ライトノベルにありがとこー

『好きでワクワク』をコンセプトにしたラノベブログです。

【取りこぼすな、この青春を!】チラムネSS紹介の巻

こんにちは、とこーです。

夏ですね。夏と言えば青春ですね(え?)。

青春と言えば――そう、チラムネでございます!

『千歳くんはラムネ瓶のなか』通称チラムネは、まぁラノベ読みのみなさんならご存知でしょう。というか、私のブログを読んでいる方は皆さん知っていると思います。私の顔が狭いので!

チラムネは、8月18日に後半戦がスタートします。

そんなチラムネですが、毎回たくさんの特典SSが用意されています。しかもその内容が濃い! 読まなくても理解はできますが、読まなきゃ損なのは間違いない!という内容なのです。

 

そんな特典SSですが、特定の法人限定なので入手できていない人も多いと思います。

しかし、中には今からでも読める特典SSもあります。何故なら、4巻までの特典SSをまとめた5巻SS冊子付き特装版が発売中だからです。

今回は今までのSSをネタバレのない範囲で紹介&おすすめし、チラムネ沼にはまる人を増やそう、という企画です(ただ語りたいだけともいう)。

 

具体的には『どんな人におすすめか』『いつ頃の話か』『どこがいいのか』みたいなことをネタバレとせめぎ合いながら紹介します。紹介するのは、

①4巻までの時系列で登場するSS

②SS冊子付き特装版限定の書き下ろし小説

です。

既に読みたくなっていて、前情報なしで読みたい!という方は、こちらにリンクを貼っておきますのでぜひご一読ください。

bookwalker.jp

 

 

 

 

 

 

1)1巻分ショートストーリー

1巻分のショートストーリーは全部で5作。

そのうち5巻SS冊子付き特装版に収録されているのは4作で、もう1作はチラムネのコミックス3巻巻末に収録されています。どちらも時系列的に1巻の前後のお話で、1巻の解像度が上がるだけでなく、解釈自体が深みを増すような内容になっています。

では1作ずつ紹介していきましょう。

 

①たとえば最初に呼ぶ名前

初出:コミックス1巻×原作4巻連動特典

登場キャラ:朔、優空

視点:朔

おすすめしたい人:優空推し/6巻の優空の気持ちをより深く知りたい人

こちらは、1巻1章『憎まれっこリア充は学校にはばかる』と2章『健太くんは部屋のなか』の間のお話となっております。話の内容は2章での健太宅訪問に関するアレコレだったりするのですが……こちらのSSは、特に5巻‐6巻と合わせて読むこと推奨な内容となっております。

というのも……このSSタイトル、6巻プロローグ『私の普通』にて登場しているんですよ。朔視点の話ではあるのですが、このSSのときの優空ちゃんの想いを考えながら読むと、大変エモいお話となっているのです……!

更には6巻の優空ちゃんの過去の話にもつながる部分があるので、優空ちゃん推しの方にはぜひとも読んでいただきたいSSとなっております!

 

②窓の外

初出:コミックス1巻巻末

登場キャラ:朔、優空

視点:朔

おすすめしたい人:優空推し/1巻の朔に惚れた人/朔推し

こちらはコミックス1巻の巻末に収録されたSSです。一度目の健太宅訪問の後、朔と優空ちゃんが“とあるもの”を買いに行く……というエピソードになっています。

まさに健太の説得に繋がる部分でもあるため、1巻の内容を補強しつつ、朔の優しさみたいな部分をぐっと押し出してくれるSSとなっております。

こちらは次に紹介する『家の外』とセットで読むと美味しいSSにもなっています。

5巻SS冊子付き特装版で読めますよ!

 

③家の外

初出:コミックス2巻巻末

登場キャラ:朔、夕湖

視点:朔

おすすめしたい人:夕湖推し/1巻の朔に惚れた人/5巻と6巻の夕湖の行動が好きな人/6.5巻の夕湖を見て惚れた人

こちらは夕湖が登場するSSです。前述したように『窓の外』とセットで読むと美味しいSSなのですが……構成としては、割と『窓の外』と似ています。健太宅からの帰り道、という設定です。1巻を読んだ方は「あー、あそこか」と分かると思います。

そんな中でこちらのSSは朔が健太のために“とあるもの”の情報を調べているシーンが描かれます。1巻ではちょろっとしか書かれてなかったんですが、朔が真剣に健太のために色々とやっていたんだな、と分かるSSです。

更には夕湖との話も描写されます。ここは、5巻や6巻の二人の会話、夕湖視点、そして6.5巻の夕湖と朔の会話を読むうえでものすご~~く意味のあるシーンとなってます。マジで、これを読めば夕湖推しになるでしょ、ってくらいに。

こちらも5巻SS冊子付き特装版で読めますよ!

