ライトノベルにありがとこー

『好きでワクワク』をコンセプトにしたラノベブログです。

【常敗の不死鳥】青春絶対つぶすマンは俺に救いはいらない。2【感想&おすすめ】

 こんにちは、とこーです。

 今日は……今日は待望の、青春絶対つぶすマン2巻の発売日でしたっ!

 というわけで読んだので感想を書いていきます。

 1巻未読という方は、マジで面白いので読んでください。

bookwalker.jp

 

 

 

 

 

1.帰ってきた“痛”青春

 青春絶対つぶすマンは、私が中学生の頃に刊行された青春ラブコメです。当時は「俺ガイル12巻と同時発売の似てるラブコメがあるな」→「俺ガイルが延期? じゃあこっちを……」みたいな感じで手に取り、本気で面白くて感動しました。

 今作を一言で言えば、ダメな奴らの負け犬系青春ラブコメだ、と言えるでしょう。

 社会不適合とも言える、ダメな部分がある彼ら彼女ら。

 そんな彼ら彼女らの織りなす残念系青春ラブコメが魅力だったわけで。

 

 では、2巻はどうだったのかというと……。

 好きだったゲームの続編が出た、みたいな感覚に陥りました。

 1巻の続きの世界が描かれていることへの感動もあるんですが……それ以上に、どのキャラも変わってないのに変化していて、明らかに1巻と違うのに同じだって思えたんですよ!!

 5年経っているんだから、1巻と全く同じかと言えば違うんですよ。癖とか、そういうのが何となく違う。一瞬違和感を抱いたのは否めません。でも、その違和感に嫌悪感が混じらないんです。帰ってきた、という喜びが上回るんです。パワーアップしてやがる……と苦笑いになるくらいの魅力があるんです。

 

 もうほんと大好き、ってなりました。

 

 

 

2.新キャラ・仲里姉妹

 今回のメインとなるのは、なんといっても仲里姉妹です。

 何を取っても優秀で、どこまでも勝者な姉の芹奈

 姉に敵わず落ちぶれたビリギャル、仲里杏奈。

 この二人がいいキャラをしてるんですが、まず言いたいのは姉の芹奈さんですね。口絵とかを見て、もしや、とは思っていましたが、やっぱりこのお方は“あの人”でした。もろ1巻と繋がってるじゃねぇか!!!! それどころか1巻の冒頭の重みががっつり変わるじゃん! と私は言いたい。5年ぶりの2巻でやることですかこれ???

 

 どこまでも負け犬な狭山にとって天敵である、強者。それこそが芹奈なわけですが……彼女の言葉は、作中でも言われているようにすごく正しいです。

 ライトノベルでも、最近は彼女のような言説が増えてきていますね。ひねくれ系から一周回って、やっぱり前を向こう、って感じの流れになっているんでしょう。

 芹奈と対面した狭山の態度は、だからこそ余計にぐっときました。

 

 一方の杏奈は「うん、お仲間へようこそ」って感じの奴でした。

 ところどころ応援したくなるのに、適度にダメ人間をやってるっていう……。

 でも素直で、真っ直ぐで、愚直な女の子だな、とは感じました。

 後述しますが、笑顔の敗北宣言は死ぬほど綺麗でした。

 

 特に杏奈については1巻で登場した既存のダメ人間たち(酷い言い方)との絡みもあって、それが面白かったです。

 小野寺の新しい一面も垣間見えましたしね。

 

 

 

3.負けて生きること

 この作品は前述したように、負け犬たちの物語だと言っていいでしょう。

 1巻で負けと向き合った小野寺にとっても、それは例外ではありません。

『続・何もかもめんどくさい夜に』は、1巻の正当続編たる物語だったと言えるでしょう。夢破れ、立ち向かうことを諦め、負け犬と相成った小野寺。でもそれは楽になることではなく、むしろ辛いことで……。

 負けて生きていくことの辛さが、そして救いのない“負け”という現実が描かれていました。

 なんというか上手く言えないんですけど、この話が本当によかったんですよね……。

 エモい、とは違うと思うんですよ。

 悲しいでも切ないでもなくて、一言だけ言うなら綺麗だな、って。

 負けて生きていく灰塗れのシンデレラは綺麗だな、と思ったりしました。

 

 そして、その負けを背負っていくことの尊さが今回も描かれていたように思います。

 人のせいにするな、と。

 ダメで、負け犬で、どうしようもないのは自分だ、と。

 でもその苦しさだって……。

 正直、そんな狭山の言葉にはすっごいグッときました。

 

 最後の芹奈とのやり取りも、すっごいよかった。

 頑張ることはもちろん素晴らしいんですよ。だから、頑張ってる横で頑張らない存在は悪だし、頑張ってる奴らを馬鹿にしたり、足を引っ張ったりするようなキャラはどんな作品でも悪い奴として語られる。頑張ってる奴が恥ずかしい、みたいな空気を作るキャラは紛れもなく悪なのでしょう。行く先は破滅で、どうしようもなくて。

 それでも、この負け犬の遠吠えが愛おしく思えました。

 

 ……と、何となくまとめてみましたが、語り切れてないポイントばっかりで消化不良巻は否めません。

 なんかうまく言えないんですよね。

 ただ、確実にこの作品を読まないと得られない“何か”があるのは確かなわけで。

 その独特さが魅力だなぁ、とは思うのでした。

 

 

4.まとめ

 きっとこの2巻を、また何度も何度も読み返すんだな。

 読んでいる途中、そして読み終わった後の第一声はそれでした。

 5年越しの2巻。

 1巻をより深め、解像度を高め、敗北の二文字と向き合った物語だったんじゃないかと思います。

 真っ直ぐで、明るくて、明日のエネルギーになるようなお話も大好きです。勇気を貰えて、希望を貰えて、前向きになりたいです。

 でもその一方でこの作品みたいなお話も、絶対に必要だと思うんです。少なくとも私は、正しく在り続けるなんて無理なので。

 個人的にはサイダーガールの『足りない』を聞きながら読み直したいと思える作品でした。

 

 

 それでは今回はここまで。

 どうにも拙くなってしまって申し訳ないです。鍛えます。

 ここまで読んでくださってありがとこーございました。

 

 

 

 ……それはそれとして3巻も読みたいなぁ…10年待てばいけるかなぁ……