ライトノベルにありがとこー

『好きでワクワク』をコンセプトにしたラノベブログです。

『クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です』感想

こんにちは、とこーです。

もう今年も1/12が終わりまして、時の速さを実感しております。光陰なんたら、みたいな言葉もありましたよね。

さてさて、そんな私とこーがタイトルが出た当初から気になってた作品『クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です』の感想を書きます。

クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です (角川スニーカー文庫)

クラスで一番の彼女、実はボッチの俺の彼女です (角川スニーカー文庫)

  • 作者:七星 蛍
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/02/01
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それではいきます。

タイトルからわかる通り、これはメインヒロイン固定モノです。

天使様やしおあまみたいな作品でして、所謂ニヤニヤを感じることが出来る作品となっております。

でも、です。

最近そういう作品多いですよね。それでも尊いには尊いからいいんですが、何か尖ったものがないと面白くないのでは??

そんな風な懸念もありました。実際、甘々は好きですけど、甘々をただ味わうなら一作推せる作品を見い出して、何度も読めばいいだけですから。

しかし!

この作品は違った!!

この作品、読んでて『甘々』すぎないんですよ!

どういうことか。それはストーリーの説明をしながらご説明します。

 

主人公はボッチ、ヒロインはクラスで一番の完璧美少女で人気者。

そんな2人の恋を描く作品です。

既に物語が始まった時点で付き合っており、その付き合う前の話は前半、そして後半に主人公とヒロインの視点で語られました。

 

主人公は友達の不確かさから、そんな関係をいらないと思う男子です。ボッチというのはこれまでにも多くの作品で扱われていますけど、なんとなく俺ガイルの八幡に似てる気がします。

そんな彼だからでしょう。ヒロインがみんなの期待に答えるために演技をしていることを見抜くのです。

。。。ほんと俺ガイルみが強い。

ただ! そんな俺ガイルみがあると思いきや、そこからは違うんですよ。

彼はそう言う演技を否定しません。むしろ褒めるわけです。

ヒロインをトップカーストとしてではなくありのままで見る。

そういうのはありきたりといえばそれまでですが、最高に萌えますよね!!

 

で、そんな風に付き合った2人が、主人公のおうちへ行くのが前半です。

ここはかなりの日常パートで、この作品の基礎を固める場所のように思いました。

ボッチが主人公のラノベでありながら地の文過多になりすぎず、会話文で展開するストーリー。テンポよく、かと言って良すぎないことによってストレスを生じる可能性すら与えず進む軽いセリフ回し。

これは、本当に凄い思います。この作品、『イチャイチャがガチ』なんですよ!

彼氏彼女がいて、ドキドキするのは誰でも一緒。大切に思うのも当然。それ故に甘々なイチャラブがよいわけですが。

この作品におけるイチャラブは時に甘く、時に『イチャイチャ。。。?』と言うくらい攻防じみている。the高校生カップルなんですよ、これー!

炭酸ジュースのような感覚は、甘さをひきたてますし、甘さまで行かないストーリーへの焦れったさもあります。寝る前の甘えるシーンとかね、急激な甘さが胸にずキュンときた。

 

 

ですが!

そのお家訪問イベントよりもドキドキするのが、主人公の中学時代からの後輩女子です。

ヒロインしか知らないと思っていた主人公の魅力を知っている人が現れる、というのは辛いですよね。交際期間もそこまで長くない以上、不安に煽られる気持ちも分かります。

そして嫉妬展開になるのは主人公も、です。

ヒロインと同じくトップカーストである男子を見て、似合っていると思って、負けを認めてしまったのでした。

それ故に!!!!

主人公の方から無意識下に甘えちゃうあの展開、やばいんですけど!?

