『キミの青春、私のキスはいらないの?』感想
こんにちは、とこーです。
今回は「キミの青春、私のキスはいらないの?」を読んだので、感想を書いていきます。
この作品については、試し読みした際のモノローグがあまりにも好きすぎて買った作品なのですが……すごくよかったので、未読の方はぜひ読んでくださいね。
それではいきます。
前述したように、この作品はモノローグがあまりにも好きすぎて、一気に心を持っていかれた作品でした。
最近の私は、物語の楽しみ方は『共感』だけではないということをようやく学ぶようになってきました。以前は『共感』だけが作品の評価軸で、『共感』できなければ読むのをやめてしまうほどでした。
そう考えると今は『共感』を必要しなくなってきたのですが……それでもなお、この作品は心からの『共感』を呼び起こしてくれました。
作中には、様々な人物が登場します。
オタコン、霧山、純、阿部、日野、そして黒木……。
普通とは違う、それが「病気」であるのなら。
そんな話から始まる物語であったのですが、この「自分は病気なのかもしれない」という感情は、ものすごく共感できました。
特に共感できたのが黒木。
P202からの、彼の告白は紛れもなく私の心を代弁してくれているんだと、そう思うくらいでした。
終盤に至るまで、自分たちが「病気なのか」と考え、時に否定し、一方で時に考え込んでいた主人公たち。
彼らが最後、ネコを探すときに至って、自らが病気だと認める――あるいは、それゆえにこそ病気になる――展開は、ぐっとこみ上げるものがありました。
そして、最後ですね。
ラストスパート、日野に向かって黒木が放つ「キスしたかった」という言葉は、ものすっごくストレートで、ある意味で婉曲で、最高に好きだなぁと思いました。
タイトル回収(ってほどじゃないですけど)をここでしてくるのかぁ……という、すごさ。
一気に最後の最後で「走る」っていう青春に極振りして、ぐっちゃぐちゃになりながら思いもよらないくらいに突き抜ける感じが最高です。
そうなんだよ、こういう「奇病」みたいな青春を待ってたんだよ、っていう。
さて、〆る前に少し他の点にも触れましょうか、
ストーリーじゃないところ。
癖があるなぁ、というのが感想でした。この作品の作者さんの別作品を読んだことがないのでわからないのですが、きっと作者さん特有の文体なんでしょうね。
すごく好きです。
挿入される「寂しい」みたいな、ストレートな感情表現。
淡々としているようで常に温もりに満ちていて、きゅぅぅぅぅって心を抱きしめてくれている感じがしました。
あと、日野が歌っていた曲。
あれ、めたんこ好きでした。
というか、作中で使われる言葉一つ一つが好きでした。心を埋めてくれるようなワードが多かった印象があります。
「ああ、自分のための物語だ」をここまで感じられる物語もなかなかないですよね。
そういう意味で、この作品はとてもいい作品でした。
それでは、今回はここまでです。
読んでくださってありがとこーございました。
7月ラブコメたちを語りたい!by偏読家
こんにちは、とこーです。
今回はですね、Twitterの方でもちょいちょい触れている気になる新作ラブコメについて書いていきたいと思います。
こんなことやってるくらいならほかの作品読めって感じなんですが……あいにく、次に読むのは『とくんと。』の二巻なのですよ。楽しみにしている作品同士の間隙が生まれるのは、偏読家の特性ですね。
今回書くのは、いずれも七月発売予定の新作ラブコメ三作です。
どの作品も試し読みが公開されていないのですが……私、楽しみにしている作品はタイトル出た時点からワクワクし続けるタイプなんですよ。イラストレーターさんが判明したらその人のことを調べ、作者さんの過去作を調べ……みたいな。
なので、そういった視点でまとめていければなぁ、と思います。
※7月2日追記あり
1.カーストクラッシャー月村くん1
こちらは、オーバーラップ文庫より7月25日発売予定のラブコメです。
ですが、否応なしに惹かれるのはそのあらすじ。
↑
こちらのサイトの下の方を見れば、該当のあらすじは出てくると思います。
そう、主人公が超絶リア充なんです。
リア充……とだけ聞くと、チラムネが頭をよぎりますね。ですが、この作品はおそらく別の方向を行きます。というのも、タイトルから見て分かるように、スクールカーストをがっつりテーマにしているんですよね。
以前、「『千歳くんはラムネ瓶のなか』ではカーストの話は一巻くらいだよ」的なことを書きました。
どうやら、この作品は逆にカーストとぶつかっていくタイプみたいです。
カーストが大嫌いゆえに、カーストで起こる問題をぶっ壊す。そんなストーリーだとしたら……うん、私的には求めてる作品です。
エモかったり楽しかったりする青春と同じくらい、カーストで悩み足掻く青春も大好きなんだ……!
というわけで、視点を変えて作者さんとイラストレーターさんについても調べてみましょう。
まず作者さんは……高野小鹿先生。過去の作品としては『彼女たちのメシがマズい100の理由』などがあるようです。
その他にもグリムノーツなどのシナリオを担当したりもしているとのこと。俄然、気になってきます。
イラストレーターさんは、magako先生。
私が読んでいる作品だと、『経験済みなキミと、経験ゼロな俺が、お付き合いする話。』を担当してくださっているとか。
絶対綺麗で可愛いじゃないですか……! これは絶対買いでしょ……。
6月15日追記
この作品の続報が出たので、少し追記します。
まず、この作品の略称から。公式略称は『カークラ』だそうです。これから、カークラで呟いていきましょう。略称は使いまくって、発売前から広まってほしいですからね。
そして、こちらの作品のイラスト&あらすじも公開されています。
イラストの美麗さはもちろんのこと、あらすじを見てもワクワクが高まりますね……。パッと見の印象は、別作品の名前を出すとチラムネ一巻で受けた印象に近い感じはします。ただ、その時より『カースト』を押し出しているので、どんなストーリーになってくるのか楽しみですね。ヒロインは全員で四人ってことになるんでしょうか?
ツイートを埋め込ませていただくので、気になる方は公式アカウントをフォローして続報を待ちましょう(というか、なんでフォローしてなかったんだ、私)
【7月25日発売! 新作ラブコメ】
— オーバーラップ情報局 (@OVL_BUNKO) 2021年6月14日
「カースト」に反旗を翻した超絶リア充主人公によるラブコメ、『カーストクラッシャー月村くん1』。
本日はそのカバーイラストを初公開!#magako 先生による美麗イラストが目印ですよ~。
今後も情報公開予定なので、お楽しみに!
(#カークラ と覚えてね) pic.twitter.com/gHjDAEmEoZ
そしてそして!
メロンブックス限定版の発売も決まっているそうです。A3タペストリーがつくとのこと。どうやら水着イラストですよ、水着。
予約はこちらから
↓↓↓
2.五人一役でも君が好き
ぶっとんでるラブコメ来た!!!!! な、一作。
こちらはもう、タイトルを見た瞬間から「えっ?」と思いました。
「五」という数字とラブコメが合わさると、どうしても五等分の花嫁が頭によぎります。だから、ラノベでもそういう作品が来たのかな……とかぼんやり思っていたのも束の間のこと。
よく考えたら、おかしいんですよね。
「五人一役」って、なんぞ???
「一人五役」なら、まだわからなくはないですね。ヒロインの演技的なことで。でも違うときた。じゃあ、なんなのか。答えはあらすじにあります。
どうやら、完璧な美少女で知られるヒロイン(近藤・R・知佳)は……別々の特技を持った五つ子が演じていた姿だったらしいです。
主人公はヒロインのことが好きで、隣に立つために猛勉強。底辺からトップに成績を上げて補佐になったところでその事実を知る、という。
うーん、すごいですね。
ですが、あらすじ的にすごいのはそのあとですよ。主人公の考え方がすごい
僕が好きだった彼女は存在しないのだろうか?
そうじゃない。好きな人が、五人に別れただけだ。だったら──好きな人が五人で一人のフリをしていたけど、気づかないふりをして全員彼女にしようと思う。(あらすじより)
この主人公の感じ、たまらなくないですか???
元々、好きな子のために努力しまくる男の子が大好きなたちなのですが、努力にとどまらないこの度量というか、開き直り方がすっごいいい。たまらない。いや、これ書くためにあらすじ読み直して、改めて興奮しました。やばいな、この作品。
筋的には、シチュエーションラブコメっぽさがあるのに、どう考えてもズレがある。この感じすごくないですか?
さて、少し落ち着いて作者さんとイラストレーターさんを見ていきましょうか。
作者は、壱日千次先生。直近では、『朝比奈さんクエスト~センパイ、私を一つだけ褒めてみてください~』を出版なさっているようです。
残念ながら私は読めていなかったので試し読みしてみたのですが……読みやすい! というか、普通に購入検討するレベルです。ということはもう、絶対楽しめるじゃないですか。ワクワク。
そして、イラストレーターさんはうなさか先生とのこと。
『失恋後、険悪だった幼なじみが砂糖菓子みたいに甘い~ビターのちシュガー~』のイラストを描いていらっしゃるようです。 こちらの作品は、いずれ読もうとしているくらいですし、絵もすごく可愛くていいですよね……。
今作でも、絶対可愛いキャラが生み出されること間違いなしじゃないですか。楽しみです。
※先日、Twitterの方でカバーイラストが公開されましたのでリンクを張っておきます
【カバーイラスト公開!】
— MF文庫J編集部@毎月25日発売! (@MF_bunkoJ) 2021年7月2日
『五人一役でも君が好き』
著:壱日千次@itinitisenji
イラスト:うなさか@unasaka0309
僕が大好きな生徒会長は、
"""五人いた"""。
常識を覆す、
新時代のラブコメディ!#五人一役でも君が好き
※予約受付中!※https://t.co/QIjUzpwWUU pic.twitter.com/x89cVDFchZ
五人の女の子の個性豊かさがたまらないですね……。
五つ子と言えば五等分の花嫁ですけど、こっちは全員で一人を演じてるわけですしねぇ。
というか、この「私たちは5人で1人のフリをしていました。」って文字列の強さがすごい。こんなの、本屋に行って見つけたらすごい興味が出ますよね。
本当に楽しみな作品です。
3.負けヒロインが多すぎる!