 

ちなみに私は『窓の外』『家の外』と繋がる1巻の記述がどちらも好きで、それが1巻を推した理由の一つだったりもしたので、この2作のSSはクリティカルヒットでした。

 

④雨、あめ、降れ、ふれ

初出:メロンブックスノベル祭り

登場キャラ:朔、優空

視点:朔

おすすめしたい人:エモいシーンが読みたい人/優空推し

こちらは、1巻で健太くんが学校に復帰してからあれこれと頑張っている期間の、とある雨の日のお話です。チラムネの中では最初に世に出たSSがこれだったりします。メロンブックスノベル祭りでこのSSが欲しいがために散財したこと……!

このSSはとにかくエモくて、裕夢先生節がひしひしと伝わってくる1作です。1巻~2巻はそれ以降に比べると抑えめな部分がありますが、ここのリリカルさは堪らないですね。

「優しい空」という単語が登場したのもここが初めてだったりします。

更には後輩との絡みがあるので、望紅葉ちゃんが登場してたのでは?とか言われたりもしました。まぁ、まだ可能性が消えたわけじゃないですが。

何気に朔のイケメンな一面も見えて、「それはモテるわ……」とも思うSSです。

こちらも5巻SS冊子付き特装版で読めますよ!

 

⑤昼休みの屋上コッペパン

初出:コミックス3巻巻末

登場キャラ:朔、優空

視点:朔

おすすめしたい人:優空推し/1巻の解像度を上げたい人/6巻の解像度を上げたい人

こちらの作品は、現時点ではコミックス3巻でのみ読めるSSです。5巻SS冊子付き特装版を読んでいる人でも、こっちは読んでない、という方もいるのではないでしょうか?

時系列としては、健太が我らがツンデレヒロイン・亜十夢くんに絡まれた日の昼休み。お察しの通り、ちょっと凹んでる朔が優空ちゃんに寄り添われる……みたいな話なんどえすが(ネタバレギリギリ)、これがエモい。

何がエモいって、1巻での陽との関わり方の違いなんですよね。

1巻を読んでるだけでは「陽に背中を押されたんだな」で終わるんですが、このSSを読むと、朔が「誰かに何かを貰う」んじゃなくて「みんなから色んなものを貰ってる」というのが分かるSSになってるんです。

更に、このSSで登場するとある台詞は6巻にも登場し、この回収も鮮やかです。

この部分は後述するSSにも登場するのでそこで詳しく語りますが、6巻の解像度が上がるSSです。っていうか、個人的には法人特典を集めない人でも6巻の解像度が上がるようにコミックス3巻でそういう描写を改めて入れたのでは?とさえ思ってます。コミックス3巻、原作6巻と同時発売でしたしねー。

1巻の解像度が上がるだけでなく解釈さえ変わりかねない激重要なSSを1巻発売から二年以上経って出してくるのもにくいところです。

 

 

2)2巻分ショートストーリー

2巻分のSSは現段階で7作です。『現段階』というのは、コミックス版が今2巻の部分に差し掛かっているので、今後も増える可能性があるためです。

5巻SS冊子付き特装版で読めるのは6作で、残り1作はコミックス4巻巻末に収録されています。どちらも今から入手できるので必見です。では、紹介していきましょう。

 

①遠くに続く影法師

初出:メロンブックス青春フェア

登場キャラ:朔、明日風

視点:朔

おすすめしたい人:エモいシーンが読みたい人/3巻の展開をさらに楽しみたい人/明日風推し

こちらは朔と明日姉のとある放課後を描いたショートストーリーです。時系列はそこまで詳細に描かれていません。2巻発売の日に始まったフェアで配布されたSSなので、1巻~2巻付近の話だと考えていいでしょう。

ここでは曲名こそ登場しませんが、とある曲と思しきJ-POPを明日姉が聞いていて、そのシーンが3巻に割とダイレクトで繋がっていたりします。

3巻のノスタルジーな雰囲気を味わえるSSですし、3巻の展開と大きく関わるSSでもあるので、ぜひ読んでほしい1作です。

 

②いつものカフェラテ、いつものティーラテ

初出:2巻とらのあな特典

登場キャラ:朔、優空、(夕湖)

