ瓶のなかってなに? 意味わかんないんだけど……」
「そもそもどんなお話なの?」
「このラノ一位ってことは面白い?」
と言ったことを思っている方に向けて、ネタバレはなし(してもあらすじ程度)で紹介していきますので、未読の方は参考になさってください。
- 1.作品の概要を説明します!
- 2.勘違いされやすいストーリー! しっかり説明します
- 3.魅力その1:鼻につくけどかっこいい主人公!
- 4.魅力その2:一人ひとりのヒロインとの濃密なエピソード
- 5.魅力その3:展開から地の文に至るまで、すべてがエモい
- 6.その他、いろいろと……!
- 7.まとめ
1.作品の概要を説明します!
まずは、どんな作品なのか説明していきたいと思います。
「千歳くんはラムネ瓶のなか」とは、小学館ガガガ文庫から出版されているライトノベルです。ジャンルは学園青春ラブコメ。
作者は裕夢(ひろむ)先生、イラストはraemz(レームズ)先生が担当しています。
『第13回小学館ライトノベル大賞』にて「ラムネの瓶に沈んだビー玉の月」というタイトルで優秀賞を受賞し、2019年6月18日に第1巻が発売されました。
先述した通り、「このライトノベルがすごい!2021」にて文庫部門及びノベルス総合部門で1位を獲得。
更に、ボブキャ先生が作画を担当し、スクウェア・エニックスよりコミカライズ版も出版されています。これについてはマンガUP!にて読むことができます。
2021年2月現在、累計発行部数は28万部を突破。ドラマCDもリリースされており、今熱い作品だと言っていいでしょう。
略称は「チラムネ」。これは作者の裕夢先生のご友人が考えたもので、公式略称として様々なところで使われています。チラ胸ではないので注意です。実際、チラ胸と検索すると色々とアレですよ……。
ファンは、作中の主人公たちのグループになぞられて「チーム千歳」と呼ばれてたり呼ばれてなかったり。この辺りは非公式のお話です。
2.勘違いされやすいストーリー! しっかり説明します
では、実際にどんなストーリーなのか説明していきましょう。
ジャンルは先述の通り、学園青春ラブコメ。舞台は福井県のとある進学校です。
一言で説明すると、
「カーストトップに君臨する主人公・千歳朔とその仲間が直面する問題に立ち向かいながら青春を謳歌していくラブコメディ」
だと言えるでしょう。
と言っても、これだけではわかりませんね。一つ一つ説明していきます。
まず、主人公について。
主人公の名前は千歳朔。高校二年生の男子で、元野球部です。そして容姿端麗、学業優秀、そのほか諸々得意というハイスペックイケメン。
そんな彼がスクールカーストにおいて頂点に立たないわけもなく、カーストトップに君臨しています。
リア充の筆頭と目されている彼は、もちろん好意も向けられますが、それ以上に陰湿な嫉妬の的にもなっています。
学校裏サイトでは『ヤリチン糞野郎』と叩かれつつも、外見中身共に優れた友人と楽しい日々を過ごしている……という人物です。
そして彼が、〝持つ者〟ゆえの苦悩や福井という田舎特有の悩みなど、様々な問題に直面する人々と関わり、ともに問題を背負いながら成長していく……というのが概ねのストーリーです。
もっとも、実際に「どんな話なのか」というのを明確に言語化するのは作品にとっても間違いでしょう。あくまで便宜的にこうして説明しているだけだ、ということをご理解ください。
ただ、ここで注意したいことがあります。
それは
1巻でストーリーを判断しないで!!!!!
ということです。
どういうことか、説明しますね。
上記のページよりあらすじを読んでいただければ分かるのですが、第1巻で千歳朔が解決することになるのは新しくなったクラスの不登校児・山崎健太の問題です。
ここで彼はリア充の立場から、非リアの山崎健太にリア充指南をしていく……という「弱キャラ友崎くん」の逆の立場のようなことをしていきます。
それゆえ、
「あー、リア充が非リアを指南していく師弟的なストーリーなのね」と勘違いされる場合があるのです。
或いはそうでなくとも、リア充や非リア、カーストといった言葉が出るため、
「リア充って立場からスクールカーストに立ち向かっていくストーリー?」といった風に思う方がいるかもしれません。
ですが、断言します。
それは勘違いです。いや、裏テーマ的にそういう要素を読み取る分には全然かまわないんですが、この作品は師弟的な指南の青春ラブコメでも、カーストに立ち向かうラブコメでもありません。
その証拠に第2巻では、カーストやリア充、非リアといった言葉はほとんど出てきません。せいぜい、山崎健太のことを紹介する際にちょこっとだけ登場する程度です。
カーストに疑問を投げかけるというほどスクールカーストについての話も出てきません。もちろん多少は出てきますが、あくまで主人公たちの立場を明示するためのエッセンス程度のもの。
では、どうして第1巻ではそういった話に触れているのか。
それは、第1巻が〝リア充〟を主人公とした青春ラブコメというともすれば犬猿されてしまう恐れすらある作品を受け入れてもらう〝プロローグ〟的な位置づけにあるからです。
そして、以降の第2巻からは〝プロローグ〟を踏まえたうえで、一人ひとりのヒロインと向き合っていく……というストーリーになっていきます。
なので第1巻は面白くなかったという人でも第2巻以降はドはまりするという場合は多々ありますし、その逆も無きにしも非ずというわけです。
さて、では次はこの作品の魅力について語っていきます。
3.魅力その1:鼻につくけどかっこいい主人公!
先述した通り、主人公である千歳朔はリア充です。
そしてリア充だからというわけではないのですが……とにかく、すっっっごい鼻につく振る舞いを見せます。
特にえげつないのは第1巻の序盤。
凄まじいリア充っぷりとハイスペックゆえの自信満々な態度、そして普段の言い回しなどなど、
リア充〇ねっ!!!!
とシャウトしたくなる面がとにかく多いのです。
この作品が大好きな私ですら、最初はそう思いました。思わない人がいるとすれば、その人は相当に寛容な方ですね。
しかし、それほど鼻につくというのに作品を最後まで読むと、千歳朔のかっこよさを実感します。それこそ即堕ち二コマかのように手のひらクルーってなります。
彼の腹立つ面は、あくまで最外層であり、その奥にびっくりするほどの人間的な魅力が詰まっているんです。
たとえば、彼の言葉や行動の端々にはいたずらな遊び心を見ることができるでしょう。
痛々しさすらあるようなTHE若気の至りな行動をど真ん中でしていく彼の姿は、まさに青春を謳歌する若人です。
また、〝ヒーロー〟みたいに他者を助ける行動。ここにこもっている彼の無自覚な優しさや苦悩は、その生き様自体がかっこいいと思うこと間違いなしです。
普段はクールでおちゃらけた彼の奥底には、誰よりも熱い感情が秘められています。
〝持っている〟からこそ他者から傷つけられ、それでもなりたい自分を目指して意地を張り、努力をし、自分らしくあろうと不器用に生きる様は本当にとにかくかっこいいんです。
他にもかっこいいところが色々とあるんですが……言語化が難しいですね。
ただ、最後まで読めば惚れどころをきっちり見つけられると思います。
第1巻はもちろんなのですが、特に顕著なのは第3巻、第4巻。
ここでは「なぜ千歳朔が今の彼になったのか」ということが明かされ、次いで第4巻は「千歳朔の奥底の熱さ」が全編を通して伝わってくる凄まじい熱量のエピソードになっています。
第1巻、第2巻の時点ですでにかっこいいし魅力的だった千歳朔を根本から定義しなおし、彼の弱さとそれゆえの強さも描写されるのでぜひともそこまでは読んでいただきたいと思います。
4.魅力その2:一人ひとりのヒロインとの濃密なエピソード
これも先述しましたが、第2巻以降では一人ひとりのヒロインとのエピソードが描かれます。
作中には五人の魅力的なヒロインが登場しているのですが、一冊につき一人のヒロインとのエピソードが濃密に描かれることになります。
一人ひとりのヒロインが抱える問題に千歳朔が関わり、ヒロインと彼が共に成長と相互理解をしながら問題を解決していく話となっています。
このエピソードが本当に濃厚で、巷では「巻ごとに推しヒロインが変わる」とも言われるほどです。
これに関しては、ボイス入りのPVを見ていただいた方が早い気がするので、リンクを貼りますね。
ヒロインは五人。ここでは、それぞれのヒロインについてちょっとだけお話しましょう。
