『弱キャラ友崎くん Lv.6』感想
今日は弱キャラ友崎くん Lv.6 について書きたいと思います。
AmazonのURLをどうぞ。
では始めます。
印象的だったのは最初。
日南とのアタファミで主人公が負けてしまうところです。
それもただ負けるのではなく、主人公は日南のことを理解して、らしさを感じながら負けていきます。
このシーンを最初に持ってきているのは、もう巧いとしか言いようがないなぁ、と思いましたし、考えさせられるものでした。
どんな意味があるか、とかは読んでもわからないですけどね。
さて話は移って課題の件です。
主人公は好きな子が誰なのかを考える課題を出され、考え始めます。
この部分が、人生攻略を前提においてきた作品らしいなぁ、と感じます。
そうじゃなかったらこんなはっきりと好き嫌いについて考えないですからね。
それとは別に、主人公は5巻での日南の行動について尋ねました。
オーバーキルな行為。
これが日南の怒りである、と。
こんな風に明らかに過去に何かがあったことを匂わせている以上、絶対今後何かありますよね。その過去が明かされたとき主人公はどんな風に行動するのか、が楽しみで仕方ありません。
インスタの課題は、人生攻略らしいなぁと感じました。
インスタの効果を分析して道具として使うあたり、考えられているなぁと思います。
作者さん、普段何考えて生きてるんですかね。
個人的にこの巻の中で一番好きだったのは『友達』感でした。
いつもの3人組との会話はもちろん、ほかのクラスメイトとの会話もよかったです。
ちょっと気まずい感じとか、でも勢いでなんとかしてる感じとか、長年の友達じゃないけどクラスの友達って感じが出ててリアルだなぁと思いました。
その中でも特に強かったのが水沢。
ぐみちゃんの高校の文化祭にいくところとか、無茶苦茶青春でしたよ。
ナンパのところはちょっと『ん?』と思っちゃいましたけどね。
実際のナンパをしたことないからなのかわかりませんが、なんかそこだけ違和感はありました。
友達ということでいうと、菊池さんが文化祭に関わり始めているシーンもよかったです。5巻でもそうでしたけど、今回はより強くなっていきますね、
色をつけてもらった友崎くんが今度は色をつけてあげる側になる。
燃える展開でした。
みみみの告白シーンの後の水沢。
友達だからこそきつく言ってくれるのが、本当に泣けました。
こういう風に友情をうまく描いてくれるのがいいなぁと感じました。
さて今日はこんなところで終わります
それでは。
『弱キャラ友崎くん Lv.5』感想
今回も弱キャラ友崎くん の感想を書きます。
今回は五巻!
その前にAmazonのURLを。
さて、では始めます。
立派になった主人公と、脆くなっていく戦友関係。
それを描き出した五巻でした。
たまちゃんに頼まれ、なんとか変わるのを助けようと主人公は行動します。
ここでぐっときたのは、そこで日南にしてもらったことを使っていたことですね。日南と離れているけれど、主人公の中で日南に教えてもらったことが強く根付いているんだなぁと感じました。
それでもまだまだ力不足の主人公に、助っ人外国人的ヘルプマンである水沢がやってきます。
超絶ちゃらいけどしっかりしてる水沢は、主人公のことを理解してくれる大切な友達になっていますねぇ。友情系が好きな僕としては、この関係性は尊いです、本当に。
そんなこんなで活動していき、仲間を作っていく友崎。
彼の行動が大きく、強く、まっすぐなものになっていくのはさながら、勇者が仲間を増やしていくのに似て、いいなぁと感じました。
そして!