こちらの作品は、Twitterでも散々触れております。
ガガガ文庫より7月21日に発売されるラブコメです。その名の通り、「負けヒロイン」猛プッシュのラブコメらしいですよ。
こちらの作品については、Twitter公式アカウントが作成されているのでぜひそちらを見ていただきたいです。
まず、そもそもとしてガガガ文庫が一巻発売前から公式アカウントを作るあたり、興味が湧きませんか?
もちろん、最近、SNS宣伝戦略が重要視されているというのもあるんでしょうが、それでも公式アカウントを運営してっていうのは、結構プッシュされている気がします。
そしてその証拠となるのは、今作が『第15回小学館ライトノベル大賞』にて最上位の『ガガガ賞』をとっていることでしょう。
ガガガ文庫といえば、尖った作品を出すことで有名であり、同時に多くの名作ラブコメを出しているレーベルでもあります。
同賞13回では、『千歳くんはラムネ瓶のなか』が優秀賞を受賞していますし、14回では『現実でラブコメできないとだれが決めた?』が優秀賞を受賞しています。
そのなかで、トップをとったラブコメですよ。
完成度、面白さは太鼓判が押されているといっても過言ではないはずです。
事実として、既に公開されている情報だけを見てもワクワクが止まらないのだからすごいんです。
まず、最初に目を引くのはイラスト―レーターさん。
担当してくださるのは、いみぎむる先生です。
『この美術部には問題がある!」の作者さんなのです!
何を隠そう私、この美の宇佐美さん大好きなんですよ。漫画自体を読む習慣があまりなかったのでアニメしか見れていないのですが、すっごい可愛いんです。デザインって意味でも、キャラって意味でも。
そんな方が、ラノベのイラストとか神では?
『負けヒロインが多すぎる!』
— 『負けヒロインが多すぎる!(マケイン)』公式@7/21(水)第1巻発売! (@makeine0721) 2021年6月1日
著:雨森たきび
イラスト:いみぎむる
負けてこそ輝く、彼女たちの物語。
“マケイン”特盛りラブコメディ!!🙌#マケイン pic.twitter.com/vBaTWuFnMR
そう、神だった!!!!!!
見てくださいよ、これ。
ダブルピース満面笑みの女の子。四つのリボンをつけてるという、おしゃれな感じ。
この子、負けヒロインなんですよ?????
見えないでしょ。元気さがあふれてくるじゃないですか。
もうね、ピースの仕方から笑い方、腕の感じに髪型まで全部が好き。超好き。
もう、イラストの時点で神ってるんですよ……!
ふぅ……イラストで興奮したし、もう興奮する要素はないかな。
――なーんて思ったら、大間違いなのです。何しろこの作品、ストーリーもなかなかにヤバそうだから。
現在、三人のヒロインと妹(と主人公)の情報が公開されています。
負けヒロインズと、負けとか知らなそうな妹さま😘#マケイン pic.twitter.com/QQGSPCELjh
— 『負けヒロインが多すぎる!(マケイン)』公式@7/21(水)第1巻発売! (@makeine0721) 2021年6月5日
このツイートを見て、特に三人のヒロインについて見ていただければいわんとしていることは伝わる気がします。
ヒロイン一人目、八奈見杏奈。
家が隣の幼馴染、袴田草介草介にずっと片思いをしていた。
ヒロイン二人目、焼塩檸檬。
小学校から一緒の、綾野光希のことが好き。
ヒロイン三人目、小鞠知花。
文系部所属で、部長の玉木慎太郎に特別な感情を持っている。
……書き間違いではありません。
そしてもう一つ言えば、主人公の名前は『温水和彦』なのです。
ヒロイン全員、主人公じゃないやつのことが好き……というだけなら、まだわかるとして。
全員が別々の人を好きで、しかも負けヒロインらしいんです。
すなわち、多重に関係が張り巡らされてるってことなはずなんですよ。
たとえば、負けヒロインを取り扱う作品でも、一人の女の子相手というのならWEB小説にちょいちょいあったりするじゃないですか。
あるいは主人公以外を好いている系も、「主人公感ある特定の一人が好かれてる」って設定なら、見かけますよね。
でも、これはそういう感じじゃない。まさに「負けヒロインが多すぎる!」わけで。
そんな負けヒロインーーマケインたちに絡まれる謎の青春と銘打たれているのだから、たまらない。
『謎の青春』とは、どうしてこうもワクワクするんでしょう。
残念系青春ラブコメ、どこかずれたラブコメ、少しおかしい青春。そんなフレーズにも似たこの言葉は、青春ラブコメへの意欲を高めまくります。
マケインに絡まれるって、どういうことなんでしょう。というか、その辺りを含めて、あらすじがえぐいぐらいに興味をそそるんですよ。
「え? マケインって誰のこと?」
クラスの背景である俺――温水和彦は、あるとき人気女子・八奈見杏菜が男子に振られるのを目撃する。「私をお嫁さんにするって言ったのに、ひどくないかな?」
「それ、いくつの頃の話?」
「4、5歳だけど」それはノーカンだろ。
これをきっかけに、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花など、負け感あふれる女子たちが現れて――?「温水君。女の子は2種類に分けられるの。幼馴染か、泥棒猫か」
「なるほど、大胆な分類だ」負けてこそ輝く彼女たちに、幸いあれ。
負けヒロイン――マケインたちに絡まれる謎の青春が、ここに幕を開ける!(小学館HP、あらすじ)
あまりあらすじを引用してくるのはよくないかな……と思いつつもどうしても、フルで読んでほしいので引用を。リンク張っておくので、ぜひチェックしてください。
まずしょっぱな、『マケイン』という単語で攻めてきます。
マケインって言われても、ピンとこないですよね。別にそれはよくある言葉ではないですし。政治家じゃないんですから。
でもすぐに次、『振られるのを目撃』とあることで、ラノベを読む人は「もしや負けヒロインのことか?」となるわけです。
そしてすかさず、会話文。幼馴染負けヒロインあるあるとも言えるエピソードを挿入しておいて、主人公視点でのモノローグでツッコミ。
『それはノーカンだろ』って、すごくないです? なんか、一気にコミカルになった感じがあります。
そして次に、また会話文。ここが秀逸だと思うんです。笑っちゃいますし、同時にラノベ的には言ってるところがありありと想像できちゃう面白さなんですよ。
で、ここまでコミカルさが滲み出ながら続くのは
『負けてこそ輝く』という一文。ぐっと目を引くこのキーワードを見ると、あのいみぎむる先生のイラストが頭をよぎります。確かに輝いてた。太陽みたいに輝いてた。
そして、『謎の青春』『幕を開ける!』という、ワクワクを引き出すフィニッシュ。
あらすじでここまですごいだなんだと言ったのは久々かもしれません。でも、実際に興味をそそるあらすじなんだからしょうがないですよね。
そして、あらすじがいいということは当然ストーリーだって面白いに決まっているわけで。
期待は最高度に高まりますね。
6月15日追記
『負けヒロインが多すぎる!』の表紙が公開されました。こちら、公式アカウントの方で公開されておりますので、該当ツイートを引用しておきます。
「負けヒロインが多すぎる!」カバーデザイン公開です☺️♫
— 『負けヒロインが多すぎる!(マケイン)』公式@7/21(水)第1巻発売! (@makeine0721) 2021年6月15日
いい意味で負けヒロインらしくない、明るいデザインを目指しました✨✨
すべての負けヒロインに祝福があることを願って…🙏💓#マケイン pic.twitter.com/OhofYePFpi
また、同公式アカウントにて、発売日まで毎日SSが公開されているようです。
今日時点ではまだ数本しか公開されていないですが……それでも、キャラを知るには十分な要素になりそうです。
今のところ、八奈見さんのポンコツ具合が最高に私好みです。というか、皆ポンコツで可愛いという。
それに表紙もめたんこセンスいいですよね。
つねづね私は『白いバッグ』に『ヒロインだけどーん』というシンプルイズベストな表紙が良いと言っているのですが、この作品の表紙はシンプルでありながらオシャレさがあって、好きです。これ、本屋にあったら買うでしょって感じ。
ということで、今回は最後は昂ぶりつつも今回は三作を取り上げました。
分量的に最後が多くなってしまいましたが、もちろん三作どれも楽しみにしております。純粋に公開されている情報の差異が生んだ分量の差にすぎません。
ワクワクするラブコメたちがやってきます。もちろん、六月にも楽しみにしている作品はあります。
やはり、ライトノベルはいいですよね。皆さんも、ぜひ気になった新作を手に取ってみてください。新作にワクワクする瞬間は、楽しみな作品の続刊を手に取るときとはまた別のワクワクですよ。
それでは、ここまで読んでくださってありがとこーざいました!
『カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています4』感想
こんにちは、とこーです。
すっかり雨の日が増え、梅雨入りも近い(もうした?)今日この頃。
今回はカノうわ四巻を読んだので、感想を書いていきたいと思います。ネタバレは極力なしにしますが、一応お気を付けください。
それではいきます。
元カノ・礼奈の浮気の件に誤解があったことが発覚し、二人が再スタートすることになった三巻を経てのお話でした。
読んでいて思ったのは、ヒロイン三人の魅力がすごいということでしょうか。
告白するのなら、三巻まで読んでいた時点ではそれほど一人ひとりのヒロインに魅力を感じてはいませんでした。もちろん可愛いとかそういうことは思っていましたが、はっきりと「魅力的だ」と思うほどではなかったのです。
ですが今回。四巻を通して、三人全員に惚れたと言っても過言ではないくらいに胸を揺さぶられました。
何よりも、礼奈。
タイトル的にも最初はいい印象を持っていなかったのですが、四巻を読んでいるとその魅力がとんでもなく伝わってきました。
この器の大きさというか、なんというか……包容力とは違うんでしょうけど、こういう女の子がいたらいいよなってしみじみ思っちゃう魅力がありました。
同時に、元カノゆえの関係性の微妙な感じも生々しく、流石この作品だなぁとしみじみ思いました。
魅力で落とされてにやける……って感じにならず、程よくリアルで重いところがいいです。まぁ、現実にこんなことがあるかどうかは別なわけですが。
真由については、今回表紙を飾っていたこともあり、かなり描かれていたました。
恋愛観のズレとか、それでいて普通なところも持ち合わせているがゆえのアンバランスさみたいなものがいいなぁ、と。
ふざけるところのテンポのよさもいいですし、それでいてストーリーの核にもなるようなところでのワードの強さとか、話の移り変わりがたまらない……(見当はずれなこと言ってるかもですが)。
そして、彩華。
純粋にこんな子が身近にいたら最高だろ……と思える女友達的な魅力がありつつも、そうではない面も見え隠れしているのがよかったです。
特に最後のところ。彩華と礼奈が話しているところなんかは、ちょっとぐっとくるものがあります。ところどころ描写もありましたし、次回なにかが変わったりするのでしょうか。
で、そういったヒロイン以外のお話も少々。
全体的に思うのは、主人公・悠太が自分のことで色々と模索している感じがあったのが、大学生っぽかったなぁ、と。
高校生ではなく、大学生だからこその感じがある気がしました。自分も大学生になったらこんな風に考えるのかなぁ……と思いを馳せるほど。
実際、大学生となると就職とかそういうことを考える時期になるわけで。
そうなると、高校生なんかよりずっと広く深く冷たく考えるようにもなるのかなぁ、と思ったり。高校生の私が言ってもしょうがないことですけどね。
ただ、このじっくり重い感じがいいなぁ、とは思いました。割と私が読んでいる作品の中でもフラットなキャラですけど、それでも好きになれるのはこういうところが原因なのかもしれないです。
さて、今回はここまでで。
今月はほかにも気になる作品がある割に、忙しくて手がつけられないという哀しさがあったりしますが……まぁ、それは置いておいて。
カノうわは四巻も、すごくおもしろかったのは事実。
まだ読んでいない方がいたら、ぜひ。
それでは読んでくださってありがとこーざいました!
「現実でラブコメできないとだれが決めた? 3」感想
こんにちは、とこーです。
五月、もう梅雨入りも近い季節ではございますが皆さまはいかがお過ごしでしょうか。本日は、ラブコメを〝創る〟ことでお馴染みラブだめの最新刊を読みましたので感想を書いていきます。
それではいきます。
今回はネタバレもするので、未読の方はご注意を。
三巻は、表紙通り一巻から生徒会として登場していた日野春幸先輩にまつわる話でした。
舞台は生徒会選挙。またしても、ばっちりラブコメらしい。何なら一巻、二巻とどんどんラブコメ度が上がっているまでありますね。
最初の一幕は(プロローグ的部分ではない方で)、7番こと上野原さんとのお話。でも、二巻で色々あったこともあって微妙に上野原さんの方がぎくしゃくしている場面がありつつ……結局、いつも通りの会議へシフトしました。
そこで見せつけられる、長坂の成長よ。
いや、成長っていうか……バカでしょ。二巻で失敗したからって、三巻では当然のように過去の話を収集してくるかよって話です。そして、この作品ほど過去の話をデータ的に見せて、しかもそれが退屈にならない作品もないですよね。
で、そうやって作戦を立てていてもやっぱり日野春先輩は立候補せずに、チャレンジの二週間が始まりました。この間に何とか説得しようとしながら、長坂が奔走します。
色々と伏線らしいところが見えつつも、長坂自身が成長しているなぁって感じもありました。計画がより綿密になってる気がします。
そして、まぁこの間の二週間についてはいろいろと思うところがあるわけなのですが……ちょっと、別のところに意識が割かれているのでまたいずれ。
とりあえず、ぐぬぬな勝沼さんマジ可愛いっすね!? 推しは上野原さんだったんですけど、ちょっと本気で好きになりそう。
さて、それでは間をぼんっと飛ばしましょう。
説得するための二週間が過ぎ、立候補受付の最終日。
ついに長坂たちの作戦が動いたところからのお話です。
まずは、放送を使った応援演説から。
普通ならあれだけでもコロッといきそうなくらい、熱いし感動的な話だったなぁと思います。
でも、現実はそうはいかない。
まだ首を縦に振らない日野春先輩に、追い打ちの作戦を打ちました。この辺りも成長したなぁってつくつぐ思います。一つ一つの行動に自信すら感じられますからね。
――なのに、日野春先輩はそれでも逃げてしまいました。
あまりにも現実的。
たった一人が「必要」と思ってくれたくらいじゃ、意思はそう変わらない。
でも、だからこそ長坂は探して――という、むちゃくちゃ熱い展開。
マジで青春ラブコメど真ん中でしょ。もう創るとか言ってる場合じゃないんじゃ、ってくらい熱いし、エモい。
けど、そこまで押されてもやっぱり「現実」が立ちはだかって。
またしても、日野春先輩は逃げてしまう。
これは、普段扱われる「うまくいかなさ」という点での「現実でラブコメできない感」以上に、重いリアリティであるように思えました。いや、もう割と感動的なシーンだし、ここで乗っかっていい気がするんですよ……⁉
失敗し、生徒会長ヒロインは生まれなくなり。
そこにやってきた上野原さんと長坂とのやり取りは最高でしたねぇ。共犯者、マジ最高。かわいいとか、そういう言葉でくくりたくないですね。この二人が好き!
かくして、主人公は立ち上がり。
とんっでもない、革命を見せてくれました。
鳥沢に完全に頼った、オリジナルソング。
その上での、熱い説教タイム。
最高ですね、本当に。
ベースをデータで作り上げ、計画だのなんだのとメタい工作をしつつも最終的には死ぬほど熱い終着点に持っていく。それがラブだめだなぁ、と改めて感じます。
しかも、その上での帰着が第二の生徒会。
いや、そう来るかって思ってしまった。いや、冷静に考えればそういうアレはあったんですけどね。遅れてでも立候補を、とかの方が先に思い浮かびました。
幼馴染を作り上げ、ついにちゃっかり謎部活まで作ってしまう。
マジでラブコメで解決するこのあたり、ほんと好きです。
かくして、日野春先輩は第二生徒会の会長になり。
その上で長坂との距離はぐぐっと縮まり。
加えて、今回関わって鳥沢とも距離を仲良くなって。
色々あったけど、見事主人公の活躍によって今回もハッピーエンドでした。
なんてことにならないのが、ほんっっっと悪魔!
いや、は?
もう完全にハッピーエンドだったでしょ。
日野春先輩回、無事ハッピーエンド。日野春先輩へのファンも増えるだろうし、どんどんラブコメらしくなるねって感じで拍手喝采じゃないですか。
なのに、なんで魔王様出てくるん??????
ハッピーエンドを、こともなげにぶっ壊すん?????
メンタル状態がひどいときだったら、真面目に吐いてる自信があるくらいえっぐいんですけど。
堅物な新キャラ、塩崎先輩はあまりにもあっけなく否定されて。
まっすぐな新キャラ、大月さんは残酷にも否定されて。
挿絵が入ってまで日野春先輩が喜んでいた、同好会に入りたいって思ってくれた人ですら当然のように渦に飲まれて。
舞台に立った人物たちが悪意を向けられ、冷笑され、その上でぼーんとハッピーエンドが砕け散るこの感じ。
えー、既視感がありますね、これは。
これはあれですよ。
バトルもので、いい感じに勝ち目が見えてきたときに埒外な一撃で大切な何かが失われちゃうあの絶望回の感じですよ。
……この作品、ラブコメちゃうん?
この、圧倒的絶望。
でも、分からなくはないんですよね。
考えてみれば、登場人物がやってることは全部、「痛い」ことにしか見えないわけで。
実際にやってたら面白いかもですけど、でも、現実的に考えたらそれに乗っかってくれる人は少ないでしょ。
これまで「お祭り学校だから」って感じで軽く流されてたので忘れてましたが、ここは明確に現実だったわけで。
そしたら、あれだけでっかく動くすぎちゃえばこうなっちゃうのもしょうがないのかな、と……。
でも、こんなネット掲示板でのマジレスみたいなあくどい現実の突きつけ方がありますかって話ですよ。
えぐい、えぐすぎる。
加えて、初期に友達グループ扱いされてたメンバーの半分以上が既に何かを抱えている様子があるっていうこの状況。
身動きすれば、大爆発必至。
何より辛いのって、長坂自身は傷を受けてないことじゃんって思うんですよね。手引きした長坂が誰にも悪く言われてないって、そんなの絶対自分を責めるでしょ。
その状況で、果たして何をなすのか。
四巻でこの最悪な状況をハッピーエンドに変えられるのか。
長坂の活躍に期待です。
……期待です、じゃなくてほんと早くしてほしいんでお願いします!
先月のチラムネに続いて、ガガガ文庫は悪魔の巣窟ですかっ!
というわけで、今回はここまで。
来月は結構楽しみにしている作品も多いのですが、同時に高校生活で一番大切なテストも控えているというこの状況……。
とにかく、読んでくださってありがとこーざいました!
