『継母の連れ子が元カノだった 4』感想
こんにちは、とこーです。
外に行けないせいでラノベを買えていないので、更新は久しぶりとなります。
本日発売連れカノ4巻の感想を書いていきます。
それではいきます。
まず、本当にストレートに。
もしかしたら怒られるかもしれないけれど、思ったので言わせてください。
この作品は、“格が違う”。
序盤のストーリーは、帰省前の、夏休みの2人の一時についてのなんてことのないエピソード。
読めばとにかくニヤける。ニヤけるすぎてほっぺが痛くなるほどの出来でした。
1-3巻を読み返していなかったこともあって、「あーこういうイチャイチャニヤニヤな作品だったなぁ」と思いながら読んでいたのです。
ですがそれは、少しずつ瓦解していきました。
それは帰り道に。
あるいは、東頭がいる時に。
恋にゆれ、その度に理性的になる2人。
そんななか、ストーリーは帰省へと動きました。
そこからがすごかった。
結女からの水斗が徹底して描写されていくのは、時ににやけたし時に胸が苦しくもなった。
シベリアの舞姫については、作中に登場するお話なのに泣きました。
最後の文章は思い出しても泣けます。この作品の甘やかなところに比べれば明らかにシリアスなところなのに、あのお話だけでも魅了されて、息を飲みました。
結女が、水斗の初恋相手を勘違いしてからはどこか不穏な雰囲気が漂います。ケンカップル、ガチ喧嘩モード。
そんな中で追い詰められていく結女。
そんな状況が一気に変わるのは、円香への相談タイムです。
この、人生の先輩に気付かされる感じ、いいですよね。よく青春ラブコメには見られますけど、それがいい。
相談が終われば、今度は次の山場。水斗と結女が呼び合うシーン。感動的なのにどこか切ない。
かと思えば最後の最後にとんでもない爆弾でら可愛い挿絵が入って終わり。
この、落とし所の美味さが半端ないです。
そして最後。サブタイトルにもなっているその章は夏祭りです。
過去の話が回っていき、同時に水斗という存在が読み解かれるような盛り上がり。更には巻の最初のシーンのところに戻っていくという神展開。
水斗のもとへいく結女、というシーンで一気に切り替わる水斗。
この巻ではあまり水斗サイドの話がなく、だからこそそれまでの話とは乖離的な印象のある文が更にはストーリーを盛り上げる。
そして結女がたどり着く。
付き合っていた頃の話、未練の話。それまでの章で描かれたことが一気に集約し、それどころかこれまでの1-3巻さえ、回収するように進んだところで水斗が泣く。
そんな水斗に結女がキス。
あの、描写とイラストの演出!!
まじでスゴすぎるし、本当にすごい(語彙力)。
そして、この恋、そうやって進めていくのかっていうところにおさまりました。
ある意味、過去の自分が恋敵ですね。なんだか全く予想してなかった方面に、けれど前向きに進めてよかったと思います。
次回からは積極的な恋になってくるでしょうか。
。。。と、やって終わりにするのが普通なのですが今回はまだまだ語ります。
ほんと、これ、すごい。
多分前も言ったけど、改めて思うんです。
まず基礎がびっくりするくらい固まってます。文章が読みやすい。癖がある訳ではなく、本当にすっとキャラの心情が入ってきます。このストーリーにぴったり合う地の文。そんな印象です。
そして構成力。伏線回収なんてもんじゃない、ぎゅわんって集約されるみたいな感覚はマジですごいと思います。個人的にはシベリアの舞姫のところと、最初の電話のところの2つが一気に集まるみたいな感覚が1番震えました。
で、何より演出!
今、ちょっと角川スニーカー文庫さんについては話題になってます。だからこそ感じました。「この作品は角川スニーカー文庫から出てよかった!」と。
まあ演出は作者様の意向なのかもしれないですが。
でもこれ、ほんとに演出がやばい。
挿絵ひとつひとつにすら意味を感じます。これがライトノベルでもよかったと、心から思います。
それぐらいヤバい。
改めて言おう、この作品は“格が違う”。
別作品を出すのなら、僕の中で『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』『千歳くんはラムネ瓶のなか』『友達いらない同盟』の三大ラブコメは他のラブコメとは格が違う部類に入っているのですが、今巻を読み、この作品もそれらの部類に入るレベルでした。
長くなりました。
多分、外に出れない分更新は控えめとなると思います。
ですが、今回これを読んで、やっぱりライトノベルはすげえなって思いました。
読んでくださってありがとこーざいました!