ライトノベルにありがとこー

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『千歳くんはラムネ瓶のなか3』感想

こんにちは、とこーです。

死ぬほどお久しぶりです。最近はコロナウイルスが大変で、困りますね。

そんな日々ですが、今回はチラムネの3巻の感想を書いていきたいと思います!

千歳くんはラムネ瓶のなか (3) (ガガガ文庫 ひ 5-3)

千歳くんはラムネ瓶のなか (3) (ガガガ文庫 ひ 5-3)

  • 作者:裕夢
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それではいきます。

まず一言。

超凄かった!!

ただそう思います。

これは、読んだ方ならば同じように思ったのでは、とも感じますが今回の3巻は、これまでのチラムネ1、2巻を更に超えるほどの面白さと感動があったのではないかと思います。

理由は色々ありますが、なにより、これまで以上にキャラを描いていたからでしょう。

例えば浅野。

彼とのショッピング帰りの語らいにはとても思いがこもっているものでした。

おそらく、彼が好きなのは彼女でしょうね。それを察するからこその千歳くんの言葉。これまでよりまた1歩、浅野に踏み込んでいました。

それは他のキャラも同様。

進路というテーマによって、色んなキャラの思いが必然的に見えるお話であるように思いました。

 

と、そういう話もしたいのですが。

今回は千歳くんと明日姉の2人について語りたいっ!

 

というかというか!

やはり予想通りに明日姉は初恋の女の子だったんですね!

しかも明日姉は過去の千歳くんに憧れていた!

そこは予想通りだったんですが、そんな予想通りをはるかに超えるくらいの感動がありました。

 

どうやって語ろうかなと思ったんですが、今回はまとめる気ゼロで好き勝手に行きます。また今度、丁寧にまとめるのです。

 

まず千歳くん。

彼が明日姉からどんな言葉を貰ったのか思い出すシーンは、とても切なくも暖かくて、涙がにじみでてきました。

どうせ~のくだりとか、むっちゃ凄かったです! あれを考えつく裕夢先生も、かっこいい。。。

で、そんな千歳くんなんですがやはり野球部と何かあったことで夢を諦めてしまったそうで。

そういう点において、彼の空虚さのようなものが見えてきたお話でもありました。

個人的にグッときたのはキャッチボールのところ。

陽も『いいやつかよ!!』ってなりましたけど、それ以上に上村くんがいい。絶対、2人で面と向かってガチ話してほしい! というかいつかそうなりそうだし、そうなったら熱そう!

そんな千歳くんですが、今回もかっこいいシーンが多々あって。

明日姉を蹴り飛ばすシーンの、迷いをふっきれながら話すみたいなところの青春っぽさとか!

明日姉と駆け落ちのところの真っ直ぐさとか!

そもそも、駆け落ちの時の明日姉を呼ぶあれって確か1巻の伏線回収ですよね。

で、左耳の合図とか、そんなベタなところも押えて!

けどけど!

そういうところ諸々が、でもこれまでのようなスカッとするヒーロー感じゃなくて、青臭くて真っ直ぐなヒーロー感なんですよね。

ただ、そんな彼にも色々あった訳で。

バーフェクトを目指した理由とか、そういうところの彼の本質が描かれていく中で色々と考えさせられるところがありました。

でも、なんかそういうところ総括してやっぱりかっこよかった。

 

一方の明日姉は本当に魅力的。

これまでとは違う一面が垣間見れたのですが、その中でも個人的に胸に来たのは編集者をめざしているところですね。

明日姉と僕なんかではまったく別で、自己投影なんてする気の欠片もないんですが、それでも同じ編集者になりたい者としてすっごく胸に来て、応援したくなりました。

以前の千歳くんという月を追いかけ、その結果として今の千歳くんにとっての月のようになれた彼女。

彼女自身はそれが偽物のように思っていて、でも千歳くんにとっては紛れもない月で。

その認識の差異ははたして『幻』なのかどうなのかってところで、だからこそ太陽じゃなくて月なのかな、と思いました。

そんな彼女から見た千歳くんについても今回、彼女のモノローグで語られていました。

今の千歳くんは『変わってしまった』ように見えた。でも、『本質的には変わっていない』。そして、そんな彼に憧れたからこそ、彼女は自分から前に進むことで今の彼が立派な月たりえることを示したかってのかな、とか、思ったり。

 

さて、2人の話は1度おしまいにしまして、今度は今回の総括的なところに移ります。

今回、ズバリテーマなのは夢であり物語でしょう。

明日姉が追いかける夢、千歳くんが見失った夢。

物語のおかげにし続けてきた明日姉、すべて物語にしなかった千歳くん。

ラムネの瓶のビー玉を浮かんでいると見る明日姉と、沈んでいると見る千歳くん。

そんな2人は対照的に描かれていると、同時にちょいちょい意趣返し的なこともしてるんですよね。

僕が読んでて『あっ』って思ったのはラストシーン。

明日姉が『そんなプロポーズは死んでもごめん』って言ったあれ、同じようなことを千歳くんが序盤で言ってるんですよね。

2巻では悠月と千歳くんが=であり≠であると語られたのと同様に、今回は明日姉と千歳くんが≠であり=であると語られたのかな、と思います。

そんな中で、じゃあ千歳くんはどう進んでいくのかってところですよね。

彼は明日姉に色んなことを吐露し、それでもそんな彼のあり方のことをヒーローと呼ぶのだと言われました。

その言葉に彼がなんと思ったのかは、今回そんなに描かれていません。

だからこそ今後どう進むのか、楽しみではあります。

気になるのは明日姉は『ヒロイン離脱なのか!?』というところ。

個人的には普通に、離脱はしないだろうなって感じなんですが、それにしても悲しい感じに終わったなってところはあります。

 

何はともあれ、今回の3巻はチラムネにとって大きなものであると同時に僕にもすごく刺さるものでした。

ああやって吐露するものがあって、でもそんなところですら、かっこいいと思えてしまうのだから千歳くんはほんとずるいです。

裕夢先生的には10巻以上続く物語とのことなのですが、これ、5巻くらいで読者を浄化し尽くす効果を持つのでは!? ってくらい進化し続けてますよね。

次巻も物凄く楽しみです。

それでは今回はここまで。

乱文でごめんなさい、今度、まともな考察込みの感想はあげたいと思います。

それでは読んでくださってありがとこーざいました!