大きかったのが菊池さんが関わってきたところでしょう。
これまで、菊池さんとの世界とほかの友達との世界は分けられている印象がありました。それが悪いとは思いません。そういう物語もありますし、それだからこそいいところもあると思います。
でも、こうして交わるのはそれはそれでいい。
いろんな仲間が集まっていろんなことをする。
青春のよさが本当に表れていると思いました。
けれどもこの作品で大きいのはそこよりも、日南の魔王っぷりですね。
ただただ鳥肌が立ちました。これ書いてる人、何考えてるの? って感じでした。
でも、そのせいで主人公との断絶が生じてしまう。
明らかなオーバーキルや、たまちゃんの変革を嫌がったこと。
戦友だからこその『らしくない』があって、そのせいで二人の関係性が少しずつ希薄にているように感じてしまいました。
全体的に日南の奥底についての描写がちらちらしてきています。
個人的にはなんだかんだで、日南推しなのでどうなっていくんだろうなぁと思いました。
『弱キャラ友崎くん Lv.4』感想
今回も友崎くんの感想を書きます。
今回は四巻です。
AmazonのURLをば。
それでは始めます。
四巻はそれはもう、リア充な巻でした。
球技大会に向けてあれこれやるとか、半端なさすぎるでしょ。
おそらくリア充をリアルに書き上げているという点では断トツの作品だなぁと感じました。
女性キャラが主人公に恋愛感情を抱いているわけでもなく、本当に友達として仲良くしている感じがあるので、本当に素晴らしかったです。
好意を思わせることもなく、マジで友達感のある人と、好意のある人を書き分ける技術はすごいですね。
さて話は変わりますが。
紺野さんを頑張らせるように策を弄する主人公ですが、その姿を見て、立派になったなぁと実感しました。
自分のできないことについては、これまでも主人公は常に認めてきました。できないことを認めたうえでやれることを模索し続けていました。だからもしかしたら、最初から能力的には出来ていたのかもしれません。
けれどもいろんな人とかかわって、その行動がより違和感なく、リア充っぽくできているなぁ、と感覚的に思いました。
それはそうとラスト。
あの流れは本当にヤバイですね。
紺野さんえぐっって感じで。超怖いです。
けれど、そんな中でも気高く戦い続けるたまちゃんは強いですね。
可愛いとかの前にかっこいいと思いました。
さらに言えば。
そんなたまちゃんのことを考えて、自主的に行動できる主人公も、本当に自分の良いところはそのままに成長したなぁと感じました。
今日はこの辺にします。
なんだか今日はいつも以上に拙い気がしますが。
それでは。
『弱キャラ友崎くん Lv.3』感想
今回も弱キャラ友崎くん の感想を書きます。
表紙に天使が降臨なさっているのでおとなしく書いていきましょう。
AmazonのURLをどーん。
それでは始めます。
この三巻はこの作品における重要な地点でした。
夏休みのリア充っぽいことをしていく友崎くんでしたが、そんな彼の物語はどんどん色づいていきます。
そんなところをうまく表現できているなぁ、と感じたのが一巻、二巻、そして三巻と巻を追うごとにリアルな高校生になっていくキャラクターの台詞でした。
最初から前回なのではなく、主人公の世界としてもライトノベル。そんなところは、本当にうそのない物語だなぁと思いました。
さて、そうやって色づいていくようになると日南の魔王っぷりに違和感を感じるようになります。
それも当然です。
主人公にとってみれば、日南が水沢に本気で語りかけられてもなお、仮面をつけていることが許せなかった。そんな風にやることが正しいようには思えなかった。
それは人生を努力したからこそ感じた違和感だったのだと思います。
けれども全く寄り道をせず、全力疾走し続ける日南にとっては主人公の行動が、立ち止まって迷っているように思えた。裏切りだった。
その日南の気持ちもわかるように思います。
似ていると思っていたキャラクターが、思っていなかった行動をとってしまう。その時に感じる苛立ちに似ているのでしょう。
なんだかんだ情けなかった主人公でしたが、それでも自分の正しいと思う道を信じて、あろうことか戦友であり師匠である日南に教えてやろう、とさえ言い張る。
そんな姿は、僕が好きな『ヒーロー』像に似ているなぁ、としみじみ思いました。
まだ弱いのに意地を張って、分かってもいないのにはったりを利かせる。
そんな主人公がたどり着きたい場所にたどり着けることを祈りたい巻でした。
あと蛇足というかむしろこちらがメインですね。
菊池さん、天使でしたねぇ。
さて、これで終わりにします。
次回は四巻を書きますのでそちらもぜひ。
『弱キャラ友崎くん Lv.2』感想
今日も弱キャラ友崎くん の感想を書きます。今日は二巻です!
二巻の表紙といえばみみみですね!!