「俺がピエロでなにが悪い!」感想
こんにちは、とこーです。
テスト前のナーバスな時期、むちゃくちゃテンション上がりつつ感想を書いていきます。
今日書くのは「俺がピエロでなにが悪い!」です
感想を書く前に。
声を大にして言いたいんですが、この作品マジで読んでください!!!!!!!
私、この作品はまじでハマれる作品だと思いました。
シチュエーション系ラブコメと呼ばれるようなイチャイチャ甘々なラブコメはもういいかな、と思う方には、ホントおすすめ。もちろんそういうとのが好きな方にも、ですけどね。
売れたら2巻が出そうな内容な気がしなくもないんですよ。というか、2巻以降が出たらより一層化けそう。
何より、1巻は230ページほどと短め。
読みやすいし、イラストも最近ラノベでも大活躍中の塩かずのこ先生だからスッキリ読めます!
だから読んで!!!
すっごいいいから!!!!
「ピエロ」って単語が出るラブコメとか、ワクワクするでしょ!?!?
と、さてじゃあここからは感想いきまーす。
今回は丁寧に、分かりやすいように書こうと思います。
まず、思ったのは「そうそうこれ!」って思える内容だったことです。
タイトル「俺がピエロでなにが悪い!」に惹かれて購入した私。
シチュエーション系ラブコメにはちょっと飽きつつあって、俺ガイルとかチラムネみたいな「濃いめのラブコメ」が読みたいお年頃。
そんな私がタイトルを見て期待した通りのものが詰まってました。
何よりも、重すぎない文章。
コメディな要素がちょこちょこあり、一人称ゆえに語り口も心地よかったです。
会話文も多めなので、「目が滑るなー」って時にも読みやすい。
でもそれだけじゃなく、結構深いストーリーも入ってるんですよね。
「あ、これいい」って思うような言葉が時にぽんっ、と出てくるんです。
話も割と重いですしね。
だからこその「ピエロ」であり、そんなところも凄く「求めてたもの!」って感じがしました。
第二に語りたいのは、主人公至上主義な私でも納得できる主人公のかっこよさ!
ストリートパフォーマーを目指し、ホスピタルクラウンのボランティアをやっている主人公、宮守樹。
もうね、彼が濃いこと濃いこと。
一人称で語られるゆえの、彼の癖の濃さと言ったら凄いです。けど嫌じゃない。可笑しくて、好きになれるんです。
加えて!
そんな彼のバックボーンがいいんですよ。
「ピエロ」を目指すきっかけ。考え方。車を克服できない未熟さが残りつつも、しっかり現実に立ち向かうその姿勢!
キャラが濃いだけじゃなかった。うん、好き。
だからこそ、なんとか続刊が出て(そもそも売れたら続刊ではなく、1巻完結なのかもですけど)、彼の人生を見たいのです!
「俺がピエロでなにが悪い!」って胸を張れる彼が見たい!!
それまで続いて……!
実際、色んなキャラが出てきてたし、話はまだ膨らみそうなはずですし……。
そうだ、主人公以外のキャラについても話しましょうかね。
なかでも語りたいのは、大人陣ですね。
主人公が「ピエロ」になりたいと思ったきっかけの人。駄菓子屋のおばさん。吉沢先生。由里姉。
大人のキャラが、みんな魅力的に映るんですよねぇ。
かっこいいな、というか。
現実に立ち向かうというのはひとつのテーマだったように思うんですが、それを実際に体現してたように思うですよ。
あとは主人公の背中を押したりとか。
言葉のパワーみたいなものも、大人キャラから出るものが大きかったように思います。
だからこそ、続き(しつこい)
こほん。
とりあえず、このあたりにしましょうか。
私、偏読家を自称するようになかなかピンとくる作品がないんですよね。最近は少し広がってますが。
だからこそ、ドンっとハマれたこの作品はぜひ読んで欲しい。もうこの際、続刊とかワガママ言いません。とりあえず読んで、語りましょ?
本気でそう思える作品でした。
それでは今回はここまで。
読んでくださってありがとこーざいました!
「千歳くんはラムネ瓶のなか 5」感想
こんにちは、とこーです。
今回はチラムネ5巻の感想を書いていきます!
なんと言っても、ついに来ましたからね。ワクワクです。
今回は、夏休みの話でした。
表紙を飾るのは夕湖ということもあり、やはり夕湖が話の中で結構出てくるのですが……読んでて、ちょっと戸惑ったのは事実です。
面白くなかったかと聞かれれば、それは違います。面白かった。ところどころ笑いネタがあったし、皆可愛かったし、チーム千歳の青春が詰まってた。
それでも、明らかに2-4巻までとは違いました。
これまでは形式の違いはあれ、何かしらの問題が起こり、表紙を飾るヒロインと共に問題に向き合っていくという感じでした。
3人が朔に惚れるまでを綺麗に、丁寧に描いたという感じでしょうか。
物語の中心には朔がいましたし、特に4巻では彼が過去と向き合う展開だったわけで。
それに比べると今回は、そういう「なにか問題を解決」という展開ではありませんでした。
続く青春の日々と日常。その中でみんなが皆、恋に友情に悩み、向き合う。けれども、今までのような分かりやすい「なにか」はなくて、ビターな青春模様って感じがします。
いや、そういうのも好きなんですよ?
一つ一つの描写は気になりますし、朔たちの一年生の頃の話とか、なんか泣けてきますし。男同士の話とか、海人と夕湖のあれとか、細かく言えば言いたいことはたくさんあります。
でもそういうのを全部総括して、
でも、「あれ、これチラムネか……?」とギリギリまで思いました。
「何か変わるのか、これ……?」みたいな。せいぜい誰かが1歩踏み出すなり、宣戦布告してヒロインレース開始みたいな展開なのかな、と。
何しろプロローグとも言える1巻の表紙をも飾った夕湖でしたからね。
仮に5巻以降を第2部とするなら、第2部のプロローグなのかな、と思いましたよ。
でも、なんですあれ。
4章。
がっつり告白……までは、まあね? ギリギリ予想出来ましたとも。
けど、それをフるか??????
まだ5巻だぞ?
夏だぞ????
なのにここでそこまで描いて、こんな展開にできます?
しかも何気ない1巻の一言がここに来て現れて。
胸がすっっっごい苦しいんですけど。
こんなに苦しい伏線回収、辛すぎん?
で、まだ8月上旬であるはずの夏勉最終日に「また二学期にな」ですよ。
あれだけ青春ど真ん中で、日々を楽しく思ってた朔が、このセリフ。
至る所で匂わされていた「終わり」がこんな直ぐに来るなんて思わないじゃないですか。
完全なる不意打ち。えぐいっすよ、えぐい。
でね、その「あー、裕夢先生このまま5巻かぁ。この感じ、6巻に続くパターンか?」と思いながらラスト数ページをめくるわけです。
まあ目次見ても、エピローグがなかったですし?
バイバイして、そこで朔の切ないモノローグと共に「続く」ってくるものだと思ってました。
けれども、彼女が現れました。
そう、彼女です。
約束をした彼女。最初に登場しておいて、何だかんだ今となっては一番ラブコメの匂いがしなくなっているようにすら思える彼女。
彼女が、朔の前に現れて……。
それで。
最後の見開き。
最高にも程がある。展開も何もかも、最高。
音も光も優しさも、全部が見えるようなイラストでしたし、「これがチラムネか?」なんて思ってしまったのを土下座したくなるくらいチラムネでした。
あと、今回は彼女以外のヒロインの視点はあるのに、彼女だけ一切なぃですよね(読み間違えじゃなければ)。
そのあたりも、ここで思い出してグッときました。
なんか、忘れない気がするな、一生。
そんな訳で、読後すぐの感想でした。
また回数重ねて読んでから感想は細かく書きます。
ただひとつ言わせて。
最厚な話なのにこのラストとか、お預けがすぎない!?!?!?
というか、朔の心にいる人って誰!?!?
夕湖は「友達」で。
悠月は「女の子」で。
陽は「相棒」で。
明日姉は「初恋」で、
自然に考えたら「初恋」にあたる明日姉?
奥野先輩も出てきたし、いい人だったしね?
とか思いつつも、ぐあーーーーってなるのが今回でした。
これ、次回で完結したりしないですよね……?
どちらにせよ、早く読みたいものです。
そんなわけで、読んでくださってありがとこーざいました。
以下は5巻を読む前に読んだSSの感想です。
SS冊子については以前も既存のものはうっすら書いていたので、新作SSについて。
「夜更け前の月と夜明け前の太陽」。
悠月と陽の一年生の頃の話なわけなのですが……特に陽パートはやばかったです。
一年生の頃の朔登場からの陽の描写とか、たまらなく好きですわ。4巻読みたい(なお、5巻まだ読んでない時点でこの部分は書いてます)。
悠月パートも、恋の話が結構よかったですからねぇ。より部活動中の様子を知れて、すげぇなぁって思いました
【人気上昇中】「千歳くんはラムネ瓶のなか」のオススメポイント!
初めましての方は初めまして、とこーと申します。
皆さま、青春ラブコメはお好きでしょうか?
今回は青春ラブコメの中でも、「このライトノベルはすごい!2021」にて文庫部門&ノベルス総合部門で一位を獲得した話題作、「千歳くんはラムネ瓶のなか」を紹介したいと思います。
「ラムネ瓶のなかってなに? 意味わかんないんだけど……」
「そもそもどんなお話なの?」
「このラノ一位ってことは面白い?」
と言ったことを思っている方に向けて、ネタバレはなし(してもあらすじ程度)で紹介していきますので、未読の方は参考になさってください。
- 1.作品の概要を説明します!
- 2.勘違いされやすいストーリー! しっかり説明します
- 3.魅力その1:鼻につくけどかっこいい主人公!