①柊 夕湖(ひいらぎ・ゆうこ)
天然姫オーラのリア充美少女。PVではCVを阿澄佳奈さんがやっていましたね。
朔への好意を隠さずアピールし、朔の“正妻”扱いされている人気者です。
裏表がないため、同性にも嫌われることなく「そういう存在」として肯定されている人物です。
所属はテニス部で、バストサイズはE。
ぎゅんぎゅんと進めるエネルギッシュさと、それでも慎重に進むという面もある女の子です。
②内田 優空(うちだ・ゆあ)
努力型の後天的リア充。PVでのCVは上田麗奈さんが担当していました。
朔の“妾”扱いされることも多く、ツッコミ気質。
作中では、一番最初に登場するキャラでもあります(時系列的には違いますが)。
所属は吹奏楽部で、バストサイズはD。
地味な面にあり、作中では「ぷちぷち」と比喩されることもありますが、包容力があり傍にいてくれる良妻といった感じがします。
③青海 陽(あおみ・はる)
バスケ部でエースを務める体育会系少女。PVでのCVは赤崎千夏さんでしたね。
運動部特有の物怖じしない性格から自然とトップカーストに属している子です。
小柄で運動神経は抜群で、ど真ん中ストレートな女の子。スポーティで男友達的なノリで接するものの、時折見せる女の子な要素がたまらない……という子。
所属はバスケ部、バストサイズはBです。
太陽のように明るい彼女は、悩みすらもギラギラと照らして前を向かせてくれるような女の子です。
④七瀬 悠月(ななせ・ゆづき)
夕湖と男子人気を二分するバスケ部の美少女。PVでのCVは天海由梨奈さんが担当していました。
朔同様に自身の言動が「どう見えるのか」を計算して行動している面のある女の子です。まさに女優タイプで頭もよく、朔とは謎の高次元コントをやっています。
所属はバスケ部で、バストサイズはD。
朔に似ているからこそ似ていない彼女は、人気ランキングでも連続で一位を獲得していたりします。
⑤西野 明日風(にしの・あすか)
ミステリアスかつ自由奔放な女の子。PVでのCVは奥野香耶さんでした。
作中唯一の先輩ヒロインでもあります。不思議な言動が多く、その意図はなかなか朔にもくみ取れません。
また、朔のあこがれの人でもあります。
所属はなし、バストサイズはC。
ミステリアスな一面の奥にある姿もまた魅力的な女の子です。彼女とのエピソードである第3巻は必見ですね。
と、こんな感じです。
が、もちろんこれはすっっっごく表面的で一部の魅力にすぎません。
作中、特に2巻以降ではヒロインとの〝相互理解〟がなされていきます。
その中で朔が抱えていたヒロインたちの印象がガラリと変わり、ここで述べたものとは全く別の魅力が見えてきたりします。
どのヒロインも魅力的で、しかも朔との関係性もすごく濃密で丁寧に描かれます。
まさに「至高のハーレムもの」と言えるのではないでしょうか。
5.魅力その3:展開から地の文に至るまで、すべてがエモい
エモい。つまりは、「エモーショナル」な面がちりばめられているのもこの作品の魅力です。
それはストーリーの展開でももちろんそうなのですが、それと同じかそれ以上に作中で使われる一つ一つの言葉からもエモさが溢れています。
比喩やオノマトペの表現は、卓越していると言っていいでしょう。
あまりライトノベルでは使われることのない印象のある比喩やオノマトペですが、この作品では至る所で見られます。
文学作品にも負けず劣らずの雰囲気は、普段ライトノベルを読まないという方にでもおすすめできます。
ただ、勘違いしてほしくないのは「文学っぽくて堅苦しい」というわけじゃない、ということ。
確かに地の文では比喩やオノマトペが多いです。
ですが、作品はあくまで千歳朔の一人称によって綴られます。それゆえ、比喩やオノマトペも千歳朔の視点で用いられます。
なので、小難しい言葉はあんまりないんです。
高校生男子が思うような日常にありふれたもの。これを「あー、あれみたいだな」みたいに思ったであろう瞬間に比喩として用いられる。あるいは足音を「あー、こんな感じに聞こえるな」と思った通りにオノマトペとして記述される。そういう感じなんです。
だからこそ、言葉一つ一つに愛おしさを覚えられますし、エモさがあります。
中でも、作品を通してテーマともなるような一節を引用します。
――からん、と。心の奥のほうで、懐かしい音がする。
「美しく在りたいんだ。あの日見た月のように。
いつか本で読んだ、ふたの開かないラムネの瓶に沈んだビー玉みたいに」
『千歳くんはラムネ瓶のなか』P337,L10-13
どうですかこのエモさ。
言葉一つ一つがこだわり抜かれているゆえの、あふれんばかりのエモさ。
夜空の月とラムネの瓶のビー玉を並べ比喩として用いるこのセンス!
他にも、すっっごくエモい描写はたくさんあります。
もちろん展開的なエモいところもたっぷり。
本当に一言一句にこだわって書いているからこそ、読む楽しみを改めて実感できる作品でもあります。
しかも、作中にはラブコメでありながら無数に伏線が張られています。これが回収されたときのエモさといったらもう、すごいですよ。
読み応えのある作品を求めているなら、おすすめできる一作です。
6.その他、いろいろと……!
さて、ここまではわかりやすい魅力を三点あげてきました。
他にも魅力はたくさんあるのですが、語り切れないのでそこはやめておきましょう。
少しわき道を逸れてお話したいと思います。
この作品では、ちょこちょこ一部の法人限定でSS(ショートストーリー)が特典として付属して販売されてきました。
そのSSはどれも、本編のサイドストーリー的な立ち位置であり、彼らの日常を描くものとなっています。
しかし、SSと言いつつも読めるのならば絶対に読んだ方がいいと断言できるほど、本編の深みを増す伏線はさりげなく張られたりもしています。
もちろん推理ものではないので伏線を回収せずとも楽しめますし、あくまでSSです。
この「千歳くんはラムネ瓶のなか」という作品は深みにはまればはまるほど更に好きになるという底なし沼のような作品なのです。
一方で、逆に「はまらない人もいる」ということを書いておきたいと思います。
この作品はおそらくほかの作品以上に「はまる人にははまるけど、はまらない人ははまらない」というタイプなのではないかと思います。
たとえば主人公たちのノリ。リア充のノリといっても、もちろん創作です。リアリティがあると思う方もいればないと思う方もいるでしょうし、そもそも「こんなリア充自体いねぇよ!」と思う人もいるはずです。
また、そのほかの全体的な言葉のセンス。私は卓越していると言いましたが、読む人によっては「クサい」と感じてしまうかもしれません。
そうした作品のノリが合わない人からすれば、残念ながらこの作品は駄作になってしまうかもしれません。
そして、駄作だと思った人が間違っているかと言えばそれは違います。あくまで趣味の問題です。
だからこそ、合うかどうかをぜひ実際に最後まで読んで確かめていただきたいと私は強く思います。
はまれば、とことんはまってのめりこめる作品です。
ぜひ、ご一読ください。
7.まとめ
ここまで、「千歳くんはラムネ瓶のなか」についてご紹介しました。
最後の方には合わない人の話も書いたりしましたが、それは、こうしてご紹介するには好きになってほしいという思いが強いからこそのものです。
言わずもがな私はこの作品が大好きですし、現状、銀河一面白い作品だと思っています。いわば信者です。
そんな信者の戯言ではありますが、ほんと、すっっごく面白いとは思うので騙されたと思って読んでみてください。
2021年8月19日には、待望の六巻が発売します。
チーム千歳の一員に……とまでは言いませんが、「千歳くんはラムネ瓶のなか」の沼に小指だけでも突っ込んでいただけたなら幸いです。
それでは、今回はここまで。
下記には話に出した作品などのURLを貼っておきます。
それでは読んでくださってありがとこーざいました!
「他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた」
こんにちは、とこーです。
本日は楽しみにしていた新作、「他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた」の感想を書いていきます。
ネタバレにもなってくるので、未読な方向けにまず一言。
この作品すごくいいですよ!!!!
というわけで、気になった方はぜひ!