視点:朔

おすすめしたい人:優空推し/1巻の解像度を上げたい人/6巻の解像度を上げたい人、優空と夕湖の関係が好きな人

ゴールデンウィークの中盤、朔と優空ちゃんと夕湖がエルパに出かけて……というSSです。夕湖も登場するのですが、メインは優空ちゃん。優空ちゃんが“とある場所”でたそがれていると、朔がやってきて……みたいなお話です。

1巻の後の優空ちゃんの心情を描くという点ですっごくいいんですよ、このSS。

更には前述した『昼休みの屋上コッペパン』で語った“とある台詞”が登場するのがこのSSでもあります。

エモいのはこのSSと『昼休みの屋上コッペパン』、そして6巻で“とある台詞”がキャッチボールになっていることなんですよ。このSSのみでは単なる回収なのですが、2作のSSが繋がることで、尊いキャッチボールになるんです。これを気付いたときは息を呑みました。そういう意味で、6巻の解像度を上げるSSです。

一方、サブではあるものの夕湖が登場し、夕湖と優空ちゃんの会話が結構真に迫って描かれる部分でもあります。お互いがお互いを尊重しあってるんだな、と分かるのもこのSSです。

5巻SS冊子付き特装版を買えば読めますので、ぜひ読んでみてください。

 

③ふたりの放課後ボーイフレンド

初出:2巻アニメイト特典

登場キャラ:悠月、陽、(朔)

視点:悠月

おすすめしたい人:悠月推し/バスケ部推し

ここまで紹介してきた中だと、初の朔以外の視点によるSSです。実際、出た順番でも朔以外の視点はこのSSが初めてですね。悠月が朔に偽物の恋人を頼む前、時系列的にはむしろ1巻の範囲です。悠月と朔が電話で話した日の翌日なので。

悠月が冷静に朔と陽の関係を分析したり、この時点での悠月にとっての朔がどんな人物なのかを知れたりするSSです。

悠月推しはもちろん、バスケ部のナナウミコンビが好きな方にはぜひ読んでほしいですね。

 

④多分、友達の好きな人

初出:メロンブックスノベル祭り

登場キャラ:朔、陽

視点:朔

おすすめしたい人:陽推し/青春感を味わいたい人/2巻の解像度を上げたい人

陽がメインという意味では初なのがこのSSです。2巻の練習試合を経て、その後日の朔と陽の放課後が描写されるお話となっております。

このSSを読むと、朔の日常が地続きなんだな、という感覚を味わえます。ヒロインが複数人だからこそのよさですね。

加えて、陽の心の揺れ動きも書かれている作品です。2巻~3巻の特典では陽の朔への微妙な感情がちょいちょい描かれているんですが、これもそのうちの1作ですね。そのあたりのSS群を追いかけつつ4巻を読むと、陽のことがグッと好きになると思います。

 

⑤SNS風ショートストーリー

初出:BOOL☆WALKER2巻特典

登場キャラ:悠月、陽

視点:陽?

おすすめしたい人:陽推し/悠月推し

これは先ほどの『多分、友達の好きな人』のときに語った、陽の感情を描いたSS群の1作です。

これはチラムネのSSの中では唯一SNS(LINE?)風の作りになっています。時系列としては、2巻のお祭りの前日。女子同士の会話がJKっぽくて、それだけでも用価値があるのですが……注目してほしいのはSNS風の作りになっている、ということ。

メッセージのやり取りの『時間差』や『打ちかけのメッセージ』など、SNS風だからこそ感じ取れるものがあるSSなのです。

悠月の乙女っぽさを感じ取れるSSであり、陽の乙女っぽさが滲むSSでもあり、二人の関係値も伝わってくるSSです。

 

⑥ナイショの青と青

初出:2巻ゲーマーズ特典

登場キャラ:朔、夕湖、(健太)

視点:朔

おすすめしたい人:夕湖推し/2巻の裏側を知りたい人

こちらは夕湖がメインとなるSSです。時系列としては2巻終盤。SSの中でもかなりコメディ寄りで、2巻のとあるシーンの裏側が覗けるSSです。

夕湖の可愛らしい一面も描かれており、ぐいぐいと朔の“とあるもの”の趣味を聞いたりするシーンは、結構いじらしいです。

夕湖推しにはぜひ読んでほしいSSとなっております。

 

