「千歳くんはラムネ瓶のなか 5」感想
こんにちは、とこーです。
今回はチラムネ5巻の感想を書いていきます!
なんと言っても、ついに来ましたからね。ワクワクです。
今回は、夏休みの話でした。
表紙を飾るのは夕湖ということもあり、やはり夕湖が話の中で結構出てくるのですが……読んでて、ちょっと戸惑ったのは事実です。
面白くなかったかと聞かれれば、それは違います。面白かった。ところどころ笑いネタがあったし、皆可愛かったし、チーム千歳の青春が詰まってた。
それでも、明らかに2-4巻までとは違いました。
これまでは形式の違いはあれ、何かしらの問題が起こり、表紙を飾るヒロインと共に問題に向き合っていくという感じでした。
3人が朔に惚れるまでを綺麗に、丁寧に描いたという感じでしょうか。
物語の中心には朔がいましたし、特に4巻では彼が過去と向き合う展開だったわけで。
それに比べると今回は、そういう「なにか問題を解決」という展開ではありませんでした。
続く青春の日々と日常。その中でみんなが皆、恋に友情に悩み、向き合う。けれども、今までのような分かりやすい「なにか」はなくて、ビターな青春模様って感じがします。
いや、そういうのも好きなんですよ?
一つ一つの描写は気になりますし、朔たちの一年生の頃の話とか、なんか泣けてきますし。男同士の話とか、海人と夕湖のあれとか、細かく言えば言いたいことはたくさんあります。
でもそういうのを全部総括して、
でも、「あれ、これチラムネか……?」とギリギリまで思いました。
「何か変わるのか、これ……?」みたいな。せいぜい誰かが1歩踏み出すなり、宣戦布告してヒロインレース開始みたいな展開なのかな、と。
何しろプロローグとも言える1巻の表紙をも飾った夕湖でしたからね。
仮に5巻以降を第2部とするなら、第2部のプロローグなのかな、と思いましたよ。
でも、なんですあれ。
4章。
がっつり告白……までは、まあね? ギリギリ予想出来ましたとも。
けど、それをフるか??????
まだ5巻だぞ?
夏だぞ????
なのにここでそこまで描いて、こんな展開にできます?
しかも何気ない1巻の一言がここに来て現れて。
胸がすっっっごい苦しいんですけど。
こんなに苦しい伏線回収、辛すぎん?
で、まだ8月上旬であるはずの夏勉最終日に「また二学期にな」ですよ。
あれだけ青春ど真ん中で、日々を楽しく思ってた朔が、このセリフ。
至る所で匂わされていた「終わり」がこんな直ぐに来るなんて思わないじゃないですか。
完全なる不意打ち。えぐいっすよ、えぐい。
でね、その「あー、裕夢先生このまま5巻かぁ。この感じ、6巻に続くパターンか?」と思いながらラスト数ページをめくるわけです。
まあ目次見ても、エピローグがなかったですし?
バイバイして、そこで朔の切ないモノローグと共に「続く」ってくるものだと思ってました。
けれども、彼女が現れました。
そう、彼女です。
約束をした彼女。最初に登場しておいて、何だかんだ今となっては一番ラブコメの匂いがしなくなっているようにすら思える彼女。
彼女が、朔の前に現れて……。
それで。
最後の見開き。
最高にも程がある。展開も何もかも、最高。
音も光も優しさも、全部が見えるようなイラストでしたし、「これがチラムネか?」なんて思ってしまったのを土下座したくなるくらいチラムネでした。
あと、今回は彼女以外のヒロインの視点はあるのに、彼女だけ一切なぃですよね(読み間違えじゃなければ)。
そのあたりも、ここで思い出してグッときました。
なんか、忘れない気がするな、一生。
そんな訳で、読後すぐの感想でした。
また回数重ねて読んでから感想は細かく書きます。
ただひとつ言わせて。
最厚な話なのにこのラストとか、お預けがすぎない!?!?!?
というか、朔の心にいる人って誰!?!?
夕湖は「友達」で。
悠月は「女の子」で。
陽は「相棒」で。
明日姉は「初恋」で、
自然に考えたら「初恋」にあたる明日姉?
奥野先輩も出てきたし、いい人だったしね?
とか思いつつも、ぐあーーーーってなるのが今回でした。
これ、次回で完結したりしないですよね……?
どちらにせよ、早く読みたいものです。
そんなわけで、読んでくださってありがとこーざいました。
以下は5巻を読む前に読んだSSの感想です。
SS冊子については以前も既存のものはうっすら書いていたので、新作SSについて。
「夜更け前の月と夜明け前の太陽」。
悠月と陽の一年生の頃の話なわけなのですが……特に陽パートはやばかったです。
一年生の頃の朔登場からの陽の描写とか、たまらなく好きですわ。4巻読みたい(なお、5巻まだ読んでない時点でこの部分は書いてます)。
悠月パートも、恋の話が結構よかったですからねぇ。より部活動中の様子を知れて、すげぇなぁって思いました