ではいきます。
物語は、最近流行りのシチュエーションラブコメをベースとしています。
そういう意味では、特別捻りがあるわけではありません。
優等生な主人公は、ある日、無愛想な美少女を説教する。
これをきっかけにラブコメが……という感じ。
ですが、何よりこれは甘さをそこまで重視していない気がします。
よりじっくりと、心の内面を描いていくような感じがするんです。
同レーベルで似た作品を挙げると、カノうわが挙げられると思います。
単なるラブコメじゃないし、甘々でイチャイチャしているわけじゃない。かといって日常ものと単に括れるほど平坦でもない。そんな感じのストーリーです。
いいなぁ、と思ったのは雰囲気ですね。
文章、会話のテンポ、主人公の内面、イラスト。
そういったものが見事にマッチしている感じがします。
そして、特に文章と会話のテンポが、絶妙です。スラスラ読めてしつこなく、しかもいい感じの雰囲気が出ています。喩えるのなら、気の利いたBGMをかけている喫茶店のような、そんなビターでオシャレな印象すら受けました。
また、主人公に関しても好きになれます。
闇のある過去と、その更に昔に起きたこと。
この二つを抱えているがゆえの優等生である彼は、脆くも強く、かっこよさがありました。
リアル……とは言いませんが、いそうなキャラですし、決して嫌いにはなりません。
優等生というと何かと「つまらない」「ダメ」みたいなイメージを持たれがちですが、彼は、全くそうではなく、そんなところもよかったです。
学生だからこそ、テストとかに関しては共感も出来ますしね。
さて、でイラストに移るとしましょうか。
これがすっごくオシャレなんですよ。
表紙からして、この儚さがあるイラストがいいですし。タイトルがカラーと白文字?で二つ書かれているのもかっこいい。
そして、このイヤホンを耳に填めている姿。スマホを持ち、スマホを眺め、憂うような電車の中での姿。
そういったものが、この作品を彩っており、魅力を一気に押し上げていました。
さて、今回はここまで。
ともかく、この作品は良かったよ、というのをお伝えしたいです。
ほんとにね、続刊して欲しい。カクヨムでも読めるけど、これは縦文字で紙で読みたくなります!
ということで未読の方、かいましょ?
そういうわけで読んでくださってありがとこーざいました!
「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。2」感想
こんにちは、とこーです。
すっかり春になってきた今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回は経験済みなキミと~の第二巻を読んだので感想を書いていきます。
それではいきます。
前回も思ったのですが、この作品はとにかく幸せ度がやばいです。
やっぱり甘い、とかじゃないんですよね。
でもって、すごくリアリティに満ちているというわけでもない。
とにかく、すごく幸せな話なのです。
物語は夏を中心としていました。
冒頭、テストの話から始まり、テスト勉強が始まります。
なんというかこの、ぶきっちょ感がたまらなく好きでした。
「あ、ここでさりげなく気を遣って好感度獲得するんじゃないのね」って感じ。むしろ不器用で、ちょっとダサくて、それでも彼女を気遣ってる主人公の姿は凄く愛らしいです。
更に加速していく幸せ度。
プールからのお泊り、という何ともアレなシチュエーション。高校生でこんなことあるん? 羨ましすぎるんですけど。
終始主人公は白河さんのことが好きで、それがびしばし伝わってきました。
宿でのやり取りとか、ちょっとしたエロシチュエーションなのにエロよりも幸せが勝つのは何なんでしょう。白河さんの「好き」が溢れてて、本当に初心に付き合ってる彼氏彼女な気分になりました。
しかし、そんな中で不穏な影が。
黒瀬さんの行動によって巻き起きる嵐。主人公の浮気疑惑が生じてからの一連の話は、なんというか、苦しくなりましたね。
何が苦しいって、結局黒瀬さんが普通にいい子なこと。悪い子ぶってても、まったく憎めないですし。だから、懲悪というより主人公と白河さんの関係の進展の方に目がいくんですよね。
ただ、個人的にはもうちょっとコミュニケーションとろ? と思わなくはなかったですが。
けど、そういうのも「好き」が強いからこその齟齬って感じがあって、納得できちゃいました。
でもなんやかんやあって二人の関係は修復され……むしろ、前よりも距離が近づくことになります。
そこからは幸せ度がさらに上がりましたねぇ。これはもう、致死量。
でもって、最後の方に経験済み「だからこそ」ってのを出してくるあたり、いいなぁとしみじみ思いました。
主人公は主人公で、自分に自信を持てるようになり、経験済みだなんてことは重要じゃないってはっきりと最後に言いました。そこの男らしさ、好きです。
で、で、で!
最後と言えば、最初のテスト勉強での英文を最後で回収したのもいい!
好きでしょ、あんなの。おお! ってなるに決まってるじゃないですか、あんなの。
それも含めて、もうドキドキバクバクな二巻でした。
元カレの話とか含めても、登場人物(特に恋愛にかかわる人)がいい奴なのが余計に幸せ感を増すなぁ、としみじみ思います。
普通、元カレ云々の話なわけですからもうちょっと重くなると思うんですよ。でも、それがどんよりとした重さじゃなく、幸せにつながる重さになっていたなぁ、と。
三巻以降では、黒瀬さんとの仲直りとかも見れたりするのでしょうか……。
致死量の幸せ感を、ぜひ続刊して放ってほしいです。
それでは本日はここまで。
感想が取り留めないのはご容赦を。読んでから少し間が空いてしまったのです……。
それでは、読んでくださってありがとこーざいました!
「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 16」
こんにちは、とこーです。
今回は俺修羅16巻を読んだので感想を書いていきます
さて、いきましょう。
今回は、まさに15巻の続きであり、カオル/リとの物語であったように思いました。
そもそも15巻の表紙の衝撃的なデザインに惚れて一気に読んだ、今作。カオルが一番好きなキャラな私にとっては、すごくよかったです。
物語は前巻の続きから始まりました。
前巻で真涼の残した色んなものに鋭太たちが翻弄され、されど当の真涼は学校に現れない。
そんな状況のなかで、改めて自演乙のメンバーが話し、団結する姿はまさに最高でした。
ここまでハーレムを深く描くか、としみじみ思わされる作品でもあります。
そんな彼ら彼女らと、鋭太を取り巻く学校の人々にジワジワ迫り来るのがカオル/リでした。
もはや、「なんかすごそう」感を出しつつ、カオル/リに操られてる夏川父さん……
でもカオル/リ、マジで怖くてビビります。これラブコメなん? バトルものじゃない? と疑うレベルです。
そしてカオル/リの魔の手はとうとう姫香へと。
LGBTに該当する彼の心の中の複雑さは納得できることでしたし、すごく胸が締め付けられました。
が、何よりくるのはそういったカオル/リに対する鋭太の態度。
終始、「親友だ」と叫び続ける鋭太は、もうめちゃくちゃよかった。友情とか卓越した何かがここにありました。
真涼を助けに行くところでのあれこれも、もうやばい。
まず、生徒会長クンよ。もうそっから、すごく胸に来ました。そこから鋭太が気づいて、馬鹿みたいに動いていくところとかももう超いい。「いや、リアリティ」とか言ってはいけないですね、これ。それ言うたら舞台設定からして、「あるかボケ!」ですし。
猪突猛進っぷりはもちろのこと、中二の頃に戻って進む姿もまた、かっこいい。
カオル/リとのやり取りなんか、死ぬほどダサくて死ぬほどかっこいいっすね。
ここまでダサいのにかっこいいって思えるの、久々かもしれないです。
で、そこまできてラストのラスト。
ついに登場する、真涼。
もはや、完全なるラスボスな悪魔がいました。ヒロインがラスボスという、ほんとマジでバトルものかよと言いたくなるレベル。
次回、あるいは次次回がラストということでどうなっていくのか楽しみです。
恋愛アンチの彼女との物語はどこに収まるのか……。
と、今回はここまで。
最近文章書いて無さすぎて、マジで文章力がやばいですね、はい。
でも面白かったので、そこを理解していただければ!
それでは、読んでくださってありがとこーざいました!
「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーニャさん」感想
こんにちは、とこーです。
今回はロシデレの感想を書いていきます。
それではいきます。
この作品は小説家になろうにて短編が投稿された、いわばweb発ラノベでした。
その一方でその内容は書籍化に合わせて完全一新という、本当に力のこもった作品だなぁと思います。
そのテーマはズバリ「ロシア語でデレる」
もうこれに尽きるわけで、その軸をうまーく描いていたように思います。
序盤、この作品のチュートリアルかのようにポップな会話劇とアーリャとのやり取りが続きます。ここの軽妙さは甘すぎて持たれる感じではなく、なのに時折ニヤってして面白い。
しかもこれを三人称でコメディな感じ進めていくため、本当に読みやすいという仕様になっております。
かと思えば中盤に進むにかけて、キャラへの厚みも増し始めます。
アーリャと政近の、昔の話。
これはこの2人に「結ばれて欲しい」と思うに足る、とても心地よくて綺麗な話でした。
そこからは嫌味にならない程度に政近の能力を描いていく……というのも、主人公至上主義たる私には最高でした。
幼なじみが実は妹、ということが明かされて「あ、これハーレムじゃないのね」と改めて理解したところで、今度は政近のちょい重めなストーリーに突入します。
そこで描かれる話もまた、読んでいてとてもいい。正直、もっとただただロシア語でデレるだけの話だと思っていたので、ここまで深く掘るのには驚きました。
その後会長と話して色々と考えを改めたり……という流れからの、一連のイベントはラブコメ以上に青春モノのそれでした。
こういうの、好きよ。ヒロインが困ってるところに駆けつける主人公! 超良き。
それからその後の、見開きの挿絵もナイス。角川スニーカー文庫さん、ほんと挿絵の使い方が上手いなぁ、と思います。
全体的に、かぐや様は告らせたいっぽさがあるなぁと感じたのは私だけでしょうか。というか私が作品を知らなすぎるから、語彙力がないのでしょうけど。
でも、実際それっぽさがあるように思います。コメディで始め、盛り上げのポイントはきちんと押え、その上でベースは甘さをきっちり用意する。
この巧みさはマジでよかったですし、今後も読み進めたい作品だなぁと感じました。
というかこれ、今後がもっとすごいでしょ。
政近が昔会った女の子のこととか……ねぇ?