⑦鏡に毒りんご

初出:コミックス4巻巻末

登場キャラ:悠月

視点:悠月

おすすめしたい人:悠月推し/6.5巻の悠月を見て惚れた人

このSSは今の段階ではコミックス4巻の巻末でのみ読めるSSです。時系列としては、2巻の直前。朔とカフェで待ち合わせをする日の朝のお話です。

「悠月、この時点でこんなことを考えてたんだ……」っていうのがダイレクトに伝わってくるSSで、個人的には2巻の中の悠月の見え方が結構変わった気もしてます。

更には6.5巻とかなり繋がりがあり、後半戦での悠月への期待度が増すお話にもなっていたりします。

同時に悠月の悠月らしさが垣間見えるお話であり、ヒロイン・七瀬悠月ではなく、人間・七瀬悠月を好きになれるSSの一つなのではないかな、と感じます。

コミックス4巻は原作1巻ラスト~2巻に突入していて、こちらだけでも非常に読み甲斐があるので、マストバイですよ!

 

3)3巻分ショートストーリー

3巻分のショートストーリーは全部で5作です。いずれも5巻SS冊子付き特装版に収録されているので、読みたい方はそちらをご購入ください(今後コミックス版の刊行で増える可能性はありますが)。

どのSSも個人的にかなり好きなものなので、語っていきますね。

 

①できればずっと、また今度

初出:3巻アニメイト特典

登場キャラ:朔、夕湖、優空

視点:朔

おすすめしたい人:夕湖推し/優空推し/この三人が好きな人/優空と夕湖の関係が好きな人/6巻の解像度を上げたい人

夕湖と優空のパジャマ姿のイラストとセットで配布されたのがこのSSです。3巻にて夕湖と優空が押しかけてきた日の話となっています。

前述した『いつものカフェラテ、いつものティーラテ』以上に朔・夕湖・優空の三人でのシーンが描かれているSSです。と同時に、夕湖と優空の二人の仲の良さも伝わってくる、とってもいいお話です。

この三人の一年生の頃から続いている関係性が好きな方、5巻や6巻での三人の対話で心が動いた方にはぜひとも読んでほしいSSだったりします。

また、個人的には夕湖の優しさというか、いい子さがひしひしと伝わってくるのもこのSSだと思っています。彼女が抱える悩みとか、そういう等身大の柊夕湖という女の子の一面が垣間見えているんです。

更に言っちゃうと、ここの内容はがっつり5巻に食い込み始めてるので、十二分の物語を楽しむうえでは欠かせないSSだなぁ、とも思ってます。

 

②たまにはネクタイを外したくなる

初出:3巻ゲーマーズ特典

登場キャラ:朔、陽

視点:朔

おすすめしたい人:陽推し

この話は、素直に陽推しに読んでほしい話です。陽推しの方にも「こういう陽が好き」というのは色々だとは思いますが、なかでもこのSSは陽を好きな人が好きな陽が詰まってるなぁ、と感じます。

前述した陽の感情を描いたSS群の1作で、キャッチボールをした後日の放課後の一幕なのですが……タイトルの通り、陽のネクタイにまつわるお話です。

ちょっとアンニュイだったり、しおらしかったり、恥ずかしがってたり、かと思えば真っ直ぐだったり。陽らしい可愛さが要所に見え隠れしつつ、4巻での点火に向けてひしひしと何かが高まっているSSです。

 

③掴みたいのに掴めなくていつでも見てるだけ

初出:3巻とらのあな特典

登場キャラ:朔、夕湖

視点:朔

おすすめしたい人:夕湖推し/朔にとっての夕湖の存在の大きさを感じたい人/朔の少年らしさを感じたい人

私がこのSSが大好きなんです!!!!!!

……と声高に叫ぶくらいには好きなSS。悠月のストーカーの件が終わり、夕湖と朔が遊びに行ったときのゲームセンターでの一幕です。

このSSは、とにかく夕湖の存在がどれだけ朔の支えになっているか、っていうのが伝わってくるんですよ。このときの朔は明日姉の進路の話を薄らと会話の流れで聞いて、少し気にしているところなわけでして。幻とか憧れとかの狭間で揺れたり、結局智也くんを止めることはできなかったり、結構複雑な時期なんですよ。

そんなときに遊びに誘って、気晴らしをさせてくれる夕湖の存在の大きさ!