ということでAmazonのURLを。
それでは始めます。
この二巻を読んですぐに思ったのは
『うおおお!!! 戦友!!!』ってことでした。
話の途中になり、生徒会選挙で戦うことになったみみみと日南。
みみみのブレーンになった友崎くんは日南に勝つための術を考えていくのですが、なんだかそこが、『離れている』のに『同じ戦場』にいて、『敵』なのに『楽しんでる』。そんな親友というか、好敵手みたいな関係性がものすごくぐっときました。
普段は友崎が完全に弟子ですが、こういう『ゲーム』みたいに戦っていくときには戦友になっていて、とても好きです。
それから。二巻では友崎と日南以外にも『戦友』が描かれています。
それはみみみと日南です。
日南のような、とてつもない才能マンは『才能』だけではなく、無茶苦茶な努力をしている。これは多くの人が知っています。同じ舞台で努力している人なら、なおさらです。
それは友崎が日南の努力を感じたように。
みみみも日南の努力を感じます。そして追いつこうとして努力を続けます。
けれど僕はこの二人——みみみと友崎——に差を感じました。
それはやっていることに『楽しさ』を感じているか、です。
みみみは日南に追いつくために、努力をします。そうやって目標に向けて努力するのはきっと尊いのでしょう。しかし、それは『努力のつらさ』を無視するようなものです。
一方で友崎は人生攻略も、生徒会選挙も、ゲームも楽しさを感じています。
『努力のつらさ』は感じても、負けないくらいの『楽しさ』も少しずつ感じている。
そこが二人の差だと感じました。
では日南はどっちなのか。
ちょっとわからないですね。
ただ、日南が努力の塊すぎて楽しさもつらさもない気がしてしまいます。
努力を楽しむ。
これは作品自体のテーマであるように感じました。
戦友として戦う日南と友崎が楽しんでいたように、いつか日南がもっと純粋に楽しめるときがくるのでしょうか。
それでは今日はこれで。
『弱キャラ友崎くん Lv.1』感想
今回は、第一巻発売当初から読んでいる(といっても発売から二か月くらい経って買ったんですけど)、弱キャラ友崎くんの感想を書きたいと思います。
いつもなんですけど、ネタバレとか気にせず、とにかく読んで思ったことを書きなぐっているスタイルなので、本の紹介にもなってないし、『何やってるんだろ』という気になるんですけど、まぁストーリーのネタバレも大げさにはしてないので、ちょろっとディティールだけ読んで読みたくなった人がいたら売れしいな、くらいに思ってます。
あと純粋に本を読んで感想を書くのが好きなので、今まで読んできたけどかけてなかったものを書きまくってる最近です。
それではAmazonのURLを。
では始めます。
人生をクソゲーだと考える主人公、友崎くん。
一方、人生が神ゲーだと考える日南さん。
この二人の考えはどちらも理解できるところがありました。
いろんなハンデがあるから、不公平だしやっていられないと思う気持ちもわかります。
以前、人生をゲームとして分析して攻略方法を書いた本がありましたが、それを読んでもわかるように人生は複雑すぎてルールも大してありません。
クソゲーだと思えるのは当然です。
でも、日南は努力し、カーストトップにのぼりつめ、結果として神ゲーだといいます。
これもまたわかるような気がします。
努力をして、人との関わりをもつようになればある程度、人生のルールが見えてくる。これは当然でしょう。
ただ、すごいのは日南の努力量です。
絶対にほかの人はそこまでやってない。そこまで思うくらいに大量の努力を、しかも正しい方向でし続ける。
この努力をするモチベーションがなんなのかはわからないですが、そうやって努力し続けるヒロインは気高くてきれいですよね。
終盤、努力について吠える主人公。
彼の咆哮はまっすぐで拙いものでした。けれども日南のようになみなみならない努力をする人を知っていて、自分もなみなみじゃない努力をしていて。
だからこそほかの人の努力の尊さもわかるし、それを馬鹿にする人を怒る。
そんなキャラクターとしてのマジの行動には泣かされました。
いや、ほんとすごいって。泣いたからね、マジ。
文章的なことに話を変えます。
この作品は新人賞の作品なのですが、そんなこと全く感じないくらいに『ラノベ』感の強い文章です。
笑えるところは笑えるし、主人公のモノローグはそこそこに長いし、感動させてくるし。
そんな感じなのでとても読みやすい作品です。うっとうしさみたいなものも感じなかったので、ラノベ好きならすらすら読めると思います。
これは最後の蛇足ですが、ラストシーンの主人公と日南の会話はぐっと来ました。