続刊楽しみなので、ぜひ売れて欲しい1作です。
以上、感想でした。
それでは今回はここまで。
読んでくださってありがとこーざいました!
「ホヅミ先生と茉莉くんと。Day.1 女子高生、はじめてのお手伝い」感想
こんにちは、とこーです。
今回は「ホヅミ先生」を読んだので、感想を書きます。
ただし今回、過去最高レベルで超駄文な感想になると思うのでご容赦を。
それではいきます。
この作品があってくれてよかった、と心から思いました。
まずは一言、そう書きたいです。
いきなり私的な話になってしまうんですが、実は最近、どうにもラノベを読んでも楽しめないって日々が続いていたんです。目が滑って、意識が散って。
何も楽しいと思えなくなっていて、ちょっと本気で不安でした。「もうラノベで心を動かされることがなくなっちゃうんじゃないか」って。
でも、この作品を読んでいたら自然と泣けました。心が動かされて、物語に引き込まれて。ずっと読んでいたいって思えました。
思えたんですよ、久々に。
それくらいにこの作品は凄くて、優しくて、幸せなお話でした。
さて、少しずつまともな話もしましょうか。
この作品、私は当初「あー、またこういう系か」と思っていました。いや、いいですよ、こういうまったり日常を描く系。でも、食傷気味だったんです。だから当日には買いませんでした。
でも、Twitterを見ればちらほら絶賛の声が。葉月文先生の作品はこれまで読んでこなかったのですが、Twitterの声を見ていて、加えてたまたま見かけたnoteを読んで、気になったわけです。
まず、試し読みをば。
そうして読んで、驚く程に読みやすいことに気づきました。なんだこれ? 面白いし、綺麗だし、シンプル。意味わからんくらい読みやすくて、即座に購入。
かくして読み始めました。
一貫して感じたのは、息を飲むほどの心地良さ。こんなに綺麗な文を、私は日常系ラブコメで読んだことがありません。私の見聞が浅い、というのはあるんでしょうが。
綺麗で、でもその綺麗さが堅苦しくないんです。よくあるじゃないですか、文学とかで。「綺麗なんだけど、迂遠すぎて読みにくい」みたいな。それがこの作品は、一切ない。
むしろ綺麗で尊い一つ一つの文章に、目が通り過ぎてからやっと気づくくらいの、自然さ。
だというのに、ですよ。そうして綴られる美しくも自然な文章の中に、確かに強さが顔を出すんです。軸のような、染みに染みたおでんの大根みたいな、胸にずんと響く言葉達がいたんです。
もう、その日常だけで終わってもいいと思える作品。
だというのに、この作品はそこで終わりませんでした。日常に確かな起伏を持ってきたのです。茉莉がいなくなってからのラストスパートは、圧巻という他ありませんでした。
読んだ方ならわかるでしょう、あの手紙のところ。
ストーリーや文章だけじゃない、演出すらも作り込まれていて、幸せで仕方ありませんでした。
手紙を見たホヅミ先生がとる行動も、すごく好きです。
何もかもが尊くて、ぎゅぅっって心を掴まれました。
正直に言うと私、文字を大きくしたりとかする演出ってあんまり好きじゃなかったんです。
なんとなく冷めてしまうところがありまして。
でもそんな私が、むしろその演出に拍手喝采を浴びせたいほどに感動しました。
フォントを変え、サイズを変え、シミを作り……紙で使える最大限子表現が駆使されて、すっごく胸が打たれました。
繰り返して、言いましょう。
この作品があってくれてよかった。
下手をすれば、今この作品を読まなければ私は読書が嫌いになっていたかもしれませんでしたから。
この作品は、2巻の発売も決まっているそうです。
Twitterでの評判も上々ですし、「そりゃそうだ」って感じですかね。
今年の夏……うわぁ、くっそ楽しみ。
本気で推せる作品でした。
それでは今回はここまで。読んでくださってありがとこーざいました!
「僕が答える君の謎解き 明神凜音は間違えない」感想
こんにちは、とこーです。
今回は連れカノの作者、紙城先生の新作を読んだので感想を書きます!
それではいきます。
この作品はミステリーです。学園ミステリーだ、といっていいでしょう。
但し普通と違うのは、既に犯人が判明しているということ。つまり「答え」だけが出ており、「途中式」にあたるものがどこにも介在していないわけです。
そんな中で、推理の道筋を導き出す。そういうストーリーでした。
特筆すべきはこの、「推理の道筋」という点。
答えを元に、ただ証明すればいいわけじゃないんです。
どうして答えにたどり着けたのか?
その問へのアンサーを出すわけですから、答えが出た瞬間に提示されていない事実は証拠として使えない。
つまるところ、複数有る解法のなかから使われた解法を選ぶようなエグさなわけです。
ミステリーは読みなれていないので、ミステリー自体の質については分かりません。が、明確にロジカルが積み上がっていく感じはとてもよかったです。
明らかに、他の推理とは「推理」の種類が違うんですよね。見るポイントが違う。
対面するのは、謎ではなく、既に解を出した明神凜音なのです。
その姿は、作中で言われているところの「弁護士」らしいですし、何より、「ミステリー」ではなく「ラブコメ×ミステリー」たるに相応しく感じました。
と、頭良さげなことを言ったところで、もう少しライトなお話を。
まずね、主人公が推せるんですよ。好き。推定無罪の原則を掲げる、弁護士志望。なんだか、彼の姿がものすっごい好きですね。
だからこそ、3話ラストではグッと引き込まれました。
ヒロインである明神凜音も可愛いこと。
もちろん、ラブコメ全振りな作品ほど甘さやニヤケはないんですよ。
でも、魅力的でした。ミステリーにふさわしい、心地よい程度の関係に思えます。
会話のテンポといい、設定といい、エンタメ力がむちゃくちゃ高いストーリーであるように思えました。
作中で扱われている謎は3つでしたし、もっと読みたいです。実際、既にシリーズ化は決まっているらしいですしね。
そんなわけで、ミステリー初心者でも普通に楽しめる作品でした!
それでは今回はここまで。
ミステリーとか読むと、頭よかったらもっと楽しめるのかなぁ、とか思う今日この頃でした。
数を読めば、慣れてくるのでしょうか……。
ともあれ、読んでくださってありがとこーざいました!
「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。」感想
こんにちは、とこーです。
諸々が忙しく、ブログ更新出来ずにいたのですが、今日はどうしても「このタイミングで書きたい!」と思った本がありましたので、感想を書いていきます。
そう、発売からジワっていたこの作品です。
2巻が3月発売らしいですからね。今書かねば、いつ書くという話ですよ。
それではいきます。この作品を読むことを決めたのは、ふと、Twitterでのこの作品の評判を思い出したことがきっかけでした。
無茶苦茶バズったわけではなく、でもよく考えるとTLに流れてくるのは「売れて欲しい」という声ばかり。
でもでも、タイトル見るに「うーん」って感じじゃないです?
陰キャ主人公×陽キャヒロインのラブコメって、なんか飽和してるじゃないですか。
「どうせ経験済みって言っても『そう噂されてる』とかなだけなんでしょ?」
とね、思ったわけですよ。
あるいは某作品のように、やむにやまれぬ事情があって、半ば体を売るように「経験」しなきゃいけなかったんじゃ、とか。
でもね?
