こんにちは、とこーです。
さて皆様、もうすぐ12月に入りますが、いかがお過ごしでしょうか。
本日11月25日は『このライトノベルがすごい!2022』の公式発売日です。
ということで今回は、このラノについて書いていこうと思います。
それくらいならラノベ読んで感想を……ってところなんですが、まぁそれはおいておいて。
ネタバレ云々もありますので、気になる方はご注意を。
そして……順位だけではなく収録されている記事もとても面白いので、ぜひご購入ください!
それではいきます。
1.とこー的このラノ!2022
まずは、私のことから。
今回、去年引き続いて私はこのラノ協力者を務めさせていただきました。
前回より協力者枠が拡大されており、このことへの是非は色々ありますが……応募して選んでいただいたからにはちゃんとやろう、ということで、今年も吟味しながら五作品を選ばせていただきました。
ざっと順位を書かせていただきますね。
1位『千歳くんはラムネ瓶のなか』
2位『ホヅミ先生と茉莉くんと。』
3位『楽園殺し』
4位『主人公にはなれない僕らの妥協から始める恋人生活』
5位『現実でラブコメできないとだれが決めた?』
以上が、私の投票した作品となります。
コメントとしては見つけた範囲だと二か所で採用していただいているので、ぜひ探してみてください。
さて、では折角ですので一作ずつ選んだ理由とおすすめポイントを書いていきましょうか。
まず5位『現実でラブコメできないとだれが決めた?』
ラブだめでお馴染みのこの作品。ラブコメを目指しつつも、ラブコメを題材にした頭脳戦や少年漫画的な熱い要素もある作品です。
テーマはずばり、ラブコメを作ること。
主人公の長坂くんへの好感度が巻を追うごとに高まり、同時に現実の壁が高くなっていくことでわくわくしまくる作品でもあります。
『わくわく』をたくさんくれたため、今回は5位に選ばせていただきました。
五巻次第では1位に行く可能性もあると思っています。
一巻感想記事
次に4位『主人公にはなれない僕らの妥協から始まる恋人生活』
こちらは、いわゆる甘々系の一種でしょう。
妥協して付き合うことになった二人。しかし、付き合ってみれば意外と楽しくて……といった感じで、割とありきたりに見えなくもないのですが。
私はこの作品の厭世チックなところ(勝手に言ってるだけで、他の人がどう思っているかは分かりませんが)が好きだったりします。
作中に出てくる『不幸の引力』の話なんかは、結構考えさせられて、胸に刺さるものがありました。
一巻感想記事(二巻が読みたいです!)
続いて、3位『楽園殺し』
作者様の前作『リベンジャーズ・ハイ』から続く物語です。
私としては滅多に読まないファンタジー作品でしたが、めちゃくちゃかっこよくて中二心がくすぐられるうえ、すらすら読めるという圧倒的な完成度でした。
読んでいる時の『次、どうなるんだ……』と手に汗握る感じやわくわくが堪らなくよかったので、今回は3位に選びました。
一巻感想記事(二巻も今読んでます)
続いて、2位『ホヅミ先生と茉莉くんと。』
こちらは、本当に大好きな作品です。新作(?)の中では一番大好きですね。
一人のラノベ作家を中心に描く、まったりとした恋愛物語。
そこにファンが、イラストレーターが、コミカライズ作家さんが……と色んな人が集まって、素敵な物語が紡がれていきます。
ふと零れおちる言葉の綺麗さや温もりはとても胸に染みますし、毎回終盤にかけてハッピーエンドへと導いてくれるホヅミ先生の姿には『かっこいい』ってなりますし、優しさで心がふわふわします。
読んだあと、ちょっぴりセンチメンタルでポエミーになる作品です。
一巻感想記事(現在、三巻まで出てます!)
