ライトノベルにありがとこー

『好きでワクワク』をコンセプトにしたラノベブログです。

これがチラムネだ『千歳くんはラムネ瓶のなか 8』初読感想

こんにちは、とこーです。

前置きをすっ飛ばして、チラムネ8巻の感想を書きます。今回はブログというよりも完全なる備忘録です。Twitterではネタバレできないので、ブログにして吐き出します。

ではいきます。

 

読みながら感じたことはたくさんある。最後の悠月のシーンは凄まじかったし、朔の弱くも強く在ろうとする言動には大好きだと実感した。久々に大人を見せてくれた蔵センに熱くなったし、前半戦とあえて重ね合わせた展開の数々にもテンションが上がった。

本来ならそういうところに触れるべきで、多分感想としてこれはあまりにも偏ったものなのだと思う。だけど私は今回の8巻を通して、ただひたすら望紅葉という“女”を追いかけていた。彼女の言葉が心に刺さって抜けなくて、たぶんそれは胸に詰まる炭酸みたいなものだった。

何より号泣して、しばらく読むのをやめてしまった台詞がある。

「……私は夏さえもみすみす見送っていたんだなって」

繰り返すが、分かっている。まだ紅葉については語られていないことが多いし、その時点で色々と語るのは推しゆえの妄想だろう。だけどそれでも、この言葉が、紅葉の涙が、あまりにも痛かった。もしかしたら5巻の夕湖の涙以上に、辛かったかもしれない。

チーム千歳の話を聞いて、それで自分の悔しさで涙を流すなんてきっと汚い。6.5巻でなずなが純粋に流した涙との対比になっているのかもしれないと思う。これからたくさんの人が8巻を読んで、きっと紅葉に色んな感情を抱くだろう。身勝手とか自己中とか思う人だっているかもしれない。そうだろうな、って思う。だけどそれでも、ここでもらい泣きってことにしたくなかった紅葉の苦しみが気高くて、綺麗で、いとおしい。今回悠月がそうなったように、望紅葉が望紅葉として朔に向き合える日が来たらな、と思う。だけどそのための切符を手にするために彼女はいま、抗ってるんだと思う。それすら与えられることはなく、今の彼女は唯一朔の心の中にいないから。

……って言ってるけど、きっと今回で紅葉を好きになる人は少ないんだろうなぁとも思う。分かってるよ。分かってるけど、僕は大好きなんだ。

 

他のことも書く。といっても、私はぐわーっと初読をしてから何度も読書を塗り重ねるのが好きなタイプなので、初読は割と荒い。

今回は異質だった。朔の視点は少なく、概ね悠月の視点。そして最後の展開。これまでのチラムネらしくない。だけど間違いなくチラムネなのは、朔に少しだけ似た七瀬悠月の物語だったからだと思う。それでも間違いなく七瀬悠月の物語であり、これまでとはまるっきり違う。個人的には7巻以上に8巻のほうが挑戦的だと思ったのだけど、そこはどうだろう?

ときどき指摘される朔の情けなさ。物語の文脈の上ではやっぱりしょうがないことなのだけれど、それでも朔がそのままでいられるわけがなくて。そのうえでヒーローではなく男子高校生・千歳朔として七瀬悠月に言葉を手向けたんじゃないかと思う。

 

そのほか。

青春感たまらないなぁとか、会話がずるいなぁとか思うところはたくさんあるけど、やっぱり思うことは紅葉のことになる。文化祭の出し物、青少年の主張的なあれでは? 朔に告白的な何かをするって決めてて、合わせる顔がなくなるから演劇を見れないのでは?と邪推。早く9巻読みたい。

9巻と言えば、上下巻構成なのも納得だった。てっきりクラTや演劇のイラストがあったから当日かと勘違いしてたけど、そうじゃないらしい。次回が学校祭本番。陽は追いつくだろうか。明日姉や優空はどうするんだろうか。特に後者二人は分からない。SS読めば少しは分かるかな。今回も揃えるつもりなので楽しみ。

 

あと言い残したこと。うーん、一読だけだとないかな。もう何度か読まないと8巻を正しくとらえることができないのでこれは備忘録です。

とりあえず9巻読みたいな。

以上。