『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 』感想
お隣の天使様にいつの間にかダメ人間にされていた件 を読んでみました。
ですので、今回は感想を書いていきたいと思います。
と、その前に。
Amazonの方のURLを貼っておきますので、気になっている方はぜひ買ってみてください。
それでは始めます。
一つ一つの話が短く、いくつもの小話で構成されている今作は終始『癒し』に徹した作品であるように思いました。
単独ヒロインでそのヒロインの可愛さを引き立てる、というのはよくあるものなのですが、今作の場合はヒロインの可愛さによる『癒し』ではないように思いました。
もちろん、ヒロインである椎名真昼さんはとても可愛いです。和武さんのイラストも萌えます。
ですが。
この作品の『癒し』は、ヒロインの可愛さを生かしながら、主人公とヒロインの甘々な日常をただ、ぼんやりと過ごす。冬にこたつでミカンを食べるみたいな、起伏のない平和さこそが、この作品の『癒し』なのです。
それは、作中で主人公の友人として登場する樹と千歳カップルのような蕩けてしまいそうな癒しではなく、長年連れ添った友人と駄弁っているような『癒し』なのです。カップルのように好きあってもいない、夫婦のように常に一緒にはいない。けれどそこに確かにある『癒し』が時たま恋愛に傾き、時たま思いやりに傾く。そんな作品です。
そういう意味で、『お隣』の天使様なのだなと思いました。
『癒し』というと、バブみを重視して、主人公を甘えさせてあげるヒロインがいる物語もありますが、そういう『癒し』とは別種の癒しだと感じたので個人的にはかなり好きな部類の話でした。
全体的なストーリーも面白いですし、文章もきれいでした。この前の好きラノでも後順位でしたし、今後伸びていく作品だと思います。
ただ、今後シリアスに入っていったときにどんな風に描いていけるかによって、大きく変わってくる気がします。そこはWEB版を読めばわかるかもしれませんが。
ともあれ、自分としては今後も買っていきたい作品でした。
ただ一つだけ言わせてもらうと『癒し』重視の作品だったのでおなか一杯にはならなかったです。
『癒し』を重視した作品だと、どうしても重厚感みたいなものが失われてしまうのかもしれないですね。
間違いなくお勧めできる作品だとは思いますが、ライトノベルに哲学を求めるなら、求めているものは手に入らないと思われますのでご注意を。
それでは。