『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』感想
こんにちは、とこーです。
今回は『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』の感想を書いていきたいと思います。
それではいきます。
この作品はある意味ではお金について、あるいは愛について。そういう色んなものについての価値を語った作品であるように思いました。
主人公はお金さえあれば変わることができる。そんな状況で弥子さんに出会います。
弥子さんは死ねばお金になる。
ヒロインの不幸が主人公にとっての利益に、というのはよくある話ですがこの作品では、より顕著に罪悪感や申し訳なさを強調していることであるように思いました。
お金のために関わっている。
そんな風に思われたくない、っていうのはよくあることでは無いでしょうか。
子供の頃ならお小遣いを親戚がくれる時に、ただ無邪気にはしゃげていても、大人になるにつれてお小遣いをもらったことの感謝を何かしらで示さなければと思って、でも単に優しくするとその優しさがやましいものに思えてしまう。そんな行き過ぎた自意識による価値への疑問が綴られている気がして、自分自身、共感と共に自己疑心を抱きました。
そんな中で、主人公はどのようにして愛を証明したのか。
多分、正しくて完璧な証明なんてできていなかったのではないかと思います。とんでもなく的外れで、それなのにとんでもなく的を射てる。そんな独りよがりな証明の結果、彼はその価値を確かに得たんじゃないかなぁと思います。
そう思うと、なんだかそういう姿勢羨ましく感じました。
そして。
主人公は勝てない。
完璧解を続ければ負けることの無いチェッカーにおいて勝てない主人公はつまり、まだ正解にたどり着けていないんだと思います。
そして、正解にたどり着くまで終わりは訪れない。
負けているからこそ、主人公は歩みを止めないのでしょう。
いつか、どこかで2人が出逢えた時。
その時に永遠の引き分けにたどり着けたなら幸せなんじゃないかなぁと思いました。
取り留めのない感想で申し訳ありません。
時間ない中でそれでも書きたかった結果こうなりました。
俺ガイル14巻の影響もあって、それは正解なのか?
そもそも正しいと回答してしまう時点で正しくないのでは?
とぼんやり考えるようになった結果読書も変わった気がします。
それでは、また。