この作品は違うんです。
もちろん、先述したようなストーリーが悪いとは言いませんが、この作品は、私にはとても「しっくりくる」ように思えました。
ヒロインの白川さんは、元カレがいて、ちゃんと「好き」だと思って付き合っていました。
序盤の、主人公が告白したあとの一連のやり取りから、彼女が決して尻軽なわけではなく、その名の通りホワイトな女の子なのだと感じました。
そこに、ギャル・白河月愛は生きていたのです。
主人公とも、罰ゲーム感覚だったり、遊び感覚で付き合った訳ではないように思えます。
あくまで、告白されて「好き」になったから。
もちろんその「好き」は薄っぺらいものなのかもしれないですが、それでも二人の関係は紛れもなく「好き」から始まっているわけで。
そこから、主人公を喜ばせようとする白河さん。この一途さも、きゅんとくる。
多分、「都合がいい」と思われてしまう白河さんには、人が良すぎるゆえのポンコツさがあります。そんなところが愛らしく、だからこそ、主人公の人物像が引き立っているように思えました。
序盤、部屋で「経験」しそうな流れになる主人公ですが、何だかんだ、彼はものすごく迷っていました。
後日、ちょいちょい後悔したりもしてて、そういうところはすっげぇダサく感じます。
感じるけど、でも好きになれました。
等身大。
ええ、そう言いたくて仕方ありません。
実際の高校生にこんな人がいるのかは、分かりません。私は学生ですが、あまり人との関わりがないので。
でも、ここにいるんです。
本の中に、加島龍斗という男の子が、いるんです。
可愛い女の子に「触れたい」と思って。
エッチさせてもらっておけばよかったとか、みっともなく後悔して。
そのくせヘタレだし、自信がなかったり、微妙に悩んでて。
けど、確かに「白河月愛のことを好き」な加島龍斗がそこにいました。
そういう目線で、読み終えてから、ふと最初を読んでみました。
何故でしょう。
胸に満ちるのは、「好き」という気持ち。
これを、「甘々」って言葉で処理したくありません。
裏表紙を見れば、「きっとステキな気分になれるラブストーリー」とあります。
なるほど、と。
確かにこれは、ステキな気分になります。
ニヤニヤしました。ほっこりしました。そして二人を、応援したくもなりました。
この作品、あくまで個人的にはって話ですが、「自分陰キャだけど彼女ができたよ」って人に刺さる作品なように思えました。
恋愛の「あるある」が詰まって──と書こうとして、それは違うな、と思いました。
恋愛のあるあるとは、多分ちょっと違う。
けど、うんうんと頷きたくなる葛藤があり、読めばきっと主人公と共感しながら駄べりたくなる気がします。
タイトルから見て、「経験済み」ってことから黒い歴史に触れていくのかなぁとか思っていたんですが、少なくとも一巻ではそうではありませんでした。
とはいえ、今後2人が仲良くなればなるほど、問題も出てくる気がします。
2巻も発売するそうで、続きが気になる限りです。
何気に、黒瀬さんのことも好きだったりする私とこーですので。
黒瀬さんと白河さんが仲良くなるっていうのは、物語のキーになりそうですもんね。
それでは今回はここまで。
未読の方は、読むべき1作だと思います。もちろん最近の「一対一の純愛ラブコメ」要素は強いのですが、そういうのに飽和気味な私が好きになれましたので。
2巻だけじゃなく、末永く続くシリーズになることを祈りまして!
読んでくださって、ありがとこーざいました!
「弱キャラ友崎くんLv.9」感想
お久しぶりです、とこーです。
ここ最近は偏読家として、感想を書けるラノベに出会えていなかったのですが、今日は別です。
友崎くん、9巻!
読みましたので感想を書いていきます
いきます。
8巻から続いた今回、早速、菊池さんとのあれこれがありました。
一見するとただ被害者だったように見えた友崎くんも、諸々の行動を思い出し、強く反省する事態に。
それからあれやこれやとあるわけなのですが(雑)、これ、読んでて本当にすごいと思ったんですよね。
だってそこらのラブコメなら、作中で言うところの「形式」を重視して、はい終わりって感じなんですよ。
あるいは友崎くんが好きって言った時点で、全て解決って感じです、絶対。
でもそこを深く掘って、解決したように見せてもまだ歪みが残って、むしろ深みを帯びて露出し始めて、ぽつぽつと友崎くんが自分の業に気づいていくわけです。これまでもそうでしたけど、色んな人から話を聞いて、自分の考えと照らし合わせて、道を切り開いていく感じ。
ジンジン胸に響くんですよね、こういうの。
そしてその業は友崎くんだけじゃなくて菊池さんも抱えていて、多分、2人とも結構「めんどくさい」って見えるような人間らしさが出てるんですよ。
このね、恋愛へのリアルさというか(リアルさ≠現実にある)が、超好きでした。
というか、正直、今回の友崎くんは超面倒くさい。
梃子でも日南のことを諦めないし、「やりたいこと」を掲げて離さないし、悩んでるし。
でもそうやって自分のことに悩んで、けどその悩みが「やりたいこと」の多さとかで悩んでるあたりが、友崎くんが成長したんだなぁと実感したりしました。
アタファミ関連のことも、結構印象に残りました。
操作するキャラを「キャラ変」して、その方が強くなれると宣うnanasi。このかっこよさとか無邪気さみたいなものにぐっとくるんですが、それよりもその後の日南とのやり取りの方が「うぉ……」ってなりました。
個人的に日南推しなので、超いい。彼女とかとは違う、本当に戦友なんだなって実感するシーンでした。
だからこそ最後のアレは、胸をえぐられました……
「キャラ変」していたのは、日南だった、という事実。
てっきりnanasiに自分を超えて欲しいとかそういうものだと思っていたので、絶句しました。戦友がほしいわけではなかったんですね……
寂しくても平気って言葉もありますし、家族にも仮面を被っている事実もそうですし、本当に日南は……(語彙力)
友崎くんと水沢。2人がどう関わっていくのかが気になります。
それとは別に、友崎くんはむしろ「強キャラ」だという指摘も、個人的には物凄く胸が揺さぶらました。
「弱キャラ」というタイトルだからこその、このエモさ。
そしてタイトルでいえば、6,7章のタイトルのクリティカル具合も凄かったです。
特に6章。今後、ゲームやってたら思い出しそうな気がしてしょうがないです。
と、乱雑な文になりましたが、今回はここまでで。
超良かったのですが、感想を書かなすぎて語彙力死亡という申し訳なさ。
ともあれ、10巻がものすごく気になります!
時期的にも、日南のあれこれが変わったところで完結なのでしょうか。それとも、その先での人生攻略も?
あと個人的に、本性日南と菊池さんの言い合いとか見てみたい気がしましたね。
それでは読んでくださってありがとこーざいました!
2020年末を飾るとこー的最強ラノベ
こんにちは、とこーです。
もうすぐ今年も終わりですね。
今回は今年の振り返りと、今年を振り返る意味で現時点で激推しした作品をご紹介したいな、と思います。
まずは今年の振り返りから。
と言っても、完全にコロナウイルスのせいで予定が狂ったなぁ、という感じがあります。気付いたらもう、今年が終わっていましたからね。
ただ、今年の初めにはこのブログの総閲覧数が1万を越えられるように頑張りたいなぁと思っていたので、その点は目標達成でしょうか。読んでくださった方、ありがとうございました。
あとは、「このライトノベルがすごい!2021」の協力者としてアンケートに答えさせていただきました。偏読家として申し訳ないような気もしましたが、おかげで物凄く世界観が広がった気が致します。
あとは特別のことはなかったですね……はい。
ということで、もうライトノベルをオススメしていきますね。
今回は、物凄く印象に残っている4作品と、来年に向けて楽しみにしている新刊をご紹介します。
1.千歳くんはラムネ瓶のなか
言わずもがな、昨年から大好きだった作品です。
しかし、今年になり、コロナ禍で臨時休校になっていた際に出た3巻には、物凄く救われたように思います。
2巻までしか知らなければ、もしかしたら私は今ほどこの作品を推していなかったかもしれません。そう思えるほどの、3巻以降の凄さ。現在1,2巻は無料で全部読めちゃうキャンペーン中なわけですが、そこで「うーん」と思った方も、ぜひ3巻を読んでいただきたいです。
2.継母の連れ子が元カノだった
今年の2月の、メロンブックス様で行われましたノベル祭りの際に思い切って買ったシリーズでした。
にやけまくりたい系作品としては、卓越していると思っている一作です。視点移動や展開の盛り上げ方、挿絵の入れ方等、演出力がずば抜けていると思っております。
中でも、4巻。これは確実に人生のパズルのピースになる、無茶苦茶いい話でした。
3.カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれてます
ちょこちょこと、噂では聞いていたこの作品。
先日満を持して読んでみて、息を飲みした。完全に物語の中に引き込まれました。web小説発ならこの作品が最強、と感じるレベルです。
何よりすごいのは、作品世界内でのリアルさ。読んでいると、こんな日常が絶対にどこかにあるような気がしてしまいます。雰囲気も大好きで、読んでいてとにかく心地よかったです。
4.現実でラブコメできないとだれが決めた?