ヒロインとかじゃなくて『戦友』だなぁと感じたのでした。
そこがこの作品では一番好きなところです。
それでは今日はここまでで。
明日は二巻のことについて書きます。
『友達の妹が俺にだけウザい2』感想
友達の妹が俺にだけウザい2 の感想を書きたいと思います。
一巻の方も書いているので未読の方はぜひ。
URLは張らずともこのページからとべると思います。
では、AmazonのURLを。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07TRPTL5T?ref_=dbs_pwh_calw_1&storeType=ebooks
それでは始めます。
一巻の突然の展開からの二巻。
二巻では主人公のぽんこつ度、というかキャラクターのぽんこつ度が際立ち、そのギャップも相まってよりかっこよく、かわいくなるお話でした。
突然の展開であわてる主人公。いろんなイレギュラーのほとんどがあんたへの好意だよ、というツッコミはともかくとして。
それで頭を冷やして休んだ結果、とてつもなく活躍していくあたりいいですね。
凡人だからこそ、って感じがします。
凡人だからこそ一生懸命な姿勢は、だからといって天才との差を埋めるための努力じゃない。天才を支えるための努力。そんなところがいいですね。
一方で二人のヒロインもぽんこつになってます。
清楚系っぽく装う彩羽。乙女に目覚める真白。
なんかどっちも本当に主人公のこと好きなんだなあと感じます。
でも、彩羽の演技のシーンには震えましたね。
別にそのすごさを実感できたとかじゃないんですけど、文章の雰囲気がそうなるような雰囲気だったように思います。
真白視点の描写はなかなかによかったです。
こういう主人公への好意の伝え方をはき違えちゃってる系の子のモノローグも、それはまたそれで幸せですし。
また、「おそらくそうなるんだろうな」となんとなく予想はできるけど、実際にそうなると興奮する。
そんな物語構成だったようにも思います。
ずば抜けた意外性は、巻末の突然の展開くらいで、あとはなんとなく予想できなくはないストーリー。でもありきたりとか予定調和ではなく、なんか意外な展開の時以上におおっ! ってなる。そういう物語でした。
それと、ぼんやり思ったんですけどヒロインの名前のセンスもいいですよね。
いろんな演技ができて、明るいから彩る羽で彩羽。
逆にまっすぐで、純粋できれいな真白。
対比というほどじゃないにしてもいい対比的ネーミングだと思います。
今回はここらで筆をおきます。
蛇足ですが、帯のあれはアウトだと思う。
それでは。
『友達の妹が俺にだけウザい』感想
友達の妹が俺にだけウザい を読んだので感想を書きました。
二巻については明日、投稿する予定ですのでぜひに。
それではいつも通りAmazonのURLを。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07Q9PZB4X/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
それでは始めます。
全体として感想を一言で表せば『面白ぇ』です。
俺の友達の妹、みたいにタイトルに一人のヒロインを出すことで明らかにそのヒロインを特別に扱う感じのラノベは今日日そこそこありますが、そういった作品は必ずといっていいほどヒロインが可愛い。
そのなかでうざかわいいというジャンル? を確立しようとして、実際成功させている点についてはものすごいと思います。
序盤は『マジでうざいな、消し飛べ』くらいに思っていたんですけど、少しずつ、尊さを感じていきました。たぶん、主人公とのカップリングだから尊いんですよね。
こういう人間関係、いいですねぇ。
ですが、その点以上に主人公の凡人さがこの作品では強く印象に残りました。
効率厨の主人公ときいて、血も涙も知らない人だと思いましたけど、全然そんなことはなかったです。
それはもう、優しくてかっこいい。
自分が凡人であることなんて理解していて、だからといって腐ることもなく、自分が寄生虫みたいだと自覚しながらも、才能の無駄遣いを許さず、愛をもって接する。
その姿勢は、かっこいいです
読んでいて感動したのもやっぱりそこでした。
効率厨って言葉を解釈して、介錯してしまっていたのは自分だと気づかされましたね。
それとはべつに。
主人公が友達のオズに抱いている感情がまぶしいな、と思いました。
友達関係としては本当に尊い関わり方だと思います。
嫉妬がどこにもないとしても、主人公さえ気づいていないだけで一ミリくらいはあったとしても、素敵ですよね。
文章的なことでいうと、とてもラノベっぽい文章でした。
