『君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る。』感想
こんにちは、とこーです。
今回はガガガ文庫の新人賞を受賞した『君はヒト、僕は死者。世界はときどきひっくり返る。』を読んだので感想を書きます。
でははじめます。
まず初めにふと思ったのは、『そういえば僕、こういう系の話って読んだことないな』ということでした。
バトルとかじゃないファンタジーみたいなものに、そもそもあんまり縁がなかったんですね。なので個人的にはそういう意味で新鮮でした。
それとは別のところで言うと、なんだかものすっごい綺麗でしっとりとした話だなぁって思いました。まるで童話のような、というと怒られるかもしれませんが、それくらいに優しくて、眠る前に読みたい話だったんです。
デッドが本当に優しいんですよね。ファイに一途で、凄くふわふわした存在で。あえて言うならそんなキャラ像に、ラノベっぽさを感じない部分もありました。でもむしろ、だからこそのラノベっぽさも溢れていて、不思議な魅力があったように思います。
ファイはものすごく可愛らしく、二人の関係性は凄い尊いです。暴力系ヒロイン、いいですよね。
それゆえに、ラストは嬉し涙でいっぱいになりました。
女の子が空から降ってくるっていう、最初のところをあえてまた持ってくる感じとかズルすぎるんですよ。
あと、あそこ。
デッドとファイのキスのところ。
描写もそうですし、挿絵も、まじで本当に美しかった。
あれは、ラノベ史に残る名シーンだと思います。
あと同じく名シーンで言うと、『この世界の端っことあの空とが繋がっていたら~』というセリフから始まる流れは、本当に綺麗でした。文章付き口絵の時点でなきそうになるほど。
なんだか、もうそこがずっとこびりついてます。1番心に残ったところを挙げろって言われたら、多分そこになりますね。
こんなところでしょうか。
なんだか、ガガガ文庫らしい作品だったなぁと感じました。ガガガ文庫ファンとして、読んでよかった1作ですので未読の方はぜひ。
それでは読んでくださってありがとこーざいました!