ライトノベルにありがとこー

『好きでワクワク』をコンセプトにしたラノベブログです。

「千歳くんはラムネ瓶のなか7」を語る。

こんにちは、とこーです。

今回は感想ブログなのか、それともエッセイなのか、はたまたファンレターなのか、ちょっと自分でも分からない内容になります。

作品の内容と離れるところも絶対にあります。なので感想記事はまた後日、どうせ出します。だって最高だったから。

だから今回は、思うがままに書きます。趣味で書き物をしている古参ファンなりの心象の迎え方ということで、許してくださいな。

 

 

 

 

 

1.夏の先の、新章開幕

 第7巻は、再三言われてきていたように物語の後半戦に突入するお話です。その表紙を飾るのは紅葉なわけですが……ここでまず、私はいきなりですが自分語りをしたい。いや、自分語りというか、常々思っていることかな。

 俺ガイルで言えばいろは、ニセコイで言えば万里花、とらドラで言えば亜美ちゃんのように、ラブコメには後から登場するメインヒロイン以外のヒロイン、というものがいるとは思いませんか。最初からいるサブヒロインとも違う、いわば「後から入ってくる存在」。大抵そういうキャラは物語がひと段落ついて、主人公とヒロインの間に何かが生まれてから登場するのです。

 新キャラ、望紅葉。

 さて、彼女の登場をどれだけのファンが予想したでしょうか?

 実際に表紙予想として新キャラを当てたのが(SNS上では)ただ一人だったのは、どうしてでしょうか?

 誰も新キャラの登場を読めなかった?

 私は違うと思います。新キャラの登場は、少なからずあると思ってたはずなんです。それでもきっと、

 

「新ヒロインは登場しないはず」

 

 と思っていたんです。或いは、

 

「ここからさらに新ヒロインを登場させるのはやめてほしい」

 

 とさえ思っていたかもしれません。

 以前私がアニメをテレビで見ていたとき、とあるラブコメのCMで「ヒロイン多すぎ」と銘打たれていました。その作品に登場するヒロインは5人だったようで……最近はWヒロインものも減ったな、と思っていた私です。

 実際、チラムネほど複数のヒロインに人気があるラブコメは少ないです。今の流れでは本当に少ない。だってチラムネって、このラノで女性キャラクター部門の上位を占めてるくらいにヒロインが人気なんですよ?

 

 少し話を戻しましょうか。

 特に私は俺ガイルを読んでラノベ読みとして育った口なのですが、ぶっちゃけ割とずっと「雪乃と何かしらの形でくっつくんだろうな」と思ってましたし、仮に違っても「結衣とくっつくのかな」と思う程度でした。つまり、一色いろはと結ばれるのはないな、と思ってたわけです。

 これがなぜなのかは、単純ですよね。

 だって途中から、たとえば第二部から、出てきたヒロインと主人公がくっついたら、第一部の話はなんだったんだってことになっちゃうじゃないですか。

 とりわけチラムネは、6巻が凄かったから。

 それまでの蓄積でヒロインとの関係を結んだから。

 新ヒロインに「サブ」とつけることはしても、「メイン」とつくことはないだろう、ときっと色んな人が思ってたんです。

 

 ……と、そんな発売前の話を長々としたうえで、言いたいことは一つだけ。

 私は望紅葉という一人の少女を、メインヒロインと呼びたい。

 彼女は、人によっては反感を買うかもしれない。というかぶっちゃけ、7巻は賛否両論になる気がしている。物語の位置づけとしても、メインヒロインではないのかもしれない。

 それでも私は、彼女をメインヒロインと呼びたい。

 

 私はチラムネに触れ、成人し、最初にやったゲームがあります。

 『WHITE ALBUM2』。有名な成人向けゲームだ。これは幾つかルートがあるし、ネタバレをしたくないのだけれど、キャラクターとしては和泉千晶という少女が大好きなのです。

 どうせここまでこのエッセイを読んでいる人はディープな人だけなので、彼女の名前を出す意味も分かると思う。

 

 ……と真面目腐った話の後で言いますけど。

 紅葉ちゃん、やっぱり「あの子」じゃありません?

 8番での会話とか、プロローグとかの文章を見るに。

 いやでもそれも、物語的すぎるのかな。望紅葉に余計な物語を付与するのは、むしろ彼女に対して失礼だと思うんですよね。でもそうだとすると、一番最初に書いたSSに登場させるっていうのは、元々後輩の登場を決めてたって話とも合点が……。

 まぁ、彼女についてはここまで、ということで。

 

 

2.千歳朔とみんなの変化

 7巻読んだ人の中には、作中での朔の言動に物申したい人がいるんじゃないかなーと思うんですが、どうでしょう。私もちらっと思わなくはないんですよ。端的に言えば……お前、紅葉ちゃんに無警戒じゃない?と。特に最後にいくにあたって。

 で、実はこれって6巻までの話があったからこそなのでは、と思うわけです。

 朔はこれまで基本的に好意を避けてきましたし、かなり警戒してきました。でも6巻を経て、そうじゃないと気付いた。夕湖や悠月たちと向き合い、自分の気持ちに名前を付けようとしているわけです。

 だからこそ、好意=避けるもの、という認識が揺らいでるんですよ。

 そればかりか、そうやって決めつけで警戒することで夕湖の想いを、安易な一目惚れだと決めつけてしまっていたわけで。それはきっと傷つけることだと学んだわけで。もっと言えば、他の女の子に遠慮するのは彼女たちの恋に責任を持つことだ、と傲慢さを示されたわけで。

 だから、紅葉との接し方について過剰に他の5人に気を遣うのは、むしろ間違いだ――と絶対に思ってるんですよ、彼は。逆に言えば、そう思うという変化があった夏だったんですよ。

 その夏を潜り抜けた後に現れる紅葉!

 必然の蓄積だと思うんです。

 まぁ、今回について言えば朔がどうこうっていうより、紅葉の望みの強さが生み出した物語だと思ってるんですけどね。

 

 

3.絶対に賛否両論別れるだろうなーという話

 色々言ってたら自分で分からなくなってきたので、とりあえず初読の感想はここまでにしておこうかな、と思います。

 言いたいことはたくさんあるんですよ。開幕の文がいいとか、一巻を彷彿とさせながらも変化した関係性を描くのがいいとか、なずなや亜十夢も巻き込んでていいとか、健太が真の意味で仲間になった感じが(以下略)。

 その辺りはまた後日、感想記事にします。ぶっちゃけ、発売日当日に感想記事を出しても絶対に伸びない……という実体験があるので笑。

 

 ただそれでも言いたいことがあって。

 今回の7巻は絶対に賛否両論があると思います。読みの深度やキャラへの解像度、作品と触れてきた時間……というのももちろん、どういう感想を抱くかには関わるでしょう。ですがマイナスな意見を持つ人が読みが浅いのかと言えば、絶対にそれも違うと思うんです。

 千歳くんはラムネ瓶のなか7巻

 この物語は、“そういう”物語として描かれたのでは、と思ってしまいます。

 覚悟とはなんでしょうか。

 成功するか失敗するか不安に思って、それでも信じて一歩を踏み出すこと?

 99の失敗をしても本当に欲しい「1」を掴み取ること?

 それとも……。

 

 この7巻は、チラムネがチラムネで在り続ける。その覚悟と意志を感じた一冊でした。一番泣いたのは6巻だし、一番熱かったのは4巻だし、一番刺さったのは3巻だけど。

 私はこの7巻を、一番かっこいい巻だと思いました。

 

 

 こんなところで、夜更けの駄文はしめます。

 読んでくださってありがとこーございました。