チラムネ語り
こんにちは、とこーです。
今日も今日とてダウナーな私ですが、今回は先日表紙ラフが公開された『千歳くんはラムネ瓶のなか』3巻について語りたいと思います。
一応言っておくと、バリバリネタバレあり&妄想考察ありのお話となります。
それではいきます。
1.表紙
表紙のラフ(ラフって言わないかもしれないですが)が公開されましたが。
なんと三巻のメインヒロインとなるのは西野明日風先輩でした!!
なんとなく『裕夢先生ならやってきそう』と思いながらも『いや、でも流石に三巻には来ないだろ……』と思っていたのが明日姉だったので、ちょっとびっくりしました。
その絵についてはTwitterで検索したらすぐ出てくるのでそれでぜひ。ここにツイートを貼るのはOKなのか分からないので。
まずはこの表紙について言いたいのですが。
普通に神じゃないですか!?
もう、既に表紙にできるレベルのクオリティなんですけど。
あの足のポジションの絶妙なエロさもいいですよね。明日姉もヒロインなんだなぁって強く感じさせられる表紙です。夏服は胸部がいやらしくない程度に強調されていいですよね。
2.明日姉という人物
三巻のメインヒロインとなる明日姉。
彼女は一巻からもミステリアスな存在のように描かれ、どう考えても他のヒロインとは別な存在として扱われていました。
それゆえに三巻で来ると思っていなかったわけなのですが。
でも、いざ考えてみるとなるほどなぁと(勝手に納得する)思ったので一つずつ語っていきます。
①二巻での伏線?
二巻において千歳くんが語った彼の初恋のお話がありました。
で、それだけならただの話の一つとして考えられそうなのですが、その後の明日姉との会話で明らかな匂わせがあるんです。
まずはその初恋の女の子についてまとめますと、
・小さい頃県内にある千歳くんの母方の実家で毎年ひょこっと現れる女の子
・人形みたいな顔立ち
・背中くらいまである髪
・多分年下
・ちょこまかと後をついてきた
・真っ白なワンピースを泥で汚して大泣きしてた
・千歳くんに『自由でうらやましいなー』と言っていた
・ある年から姿を見せなくなった
・噂によると好きな男の子ができたらしい
→その男の子はとてもかっこよくて、運動神経がよくて、頭のいい人。
なんだか、もうこれだけで千歳くんとのやりとりが脳裏によぎっていいですよね。
で、まぁここまでなら『少年漫画なら途中で登場しそうだよね』みたいなところなんですけど、問題はその後のシーン。
具体的には第三章の最後のところ。
「そうやって君も、私も、大人になっていくのかもしれない。麦わら帽子とワンピースを押し入れにしまって、ぱりっとしたスーツを取り出すの」
「俺はいつまでも短パンとビーサンを忘れたくないな」
「きっと君には、それがよく似合うだろうね」
どう考えてみても、話はそこまでだった。
「明日姉は……」
なにかを言いかけて思いとどまり、俺は続く言葉を変えた。
「きっとアイロンをかけたスーツよりも、真っ白なワンピースがよく似合うよ」
「きっと真っ白なワンピースが似合う私を、君は好きになれないと思うな」
千歳くんはラムネ瓶のなか 2 P304L13-P305L4
引用してみたわけですが。
ここの描写であえて『真っ白なワンピース』っていう言葉を使うのは確実にわざとだと思うんです。
ミスリードを誘っているだけなのかはともあれ、『明日姉=初恋相手』というイメージ形成する意図はあると思うんです。
更には三章最後の一文でも、千歳くんが前に進めていないと感じている描写があります。このことからも、初恋のことを引きずっている、っぽい感じがあります。
で、この考えを補強するためにお話したいのが以前メロンブックスに特典として付属した明日姉の特典SSです。
地域の関係で読めてない方も絶対いらっしゃるので詳しいことは話しませんが、そこでもそれっぽい描写があるんです。
そこで、明日姉=初恋相手と仮定して妄想で話を組み立て、先ほどの初恋相手の情報を分析してみます。
・小さい頃県内にある千歳くんの母方の実家で毎年ひょこっと現れる女の子
・人形みたいな顔立ち
この2つに関しては当てはまると考えることもできます。明日姉の家がそっちの方なのか、千歳くんと同様に実家がそっちにあるのかは分かりませんが、どちらにしてもありがちですね。
・背中くらいまである髪
これについては今はあてはまっていません。が、小さい頃から高校3年生に至るまでの間ですので、変わっていてもおかしくないでしょうし、むしろ変わっていることに意味があるとも思いま。千歳くんは初恋相手の髪が鬱陶しそうだったと語っていることを、あえて深読みし、その長い髪を『不自由』さの喩えだとみれば、今の明日姉が短髪なのも納得できます。