さて、次に1位……といきたいのですが。
えぇ、あえて。
あえて1位は別の見出しを付けてなが~く語らせてください。
口でしゃべるのが苦手な分、精一杯に文字にしたいんです。
そんなわけで。
2位~5位の作品でした。
順位をつけなくてはいけないのは心苦しいですが、私が読み、感想を書く作品はどれも胸を張って最高だと言えますので、ぜひ読んでみてください。
2.とこー的このラノ1位は……
ここまで読んでくださった方は、もうきっと私が1位を選んだとある作品が全体として何位を取ったのか、ご存じだと思います。
私が1位に選んだ作品は……『千歳くんはラムネ瓶のなか』
そして今回………………文庫部門にて二年連続1位となりました!!!
さぁ、ここまで読んだ方。
このラノ!2022を手に取り、表紙をめくりましょう。そして裕夢先生の巻頭インタビュー&raemz先生の描きおろしイラストを見つめてくださいな。もう私のくっっだらない御託なんかより、そっちを見た方が有益です。
私はですね、もう泣きましたよ、えぇ。
めちゃくちゃ嬉しかったです。だって、二年連続って結構無理な感じあるじゃないですか。特にチラムネは去年協力者票が強かったので、二年目だと一気に下がるんじゃないか、と思っていまして。
ですが、私はそれでもよかったんです。
だって私、6巻を読んだ時点で決めてましたから。
私的このライトノベルがすごい!2022で圧倒的首位だろう、と。
なんなら6巻の感想で書いてますね。
『このライトノベルがすごい!』そのものみたいな話だった、と。
つまるところ、そうなんです。
チラムネ、すごいんです。1巻のときからずっと、ずぅぅぅっとすごいんです。それが6巻になって更にすごくなって、1巻から5巻の凄さが更に倍増したんです。
思えば、一巻を読んで、裕夢先生たちのことを知り、ラノベに深く興味を持ったのがこのブログを始めたきっかけでした(その割に記事第一号じゃないのは、別のサイトで既にあげていたからです)。
そんなわけで、もうこのブログでは何度も言っていますが。
あえて!
『千歳くんはラムネ瓶のなか』を1位に選ん理由を書かせていただきたいと思います。
今年のこのラノでは、チラムネは4巻から6巻が対象となっていました。
4巻といえば、陽とのスポコン回ですね。ファンの間では4巻派か6巻派が一番好きな巻で別れるところではないかと思います。私は全部好きです。選べるわけないですね。
1巻から4巻までとは雰囲気が変わったのが5巻でした。
ここからはより青春偶像劇の色が強まり、切ない青春の恋模様、友情模様が描かれていきます。
夏の始まりを描いた4巻は、まさにサイダーの泡のように爽やかで刺激的でした。一気に飲めば咽てしまうくらいに勢いがあって、ともすれば胸焼けしてしまいそうなほどです。もう何度も読んでますが、あそこまで泣いた話もないですね。本当に熱い。
朔が過去を暴露するところ、陽が仲間と上手くいかないところ、それでももがくところ、亜十夢くんとの練習、そして二人の試合。
最高の夏の始まりを描いたのが4巻。異論ないですし、この時点で1位にしてもいいくらいです。
続く5巻は、4巻までの勢いがあったこともあり、初読では物足りなさを覚えていました。
楽しい日常ですし、読んでいてめちゃくちゃ面白いです。でも4巻までに比べると起伏がないような……と。
けれどそれは、嵐の前の静けさでした。転の前の起承と言ってもいいのかもしれません。
最後の最後、あの展開には涙しましたし、あの展開があったからこそ、私は改めてシリーズを読み返して色んなことを思いました。
朔にとって、チーム千歳の面々がどれほど大切な人たちになっていたのか。
それを実感するのが5巻であり、1~4巻を読み返した後の5巻は初読の比ではないほどに輝いていました。
青春の輝き、まさにその一言がふさわしいでしょうね。
最高に尊くて、5巻単体でもやっぱり1位にしていたんじゃないかと思います。
ですが……!