この作者さんは長い間ラノベを書いているんだろうなぁって思うくらい、自然で読みやすいものでした。
キャラも一巻の時点ではっきりしてますし、巧いなぁと感じました。
今後も面白くなっていくと思うのでぜひ読んでみてください。
それでは失礼します。
『未完結ラブコメと運命的な運命論』感想
未完結ラブコメと運命的な運命論 を読みましたので感想を書きます。
その前にAmazonのURLを。
それでは始めます。
これはTwitterにもあげたんですが、この作品を含め、最近自分が読んでいる作品は数年前、ものすごく読みたいと思ってたのに売ってなくて、それで自分で拙く書こうとして挫折したようなテーマの種類であるように思います。
もちろん、ストーリー展開とかは全然予想できないですけどね。
運命を軸に、面白おかしくしながらも『非現実』と『現実』の断絶をうまく示している作品だと思いました。
けれども、これはただ『非現実』と『現実』をこれはこれ、それはそれ、と分けるものではないとも感じました。
現実に生きる少女が非現実な『運命』に憧れる。
『運命』的に出会ったからといって、『運命』的に続き、終わるとは限らない。
汚く、みじめな『現実』がある。
そんな現実と非現実の結びつきも含めて『運命』なのか、その結びつきは『運命』とは異なる『意思』による物語なのか。それは完結するまでは分かりませんが、後者の方が素敵だとおもいます。
そういう意味で続きが楽しみですね。
さて、そことは別の話として。
個人的には未来ちゃんが可愛いなぁと思いました。
明らかに態度はあざとくて、それがどうしようもなく『非現実』なんですけど、そういうところに魅力を感じるものですね。
それで思ったんですけど、未来ちゃんだけでなく、ミリカちゃんも含めて、非現実的なヒロインってある意味、現実的ですよね、今の時代。
この作品がメタ的に打ち切りになっている作品を扱うのと同様、今の時代に生きる私たちも何らかの創作物と触れ合うわけで。
小さいころに見たアニメだったり、ドラマだったり、絵本だったり。もしくは教科書で読んだ話でもいいですけど、私たちはそういうものに触れることで『可愛い』『かっこいい』という価値基準を身に着けていると思うのです。
だとすれば、非現実的な部分も含めて現実的ですよね。
ま、未来ちゃんみたいな子が現実的にいろよ! というオタクの願望ですけどね。
また、全体としては、序盤がとても読みやすかったように感じます。
もちろん最後までそれなりに読みやすいのですが、なんとなく最初の数ページはすらすら読めました。
終始、シリアス感はあるのに読みやすくて、癒されましたね。
ラブホテルの描写をあそこまではっきりやるとも思いませんでしたけど。
これくらいで終わりにしたいと思います。
蛇足ですがMF文庫Jから出てたら、絶対ラブホテルのところの挿絵入れましたよね。
というか講談社ラノベ文庫さんでも、そういうえっちぃのあってもいいんですからね??
まぁ、そういう挿絵を入れるべき描写ではなかったので入れない選択が正しいでしょうけど。
それでは、ここで。
『暇人同盟』感想
今回も前回に引き続き、友達いらない同盟の続刊の暇人同盟を取り上げたいと思います。
こちらも好きな作品ですので、読んでほしいです。
AmazonのURLをどうぞ。
それでは始めます。
友達いらない同盟に続いた今作はミステリー味の強い作品になっています。
いくつかの謎が張り巡らされ、情報も様々に出てきて、若干分かりにくくなっている一方で、恋物語感も少しずつ出ています。
おそらく、主人公とヒロインたちは最後まで主人公と『友達』ではありませんでした。
主人公とヒロインたちの間で恋物語に似たものが展開されていくのですが、それはまだ恋物語といえるほどのものではないように思えるのです。
主人公とヒロインたちの関係を言葉にするのは難しいですが、強いて言葉にするのなら『同盟相手』であり、『隣人』であり、『暇人同士』なのだと思います。
私見を述べるなら、主人公が恋煩いをして正しさを見失い、そこを友達が引き留める。そんな展開もありかな、と思っていなかったのですがそうしなかったのは、ひとえに主人公が正しさの化身であるからなのだと思います。
しかし、作品を読んでいく中で気づかされたこともあります。
それは主人公の正しさは『正しさ』ではなく『美しさ』だ、ということです。
正しさではなく『美しさ』を求めているのであり、そんなシステムこそが欲しいのだという主人公の考えには溜息が出るほどでした。
さて、そのような芯がある一方でこの作品は隣人による素朴な関わりも描きます
青春というよりかは人生。
