ライトノベルにありがとこー

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『コワモテの巨人くんはフラグだけは立てるんです。』感想

 こんにちは、とこーです。先日のチラムネの感想記事が過去最高のPVを記録したため調子に乗ってます。

 今日はおなじガガガ文庫の新作、『コワモテの巨人くんはフラグだけは立てるんです。』の感想を書きます。

 

コワモテの巨人くんはフラグだけはたてるんです。 (ガガガ文庫)

コワモテの巨人くんはフラグだけはたてるんです。 (ガガガ文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではいきます。

 一通り読んで感じたのは「お伽噺っぽいな」ということでした。これは、べつに「こんなのお伽噺だろ」っていう悪い意味がある訳ではありません。むしろプラスの意味で「お伽噺」だと思ったのです。

 あらすじなんかは何より分かりやすくお伽噺でした。が、それ以外を見ても、かなり「現実味のない設定」でした。

 もともとライトノベルの設定は現実味があってもなくてもいいと思います。ファンタジーであっても細かく設定を考えて現実っぽい設定にする場合もあれば、ふわふわとした何となく存在するパワーとして定義してしまう場合もあります。現実味がない設定であっても、ライトノベルはいいのです。

 ですがこの作品はその中でも上手に「現実味のなさ」を演出していました。

 優しい空気感と現実味のないストーリー。それは心の隙間をそっと埋める、お伽噺に思えました。

 

 

 

 また読んでいて、謙虚かつ鈍感な主人公による一人称進行というのはなかなかに難しいものなのだなぁ、とも思いました。いちいち謙虚なモノローグにしようとすると、どうしてもしつこさや鬱陶しさが生じてしまう気がします。これはこの作品において、というよりかはライトノベル全体において、というニュアンスが強いでしょう。

 そう考えた時にこの作品はどうしても生まれてしまうしつこさや鬱陶しさをヒロインのモノローグの導入や文章力といった上手さによって気にならないくらいに、むしろ強みにさえしているように思います。

 

 空気感として苦手な人もいるのかなぁと思いますが、個人的に敬語に敬語を積み上げるこの雰囲気は、僕としては好きです。

 今後の展開がクリエイターと学園、どれくらいの割合で入ってくるかによっておもしろさが変わってくるように思います。

 

 ただ、どちらにしても「優しさ」の行く先にある幸せな結末を見届けたいなぁと感じます。