それでもやっぱり、圧倒的にすごかったのは6巻でした。
何が凄いって、まずプロローグですよ。優空視点のプロローグ、あそこの時点で1巻から読んできた読者にはがつんとくるんです。
特にプロローグのラスト数行。
たとえば困ったとき、最初に名前を呼んでもらえるような。
――ただ普通にそばにいられたら、そういうのでいい。
『千歳くんはラムネ瓶のなか 6』P11L15‐17
何て、すごいですよ。
一行目『たとえば~』は、コミックス第一巻に同梱されていた書き下ろしSS『たとえば最初に呼ぶ名前』のタイトルまんまですし、『―—ただ普通に~』のところは、ドラマCDでの優空との一幕の『そういうのでいい、そういうのがいい』と被るわけで。
もうね、こういう伏線ではないけど気付くとぐわーってなるような回収ポイントがめっっっっっちゃくちゃ多いんですよ。いずれそういう記事を書きたいくらいに。
もちろん、この伏線回収(あえて適切か否かを問わずに使います)が凄いことが『このライトノベルがすごい!』わけではありません。あくまでそれは一つの魅力ですし、1巻を読んでない人からすれば「知らんがな」って感じですよね。
でも、こういう一文があるたびに思うんです。
この作品と向き合ってよかった、好きになってよかった、と。
読書をしていて、そう思える機会はそれなりにあると思います。
面白かったときはもちろんのこと、何か人生の糧にできる一文を見つけたときなんかも、そうですね。
けど、これはそういうのとは違って。
好きってだけで、もう幸せで。読んでいるだけで、幸せで。向き合うこと自体が楽しくて、色鮮やかな時間だったのに、その時間に更にご褒美みたいに幸せが降ってくる。そんな感じがするんです。
……まぁ、大袈裟ですが。
さて、もちろんそんな伏線回収だけでチラムネを選んだわけではありません。
特筆すべきは、6巻のストーリー。
チーム千歳のみんな、そしてそこから外れてしまっている明日姉を入れた『みんな』の夏を、きちんと終わらせるべく、様々なエピソードが詰め込まれていました。
600超ページ、ほぼすべてで泣いていたと言うのは、申し訳ないですが過言ではないです。本気で、本当の本当に初読のときにはずっと泣いてました。
読書しててこんなに泣くことなんて今までなかった、と思えるくらいに泣いて、泣いて、じんと心に染みました。
青臭くて、どこか陰鬱で、弱々しくも映るでしょう。
そんな青春を描き切ってくれた6巻だからこそ、私は心の底から『すごい』と思いました。
チラムネの感想記事になりつつあったから急に方向転換したとかじゃないですよ、ええぇ。
ともあれ、こういうことですから、正直なところ全体でチラムネが何位に来ようとよかった、というのが本音です。
強いて言えば重版などの続報がないので少し不安になったりはしていましたが、そもそも売り上げって読者が気にすることじゃないですしね。このラノ一度とった作品が正しい終わり方をできないなんてことはないでしょうから、安心していました。
しかし、いざ出た結果は文庫部門一位。
しかも今回、WEB部門だけでもよう実に続く2位なんですよね。それだけ多くの人に届いたと思うと、ファンとして嬉しいです。語り合いたい……!
更にさらに!
チラムネの絵を描いてくださっているraemz先生がイラストレーター部門で2位!
朔は男性キャラ部門で2位!