ラブコメを作っていくスタイルの、この作品。今年の新作ということであれば、1番、好きな作品かもしれません。
主人公の狂気やパロネタによって繰り出されるコメディ調はもちろんのこと、男の子ならみんな大好きでしょって感じの頭脳戦や、スポ根レベルの熱い展開まで詰め込まれており、やりたいことてんこもりセットという感じがします。
まだ作品は2巻であり、物語としては今後どんどんステップを上がっていきそうな予感がするラブコメです。
と、それではここからは楽しみにしている作品を。
1.絶対にデレてはいけないツンデレ
タイトルからして、もうヤバそうな雰囲気のある作品。
試し読みをしてみた感じとしても、文章は綺麗かつテンポが良く、物語としても面白そうでした。
何より、イラストがいいですよね。この秋の感じ。そして、主人公至上主義な私が満足できるくらいには、主人公も好きになれそうな雰囲気がぷんぷん漂っています。
発売は1/9、電撃文庫から。
2.男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)
こちらも、1月発売のラブコメです。
ずばり、男女の友情を描いた作品と言える気がします。試し読みしてみたんですが、書き出しがすごく良かったです。割と軽く友情のところは流すのかなぁという気もしてましたが、書き出しからして、単にそれだけってことはなさそうですね。
あとは、会話のテンポ感。これが、割と私にはしっくり来ました。
主人公も魅力的でしたね。しっかり主人公にも個性があって、主人公至上主義としては満足できそうです。
また、イラストが素晴らしい。この作品読んでて、青髪の良さに目覚めましたよ。
これは売上次第で続きそうですし、1巻から売れていって欲しいなぁと思うところです。
発売は1/9、電撃文庫から。
3.幼馴染で婚約者なふたりが恋人をめざす話
こちらは、2月発売のラブコメ。タイトルから見ても分かるように、甘々系のラブコメであることは間違いないです。
個人的に、甘々系は食傷気味な部分もあるのですが、タイトルとあらすじの魅力に惹き付けられました。試し読みしてない時点では未知数ではありますが、最近のHJ文庫のラブコメは結構期待できる気がするので、楽しみにしております。
発売は2/1、HJ文庫から。
4.継母の連れ子が元カノだった6
なんと言っても、今1番楽しみなのがこれ。
前述した連れカノの最新刊なわけですが……先日公式Twitterアカウントでアップされていた表紙の一部が、もういいんですよ。
見て一瞬で大正ロマンに目覚めたくらいです。
そしてそして!
サブタイトルが「あの時言えなかった六つのこと」らしいんですよ。
4巻で結女が、5巻で水斗がプッシュし始めた中での、このタイトル。ワックワクっすよね。
しかも舞台は文化祭。文化祭って、もうどの作品でも神回じゃないです??
そんなわけで、楽しみさが溢れますよ、本当に。
発売は2/1、角川スニーカー文庫より。
番外.千歳くんはラムネ瓶のなか(コミック)2
こちらはラノベではないのですが、大好きなチラムネコミカライズの2巻ということで。
何か特典もあったりするのかなぁ……と期待しつつ。
個人的には、漫画って実は苦手な部類なのですが、この作品はチラムネのコミカライズということもあって楽しめております。むちゃくちゃヒロイン可愛いですしね。ですので、むちゃくちゃ楽しみです。
発売は2/5、ガンガンコミックスUP!より。
この他にも、春に発売予定のチラムネ次巻やカノうわ4巻、2月に控えているメロンブックスノベル祭りなどなど、沢山楽しみなことがある来年。園生凪先生の新作もほしいなぁとか思ったり思ったり思ったり……。
私個人としても、もう少ししたらよさげな告知が出来たりするかも……と期待しております。
またそれとは別に素で受験ですので色々と不安も残っております。一応指定校推薦が貰えそうではあるのですが、このご時世、何があるか分かりませんから。
ですが!
不安も、ワクワクも楽しんで行けるような2021年にしたいな、と思っております!
そうしてくれるだけのパワーが、ライトノベルにはあると信じているので。
ということで今年はこれで最後の記事となります。
皆様にとって今年が幸多き年として終わり、来年が幸多き年となりますようにお祈りしております。
それでは、読んでくださってありがとこーざいました!
「カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています」1~3巻の感想
こんにちは、とこーです。
本日はちょこちょこ評判を聞いていたカノうわ既刊を読みましたので、感想を書いていきます。
それではいきます。
端的に一言。
やばいですわ。
今まで読んでなかったことを悔いるくらいには、この作品はすごかった。
正直にいえば、WEB発ラノベの最高峰だとすら感じました。
恋人に浮気され傷心のところに、ヒロインが登場。そこから甘々な話が……というのは、WEB小説には多いですね。詳しくは無いので分からないのですが、この作品がその先駆けだったり?
まあそこは根拠がないのでいいとして。
この作品の特筆すべきは、異様なまでのリアルさだと考えています。
以前なにかの本で読んだのですが、人は「非現実」に対して、現実よひもリアルさを求めるそうなんです。
その意味でこの作品は、あまりにリアル。大学など知りもしないくせに、「ああ、これはリアルだ。これが大学生だ」と思い込まされ、引き込まれてしまうのです。
そして、「付き合う」という関係性や男女、人間関係の描き方。
誤解を恐れずに言うのなら、私はこの作品を”毒”だと思います。あるいは、全てを狂わす不良品の歯車。これは、この作品が劣っているというわけでは決してなく、あまりにもこの作品に引き込まれてしまうからなのです。
ストーリーには、ずば抜けて大きい起伏はありません。ただ、日常がある。だというのに、その日常にある起伏が、まるで腫れ物のようにしてつっかえ、ストーリーを膨らませていくのです。
1巻、2巻はまだ「日常描写が上手い」という意味で引き込まれただけでした。
でも元カノとの交わりを描く、3巻。
薄々気付いていましたが、浮気は実際に浮気と言えるか微妙なラインで。
そういう意味で、主人公はクズとも言えるわけです。
でも「クズ」だとか、そういう感想を抱けないんですよ。
2巻の後のこれで、主人公の思考も少しずつわかるようになってきての3巻で。
誰のことも恨めない。というか、恨む恨まないじゃないです。引き込まれているのに、あくまで読者として世界を俯瞰させられているような感じなので、ただ「どうなるのか」と興味だけが引き立てられていくんです。
そういう意味で、この作品は私が出会った中で最も近く最も遠い、冷たく温かい作品と言える気がしました。
今回はここまで。
ストーリーに大きく触れたわけではなかったですが、良さを思い切り書けた気がします。
この作品を見つけ出すラノベ読みの皆さんの眼は、本当に尊敬します。
これからも末永く、4巻以降も発売することを祈ります。
それでは、読んでくださってありがとこーざいました!
「現実でラブコメできないとだれが決めた?2」感想
こんにちは、とこーです。
今日はラブだめ2巻を読んだので、感想を書いていきます。
それではいきます。
今回はラブコメができるクラス作りを目指した、ラブだめ2巻。
端的に言うと、これむっちゃずるいって思う作品でした。
序盤、7番さんとの打ち合わせとともに、怒涛の「頭おかしいのでは?」ラッシュ。空気を可視化とか、マジで本格的に「ラブコメ? は?」ってなりましたよ。
しかもそれに7番さんのお母さんも協力とか、もうやることなすこと、笑うしかない。そろそろ、主人公チートやん、と思ってくるレベルです。
そうして戦略的にやっていく様は、さながら頭脳戦。それこそ作中でも明らかに出ていたよう実じゃないですけど、そういうレベルですよね。
だというのに、です。
だというのに、この作品はそこで終わらない。乱立する伏線、カオス極まる状況。その核にあるのは確固たる青春ラブコメなんですよね。
1巻でも感じましたけど、2巻はクラスメイトが出てくるから尚更。
色んな人物の思惑が絡み合う状況の中で、勝沼の謎に近づいていくストーリーは、無茶苦茶いい。
そして、そんな中でも決して勝沼さんを排斥しようとはしないって言う長坂が、くそ好き。マジでラブコメに真っ直ぐすぎるというか、ほんと愛すべき馬鹿です。
でもって、終盤。
勝沼さんの謎を解き明かし、そして事態の解決へと動くその流れ。あれがもう、いい。
頭脳戦なんて「知るかボケ!」って感じで「ラブコメこそ最強」とばかりに突き進むのが、マジでアホすぎるヒーローって感じでよかったです。いやもう、ヒーローとも呼ばないくらいに泥臭くて熱かったかもです。
結局、ずるいのはそこなんですよ。
長坂はただただ、情熱で突き進んできるだけ。そして周りの賢い人物は動いているんだけど、その動きすら取っ払うくらい明後日の方向で突き進む、という。頭脳戦とも言えるし、スポ根とも言えちゃうし、ラブコメだし、というのがやばい。
そんななかでも好きだったのは、3箇所。
熱さでいうと、まずは7番さんが、長坂と清里さんが話しているところで「己を貫け」ってくるところ。あそこの、相棒感がやばい。好きすぎる。
で、一方の勝沼のシーン。
もう終盤全般やばいんですけど、あのゴミを集めたあとの堂々とした立ち姿がすごい好き。
で、ですよ! その後の、長坂の流れ。あれもう全部好き。全力で空回るところとか、1000回も土下座の練習してるところとか、正真正銘、良い奴だってところとか。
とことんラブ&コメでした。
加えて、勝沼さんの変貌ぶり。もう、がっつりヒロインじゃないですか。あの流れからのあの挿絵、最強ですよ、絶対。
またまた、7番さんの方も、色々と「ん?」と思うところがありました。やっぱり別のクラスって時点でなかなか難しい面がありますし、今後どうなっていくんでしょうか。
まだ誰もが長坂に対して明確な恋愛感情持っていないあたり、ハーレムでもないし……いやこれほんと、どうなるんでしょうね。7番さんと勝沼さんが絡む日があるのか???