- 4.魅力その2:一人ひとりのヒロインとの濃密なエピソード
- 5.魅力その3:展開から地の文に至るまで、すべてがエモい
- 6.その他、いろいろと……!
- 7.まとめ
1.作品の概要を説明します!
まずは、どんな作品なのか説明していきたいと思います。
「千歳くんはラムネ瓶のなか」とは、小学館ガガガ文庫から出版されているライトノベルです。ジャンルは学園青春ラブコメ。
作者は裕夢(ひろむ)先生、イラストはraemz(レームズ)先生が担当しています。
『第13回小学館ライトノベル大賞』にて「ラムネの瓶に沈んだビー玉の月」というタイトルで優秀賞を受賞し、2019年6月18日に第1巻が発売されました。
先述した通り、「このライトノベルがすごい!2021」にて文庫部門及びノベルス総合部門で1位を獲得。
更に、ボブキャ先生が作画を担当し、スクウェア・エニックスよりコミカライズ版も出版されています。これについてはマンガUP!にて読むことができます。
2021年2月現在、累計発行部数は28万部を突破。ドラマCDもリリースされており、今熱い作品だと言っていいでしょう。
略称は「チラムネ」。これは作者の裕夢先生のご友人が考えたもので、公式略称として様々なところで使われています。チラ胸ではないので注意です。実際、チラ胸と検索すると色々とアレですよ……。
ファンは、作中の主人公たちのグループになぞられて「チーム千歳」と呼ばれてたり呼ばれてなかったり。この辺りは非公式のお話です。
2.勘違いされやすいストーリー! しっかり説明します
では、実際にどんなストーリーなのか説明していきましょう。
ジャンルは先述の通り、学園青春ラブコメ。舞台は福井県のとある進学校です。
一言で説明すると、
「カーストトップに君臨する主人公・千歳朔とその仲間が直面する問題に立ち向かいながら青春を謳歌していくラブコメディ」
だと言えるでしょう。
と言っても、これだけではわかりませんね。一つ一つ説明していきます。
まず、主人公について。
主人公の名前は千歳朔。高校二年生の男子で、元野球部です。そして容姿端麗、学業優秀、そのほか諸々得意というハイスペックイケメン。
そんな彼がスクールカーストにおいて頂点に立たないわけもなく、カーストトップに君臨しています。
リア充の筆頭と目されている彼は、もちろん好意も向けられますが、それ以上に陰湿な嫉妬の的にもなっています。
学校裏サイトでは『ヤリチン糞野郎』と叩かれつつも、外見中身共に優れた友人と楽しい日々を過ごしている……という人物です。
そして彼が、〝持つ者〟ゆえの苦悩や福井という田舎特有の悩みなど、様々な問題に直面する人々と関わり、ともに問題を背負いながら成長していく……というのが概ねのストーリーです。
もっとも、実際に「どんな話なのか」というのを明確に言語化するのは作品にとっても間違いでしょう。あくまで便宜的にこうして説明しているだけだ、ということをご理解ください。
ただ、ここで注意したいことがあります。
それは
1巻でストーリーを判断しないで!!!!!
ということです。
どういうことか、説明しますね。
上記のページよりあらすじを読んでいただければ分かるのですが、第1巻で千歳朔が解決することになるのは新しくなったクラスの不登校児・山崎健太の問題です。
ここで彼はリア充の立場から、非リアの山崎健太にリア充指南をしていく……という「弱キャラ友崎くん」の逆の立場のようなことをしていきます。
それゆえ、
「あー、リア充が非リアを指南していく師弟的なストーリーなのね」と勘違いされる場合があるのです。
或いはそうでなくとも、リア充や非リア、カーストといった言葉が出るため、
「リア充って立場からスクールカーストに立ち向かっていくストーリー?」といった風に思う方がいるかもしれません。
ですが、断言します。
それは勘違いです。いや、裏テーマ的にそういう要素を読み取る分には全然かまわないんですが、この作品は師弟的な指南の青春ラブコメでも、カーストに立ち向かうラブコメでもありません。
その証拠に第2巻では、カーストやリア充、非リアといった言葉はほとんど出てきません。せいぜい、山崎健太のことを紹介する際にちょこっとだけ登場する程度です。
カーストに疑問を投げかけるというほどスクールカーストについての話も出てきません。もちろん多少は出てきますが、あくまで主人公たちの立場を明示するためのエッセンス程度のもの。
では、どうして第1巻ではそういった話に触れているのか。
それは、第1巻が〝リア充〟を主人公とした青春ラブコメというともすれば犬猿されてしまう恐れすらある作品を受け入れてもらう〝プロローグ〟的な位置づけにあるからです。
そして、以降の第2巻からは〝プロローグ〟を踏まえたうえで、一人ひとりのヒロインと向き合っていく……というストーリーになっていきます。
なので第1巻は面白くなかったという人でも第2巻以降はドはまりするという場合は多々ありますし、その逆も無きにしも非ずというわけです。
さて、では次はこの作品の魅力について語っていきます。
3.魅力その1:鼻につくけどかっこいい主人公!
先述した通り、主人公である千歳朔はリア充です。
そしてリア充だからというわけではないのですが……とにかく、すっっっごい鼻につく振る舞いを見せます。
特にえげつないのは第1巻の序盤。
凄まじいリア充っぷりとハイスペックゆえの自信満々な態度、そして普段の言い回しなどなど、
リア充〇ねっ!!!!
とシャウトしたくなる面がとにかく多いのです。
この作品が大好きな私ですら、最初はそう思いました。思わない人がいるとすれば、その人は相当に寛容な方ですね。
しかし、それほど鼻につくというのに作品を最後まで読むと、千歳朔のかっこよさを実感します。それこそ即堕ち二コマかのように手のひらクルーってなります。
彼の腹立つ面は、あくまで最外層であり、その奥にびっくりするほどの人間的な魅力が詰まっているんです。
たとえば、彼の言葉や行動の端々にはいたずらな遊び心を見ることができるでしょう。
痛々しさすらあるようなTHE若気の至りな行動をど真ん中でしていく彼の姿は、まさに青春を謳歌する若人です。
また、〝ヒーロー〟みたいに他者を助ける行動。ここにこもっている彼の無自覚な優しさや苦悩は、その生き様自体がかっこいいと思うこと間違いなしです。
普段はクールでおちゃらけた彼の奥底には、誰よりも熱い感情が秘められています。
〝持っている〟からこそ他者から傷つけられ、それでもなりたい自分を目指して意地を張り、努力をし、自分らしくあろうと不器用に生きる様は本当にとにかくかっこいいんです。
他にもかっこいいところが色々とあるんですが……言語化が難しいですね。
ただ、最後まで読めば惚れどころをきっちり見つけられると思います。
第1巻はもちろんなのですが、特に顕著なのは第3巻、第4巻。
ここでは「なぜ千歳朔が今の彼になったのか」ということが明かされ、次いで第4巻は「千歳朔の奥底の熱さ」が全編を通して伝わってくる凄まじい熱量のエピソードになっています。
第1巻、第2巻の時点ですでにかっこいいし魅力的だった千歳朔を根本から定義しなおし、彼の弱さとそれゆえの強さも描写されるのでぜひともそこまでは読んでいただきたいと思います。
4.魅力その2:一人ひとりのヒロインとの濃密なエピソード
これも先述しましたが、第2巻以降では一人ひとりのヒロインとのエピソードが描かれます。
作中には五人の魅力的なヒロインが登場しているのですが、一冊につき一人のヒロインとのエピソードが濃密に描かれることになります。
一人ひとりのヒロインが抱える問題に千歳朔が関わり、ヒロインと彼が共に成長と相互理解をしながら問題を解決していく話となっています。
このエピソードが本当に濃厚で、巷では「巻ごとに推しヒロインが変わる」とも言われるほどです。
これに関しては、ボイス入りのPVを見ていただいた方が早い気がするので、リンクを貼りますね。
ヒロインは五人。ここでは、それぞれのヒロインについてちょっとだけお話しましょう。
①柊 夕湖(ひいらぎ・ゆうこ)
天然姫オーラのリア充美少女。PVではCVを阿澄佳奈さんがやっていましたね。
朔への好意を隠さずアピールし、朔の“正妻”扱いされている人気者です。
裏表がないため、同性にも嫌われることなく「そういう存在」として肯定されている人物です。
所属はテニス部で、バストサイズはE。
ぎゅんぎゅんと進めるエネルギッシュさと、それでも慎重に進むという面もある女の子です。
②内田 優空(うちだ・ゆあ)
努力型の後天的リア充。PVでのCVは上田麗奈さんが担当していました。
朔の“妾”扱いされることも多く、ツッコミ気質。
作中では、一番最初に登場するキャラでもあります(時系列的には違いますが)。
所属は吹奏楽部で、バストサイズはD。
地味な面にあり、作中では「ぷちぷち」と比喩されることもありますが、包容力があり傍にいてくれる良妻といった感じがします。
③青海 陽(あおみ・はる)
バスケ部でエースを務める体育会系少女。PVでのCVは赤崎千夏さんでしたね。
運動部特有の物怖じしない性格から自然とトップカーストに属している子です。
小柄で運動神経は抜群で、ど真ん中ストレートな女の子。スポーティで男友達的なノリで接するものの、時折見せる女の子な要素がたまらない……という子。
所属はバスケ部、バストサイズはBです。