本当にこれが好きです。

あと、このSSの締めの地の文も好きなんですよ。そこに朔らしいモノローグが詰まってるな、って感じがしています。

凄く読んでほしいSSです。

 

④シャンプーにキャップ

初出:3巻BOOK☆WALKER特典

登場キャラ:朔、悠月

視点:朔

おすすめしたい人:悠月推し

このSSは、私的に「悠月推しにめちゃくちゃ刺さるSSだろうなぁ」と思っているSSです。

時系列としては、明日姉との東京旅行から帰ってきた日。

あえて言うなら、悠月に背中を押されて明日姉を連れ出し、そして帰ってきた日でございます。

これだけでも悠月の感情が想像できるのではないでしょうか。

女・七瀬悠月のかなりリアルで緻密な心情を、朔と悠月らしいやり取りに織り交ぜながら描いたSSです。悠月の良さが伝わってくるだけでなく、悠月の解像度が上がるお話でもあるので、後半戦を読んでいく上でも結構重要だなーと感じてます。

ちなみにこのとき悠月が来ているパーカーはガガガオンラインショップにて購入可能です。

 

⑤あなたと見たいブルームーン

初出:メロンブックスノベル祭り

登場キャラ:明日風、(朔)

視点:明日風

おすすめしたい人:3巻の解像度を上げたい人/明日風推し

このお話は、明日姉のミステリアスじゃない部分がぎゅっと押し出された可愛いお話だなぁ、と思っています。特に3巻以前は明日姉がミステリアスに描かれていましたが、このSSは女の子・西野明日風って部分がかなり出ていると感じています。

時系列は東京旅行の直前。朔を待たせて準備をしているときですね。

旅行の準備といえば……と妄想を膨らませると、その時点で読みたくなるのではないかと思います。控えめに言って、めっちゃ可愛いです。すっごい乙女なので。

また、ここでは作品の中で大事にされている呼び方にも注目できると思います。

明日姉にとって朔は「朔兄」であり「君」でもある。明日姉は「君」であり「明日姉」でもある。これは3巻にとどまらず、朔と明日姉の関係の中で欠かせない考え方です。このSSではそこが描かれてもいて、今後の二人の関係を見ていく中で読んでおくべきSSだなぁと感じています。

 

 

4)4巻分ショートストーリー

4巻分のSSは全部で3作ですね。やや少なめに見えますが、実際には4巻発売と同時にコミックス1巻が出ているので、『窓の外』や『たとえば最初に呼ぶ名前』を書いていて、裕夢先生のSS執筆量は変わらない(どころか増えている)んですよね。

ともあれ、1作ずつ紹介していきます。

 

①うそつきは夏のはじまり

初出:4巻とらのあな特典

登場キャラ:陽、夕湖

視点:陽

おすすめしたい人:陽推し

陽の感情が現れてるSS群の1作です。時系列は、プール掃除を命じられた日の放課後。夕湖からある提案をされて……といった感じのお話です。

まさに4巻の最中のお話なので、陽の感情も点火寸前、という感じ。タイトルも含め、とっても4巻の特典SSらしいなぁと感じています。

陽の可愛さや感情の動きを読むうえでもとてもいいのですが、5巻以降が刊行されている今となっては、それ以外のところでもものすごく注目のSSです。というのも、陽から見て夕湖がどんな子なのか、みたいなのが少し描かれているんですよ。それが5巻や6巻……と恋に目覚めた陽に繋がってくるんです。

陽が好きという意味での陽推しの方も、陽の恋を応援したいって意味での陽推しの方も、ぜひ読んでほしいSSです。

 

②先輩と後輩の距離

初出:4巻ゲーマーズ特典

登場キャラ:明日風、陽

視点:明日風

おすすめしたい人:明日風推し/明日風の心情を知りたい人

明日姉推しにも、特に推しというほどではないという人にも、ぜひ読んでほしいSSです。というか、西野明日風という少女を知る上でこのSSを読まない選択肢はないと思います。

時系列は朔たちが野球の練習を始めた頃……といっただけで、6巻既読の方はどんなお話か察するのではないでしょうか。

そうです。そういうお話です。

明日姉の気持ちが歯がゆさとか苦しさとか、そういう単純に言語化したくない部分がぎゅっと描かれたSSです。っていうか、これは本当に本編にすべきでしょ、と思うレベルですね。

4巻~6巻にかけて、西野明日風という“先輩”は何を思ったのか。

これは、たとえば5巻で一人だけ朔と一緒に夏祭りに行けなかったことや、朔との二人きりの勉強合宿や、水着を見せにきたことや、キャンプで朔たちと合流したときの気持ちや、色んなものがぐーっと押し寄せてくるSSだと思います。

特にね、キャンプのときに明日姉が「こういうの、ずっと憧れだった」って言うんですが、そのときに会話しているのが陽だったりして……!