にしても、他にもどんどん伏線を敷いてました。
生徒会の日野先輩にも何かありそうですし、メインヒロインである清里さんはもう、どこぞの魔王レベルでした。いや、あの最後のイラストは日南さんを笑えないレベルでは?
長坂のやることなすことが読めない、ストーリーも読めない、キャラの思惑も読めないという、本格的にトリッキーなこの作品!
2巻も超期待通りなので、早く3巻が読みたい所存です!!
長くなりましたが今回はここまで。
読んでくださってありがとこーざいました!
チラムネ語りしましょうか。
こんにちは、とこーです。
本日はそういう気分となったので、チラムネ語りをしますよ。
それでは行きましょうか。
「千歳くんはラムネ瓶のなか」通称チラムネはただ読んでもよし、深読みしてもよしの最高の作品だと思っています。
そこで今回は、未だ表紙となっていないヒロインである優空ちゃんと5巻について、深読みします。深読みなので、悪しからず。
1)時系列整理とそれに伴って生じる疑問
この作品は、朔の2年生4月からストーリーが始まります。
しかしながらどのヒロインも、その以前から朔との関わりがあります。そこで、まずは時系列を整理していきたいと思います。これについては、優空だけじゃなく、朔にまつわるところ全般を拾っていきます。
①1年生・入学式から数日経ったある日
……掲示板に朔の名前が書き込まれる
②1年生・4月
……朔ら10人の1年生が野球部に入部
③1年生・5月-6月に差し掛かるところ
……朔ら打線の主軸に定着
④1年生・6月中旬
……野球部の歯車が狂い始める
⑤1年生・7月中、下旬
……野球部予選。この際、陽は千歳くんの姿を見て、朔を見直している
⑥1年生・8月最終日
……朔、野球部退部を決める。翌日退部
⑦1年生・9月
……明日風と出会う
⑧1年生・二学期くらい
……優空がリア充グループと行動するのが当たり前になってくる
①と②の前後関係については分からないところです。
また、⑧に関しても具体的にいつ頃なのかは分かりません。加えて二学期以前から徐々に垢抜けてきていたとの描写があります。
ここで、時系列を見て疑問点が生じてきます。
a:夕湖が朔を「ヒーロー」と呼ぶ所以となる事件(?)はいつ起きたのか
b:優空が朔にまつわる事件(?)はいつ起きたのか
c:優空が垢抜けてきていた理由は何か。
bとcは二アリーじゃない? とお思いなるかもしれません。
しかしながら、1巻において夏休みの試合の頃には優空と朔は「いまみたいに仲よくなる前」でした。
ですが、二学期前から垢抜けてきていることから、必ずしも朔との事件(?)と優空が垢抜けてきていた時期をイコールで繋げることができるとは言えないと思います。
さて、ではこれに様々な参考文献(SSとも言う)を照らし合わせてみましょう。
コミカライズ1巻と原作4巻の同時購入特典のSSつきクリアファイルより、優空と朔の過去の関係がみてとれます。
これを見るに当初は
内田さんとあなた。
そして優空ちゃんと千歳くん。
最後に今のように優空と朔くん。
と言った感じで呼称が変遷していると思われます。そしてコミカライズ1巻巻末のSSより、2人の最初の印象は「悪かった」、そして優空にとって「あんまり思いださせないでほしい」ことが分かります。
このことから、⑧に至るまでには何らかのことがあった、と考えるべきでしょう。
であるのならば、夏休みの野球部のことで余裕のない彼が、それを解決できたとは思えません。本格的に不味くなる前、夏休み突入前後も同様で、野球部の練習が忙しい彼が誰かとのいざこざを解決できるとは考えにくいでしょう。
だとすれば、その解決は二学期突入以降だと考えるのが妥当です。それも、彼の精神状態を鑑みれば、⑦以降だと言える気がします。
⑦▷⑧という時系列を確定、とここではしたいと思います。
この時、先程b・cで話題となった、優空が「垢抜けてきていた時期」と「2人が仲良くなり始めるきっかけ」は別の問題だと言えるでしょう。
或いは、「垢抜けてきていた」のは単に高校に慣れたからであって、理由がないという説もあります。ここに関しては難しいところなので、保留とせざるを得ないでしょう。
さて、これでひとまず時系列の整理が終わりました。
とはいえ、まだ何一つ問題については考察できていませんね。次に入りましょう。
2)前項《a》について考える
時系列を整理しただけで、疑問が生まれました。
ここではまず、前項のaについて考えてきます。
始める時に優空と5巻について語ると言ったのにどうして夕湖、と思われるかもしれません。しかし、作品を呼んでいただければわかるように、優空と夕湖というのは非常に密接に描かれています。だからこそ、優空の考察には夕湖が欠かせません。
正妻と目される、天然姫オーラのあるリア充柊夕湖。彼女は1巻表紙を務めており、健太との1件でも活躍しました。
その中で、彼女は朔のことを「ヒーロー」であると言います。「私のヒーロー」ですね。
何かがなければまず、同級生のことを「ヒーロー」とは呼びませんよね。ということは
何があったことは確実です。
さてではここについて、さらに生じる疑問をまとめましょう。
a-1:夕湖が「ヒーロー」と思うようになった事件と朔に惚れたこととの関係性
a-3:夕湖が「ヒーロー」と思うようになった事件はどんなものだったのか
a-4:夕湖が「ヒーロー」と思うようになった事件と「誰よりも私のことを雑に扱ってくれた」こととの関連性
ほとんど答えが出ないものであることは確かです。a-1については推測として「ヒーローと思うようになった時が惚れた時」であると言える可能性が高いですが、必ずしもイコールであると言えるかと言うと、難しいところでしょう。
正直、この辺りについては情報が欠如しています。
ただ言えることもあるでしょう。
野球部をやめる頃から明日風に会うまでの時点で、夕湖は既に朔のことを本気で心配していました。もちろん、友人としてそのように心配することもあるにはあるでしょうが、流石に時系列でいう⑦以降に夕湖との件があったとは考えにくい。となると、元の疑問であるaについては一定の答えが出せます。つまりは、夏以前ということ。
一方でa-1~a-3については答えは出せません。ただ分かることは
「何らかの問題が発生し、それを千歳くんは解決した。この際、朔は夕湖を特別扱いしなかった(=雑)。このことで朔に、惚れた」
ということ。
こうするとa-1とa-3は全く同じに思えますが「惚れた」ことと「雑に扱ったこと」が、同時期かどうかは確定できません。「雑に扱ってくれた」後に事件が解決して、あとから惚れたって可能性もありますから。
ただまぁ、今回のメインは優空と5巻です。
a-2の答えが少なからず出たので、それでいいかなと思います。
3)優空と朔
それではようやく本題に入っていきたいと思います。
優空──内田優空は作中において、最初に登場します。1巻の、あの挿絵は素晴らしいですよね。
そんな優空と朔に何があったのか。これを紐解いていくには優空に纏わる描写から考えていくべきだと思います。
なお、私は比喩諸々を考えると迷宮に入りすぎて迷子になるタイプなので比喩の考察はそこそこにしておくつもりです。
ではまず1巻。
優空は、朔が健太のところに行く際、真っ先に電話をかけていました。その理由については、コミカライズ1巻と原作者4巻の同時購入特典SSつきクリアファイルに記されていました。言ってみれば、「カースト」とか「千歳朔」について感覚的ではなく理窟で理解できる、みたいな感じでしょうか。それに加えて距離のとり方も上手いなど、努力型リア充の一面が押し出されています。
健太に対しても包容力抜群で接する優空。亜十夢らに絡まれている健太を頑張って助ける姿も描かれました。ここで、朔はぷちぷちに優空をたとえています。
またこの1巻の出来事のなかで、メロンブックスノベル祭り特典SSアンソロジー第1弾の「下校時のこと」が描かれています。ここで朔と優空の家が同じ方向であることが書かれていたり、1巻の時点で「同じ理由で徒歩通学している」ということも描かれていたりしているのが個人的にはポイントだと思っています。
ちなみに優空は勉強が得意な様子。描写としては僅かですが、学年トップ級だとは思われます。