太陽のように明るい彼女は、悩みすらもギラギラと照らして前を向かせてくれるような女の子です。
④七瀬 悠月(ななせ・ゆづき)
夕湖と男子人気を二分するバスケ部の美少女。PVでのCVは天海由梨奈さんが担当していました。
朔同様に自身の言動が「どう見えるのか」を計算して行動している面のある女の子です。まさに女優タイプで頭もよく、朔とは謎の高次元コントをやっています。
所属はバスケ部で、バストサイズはD。
朔に似ているからこそ似ていない彼女は、人気ランキングでも連続で一位を獲得していたりします。
⑤西野 明日風(にしの・あすか)
ミステリアスかつ自由奔放な女の子。PVでのCVは奥野香耶さんでした。
作中唯一の先輩ヒロインでもあります。不思議な言動が多く、その意図はなかなか朔にもくみ取れません。
また、朔のあこがれの人でもあります。
所属はなし、バストサイズはC。
ミステリアスな一面の奥にある姿もまた魅力的な女の子です。彼女とのエピソードである第3巻は必見ですね。
と、こんな感じです。
が、もちろんこれはすっっっごく表面的で一部の魅力にすぎません。
作中、特に2巻以降ではヒロインとの〝相互理解〟がなされていきます。
その中で朔が抱えていたヒロインたちの印象がガラリと変わり、ここで述べたものとは全く別の魅力が見えてきたりします。
どのヒロインも魅力的で、しかも朔との関係性もすごく濃密で丁寧に描かれます。
まさに「至高のハーレムもの」と言えるのではないでしょうか。
5.魅力その3:展開から地の文に至るまで、すべてがエモい
エモい。つまりは、「エモーショナル」な面がちりばめられているのもこの作品の魅力です。
それはストーリーの展開でももちろんそうなのですが、それと同じかそれ以上に作中で使われる一つ一つの言葉からもエモさが溢れています。
比喩やオノマトペの表現は、卓越していると言っていいでしょう。
あまりライトノベルでは使われることのない印象のある比喩やオノマトペですが、この作品では至る所で見られます。
文学作品にも負けず劣らずの雰囲気は、普段ライトノベルを読まないという方にでもおすすめできます。
ただ、勘違いしてほしくないのは「文学っぽくて堅苦しい」というわけじゃない、ということ。
確かに地の文では比喩やオノマトペが多いです。
ですが、作品はあくまで千歳朔の一人称によって綴られます。それゆえ、比喩やオノマトペも千歳朔の視点で用いられます。
なので、小難しい言葉はあんまりないんです。
高校生男子が思うような日常にありふれたもの。これを「あー、あれみたいだな」みたいに思ったであろう瞬間に比喩として用いられる。あるいは足音を「あー、こんな感じに聞こえるな」と思った通りにオノマトペとして記述される。そういう感じなんです。
だからこそ、言葉一つ一つに愛おしさを覚えられますし、エモさがあります。
中でも、作品を通してテーマともなるような一節を引用します。
――からん、と。心の奥のほうで、懐かしい音がする。
「美しく在りたいんだ。あの日見た月のように。
いつか本で読んだ、ふたの開かないラムネの瓶に沈んだビー玉みたいに」
『千歳くんはラムネ瓶のなか』P337,L10-13
どうですかこのエモさ。
言葉一つ一つがこだわり抜かれているゆえの、あふれんばかりのエモさ。
夜空の月とラムネの瓶のビー玉を並べ比喩として用いるこのセンス!
他にも、すっっごくエモい描写はたくさんあります。
もちろん展開的なエモいところもたっぷり。
本当に一言一句にこだわって書いているからこそ、読む楽しみを改めて実感できる作品でもあります。
しかも、作中にはラブコメでありながら無数に伏線が張られています。これが回収されたときのエモさといったらもう、すごいですよ。
読み応えのある作品を求めているなら、おすすめできる一作です。
6.その他、いろいろと……!
さて、ここまではわかりやすい魅力を三点あげてきました。
他にも魅力はたくさんあるのですが、語り切れないのでそこはやめておきましょう。
少しわき道を逸れてお話したいと思います。
この作品では、ちょこちょこ一部の法人限定でSS(ショートストーリー)が特典として付属して販売されてきました。
そのSSはどれも、本編のサイドストーリー的な立ち位置であり、彼らの日常を描くものとなっています。
しかし、SSと言いつつも読めるのならば絶対に読んだ方がいいと断言できるほど、本編の深みを増す伏線はさりげなく張られたりもしています。
もちろん推理ものではないので伏線を回収せずとも楽しめますし、あくまでSSです。
この「千歳くんはラムネ瓶のなか」という作品は深みにはまればはまるほど更に好きになるという底なし沼のような作品なのです。
一方で、逆に「はまらない人もいる」ということを書いておきたいと思います。
この作品はおそらくほかの作品以上に「はまる人にははまるけど、はまらない人ははまらない」というタイプなのではないかと思います。
たとえば主人公たちのノリ。リア充のノリといっても、もちろん創作です。リアリティがあると思う方もいればないと思う方もいるでしょうし、そもそも「こんなリア充自体いねぇよ!」と思う人もいるはずです。
また、そのほかの全体的な言葉のセンス。私は卓越していると言いましたが、読む人によっては「クサい」と感じてしまうかもしれません。
そうした作品のノリが合わない人からすれば、残念ながらこの作品は駄作になってしまうかもしれません。
そして、駄作だと思った人が間違っているかと言えばそれは違います。あくまで趣味の問題です。
だからこそ、合うかどうかをぜひ実際に最後まで読んで確かめていただきたいと私は強く思います。
はまれば、とことんはまってのめりこめる作品です。
ぜひ、ご一読ください。
7.まとめ
ここまで、「千歳くんはラムネ瓶のなか」についてご紹介しました。
最後の方には合わない人の話も書いたりしましたが、それは、こうしてご紹介するには好きになってほしいという思いが強いからこそのものです。
言わずもがな私はこの作品が大好きですし、現状、銀河一面白い作品だと思っています。いわば信者です。
そんな信者の戯言ではありますが、ほんと、すっっごく面白いとは思うので騙されたと思って読んでみてください。
2021年8月19日には、待望の六巻が発売します。
チーム千歳の一員に……とまでは言いませんが、「千歳くんはラムネ瓶のなか」の沼に小指だけでも突っ込んでいただけたなら幸いです。
それでは、今回はここまで。
下記には話に出した作品などのURLを貼っておきます。
それでは読んでくださってありがとこーざいました!
「他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた」
こんにちは、とこーです。
本日は楽しみにしていた新作、「他人を寄せつけない無愛想な女子に説教したら、めちゃくちゃ懐かれた」の感想を書いていきます。
ネタバレにもなってくるので、未読な方向けにまず一言。
この作品すごくいいですよ!!!!
というわけで、気になった方はぜひ!
ではいきます。
物語は、最近流行りのシチュエーションラブコメをベースとしています。
そういう意味では、特別捻りがあるわけではありません。
優等生な主人公は、ある日、無愛想な美少女を説教する。
これをきっかけにラブコメが……という感じ。
ですが、何よりこれは甘さをそこまで重視していない気がします。
よりじっくりと、心の内面を描いていくような感じがするんです。
同レーベルで似た作品を挙げると、カノうわが挙げられると思います。
単なるラブコメじゃないし、甘々でイチャイチャしているわけじゃない。かといって日常ものと単に括れるほど平坦でもない。そんな感じのストーリーです。
いいなぁ、と思ったのは雰囲気ですね。
文章、会話のテンポ、主人公の内面、イラスト。
そういったものが見事にマッチしている感じがします。
そして、特に文章と会話のテンポが、絶妙です。スラスラ読めてしつこなく、しかもいい感じの雰囲気が出ています。喩えるのなら、気の利いたBGMをかけている喫茶店のような、そんなビターでオシャレな印象すら受けました。
また、主人公に関しても好きになれます。
闇のある過去と、その更に昔に起きたこと。
この二つを抱えているがゆえの優等生である彼は、脆くも強く、かっこよさがありました。
リアル……とは言いませんが、いそうなキャラですし、決して嫌いにはなりません。
優等生というと何かと「つまらない」「ダメ」みたいなイメージを持たれがちですが、彼は、全くそうではなく、そんなところもよかったです。
学生だからこそ、テストとかに関しては共感も出来ますしね。
さて、でイラストに移るとしましょうか。
これがすっごくオシャレなんですよ。
表紙からして、この儚さがあるイラストがいいですし。タイトルがカラーと白文字?で二つ書かれているのもかっこいい。
そして、このイヤホンを耳に填めている姿。スマホを持ち、スマホを眺め、憂うような電車の中での姿。
そういったものが、この作品を彩っており、魅力を一気に押し上げていました。
さて、今回はここまで。
ともかく、この作品は良かったよ、というのをお伝えしたいです。
ほんとにね、続刊して欲しい。カクヨムでも読めるけど、これは縦文字で紙で読みたくなります!
ということで未読の方、かいましょ?
そういうわけで読んでくださってありがとこーざいました!