卒業が近づく彼女の今後を読んでいく上で、絶対に読んでほしいSSです。

 

③私たちの1 on 1

初出:4巻アニメイト特典

登場キャラ:悠月、陽

視点:悠月

おすすめしたい人:バスケ部推し/悠月推し

4巻のラスト直前のワンシーンを切り取ったお話です。バスケの試合~陽と朔が帰る直前まで、ですね。

4巻でメインとなった陽ですが、その裏では悠月もかな~り画策していたわけで。そんな彼女の熱い一面が垣間見えるSSです。

バスケ部二人のこのノリがたまらないって言うのもありますし、ここでは女・七瀬悠月らしさが滲んでいて、悠月推しには刺さるのではないかと思います。体育会系らしさと女らしさが同居していて、かなりイイです。

悠月推しはもちろん、ナナウミコンビの絡みが好きな人にもぜひ読んでほしいお話です。

 

5)5巻特装版書き下ろし掌編『夜更け前の月と夜明け前の太陽』

登場キャラ:悠月、陽ほか

視点:悠月&陽

このSSは5巻SS冊子付き特装版のみで読むことのできる、ちょっと長めの書き下ろしショートストーリーです。時系列はSS冊子付き特装版の表紙に描かれる秋。それも、みんなが一年生のときの秋です。

一年生の頃の悠月と陽の視点で物語が展開され、バスケ部の先輩との絡みや一年生の頃の朔との絡み、当時の悠月と陽の心情などが描かれているお話です。

ぶっちゃけそれなりの文量なのでお話としてただただ面白いから読もうね、と言っちゃってもいいんですが、あくまでショートストーリーとして紹介していきます。

まずこのSSは未だ描かれていない秋が描かれているということで、チラムネ後半戦を先取りして空気感を感じることもできます。それだけで美味しいですよね。

そして次に、一年生の頃の悠月と陽の恋愛観や朔への気持ち、お互いへの気持ちなどが描かれています。これが二年生の彼女たちとどう変わったのかを読んでいくのも最高じゃありません? 感情の差分があるからこそ今の感情が際立つわけで。単に特別じゃなかった存在が特別になったとか、何とも思ってなかったけど惚れたとか、そういう変化じゃないんですよ。ここがいい。

更に、一年生の頃の朔が描かれているのもポイントです。この頃の朔と悠月や陽との接し方と、今の関わり方の違い。ここからは、朔視点が描かれてはいないものの、朔にとっての悠月や陽の存在の変化も読み取れると思うんです。だからこそ、読んでほしい。このSSを読むか読まないかって、5巻6巻の捉え方にも結構影響するでしょうし、もっと言えば朔たちの今後の青春をどう捉えるかってことにも関わると思うんですよ。

なのでぜひぜひ読んでほしいな、と思っています。

 

 

6)終わりに

さて、ちょっと長くなりましたが今回はここで終わりにしておきます。

本当は5巻以降のSSも語りたいのですが、語っても未読の方が入手するのが難しいですからね……またまとめていただけたら、そのときに書きます。

チラムネはちょっと本気でSSがもはや本編なので、余裕がある方はぜひゲットしてほしいです。近くに店舗がないって方は送料とかがかかってはしまいますが、通販サイトで買う選択もあるのでぜひ推しのSSだけゲットする、とかもありだと思います。

もちろん読まずとも本編は十分に楽しめるように作られているので、そこは安心していいと思います。特典をゲットしない浅いファンは楽しめないぜ、みたいな意地悪なことは絶対にされてないので。

ただ読んで絶対に損はしないので、比較的入手しやすい特装版に収録されているSSだけでも読んでみてください!

 

 

また、7巻に向けては短編集6.5巻も絶対に読んでほしいな、と思っています。

○.5巻ですが完全に本編で、ヒロインたちの夏の終わりが綺麗に描かれた名作です。ぶっちゃけ、6.5巻だけでも読み物としてものすっごく面白いので。

6.5巻の感想記事はぶらさげておくので、ぜひ読んでみてくださいね。

toko-96463.hatenadiary.jp

 

 

それでは、今回はここまで。

7/29~8/1までは20時に毎日チラムネの新規イラストが公開されるそうなので、覚悟を決めて待つとしましょう!

それではここまで読んでくださってありがとこーございました!

 

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