1巻と2巻の間
2巻とらのあな特典のSSより。
優空が、朔たちが1巻で健太のオタサー時代の友達を撃退(?)したスタバに訪れます。この際に、優空と朔は「普段お互いが飲んでいるもの」を飲んでいるのがポイント。
2巻。
悠月との偽恋が始まった彼と真っ先に会ったのが、優空でした。彼女は悠月のことを心配する一方、それ以上に朔のことを心配しています。夕湖と共に朔のことを心配してはいますが……その心配は夕湖以上に見えます。とことん、その描写が多いです。
一方で、図書館での描写より優空が以前はメガネをつけていたこと、そしてその当時は見た目をあまり気にしていなかったことが分かります。
2巻と3巻の間。
ドラマCDのエピソードにて。
優空は朔に、スマホケースをプレゼントします。その種類も含め、朔の好みど真ん中をセレクトしています。
他のキャラももちろん色々な考えがありますが、その中で優空ほど「朔の好み」という点を意識している人はいないように感じられます。陽が少し近いですが、ベクトルの違いがあるでしょう。
またこの中で「色々」なことを「早く忘れてほしい」と言っています。この「色々」にどこまで入るのか、というのがポイントかなと感じます。
3巻
3巻における、優空の描写は多くありません。
ただ一方で、非常に優空の「日常」感が押し出されているのも3巻です。
下校を朔共にしている優空。その中で明日風と会い、朔が紹介もしています。
また、朔の家での話で、優空がたまに料理を作りに来てくれることも分かりました。
4巻
印象的なのはやはり、陽を混じえた3人でのやり取りの前後でしょう。PVにもある「はい、任されました。そのときはきっと、誰よりも朔くんの隣にいるから」という台詞は印象的です。
また他にも、「誰よりも私のことを雑に扱ってくれたから」朔との仲がいいのだ、と陽に伝えています。この際、何かを思い出して言っていることから過去になにかがあったことはまず確定です。
また、「ありがとう、私に気づいてくれて」という台詞もありました。この意味は朔自身にも分からず、終わります。
過去のこととして描写があるとすれば小さい頃からピアノやフルートを習っていた、ということくらいです。
さて、ここまでのことから分かることをまとめていきましょう。
まず、内田優空という人物が朔にとって実に密着的で日常的である、とは言っていいのではないでしょうか。
家の方向が同じで、共に同じ理由で徒歩通学。それゆえに、一緒に帰っていることも
多いのが2人です。1巻において最初に登場し、2巻においても七瀬たちと最初に出会います。そんな彼女は「日常」の象徴であると言えるように思います。
一方で、過去については明確に思い出したくないと考えているのも事実です。
そしておそらくはそんな過去で朔は「優空に気づいた」のだと思います。現在の優空はそこそこには華やかなリア充なわけですし、地味だった当時の頃だと思うのが自然ですよね。
ただ、ここから先が分からないのもまた事実。
過去に何があったのか。
彼女は過去に「気付かれない」ような存在だったのは確かです。1巻とかまでだと、単に「地味だった優空を健太の時のようにリア充にした」みたいな雰囲気にも思えたんですが、「気付く」という描写や呼称の変遷、当初は印象が良くなかったことなどを考えると首を傾げざるを得ません。
そこで考えるべきは5巻の内容だ、と私は考えます。もちろんこれは優空が5巻のヒロインであるという想定での話なのですが、その場合、まず間違いなく優空との過去の話も描かれると思われるからです。
4)5巻の内容から考える、優空と朔
これまでの1-4巻は必ず、1冊につきひと月が経過していました。もちろん作中で1ヶ月が丸々描かれるわけではありませんが、新しい月になるに伴って話が始まるというのが通例です。
この論理に則れば、5巻は8月、夏休みど真ん中の話となります。そしてこれは、このラノ2021!の裕夢先生のインタビューからも明らかでしょう。
夏休みとリア充とならば、当然話はいくらでもありますね。夕湖との夏祭りの話もありますし、水着回だって……と話が逸れました。
ともあれリア充の夏休みは話が多いことも事実。そこでまず予想として、夏休みのエピソードのうち5巻本筋にかかわらないストーリーは何らかの形で補完されるのではないか、と思います。ssはもちろん、ドラマCDや短編集など方法は幾らでもあると思いますから。
その上で、それでもやはり5巻は夏休みらしくチーム千歳が揃うシーンが多くなるのでは、と思います。
何故か。5巻が優空とのストーリーなのだとしたら、何らかの形で優空の地味さや身近さが押し出されると思うからです。
1年生の夏休みには、優空はチーム千歳にいませんでした。それどころか朔に「気づかれて」もいません。それが2年生になって、隣にいられる。そんな展開はエモいですよね。
その中で思い出を語る感じで2人が1年生の頃に起きた話を……というのはありえそうです。
が、まだ話は見えてこない。
そこで、もう少し夏休みという部分にフォーカスしてみましょう。
夏休みには様々なことが起こります。
たとえば、2年生の夏といえば受験の天王山だという見方もあるでしょう。
また夏休みには家族と過ごす時間も多くなる気がします。帰省だってある季節ですよね。
さて、ここまで言うと分かっていただけるかもしれませんが私は5巻は家族の話かな、と妄想しております。はっきり言いましょう、妄想です。考察混じりの妄想なので外れても「だよね」くらいのテンションでいきましょう。
5巻が家族の話である理由はいくつかありますが、その前提として語るべきはこれまでの1-4巻を思い出していくべきです。
どの巻においても言えることは、朔と誰かが「交差」し「相互理解」を深めていくことにあると思います。
特に4巻なんかは顕著で、朔と陽の交差具合が凄いですよね。あの視点の切り替えとか、ヤバいです。
そこで5巻。
優空と朔はどう交差するのでしょう?
少なくとも朔は、野球部とも蹴りをつけ、割とスッキリした状態にいます。
その中で問題が起こるとすれば何があるでしょう。
そう考えた時に、家族の話になるような気がするのです。
でも朔の家族の話ってそんなになくない?
という方、2巻や3巻を是非ご覧になってください。
朔の家族には父と母の他に、もう1人誰がいるんです。しかもその人は「厄介」。
東京で明日風といた時にも野宿と二択じゃないと行きたくないくらいに嫌がってはいるものの泊まるあてがないわけじゃないと書いていますし、そのもう1人の家族が東京に住んでいるっていうのは確実のように思います。
だからこそ夏休み。
その人が帰省したことを契機になにかが起こるのでは、と思うのです。
では、優空は?
優空については家族の描写ってないですよね。
ただ小さい頃から楽器を習っていたという点、勉強ができる点などをみてみると、結構いい家柄(あんまりこういう言い方はしないかもですが)の生まれなのでは? という気がしなくもないです。
まあ、これって流行りでもある聖女系甘々ラブコメの思考って感じはしなくもないのですが。
でも料理をたまに作りに来てくれて、勉強できて、包容力があって……って結構そんな感じがしなくもないんですよね。
何より、そういったいい家柄の話だとすると、福井っていう田舎の色も濃くなるのかな、と。いや、これは偏見交じりなのですが、都会よりも田舎の方が「いい家柄」は文化とか、伝統とかの意味で出しやすい気がします。
そして「いい家柄」だとしたら、夏休みはわりと悩むことが多そうな気配。勉強って単にフォーカスして、たとえば「友達付き合いはやめて勉強に集中」的な感じから始まるストーリーもありそうですし、部活を辞めるよう言われたり……とかも可能性としてはゼロじゃない気がします。
互いに持つ家族の問題に向き合い、一回り大人になる夏休み。
そういうビターさも、チラムネならありでさないでしょうか。
いかがでしょう。
書いているとどうしてもまとまらないので、やはりキャスかなにかでどなたかと話しながらがいいなぁ、と感じましたね。
ともあれ、5巻は家族の話、というのが私の予想です。
発売は来春頃とのことですし、ものすごく楽しみですね!
それでは読んでくださってありがとこーざいました!