その他女性キャラ部門で陽が8位、悠月が9位、優空が12位、明日姉が16位と、20位以内に四人が入る状況に。
……なんでや、夕湖好きですよ。5巻6巻の彼女の頑張りをもうちょっと慈しんであげましょうよぉぉぉ……。
あと、ここでは陽と悠月の順位が逆転したのも意外でした。
ともあれ。
チラムネはいいぞ、ということで。
3.上位作品から気になるものを。
少し落ち着きまして、上位の作品について話していきます。
とはいえ単行本・ノベルズ部門は大きくてお高いので今回は断念ということで。
2位の『春夏秋冬代行者』は『ヴァイオレット・エバーガーデン』の作者さんの新作だそうですね。ファンタジーは苦手なのであまり読めていないのですが、泣けると評判なので読もうかな、と思います。協力者票がすごく入っていますしね。
4位の『ミモザの告白』も、気になってはいました。どうやらLGBT(という言葉で端的に表すのも躊躇われる事情ですが、今回は便宜的にこう表現します)が関わってくるお話のようで。ただ重めの話なので倦厭していたんですよね。12月に2巻も出ますし、読んでみるつもりではあります。
7位の『義妹生活』はYouTubeからスタートした物語ですね。とはいえYouTubeと本編は密接にかかわっているというより、あくまで関連コンテンツという位置づけのような気もします。こちらも評判がよく、先日12月24日に発売の4巻の書影が公開されて、すごく気になったんですよね。7位は伊達じゃないでしょうし、読んでみようと思います。
9位『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』は、実はつい最近2巻を読みまして。「あ、これこれ! 青春ラブコメって感じ!」となった作品です。もっと早く読んでたら入れたかもしれないですね。3巻も12月発売ですので、もちろん買います。天邪鬼はよくないなーって思った作品です(自戒)。
14位『ただ制服を着てるだけ』も、発売当初から気になって試し読みをしていました。ただちょうどそのときが重めの話を受け付けない時期だったので断念したんですよね……これを機に読んでみようかな、と。やっぱり読み合わせは重要ですからね。
私が投票した作品だと、ラブだめが12位、ホヅミ先生(とくんと。)が17位に入っています。ギリギリ1巻だけだと選ばなかったマケインも、18位ですね。2巻のあとなら絶対に入れていた一作です。
どれも素敵な作品ですので、読んでみたいですね。
4.終わりに
さて、長くなりましたがいよいよ終わりです。長くなった理由の大半がチラムネについて語っていたからだ、とか言ってはいけません。しょうがないじゃないですか。発売前から推してた作品が二年連続一位ですよ? うざ古参アピールだってしたくなります。
とはいえ、このラノは順位だけのものではありません。
インタビュー記事は「え、これ文庫本一冊分くらいで読ませていただいていいんですか……?」ってくらいに読んでいて価値がありますしね。
ラノベは月に何十冊も出ています。私は基本的にはどんな作品が出るのかを調べたうえでタイトルと表紙、あらすじを吟味しつつ月に2~5冊ほど選ぶのですが、やはりそれだと限界があるわけで。
そんなとき、ラノベ好きの人の愛が詰まったコメントを読むと「お、いいじゃんこれ」ってなりますよね。実際、気になっていたけど手が出せなかった作品に手を出す勇気も出ました。
11月25日は、あわてんぼうのクリスマス。そんな日にラノベと向き合い、ラノベ生活をよりよくできるのがこのラノなのかもしれません。そう思うと、編集の方には感謝しかございません。
「凄い」という言葉の定義を巡って9月上旬あたりには揉めたり、協力者の話でごだごだしたりして、実は私も少し辟易していたのですが……そのなかでたどり着いたのが、『ラノベってワクワクさせてくれるんだよな』ということでした。
ラノベはワクワクさせてくれるんです。
タイトルがあって、かっこよかったり可愛かったりする絵があって。どんな物語なんだろうっていうワクワクが、1000円にも満たない額で買えて。
SNSで発売前から想像を膨らませたり、試し読みをしたりして、遠足の前の日のようなワクワクを味わえて、いざ読んだら一生手放したくないって思える光に満ちているんです。
だから私は、ライトノベルのライトは軽いと同時に光でもある、と勝手に思ってます。もちろん勝手ですし、ジャンルなんて……って意見も幾らでもあるんですけどね。それでも私は、他の本ではなくライトノベルの存在に救われたので。
そんなわけで最後は語ってしまって痛々しかったですが、年に一度くらいはご容赦を。
来年のこのラノも、ライトノベルを好きでいられるといいな、ラノベ界隈の片隅にいられればいいな、と思いつつ。
それでは読んでくださってありがとこーございました!
下記に紹介した作品のURLを貼っておきます。未読の方はぜひに!