以前に取り上げた天使様のような隣人ではなく、隣人愛的な意味での隣人の関わりは、ぼんやりとした温かみのあるものでした。
なんだか友達と雑談しているみたいな気分になれる作品です。
やはり、謎を作る作品なので小難しい部分があるのも事実であるように思います。
そういう作品であれば、三人称になることも多い中、一人称を突き通し、あくまで主人公の人生の、高校生時代を描いているような印象を受けました。
続刊、出ないのは分かってますけど個人的には読みたかったです……。
ぜひ、読んでくださいね。
それでは。
『友達いらない同盟』感想
ぜひ読んでいただきたいので、友達いらない同盟の感想を書きます。
先にAmazonのURLを。
それでは始めます。
この作品を読んで、自分は命について考えさせられました。
世の中にはたくさん、死ぬべきなんじゃないかと思うくらいにくずい人がいる。それは、どうしても事実だと思います。
もちろん、どんな人にも正義はあるのかもしれません。
ですがその一方で、考えなく人を傷つけたり、間違いを犯したりするひともいるように思えるのです。
主人公が思ったように、自分も読んでいる当初は感じました。
では、そういう明らかに間違っている命と、そうでない命があるなら、命とはいったい何なのでしょうか。
どうして生き続けなければいけないのでしょうか。
主人公は『そいつになら殺されてもいいと思える相手』を友達と定義します。
これは全幅の信頼と尊敬をもてる相手しか友達ではない、という頑固さであると同時に自分が『間違っている命』になったらすぐさま『死んでいい』という覚悟なのではないでしょうか。
だからこそ、他者の視線は気にしない。間違っているかどうか判断してくれる客観(=友達)と、正しく生き続ける主観(=自分)があるのだから、それ以外の視線なんてどうでもいい。
これは、決して他者評価の世界に生きないといい気高い姿勢でしょう。
そういう気高さを示す作品では、よくよく他者とかかわっていく中で他者評価を気にせざるを得なくなっていく傾向があるように思います。大切な友達ができればできるほど、偽らざるを得なくなる。これは仕方ないことなのでしょう。
けれども主人公は違う。
気高さを守ることを重視し、それをやめた相手を罰することができる関係こそが友達だと定義するからこそ、決して偽らないのです。
そういう意味で言うととことん正義に埋もれた、独善的で鋭くて純度の高い作品であるように思えました。
この作品は俺ガイルのように売れてもいいと思うのですが、そこまで売れているわけでもなく、知らない人も多いです。
それはおそらく、少し深い考えに没入しすぎているからなのだと思います。
ライトノベルにするにはテーマが独善的すぎた。だからはまる人ははまるけど、そうじゃない人にはなかなか理解しがたい。そういうところはあるのでしょう。
ただ文章力は目を見張るものがあると思います。
文章の勢いやテーマで笑わせる『コメディー』とは違った、文章技術により『をかし』的な感覚があるのが、個人的にはとても好きです。
続刊、暇人同盟についてはまた後々書いていきたいと思います。
それでは。
『夏へのトンネル、さよならの出口』感想
夏へのトンネル、さよならの出口 を読みましたので感想を書きます。
その前にAmazonのURLをば。
それでは始めます。
ウラシマトンネルを軸に繰り広げられるストーリーでした。
その中で感じたのは、特別を求める青『春』から普通でもいいんだ、と。普通でいられるんだ、と認めていくことが大人になっていくということなのかな、ということでした。
ヒロインは、特別になりたいと願います。
これはそうしなければ死んだときにいつか痕跡がなくなってしまうから、だそうです。
確かにその考えは間違ってはいないでしょう。
人は必ず死んでしまうわけで、死んでしまえば悲しいけれど受けれ入れないわけにはいかない。
その時に爪痕を残せなければまるで存在そのものが無であったように感じてしまう。仕方がないことです。
この感覚は中盤から終盤にかけて、主人公が体験するものであるように思います。
主人公の妹が死んだことを受け入れ、なかったことにしようとする父親に主人公は気持ち悪さを覚えます。
普通であることがやはり空しいのだ、と。絶望するべきことなのだ、と思えてしまいます。
主人公がトンネルに入ってからも同様でした。
普通だった主人公は、一部の友人以外には次第に忘れ去られてしまいます。
けれども、本当に大切に思ってくれる人は忘れないでいてくれる。
だから『普通』でもいいんだ。
自分にとって特別な人の特別。そんな閉じた『特別』を持った『普通』がいいんだ。
そんな風に思わせてくれる作品でした。
