『弱キャラ友崎くん Lv.3』感想
今回も弱キャラ友崎くん の感想を書きます。
表紙に天使が降臨なさっているのでおとなしく書いていきましょう。
AmazonのURLをどーん。
それでは始めます。
この三巻はこの作品における重要な地点でした。
夏休みのリア充っぽいことをしていく友崎くんでしたが、そんな彼の物語はどんどん色づいていきます。
そんなところをうまく表現できているなぁ、と感じたのが一巻、二巻、そして三巻と巻を追うごとにリアルな高校生になっていくキャラクターの台詞でした。
最初から前回なのではなく、主人公の世界としてもライトノベル。そんなところは、本当にうそのない物語だなぁと思いました。
さて、そうやって色づいていくようになると日南の魔王っぷりに違和感を感じるようになります。
それも当然です。
主人公にとってみれば、日南が水沢に本気で語りかけられてもなお、仮面をつけていることが許せなかった。そんな風にやることが正しいようには思えなかった。
それは人生を努力したからこそ感じた違和感だったのだと思います。
けれども全く寄り道をせず、全力疾走し続ける日南にとっては主人公の行動が、立ち止まって迷っているように思えた。裏切りだった。
その日南の気持ちもわかるように思います。
似ていると思っていたキャラクターが、思っていなかった行動をとってしまう。その時に感じる苛立ちに似ているのでしょう。
なんだかんだ情けなかった主人公でしたが、それでも自分の正しいと思う道を信じて、あろうことか戦友であり師匠である日南に教えてやろう、とさえ言い張る。
そんな姿は、僕が好きな『ヒーロー』像に似ているなぁ、としみじみ思いました。
まだ弱いのに意地を張って、分かってもいないのにはったりを利かせる。
そんな主人公がたどり着きたい場所にたどり着けることを祈りたい巻でした。
あと蛇足というかむしろこちらがメインですね。
菊池さん、天使でしたねぇ。
さて、これで終わりにします。
次回は四巻を書きますのでそちらもぜひ。