「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。2」感想
こんにちは、とこーです。
すっかり春になってきた今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回は経験済みなキミと~の第二巻を読んだので感想を書いていきます。
それではいきます。
前回も思ったのですが、この作品はとにかく幸せ度がやばいです。
やっぱり甘い、とかじゃないんですよね。
でもって、すごくリアリティに満ちているというわけでもない。
とにかく、すごく幸せな話なのです。
物語は夏を中心としていました。
冒頭、テストの話から始まり、テスト勉強が始まります。
なんというかこの、ぶきっちょ感がたまらなく好きでした。
「あ、ここでさりげなく気を遣って好感度獲得するんじゃないのね」って感じ。むしろ不器用で、ちょっとダサくて、それでも彼女を気遣ってる主人公の姿は凄く愛らしいです。
更に加速していく幸せ度。
プールからのお泊り、という何ともアレなシチュエーション。高校生でこんなことあるん? 羨ましすぎるんですけど。
終始主人公は白河さんのことが好きで、それがびしばし伝わってきました。
宿でのやり取りとか、ちょっとしたエロシチュエーションなのにエロよりも幸せが勝つのは何なんでしょう。白河さんの「好き」が溢れてて、本当に初心に付き合ってる彼氏彼女な気分になりました。
しかし、そんな中で不穏な影が。
黒瀬さんの行動によって巻き起きる嵐。主人公の浮気疑惑が生じてからの一連の話は、なんというか、苦しくなりましたね。
何が苦しいって、結局黒瀬さんが普通にいい子なこと。悪い子ぶってても、まったく憎めないですし。だから、懲悪というより主人公と白河さんの関係の進展の方に目がいくんですよね。
ただ、個人的にはもうちょっとコミュニケーションとろ? と思わなくはなかったですが。
けど、そういうのも「好き」が強いからこその齟齬って感じがあって、納得できちゃいました。
でもなんやかんやあって二人の関係は修復され……むしろ、前よりも距離が近づくことになります。
そこからは幸せ度がさらに上がりましたねぇ。これはもう、致死量。
でもって、最後の方に経験済み「だからこそ」ってのを出してくるあたり、いいなぁとしみじみ思いました。
主人公は主人公で、自分に自信を持てるようになり、経験済みだなんてことは重要じゃないってはっきりと最後に言いました。そこの男らしさ、好きです。
で、で、で!
最後と言えば、最初のテスト勉強での英文を最後で回収したのもいい!
好きでしょ、あんなの。おお! ってなるに決まってるじゃないですか、あんなの。
それも含めて、もうドキドキバクバクな二巻でした。
元カレの話とか含めても、登場人物(特に恋愛にかかわる人)がいい奴なのが余計に幸せ感を増すなぁ、としみじみ思います。
普通、元カレ云々の話なわけですからもうちょっと重くなると思うんですよ。でも、それがどんよりとした重さじゃなく、幸せにつながる重さになっていたなぁ、と。
三巻以降では、黒瀬さんとの仲直りとかも見れたりするのでしょうか……。
致死量の幸せ感を、ぜひ続刊して放ってほしいです。
それでは本日はここまで。
感想が取り留めないのはご容赦を。読んでから少し間が空いてしまったのです……。
それでは、読んでくださってありがとこーざいました!
「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 16」
こんにちは、とこーです。
今回は俺修羅16巻を読んだので感想を書いていきます
さて、いきましょう。
今回は、まさに15巻の続きであり、カオル/リとの物語であったように思いました。
そもそも15巻の表紙の衝撃的なデザインに惚れて一気に読んだ、今作。カオルが一番好きなキャラな私にとっては、すごくよかったです。
物語は前巻の続きから始まりました。
前巻で真涼の残した色んなものに鋭太たちが翻弄され、されど当の真涼は学校に現れない。
そんな状況のなかで、改めて自演乙のメンバーが話し、団結する姿はまさに最高でした。
ここまでハーレムを深く描くか、としみじみ思わされる作品でもあります。
そんな彼ら彼女らと、鋭太を取り巻く学校の人々にジワジワ迫り来るのがカオル/リでした。
もはや、「なんかすごそう」感を出しつつ、カオル/リに操られてる夏川父さん……
でもカオル/リ、マジで怖くてビビります。これラブコメなん? バトルものじゃない? と疑うレベルです。
そしてカオル/リの魔の手はとうとう姫香へと。
LGBTに該当する彼の心の中の複雑さは納得できることでしたし、すごく胸が締め付けられました。
が、何よりくるのはそういったカオル/リに対する鋭太の態度。
終始、「親友だ」と叫び続ける鋭太は、もうめちゃくちゃよかった。友情とか卓越した何かがここにありました。
真涼を助けに行くところでのあれこれも、もうやばい。
まず、生徒会長クンよ。もうそっから、すごく胸に来ました。そこから鋭太が気づいて、馬鹿みたいに動いていくところとかももう超いい。「いや、リアリティ」とか言ってはいけないですね、これ。それ言うたら舞台設定からして、「あるかボケ!」ですし。
猪突猛進っぷりはもちろのこと、中二の頃に戻って進む姿もまた、かっこいい。
カオル/リとのやり取りなんか、死ぬほどダサくて死ぬほどかっこいいっすね。
ここまでダサいのにかっこいいって思えるの、久々かもしれないです。
で、そこまできてラストのラスト。
ついに登場する、真涼。
もはや、完全なるラスボスな悪魔がいました。ヒロインがラスボスという、ほんとマジでバトルものかよと言いたくなるレベル。
次回、あるいは次次回がラストということでどうなっていくのか楽しみです。
恋愛アンチの彼女との物語はどこに収まるのか……。
と、今回はここまで。
最近文章書いて無さすぎて、マジで文章力がやばいですね、はい。
でも面白かったので、そこを理解していただければ!
それでは、読んでくださってありがとこーざいました!
「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーニャさん」感想
こんにちは、とこーです。
今回はロシデレの感想を書いていきます。
それではいきます。
この作品は小説家になろうにて短編が投稿された、いわばweb発ラノベでした。
その一方でその内容は書籍化に合わせて完全一新という、本当に力のこもった作品だなぁと思います。
そのテーマはズバリ「ロシア語でデレる」
もうこれに尽きるわけで、その軸をうまーく描いていたように思います。
序盤、この作品のチュートリアルかのようにポップな会話劇とアーリャとのやり取りが続きます。ここの軽妙さは甘すぎて持たれる感じではなく、なのに時折ニヤってして面白い。
しかもこれを三人称でコメディな感じ進めていくため、本当に読みやすいという仕様になっております。
かと思えば中盤に進むにかけて、キャラへの厚みも増し始めます。
アーリャと政近の、昔の話。
これはこの2人に「結ばれて欲しい」と思うに足る、とても心地よくて綺麗な話でした。
そこからは嫌味にならない程度に政近の能力を描いていく……というのも、主人公至上主義たる私には最高でした。
幼なじみが実は妹、ということが明かされて「あ、これハーレムじゃないのね」と改めて理解したところで、今度は政近のちょい重めなストーリーに突入します。
そこで描かれる話もまた、読んでいてとてもいい。正直、もっとただただロシア語でデレるだけの話だと思っていたので、ここまで深く掘るのには驚きました。
その後会長と話して色々と考えを改めたり……という流れからの、一連のイベントはラブコメ以上に青春モノのそれでした。
こういうの、好きよ。ヒロインが困ってるところに駆けつける主人公! 超良き。
それからその後の、見開きの挿絵もナイス。角川スニーカー文庫さん、ほんと挿絵の使い方が上手いなぁ、と思います。
全体的に、かぐや様は告らせたいっぽさがあるなぁと感じたのは私だけでしょうか。というか私が作品を知らなすぎるから、語彙力がないのでしょうけど。
でも、実際それっぽさがあるように思います。コメディで始め、盛り上げのポイントはきちんと押え、その上でベースは甘さをきっちり用意する。
この巧みさはマジでよかったですし、今後も読み進めたい作品だなぁと感じました。
というかこれ、今後がもっとすごいでしょ。
政近が昔会った女の子のこととか……ねぇ?
続刊楽しみなので、ぜひ売れて欲しい1作です。
以上、感想でした。
それでは今回はここまで。
読んでくださってありがとこーざいました!
「ホヅミ先生と茉莉くんと。Day.1 女子高生、はじめてのお手伝い」感想
こんにちは、とこーです。
今回は「ホヅミ先生」を読んだので、感想を書きます。
ただし今回、過去最高レベルで超駄文な感想になると思うのでご容赦を。
それではいきます。
この作品があってくれてよかった、と心から思いました。
まずは一言、そう書きたいです。
いきなり私的な話になってしまうんですが、実は最近、どうにもラノベを読んでも楽しめないって日々が続いていたんです。目が滑って、意識が散って。
何も楽しいと思えなくなっていて、ちょっと本気で不安でした。「もうラノベで心を動かされることがなくなっちゃうんじゃないか」って。
でも、この作品を読んでいたら自然と泣けました。心が動かされて、物語に引き込まれて。ずっと読んでいたいって思えました。
思えたんですよ、久々に。
それくらいにこの作品は凄くて、優しくて、幸せなお話でした。
さて、少しずつまともな話もしましょうか。
この作品、私は当初「あー、またこういう系か」と思っていました。いや、いいですよ、こういうまったり日常を描く系。でも、食傷気味だったんです。だから当日には買いませんでした。
でも、Twitterを見ればちらほら絶賛の声が。葉月文先生の作品はこれまで読んでこなかったのですが、Twitterの声を見ていて、加えてたまたま見かけたnoteを読んで、気になったわけです。
まず、試し読みをば。
そうして読んで、驚く程に読みやすいことに気づきました。なんだこれ? 面白いし、綺麗だし、シンプル。意味わからんくらい読みやすくて、即座に購入。
かくして読み始めました。
一貫して感じたのは、息を飲むほどの心地良さ。こんなに綺麗な文を、私は日常系ラブコメで読んだことがありません。私の見聞が浅い、というのはあるんでしょうが。
綺麗で、でもその綺麗さが堅苦しくないんです。よくあるじゃないですか、文学とかで。「綺麗なんだけど、迂遠すぎて読みにくい」みたいな。それがこの作品は、一切ない。
むしろ綺麗で尊い一つ一つの文章に、目が通り過ぎてからやっと気づくくらいの、自然さ。
だというのに、ですよ。そうして綴られる美しくも自然な文章の中に、確かに強さが顔を出すんです。軸のような、染みに染みたおでんの大根みたいな、胸にずんと響く言葉達がいたんです。
もう、その日常だけで終わってもいいと思える作品。
だというのに、この作品はそこで終わりませんでした。日常に確かな起伏を持ってきたのです。茉莉がいなくなってからのラストスパートは、圧巻という他ありませんでした。
読んだ方ならわかるでしょう、あの手紙のところ。
ストーリーや文章だけじゃない、演出すらも作り込まれていて、幸せで仕方ありませんでした。
手紙を見たホヅミ先生がとる行動も、すごく好きです。
何もかもが尊くて、ぎゅぅっって心を掴まれました。
正直に言うと私、文字を大きくしたりとかする演出ってあんまり好きじゃなかったんです。
なんとなく冷めてしまうところがありまして。
でもそんな私が、むしろその演出に拍手喝采を浴びせたいほどに感動しました。
フォントを変え、サイズを変え、シミを作り……紙で使える最大限子表現が駆使されて、すっごく胸が打たれました。
繰り返して、言いましょう。
この作品があってくれてよかった。
下手をすれば、今この作品を読まなければ私は読書が嫌いになっていたかもしれませんでしたから。
この作品は、2巻の発売も決まっているそうです。
Twitterでの評判も上々ですし、「そりゃそうだ」って感じですかね。
今年の夏……うわぁ、くっそ楽しみ。
本気で推せる作品でした。
それでは今回はここまで。読んでくださってありがとこーざいました!