あえて題名に沿って解釈するなら、
むやみやたらと特別を求める青春から、普通でもいいと認めることができる『夏』への道筋。
今を生きるためには過去に「さよなら」をしなくちゃいけないという考えから、過去を抱きながら今を走っていくという考えへ向かうための出口。そんなところでしょうか(意味不明)。
とにもかくに全体的な完成度はすさまじかったです。
学生のうちに出会えてよかったなぁと思う作品ですし、大人になって読み返したいと思える一作です。
ぜひ読んでみてください。
それでは。
『完璧美少女な天才ショタがダダ甘お姉ちゃんと業界仰天のゲームを創りながらゲーム作りの怖いお話を聞かされています! 』感想
完璧美少女な天才ショタがダダ甘お姉ちゃんと業界仰天のゲームを創りながらゲーム作りの怖いお話を聞かされています! を読みましたので感想を書きます。
その前にAmazonのURLをば。
それでは始めます。
ショタ主人公に魅力を感じて購入した作品でしたが、思っていたよりも主人公の影が薄かったなぁと思います。
おそらくこの作品で伝えたかったのは創作の楽しさであるように思います。
ただ、どうしても伝わりにくかった部分があるのも事実でした。
別に悪いわけではないのですが、どうしても自分は三人称視点に苦手意識をもってしまうようで、キャラクターが記号的に感じてしまいました。
一方で、主人公をショタにするとその視点での情景描写が陳腐なものになってしまいがちなので、そういう意味では三人称で進行することにしたのは素晴らしい判断だったと思います(何様って感じですが)。
また、そんな風に三人称で進行していくことで物語という形式を用いてゲーム制作の実態を伝える、エッセイ的な側面もあるように思いました。
そういう視点で見てみたときに、心をぐっと掴まれたのは作者と作品を切り離して考えるという点でした。
すごい作品ができてもすごいのは作品であって作者じゃない。
この考えには『なるほど』と思わされました。
読書をする側としても、この考えはとても大切なものであるように思います。
全体的にキャラクターについては記号的に感じてしまった部分があったのですが、他方で、記号に付加された才能については美しく表現されているように思いました。
数学やプログラミングでの才能を表現するというのが、自分にはいまいち想像できなかったのですが、この作品では素人にもわかるように表現してくれていました。ただ、やっぱりプログラミングの知識があった方が、すごさとかは分かるのかもしれません。
学生より働く大人の方に読んでほしい一作です。
なんかものを作りたい!
そう思える一作だったかな、と思います。
ぜひ読んでみてください。
それから。
これまた蛇足ですがショタ好きの自分としてはショタ主人公の一人称で物語を見てみたかったです。
それでは。
『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』感想
幼なじみが絶対に負けないラブコメ を読みましたので感想を書きたいと思います。
その前にAmazonのURLをば。
https://www.amazon.co.jp/幼なじみが絶対に負けないラブコメ-電撃文庫-二丸-修一/dp/4049125242
それでは始めます。
この作品を読んで思ったことを本当に一言で言うなら
『クロかわいい(´;ω;`)』ということです。
読んだ人なら絶対わかると思いますよ。それはもう尊いんです。
背が小さい、甘えさせてくれるお姉ちゃん気質、攻められるとすぐ照れる、実は甘えるのが好きとかとか、やばくないですか???
というか、そう思わせようとする思惑が確実にあったと思います。
明らかにクロとの会話シーンは多いですし。しかも最終的には主人公も告白しちゃってるし。
若干腹黒っぽいところもありますけど、初恋が絡めばそれはもう可愛いだけになると思います!!!
と、クロについて語ったところで作品について少し掘り下げます。
全体的に暴走し、迷走した青春を描き切っている感があります。そのうえでこの作品のいいところは『迷走してるけど王道な感じがある』という、あくまでストレートな青春に感じたところです。
よく迷走した青春を書こうとすると、『これじゃない感を出す』ということが多くなっているように思います。残念感ですね。もちろんこの残念感も好きなんですけど、この作品での『迷走』は残念感じゃなくて『苦しい初恋にもがく』ことで描写しているように思いました。
苦い薬を飲むのはつらい。だから甘いものと一緒に飲む。
けど甘いものと一緒にすると、なんだか甘いものまで変な味になっちゃう。そんなことありませんでしょうか?
