こんにちは、とこーです。
今回はラブだめの最新刊を読んだので感想を……書きます。
えー、なんかちょっとですね、お通夜ムードでして。
これもう、五巻が出るまではろくに書けないじゃんって感じなので、今回は短めになると思います。
ネタバレありありですので、未読の方はご注意を。
1.ラスボス・THE BEGINING
今回は、これまでちょいちょい不穏な動きを見せていた芽衣さんが表紙を飾っておりまして。
あの三巻のラストからの四巻ということで、まぁ……はい。その表紙を芽衣さんが飾っている時点でお察しだったわけですが。
なんと、今回はほぼ全て芽衣さん視点。
しかも芽衣さんの中学時代を描くという……。あとがきで実際に仰っていましたが、外伝のようになってもおかしくないお話でした。
いや外伝というより異伝、秘伝というべきなのでは……という感じ。
今までの芽衣からは想像がつかないくらいに真っ直ぐで一生懸命な姿が描かれていました。
耕平の完全上位互換かよ、と思うほどに優秀な芽衣さん。
彼女とその周りの仲間たちの青春を、ちょっとびっくりしてしまうくらいに丁寧に描いていました。これまで名前すら出てきてなかったようなキャラをここまで出すとか、やっぱりこの作品はイレギュラーですね。
で、まぁ。
芽衣さんの過去編が描かれるだけならいいんですよ。
他のヒロインたちも、過去のことを描かれているわけですし。
けどね??
今の芽衣さんに至るまでの過程を描くということはつまり、ドン引きするほどの現実を突きつけてくるということでもあるんですよ。
築いてきた信用、仲間との絆、抱いていた理想。
そういうものが全部、がらがらと崩れていく。
その過程は、ちょっと本気で『ん????? 何を読んでるんだ????』となるほどでした。
絶望の音って聞こえるんですね。
しかも、紙で読んでるとだんだん気付き始めるんです。
『あれ、これってもしかして過去編で終わりじゃね……?』と。
三巻でああいう風に引いておいて、四巻でも救われないの⁉と。
ラブコメ(?)を読んでて絶望って言葉を使うこととかめったにないですからね、ほんと。
ただ、それと同時に芽衣さんがラスボスではないんだな、ということも実感したのが今回でした。
あくまで敵は現実。
だって芽衣さんはあれだけ痛い目に遭ってもなお、皆が笑えることを望んでるじゃないですか。その方法は変わっていますし、冷たいものになっているかもしれない。でも、悪意をもっているわけじゃないですもんね。
そういう意味では、いつかは……
笑ってぇ……。
2.考え得る限り最悪のタイトル回収
エピローグのタイトル
『現実でラブコメできないと〝みんな〟が決めた』
これは、言うまでもなく作品タイトル『現実でラブコメできないとだれが決めた?』の回収です。
なんですけど……こんな最悪のタイトル回収あります?
いやね、『理想の結末』に『バッドエンド』ってルビを振るのはまだいいっすよ。
その他もろもろ、えぐい展開もまぁ、現実だしねってことでいけます。
けど、このタイトル回収は……あまりにもえぐい。
言葉を失いましたね。
今まで、なんだかんだ熱量で現実をぶっ倒してきたからでしょうか。
こういう回収の仕方もありうるってことが頭から抜けていました。
悪魔か?
軽くトラウマもんですよ、これ。
もう怖いので、マジで五巻を……。
3.希望……?
正直に言うと、四巻はもうちょい希望に満ちた巻だと思っていました。
芽衣さんも含め、皆を救っちゃうくらいに色々とやるのかとばかり。
けど開いてみれば、最悪最凶のバッドエンド。
でも、僅かな救いもあったのでした。
たとえば7番さん。
あの状況で、耕平を捜していました。まだ諦めていませんでした。それどころか情報まで集めてくれていましたよね。
他の人もそう。
三巻でメインとなっていた色んな人たちも、決して折れていないんです。
というか!!!!
四巻のあらすじ読みました????
『耕平は混乱し、後悔し、それでも皆の想いが、成し遂げたい理想があるから、次の策を必死に考える。』
これ読んだら、希望の方が先に来てくれると思いません?
どん底突き落とされた後に僅かに差し込む光とか、もはや全然光じゃないでしょ。届いてないよ、日光!
けどけど、五巻こそは!
五巻はようやく、救いがありそうな予感がしますね。
何しろ、耕平の元同級生らしきキャラの気配がありましたからね。
元はと言えば、どこにでもいる中学生Aだった耕平が立ち直れたきっかけは元同級生たちの言葉なわけで。
だったら今回も、何かしらの形で現状打破してくれるのかも……?
そして!
皆さん気付きました!?
ブログも下になってるし、引用しちゃいますけど。
〝メインヒロイン〟がいない、理想なんて。
〝メインヒロイン〟が、理想じゃ絶対に救えない話なんて。
(中略)
一番、近くにいる人を――。
不幸にするしかないのが、現実のラブコメだというのなら。
『現実でラブコメできないとだれが決めた?4』P324‐325
これは最後の最後、芽衣さんと耕平のやりとりなわけですが。
文脈を考えると、絶対『一番、近くにいる人』って7番さん、もとい上野原さんなんですよね。
この場面で上野原さんのことを意識し、不幸にしたくないと願う。
ここ、超絶好きなんですけど分かります??????
っていうか、四巻に関してはここ以外、全部大っ嫌いだけど大好きという倒錯した感情しか持てないんですが????
こほん。
何だかんだそれなりの文量になりました。
しょうがないです。あまりに辛い四巻でした。この四巻だけは、『いいから五巻が出るまで待ちなさい。買って積んでおくんだ』と思ってしまうレベルでバッド&バッドでしたから。
負け確イベントをラブコメに設けるの、やめてもらっていいですかね……。
そういうわけで、早く五巻が発売することを祈っております。
年内はキツイんでしょうけど……これは流石に年内、あるいは1月あたりに出してほしい。春まで待つとか拷問でしょ……。
では今回はここまで。
読んでくださってありがとこーございました!