ライトノベルにありがとこー

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【期待の新作!】Vのガワの裏ガワ1【おすすめ】

こんにちは、とこーです。

世間はこのラノの結果発表に湧き、私もそちらでかなりそわそわしていたのですが……それはそれとして、昨日はMF文庫Jさんの新刊発売日でした!

というわけで期待していた新作「Vのガワの裏ガワ1」について書いていこうと思います。

ネタバレ箇所はぼやかすつもりですが、気になる方はぜひ作品を読むことをおすすめします!

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ではいきましょう。

 

 

1.どんな作品?

全て読んだうえで総括すると、青春クリエイターもの、という表現が正しいように思います。別作品の名前を出してしまうなら『冴えカノ』が分かりやすいでしょうか。主人公の周りに既に業界人がいることや、やや神妙な関係図が見え隠れするあたりからも、『冴えカノ』は近い気がします。

そういった土台がありつつ、「Vtuber」という今熱い(多分?)ジャンルをクリエイトする題材として掲げたのが今作でしょうか。ゲームの代わりにVtuberのガワを作ってるわけですね。

 

そんなわけで、というのも変かもしれませんが。「Vtuber」の側面はそこまでクローズアップされません。「Vtuber」もの特有の視聴者コメントとの絡みや配信中の模様を描くというより、その裏側をクローズアップしたものとなります。

だからこそ、「Vtuber」にあまり興味がない方も青春ラブコメとして楽しめるでしょうし、「Vtuber」が好きな方も少年少女がVを目指していく話として楽しめるんじゃないかな、と思ったり。

 

2.どこが面白いの?

この作品を読んでいて、まず上手いなぁと感じた点は大きく三つです。

①場面移行

②焦点を絞った登場人物

③主人公の内面性

まず①について。特に章の区切りとかで場面が移行するのはどんな小説においてもあることなんですが、その移行が地続きだとくどくて緩慢と感じられてしまいますし、飛びすぎていると置き去りにされる気がします。この作品は美味しいところをうまくとりつつ、かといってダイジェストになりすぎない程よい冗長さや一つ一つの場面にオチをつけていることによって、サクサク進むのに置き去りにならない……という感じでした。

②は、よくいう話ですね。一冊における登場キャラが多いと混乱を生みます。この作品も決して登場キャラが少ないというわけではないのですが、第一に主要人物四人が明らかにフォーカスされているので「あ、この子たちがメインで、この子たちはサブキャラなんだな」って読んでいて割と分かります。もちろんサブキャラの子たちが2巻以降で重要な人物になっていくこともあると思うんですが、重要なのは一冊の時点でどこまでフォーカスし、どこからフォーカスしないのかをはっきりしていることだなーと思います。いやまぁ、こうして振り返ると意外と名前ありキャラは多くて普段なら煩わしく感じていたかもなので、そーゆう意味でも読後感としてメイン四人が印象に残る、というのは間違ってないですね。

③について、これがこの作品の(ネタバレ部分を除けば)一番大きな見どころかな、と思います。割と冒頭で示される話なんですが、主人公はかつて生配信をしていた過去がありました。そこでは彼なりに視聴者のコメントに真摯にぶつかっていたわけです。が、次第にそれが不適切だったと考えて、配信をやめました。その土台のうえで形成されてる主人公の善性が、かなり読みごたえがあります。ただ「誰かを救えなかった」的なトラウマになってるわけではなく、成長の中で若き頃の無鉄砲さの悪い面を知った、みたいな感じ。でもなんだかんだ根のところは変わっていない部分もあり、ヒーロー的でもあります。この感覚が個人的には独特でした。プロの「高校生」イラストレーター、という属性がものすごく色濃く出ている部分のようにも感じます。生の善性って感じでした。

 

3.ラストがいい……!

ネタバレになるので詳しくは言いませんが、終盤が特によかった。この終盤を以て、この作品は「Vtuber」ものではなく、「青春クリエイターもの」ないし「青春群像劇」の色を濃くしたように思います。キャラクターの心理描写や青臭い展開がめっちゃいい。ところどころラブコメらしい部分もありつつ、悩める少年少女を描く青春ストーリーとしてめちゃくちゃ完成度が高い話でした。

あと、挿絵がよかった。常にいいんですが、特に終盤にかけての二枚が強い。表紙を見ると泣けちゃうよね……。

このあたりは読まないと絶対に分からないので、未読の方は読んでください!

 

 

4.まとめ

最近は「Vtuber」が流行っている昨今。とはいえ「Vtuber」の波に乗り切れてないなぁって方も多いと思うんですが、この作品はそういう方こそ読むべき良質な青春ストーリーだと思います。流行っている題材を使ったクリエイターものって、やっぱり何においても面白いじゃないですか。

そんなわけで、長期シリーズになっていただきたいのでお願いしますマジで。

改めてリンクを貼っておきますね。

bookwalker.jp

 

 

それでは、ここまで読んでくださってありがとこーございました!