この作品を読んで、小さいころに経験したそんな感覚を思い出しました。
それでもって、そういう感覚こそ、青春には大切なのかな、と。
薬を平気で飲めると少し大人になった気がするみたいに、きっと苦みを簡単に飲み下せてしまったらそれはもう、青春じゃないと思うんです。
そういう意味では初恋の迷走をうまく描写した作品だと思いました。
それから。
ヒロイン二人の名前がクローバーをモチーフにしていて、クロとシロで対比になっているっていうのはべたですけどいいですよね。
しかもその花言葉が作品全体を象徴しているっていう。
『私を思って』と願ったクロ。『約束』をしたのに忘れられたかもと思ったシロ。
迷走した挙句『復讐』に走るみんな。
だとすれば、この復讐が『幸運』に変わるまでが、そして変わってからが物語ですよね。
ぜひとも、続きをだしていただきたいと思います。
最後の最後に出てきたヒロインといい、とにかくヒロインが可愛いですから、それだけで読むのもありだと思いますよ。
あと蛇足になりますが、終盤の主人公のかっこいいモードはくそよかったです、はい。
それでは。
『千歳くんはラムネ瓶のなか』感想
千歳くんはラムネ瓶のなか を読みましたので感想を書きます。
というか、この作品については無茶苦茶好きで、別のブログで記事を書いたんですけど、いろいろブログがごっちゃになっているのもあるのであえて書き直そうかな、と。
今回も感想だけ書きます。あらすじとか考察を書くと支離滅裂になるので。
その前にAmazonのURLを。
気になった方はぜひとも買ってみてください
さて、それでは始めます。
この本を読んで、自分は不思議な感覚にとらわれました。
それは懐かしさのような、悔しさのような、切なさのような、そういう感じの感情だと思います。ノスタルジー、とでも言うんでしょうか。
ただ、ノスタルジーというよりかはもっと私的な、『自分のために存在している』感を感じたのです。
これは、まぁある意味では傲慢ですし、作品は作者様だけのものです。だから、おそらくは本当にたまたま、偶然なのですが『しっくりきた』作品でした。
主人公のかっこよさ。
これをラブコメでここまで上手に描写した作品はないと思います。
序盤、超絶リア充という設定が僕は少し属性的に感じました。もちろん台詞からリア充なんだとわかりはします。しかし、どうしてリア充になれるのか。それほど魅力があるようには感じず、それなのに態度は上から目線っぽいのでイラつきました。
苦悩している描写からリア充の苦悩を描いていることは分かりましたし、理解できましたが、それが生きた苦悩ではなく、苦悩を描くために作られた人物のものに思えたのです。
けれど、中盤。試し読みが終わったころ、窓をぶち破ったところくらいからそんな思いは消え去りました。
『かっけぇぇ!!!』
と思ったのです。
だって、窓をぶち破るんですよ?
そんなの、令和になった今の時代でありえますか? GT〇(隠せてない)かよってくらいに臭いじゃないですか。
それなのにかっこいい。
ほとばしる青春感は、リアなまぶしい青春や生々しいのにフィクションっぽい青春といった、ラノベの青春とは違う、THE・青春だったのです。
このTHE・青春感は、ラノベで増えつつある『理性的』判断を吹き飛ばします。
兎にも角にも青春する。それがとにかくかっこいい。
ただ、かっこよさはそれだけではありません。
本当に主人公がかっこいいのは至る所でちりばめられている『当然みたいにあほみたいな努力をする』ところでした。
一週間でラノベをむっちゃ読んだり、眼鏡を買いに行くって言って実は似合いそうなものを吟味しておいたり、無茶苦茶さらっと、とんでもない努力をしてきているところがとてもかっこいいんです。
全体を通して思ったのは、この作品はリア充かリア充じゃないかという考えを重視していない作品なんじゃないかということです。
最初に読んだときはリア充の苦悩を非リアがわからず叩いているのはだめだ。そういうことなのかな、と思いました。
でもそうじゃないかな、と。
リア充を無理解にたたく非リアはリア充になったら非リアをたたくでしょうし、その逆も然りだと思います。つまり、リア充か否かということには現実には意味があったとしても、人間の内面的にはなんら変わらないものなのです。
もちろん、売っていく上ではこの作品の個性として『超絶リア充主人公』を推さざるをえないんでしょうけど、自分としては『青春ハードボイルド』とか『青春ヒーロー』みたいにとらえた方が、作品を理解しやすいのかなぁと感じました。
それとは別に文章的な面で言っても、自分の趣向にしっくりはまってきました。
擬音を使っていく系ってなんか、それだけでいい感じがするんですよね。そんでもって、情景描写は『本好きの高校生視点』の情景がうまく描かれていました。
この『本好きの高校生視点』ってかなり大切で、作品によっては一人称視点なのにありえないくらい情景描写が小難しかったり、長かったりして主人公の視点としては違和感があるときもあるので。
その点、この作品ではうまく描かれていました。
今後も続いていくそうなので、きっと躍進していく作品だと思います。
ヒロインはもちろん、主人公や友人についてもまだ深く描写できていないところがあるので(紙幅的にしょうがない)、そこも楽しみですね。
個人的に、健太くんを入れた男子四人で夏の夜に語り合いとか、健太くんに助けてもらうとか、そういう展開だとくそ好きなんですけどね。あと、ほかの男子との友情話とか。
と、それとは別にこれは感想よりもさらにレベルの低い個人的な話なのですが。
この作品の主人公が、以前自分が友達だった人ととても似ていて、自分と別れてからのその人の青春を教えてもらっているような気分になったなぁと思いました。
まぁ、作品を私的に解釈しすぎている気がして若干自己嫌悪ではございますが。
それではこのあたりで失礼します。
もし気になった方は買ってみてくださいね。