主人公、可愛すぎてヤバス。

かと思ったら、そのあとのヒロインも可愛い。嫉妬ににやけてしまうという初々しさ。

これ、ほんとこの作品のいい所だと思います。ここのシーンも決して甘々な訳では無いのに、主人公たちの人物像には適している甘々のスタイルを貫いてるんです。

 

ドッジボールの話も、いいよね。

主人公の意見に同感しかなくてビビりましたよ。ボッチ主人公としての共感性も、あったのは印象的。

あとヒロインが見てくれてるってところが本当に実感できて可愛かったです。

 

 

中盤から終盤にかけては、一気に事件がふたつ詰め込まれました。

廃部のことに、ヒロインのよからぬ噂のこと。

詰め込んできたなぁ、紙幅ゥと思いました。

生徒会長、キャラ濃いのに1巻ではここで終わりか。。。2巻でたら(出て!)生徒会長、もっと絡んできそう。

卓球部にはっきり言っていたところを見ても、主人公はあくまでボッチを選択しているだけであって、トップカーストへの僻みみたいなのはないんですよね、そういうところも割と好感度高いです。

ヒロインの噂については、序盤で語られた主人公の苦手なことについて、ヒロインがいたことで変わったという成長を示すものでもありました。

ボッチを選択している主人公が手を出すべきじゃない、と拒絶される主人公。そんなところに妹が来て話をする訳ですが、

『クラスメイトでも彼氏でもない』という言葉を使って、あくまで主人公が何をしたいか問うのが、ほんと好きです。主人公も保健室で言ったように『彼氏だから』とかそういう風に言ってヒロインを助けるのもいいですが、やっぱり理由は関係性やシステムではなく自身の感情にもってくるべきですし。

その点で、初めてしっかりと好きという言葉が出て、そこから動き始めるのは最高でした。

。。。。俺ガイル臭バンバンするのも、いい。狙ったのかたまたまなのかは分かりませんが、あくまで主人公らしく選択をしていくのが本当にいい。

初めは自己犠牲のもとに助けようとしながらも、結局は協力することを決める主人公。ヒロインに手伝ってもらったその日からの成長が伺えます。

そして始まる事件解決パート。トップカーストの男子、水田との対面です。

水田のメンタルがアウトだろ。。。と思うところでありますが、実際、みんなの理想像を演じようとしたらあれくらい追い詰められるのもわかる気はします。

ただ承認欲求って単語は、冗談としても、真面目な感じとしても今作で使われることの多い単語でした。

それは、誰にも内緒な2人の恋との対比のようにも思えましたね。

まあそこよりも、僕は主人公の告白シーンの方が感動しました。

それまでのエピソードをかんがみて、しかも、ヒロインが言ったことを言い返す。そんでもって。付き合い直すという形で関係修復。

深くにもうるっときました。

ヒロインと主人公の問答とか、最高すぎません!?

可愛さが一気にmaxになるのずるい。

でも、ですね!

この作品らしいのは、付き合い直すことになったからといってベタベタしすぎる訳ではなく、普通にお昼に友達のところに行くところなんです。

このもどかしさ! 甘々じゃない、ぴりぴりでもない、この距離感が最高です。

 

エピローグでは無事、文芸部にヒロインが加入。

なんとなくハーレム感を出しながらも2人がしっかり内緒の関係であることを述べ、エンドでした。

 

 

全体的に気になったのは、『リア充』という言葉をあえて用いずにヒロインや、水田の立ち位置をトップカーストという言葉で表現してきたことでした。

リア充=トップカーストという構図から、リア充=リアルが充実してる人▶だからカーストで分けてそういうので表すのはよくないとなっています。

それは彼女持ちの主人公もリア充と呼べなくもないですし、ボッチもトップカーストとともに選択の結果であることを明示し、その上でカーストの存在については明確に表していました。

ハイブリッド系主人公、マジで好きなのでそういうささやかな工夫も好きです

ボッチ主人公的共感性を持っていて、彼女がいる。

そういうのを待っていたんですよ

しかもあまあま過ぎて糖尿病になったり、にやけすぎて顔が溶けそうに緩むものではなく、バランスの良い甘々がある。

うんうん、この作品は僕後のみですよ。

 

 

などとまとまりのないことを言ってしまいました。

もう遅いので寝ることにします。

それでは読んでくださってありがとこーざいました!