『スガリさんの感想文はいつだって斜め上』感想
こんにちは、とこーです。
本日は前々から読もうと思っていた『スガリさんの感想文はいつだって斜め上』を読んだので感想を書きたいと思います。
サイズとして、文庫判より大きいのがちょっと残念ではありましたが、とにかく面白い作品でしたので未読の方はこちらよりぜひ⬇
それでは始めます。
端的にまとめて、『本が読みたい』と思える作品でした。
題名にもある通り、この作品は読書感想文を軸に話が進んでいくのですが、その読書感想文が果てしなく面白い。
え、そこ!?
と笑ってしまいながらも、すらすらと読める。紹介されている作品のうち、『こころ』の方は読んだことがなく、あらすじを知っているだけでしたがそれでもむちゃくちゃ笑えます。
けど、笑えるだけじゃない。
斜め上に見えて、でもって鋭い。それがいいんです。
揚げ足とりで、批判的にさえ見えて、それはドラえもんをみて、『どうして秘密道具を売らないのか』とかそういうことを考える思春期典型の行動でしょう。でもそれを貫いて、読書へのたどり着いた時、自分の読書をスガリさんは手にしているように感じました。
読書感想文については、本当に、スガリさんの字で書かれたものが頭に浮かぶような気もして、上手いなぁと思わされました。
読書感想文の内容とそれに係る何かしらの事件が起きることで物語的に進めていくくせに、ここまで一貫として読書感想文を軸としているのも個人的には凄かったと思います。
○○が好きな主人公が~みたいなお話の場合、結局好きなものが形骸化してストーリーを動かすためのパーツにしかならない場合もあると思うんです。
それがいいことかどうかは人それぞれでしょう。あくまでパーツとして構成することで緻密に進める。それもありだと思いますし、伏線回収とは得てしてそうやって行われます。
でも、この作品は伏線回収とかではなく、一貫した主題とそれに対しての副題によって行われる問答にさえ感じました。なのに、ストーリーはストーリーでぱーつになっているわけではないから、ほんといい。
ただちょっとだけ言えるとすると、先生サイドの話が長かったなぁ、と。
それはそれで大切だとは思うのですが、僕としてはスガリさんの読書感想文を軸に進めるならもっとたくさんそっちにフォーカスしてもよかったような気がします。
。。。もしかしたら、それもまた意図的なものなのかも?
なんかそういう風に読書するのも楽しい気がします。
読書がより一層楽しくなる作品であったように思います。
文庫判好きなので、サイズが大きいのが惜しいところではありますが、それでも早く次が読みたいですね。
それでは今日はここまで。
読んでくださってありがとこーざいました!