ライトノベルにありがとこー

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「現実でラブコメできないとだれが決めた? 3」感想

こんにちは、とこーです。

五月、もう梅雨入りも近い季節ではございますが皆さまはいかがお過ごしでしょうか。本日は、ラブコメを〝創る〟ことでお馴染みラブだめの最新刊を読みましたので感想を書いていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それではいきます。

今回はネタバレもするので、未読の方はご注意を。

 

三巻は、表紙通り一巻から生徒会として登場していた日野春幸先輩にまつわる話でした。

舞台は生徒会選挙。またしても、ばっちりラブコメらしい。何なら一巻、二巻とどんどんラブコメ度が上がっているまでありますね。

 

最初の一幕は(プロローグ的部分ではない方で)、7番こと上野原さんとのお話。でも、二巻で色々あったこともあって微妙に上野原さんの方がぎくしゃくしている場面がありつつ……結局、いつも通りの会議へシフトしました。

そこで見せつけられる、長坂の成長よ。

いや、成長っていうか……バカでしょ。二巻で失敗したからって、三巻では当然のように過去の話を収集してくるかよって話です。そして、この作品ほど過去の話をデータ的に見せて、しかもそれが退屈にならない作品もないですよね。

 

で、そうやって作戦を立てていてもやっぱり日野春先輩は立候補せずに、チャレンジの二週間が始まりました。この間に何とか説得しようとしながら、長坂が奔走します。

色々と伏線らしいところが見えつつも、長坂自身が成長しているなぁって感じもありました。計画がより綿密になってる気がします。

そして、まぁこの間の二週間についてはいろいろと思うところがあるわけなのですが……ちょっと、別のところに意識が割かれているのでまたいずれ。

とりあえず、ぐぬぬ勝沼さんマジ可愛いっすね!? 推しは上野原さんだったんですけど、ちょっと本気で好きになりそう。

 

さて、それでは間をぼんっと飛ばしましょう。

説得するための二週間が過ぎ、立候補受付の最終日。

ついに長坂たちの作戦が動いたところからのお話です。

 まずは、放送を使った応援演説から。

普通ならあれだけでもコロッといきそうなくらい、熱いし感動的な話だったなぁと思います。

でも、現実はそうはいかない。

まだ首を縦に振らない日野春先輩に、追い打ちの作戦を打ちました。この辺りも成長したなぁってつくつぐ思います。一つ一つの行動に自信すら感じられますからね。

 

――なのに、日野春先輩はそれでも逃げてしまいました。

 

あまりにも現実的。

たった一人が「必要」と思ってくれたくらいじゃ、意思はそう変わらない。

でも、だからこそ長坂は探して――という、むちゃくちゃ熱い展開。

マジで青春ラブコメど真ん中でしょ。もう創るとか言ってる場合じゃないんじゃ、ってくらい熱いし、エモい。

けど、そこまで押されてもやっぱり「現実」が立ちはだかって。

またしても、日野春先輩は逃げてしまう。

これは、普段扱われる「うまくいかなさ」という点での「現実でラブコメできない感」以上に、重いリアリティであるように思えました。いや、もう割と感動的なシーンだし、ここで乗っかっていい気がするんですよ……⁉

 

失敗し、生徒会長ヒロインは生まれなくなり。

そこにやってきた上野原さんと長坂とのやり取りは最高でしたねぇ。共犯者、マジ最高。かわいいとか、そういう言葉でくくりたくないですね。この二人が好き!

 

かくして、主人公は立ち上がり。

とんっでもない、革命を見せてくれました。

鳥沢に完全に頼った、オリジナルソング。

その上での、熱い説教タイム。

最高ですね、本当に。

ベースをデータで作り上げ、計画だのなんだのとメタい工作をしつつも最終的には死ぬほど熱い終着点に持っていく。それがラブだめだなぁ、と改めて感じます。

 

しかも、その上での帰着が第二の生徒会。

いや、そう来るかって思ってしまった。いや、冷静に考えればそういうアレはあったんですけどね。遅れてでも立候補を、とかの方が先に思い浮かびました。

幼馴染を作り上げ、ついにちゃっかり謎部活まで作ってしまう。

マジでラブコメで解決するこのあたり、ほんと好きです。

 

かくして、日野春先輩は第二生徒会の会長になり。

その上で長坂との距離はぐぐっと縮まり。

加えて、今回関わって鳥沢とも距離を仲良くなって。

色々あったけど、見事主人公の活躍によって今回もハッピーエンドでした。

 

 

なんてことにならないのが、ほんっっっと悪魔!

いや、は?

もう完全にハッピーエンドだったでしょ。

日野春先輩回、無事ハッピーエンド。日野春先輩へのファンも増えるだろうし、どんどんラブコメらしくなるねって感じで拍手喝采じゃないですか。

なのに、なんで魔王様出てくるん??????

ハッピーエンドを、こともなげにぶっ壊すん?????

メンタル状態がひどいときだったら、真面目に吐いてる自信があるくらいえっぐいんですけど。

 

堅物な新キャラ、塩崎先輩はあまりにもあっけなく否定されて。

まっすぐな新キャラ、大月さんは残酷にも否定されて。

挿絵が入ってまで日野春先輩が喜んでいた、同好会に入りたいって思ってくれた人ですら当然のように渦に飲まれて。

舞台に立った人物たちが悪意を向けられ、冷笑され、その上でぼーんとハッピーエンドが砕け散るこの感じ。

 

えー、既視感がありますね、これは。

これはあれですよ。

バトルもので、いい感じに勝ち目が見えてきたときに埒外な一撃で大切な何かが失われちゃうあの絶望回の感じですよ。

……この作品、ラブコメちゃうん?

 

この、圧倒的絶望。

でも、分からなくはないんですよね。

考えてみれば、登場人物がやってることは全部、「痛い」ことにしか見えないわけで。

実際にやってたら面白いかもですけど、でも、現実的に考えたらそれに乗っかってくれる人は少ないでしょ。

これまで「お祭り学校だから」って感じで軽く流されてたので忘れてましたが、ここは明確に現実だったわけで。

そしたら、あれだけでっかく動くすぎちゃえばこうなっちゃうのもしょうがないのかな、と……。

でも、こんなネット掲示板でのマジレスみたいなあくどい現実の突きつけ方がありますかって話ですよ。

えぐい、えぐすぎる。

加えて、初期に友達グループ扱いされてたメンバーの半分以上が既に何かを抱えている様子があるっていうこの状況。

身動きすれば、大爆発必至。

何より辛いのって、長坂自身は傷を受けてないことじゃんって思うんですよね。手引きした長坂が誰にも悪く言われてないって、そんなの絶対自分を責めるでしょ。

 

その状況で、果たして何をなすのか。

四巻でこの最悪な状況をハッピーエンドに変えられるのか。

長坂の活躍に期待です。

 

 

……期待です、じゃなくてほんと早くしてほしいんでお願いします!

先月のチラムネに続いて、ガガガ文庫は悪魔の巣窟ですかっ!

 

 

 

 

というわけで、今回はここまで。

来月は結構楽しみにしている作品も多いのですが、同時に高校生活で一番大切なテストも控えているというこの状況……。

とにかく、読んでくださってありがとこーざいました!