・多分年下
これも、小学生のころのことなので年上年下が分かりにくいということで辻褄は会います。
・ちょこまかと後をついてきた
ここが千歳くんが年下だと思った所以なのだとすれば納得がいくのではないでしょうか。これは↓にも関わってきますね
・千歳くんに『自由でうらやましいなー』と言っていた。
ここからある通り、当時の彼女にとって千歳くんは『自由』で憧れの存在だった。だからちょこまかと後をついていったし、そんなところが年下に見えた。今の明日姉はむしろ彼女の方が自由っぽい感じですが、そんなところも千歳くんへの憧れから変わったとみることが出来る気がします。
・真っ白なワンピースを泥で汚して大泣きしてた
これについてはむしろ、しっくりきます。先ほど言ったように千歳くんへの憧れで彼女が変わったのなら、『真っ白なワンピースを汚して大泣きした』彼女から『ずぶ濡れの泥まみれになった』彼女への変化。これはしっくりきすぎるほどしっくりくる対比であるように思います。
・ある年から姿を見せなくなった
・噂によると好きな男の子ができたらしい
→その男の子はとてもかっこよくて、運動神経がよくて、頭のいい人。
このあたりがしっくりこないところであるとも感じます。
1つ見方としては、『好きな男の子=千歳くん』という説ですかね。風の噂であるとするのなら、あながちないわけじゃないと思います。むしろこういう昔からの縁についての話って結構誤解が生じてるのがありがちなので、違和感はありません。それにチラムネはそういうのなしに、マジで他に好きな男の子がいる設定もしていそうです。
と、こんな感じで初恋相手が明日姉だとして見ると、割と辻褄があいそうです。
まとめるとするなら
『昔千歳くんの自由さに憧れた明日姉は何らかの事情で(事情はなかったのかもしれない)で千歳くんが彼のおばあちゃんの家にいっている頃に会えなくなった。が、明日姉は千歳くんの自由さに憧れて自由な人間になり、高校生になったとき千歳くんと再会を果たす』
でしょうか。もちろんこれ会っているとは限らないですが。
で、そう考えた時にお話したいのは『何故千歳くんのことを君と呼ぶのか』ということです。
千歳くんを何らかの固定概念で捉えないように『君』と言っている、というのも自然ですし、僕もそれが一番強いと思います。
が、別の読み方として。
千歳くんが初恋相手の名前を知らないというところをフォーカスしてみます。
千歳くんは相手の名前を知らなかった。なら、その相手もまた千歳くんの名前は知らなかったと考えるのが自然です。
だとすれば初恋相手は千歳くんの事を『君』と呼んでいてもおかしくないのではないでしょうか。
更にもし明日姉が初恋相手だとすれば千歳くんのことをあえて『君』と呼ぶのも、過去のことを忘れていないからだ、と言えるのではないでしょうか。
それが事実なら、結構明日姉は萌えなキャラですよね……。
さて、ではここまでのことを踏まえ、『明日姉=千歳くんの初恋相手』であると考えたとき、なぜそんな重要な回が第三巻なのでしょうか。
僕はそうすることで千歳くんのもつ幻想を取り払うためでないかと思います。
一巻でも二巻でも、しばしば幻想についての描写はありました。リア充に対しての幻想、千歳朔という人物への幻想、七瀬悠月という人物への幻想、現実への幻想。
しかし、その中でも明日姉への幻想はかなり色濃いものでした。特に一巻はそうです。まるで幻の女だと思うほどに抱く『明日姉は自由であるという幻想』。これをなくさなければ明日姉はヒロインになれないのではないかとすら思います
見ようによっては、二巻というのは七瀬悠月がヒロインになることを決意する物語です。が、その一方でどんなにラブコメが交わされようと千歳くんが持つ幻想がなくならない限り本格的な千歳くん争奪戦には入れない。
だからこそ、明日姉がヒロインである西野明日風になり、千歳くんの恋への考えを少し変える。
そうして物語が進む。
そういう展開は実にキレイなものですし、ありうるのではないでしょうか。
まあ、全部妄想なんですけどねぇ。
純粋に二巻読んで明日姉推しになったオタクの妄想なんです。
そんなオタクの妄想全快で話すと、明日姉が抱えていた大学進学の諸々のことは、夏休み前には解消してないと現実的にきつそうなんですよね。それに二巻で明日姉と千歳くんの関係もちょい悪化しちゃいましたし。このまま別ヒロインに行くわけにはいかないよねっていう軽くメタい想像もしております。
ともあれ!
『千歳くんはラムネ瓶のなか 3』は4月17日発売です!
楽しみー♪
それでは、読んでくださってありがとこーざいました!
ほんとチラムネ語りは楽しいけど、ブログに書くより誰かの問いの答えを考える方がやりやすさがありますね。