「僕が答える君の謎解き 明神凜音は間違えない」感想
こんにちは、とこーです。
今回は連れカノの作者、紙城先生の新作を読んだので感想を書きます!
それではいきます。
この作品はミステリーです。学園ミステリーだ、といっていいでしょう。
但し普通と違うのは、既に犯人が判明しているということ。つまり「答え」だけが出ており、「途中式」にあたるものがどこにも介在していないわけです。
そんな中で、推理の道筋を導き出す。そういうストーリーでした。
特筆すべきはこの、「推理の道筋」という点。
答えを元に、ただ証明すればいいわけじゃないんです。
どうして答えにたどり着けたのか?
その問へのアンサーを出すわけですから、答えが出た瞬間に提示されていない事実は証拠として使えない。
つまるところ、複数有る解法のなかから使われた解法を選ぶようなエグさなわけです。
ミステリーは読みなれていないので、ミステリー自体の質については分かりません。が、明確にロジカルが積み上がっていく感じはとてもよかったです。
明らかに、他の推理とは「推理」の種類が違うんですよね。見るポイントが違う。
対面するのは、謎ではなく、既に解を出した明神凜音なのです。
その姿は、作中で言われているところの「弁護士」らしいですし、何より、「ミステリー」ではなく「ラブコメ×ミステリー」たるに相応しく感じました。
と、頭良さげなことを言ったところで、もう少しライトなお話を。
まずね、主人公が推せるんですよ。好き。推定無罪の原則を掲げる、弁護士志望。なんだか、彼の姿がものすっごい好きですね。
だからこそ、3話ラストではグッと引き込まれました。
ヒロインである明神凜音も可愛いこと。
もちろん、ラブコメ全振りな作品ほど甘さやニヤケはないんですよ。
でも、魅力的でした。ミステリーにふさわしい、心地よい程度の関係に思えます。
会話のテンポといい、設定といい、エンタメ力がむちゃくちゃ高いストーリーであるように思えました。
作中で扱われている謎は3つでしたし、もっと読みたいです。実際、既にシリーズ化は決まっているらしいですしね。
そんなわけで、ミステリー初心者でも普通に楽しめる作品でした!
それでは今回はここまで。
ミステリーとか読むと、頭よかったらもっと楽しめるのかなぁ、とか思う今日この頃でした。
数を読めば、慣れてくるのでしょうか……。
ともあれ、読んでくださってありがとこーざいました!
「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。」感想
こんにちは、とこーです。
諸々が忙しく、ブログ更新出来ずにいたのですが、今日はどうしても「このタイミングで書きたい!」と思った本がありましたので、感想を書いていきます。
そう、発売からジワっていたこの作品です。
2巻が3月発売らしいですからね。今書かねば、いつ書くという話ですよ。
それではいきます。この作品を読むことを決めたのは、ふと、Twitterでのこの作品の評判を思い出したことがきっかけでした。
無茶苦茶バズったわけではなく、でもよく考えるとTLに流れてくるのは「売れて欲しい」という声ばかり。
でもでも、タイトル見るに「うーん」って感じじゃないです?
陰キャ主人公×陽キャヒロインのラブコメって、なんか飽和してるじゃないですか。
「どうせ経験済みって言っても『そう噂されてる』とかなだけなんでしょ?」
とね、思ったわけですよ。
あるいは某作品のように、やむにやまれぬ事情があって、半ば体を売るように「経験」しなきゃいけなかったんじゃ、とか。
でもね?
この作品は違うんです。
もちろん、先述したようなストーリーが悪いとは言いませんが、この作品は、私にはとても「しっくりくる」ように思えました。
ヒロインの白川さんは、元カレがいて、ちゃんと「好き」だと思って付き合っていました。
序盤の、主人公が告白したあとの一連のやり取りから、彼女が決して尻軽なわけではなく、その名の通りホワイトな女の子なのだと感じました。
そこに、ギャル・白河月愛は生きていたのです。
主人公とも、罰ゲーム感覚だったり、遊び感覚で付き合った訳ではないように思えます。
あくまで、告白されて「好き」になったから。
もちろんその「好き」は薄っぺらいものなのかもしれないですが、それでも二人の関係は紛れもなく「好き」から始まっているわけで。
そこから、主人公を喜ばせようとする白河さん。この一途さも、きゅんとくる。
多分、「都合がいい」と思われてしまう白河さんには、人が良すぎるゆえのポンコツさがあります。そんなところが愛らしく、だからこそ、主人公の人物像が引き立っているように思えました。
序盤、部屋で「経験」しそうな流れになる主人公ですが、何だかんだ、彼はものすごく迷っていました。
後日、ちょいちょい後悔したりもしてて、そういうところはすっげぇダサく感じます。
感じるけど、でも好きになれました。
等身大。
ええ、そう言いたくて仕方ありません。
実際の高校生にこんな人がいるのかは、分かりません。私は学生ですが、あまり人との関わりがないので。
でも、ここにいるんです。
本の中に、加島龍斗という男の子が、いるんです。
可愛い女の子に「触れたい」と思って。
エッチさせてもらっておけばよかったとか、みっともなく後悔して。
そのくせヘタレだし、自信がなかったり、微妙に悩んでて。
けど、確かに「白河月愛のことを好き」な加島龍斗がそこにいました。
そういう目線で、読み終えてから、ふと最初を読んでみました。
何故でしょう。
胸に満ちるのは、「好き」という気持ち。
これを、「甘々」って言葉で処理したくありません。
裏表紙を見れば、「きっとステキな気分になれるラブストーリー」とあります。
なるほど、と。
確かにこれは、ステキな気分になります。
ニヤニヤしました。ほっこりしました。そして二人を、応援したくもなりました。
この作品、あくまで個人的にはって話ですが、「自分陰キャだけど彼女ができたよ」って人に刺さる作品なように思えました。
恋愛の「あるある」が詰まって──と書こうとして、それは違うな、と思いました。
恋愛のあるあるとは、多分ちょっと違う。
けど、うんうんと頷きたくなる葛藤があり、読めばきっと主人公と共感しながら駄べりたくなる気がします。
タイトルから見て、「経験済み」ってことから黒い歴史に触れていくのかなぁとか思っていたんですが、少なくとも一巻ではそうではありませんでした。
とはいえ、今後2人が仲良くなればなるほど、問題も出てくる気がします。
2巻も発売するそうで、続きが気になる限りです。
何気に、黒瀬さんのことも好きだったりする私とこーですので。
黒瀬さんと白河さんが仲良くなるっていうのは、物語のキーになりそうですもんね。
それでは今回はここまで。
未読の方は、読むべき1作だと思います。もちろん最近の「一対一の純愛ラブコメ」要素は強いのですが、そういうのに飽和気味な私が好きになれましたので。
2巻だけじゃなく、末永く続くシリーズになることを祈りまして!
読んでくださって、ありがとこーざいました!
「弱キャラ友崎くんLv.9」感想
お久しぶりです、とこーです。
ここ最近は偏読家として、感想を書けるラノベに出会えていなかったのですが、今日は別です。
友崎くん、9巻!
読みましたので感想を書いていきます
いきます。
8巻から続いた今回、早速、菊池さんとのあれこれがありました。
一見するとただ被害者だったように見えた友崎くんも、諸々の行動を思い出し、強く反省する事態に。
それからあれやこれやとあるわけなのですが(雑)、これ、読んでて本当にすごいと思ったんですよね。
だってそこらのラブコメなら、作中で言うところの「形式」を重視して、はい終わりって感じなんですよ。
あるいは友崎くんが好きって言った時点で、全て解決って感じです、絶対。
でもそこを深く掘って、解決したように見せてもまだ歪みが残って、むしろ深みを帯びて露出し始めて、ぽつぽつと友崎くんが自分の業に気づいていくわけです。これまでもそうでしたけど、色んな人から話を聞いて、自分の考えと照らし合わせて、道を切り開いていく感じ。
ジンジン胸に響くんですよね、こういうの。
そしてその業は友崎くんだけじゃなくて菊池さんも抱えていて、多分、2人とも結構「めんどくさい」って見えるような人間らしさが出てるんですよ。
このね、恋愛へのリアルさというか(リアルさ≠現実にある)が、超好きでした。
というか、正直、今回の友崎くんは超面倒くさい。
梃子でも日南のことを諦めないし、「やりたいこと」を掲げて離さないし、悩んでるし。
でもそうやって自分のことに悩んで、けどその悩みが「やりたいこと」の多さとかで悩んでるあたりが、友崎くんが成長したんだなぁと実感したりしました。
アタファミ関連のことも、結構印象に残りました。
操作するキャラを「キャラ変」して、その方が強くなれると宣うnanasi。このかっこよさとか無邪気さみたいなものにぐっとくるんですが、それよりもその後の日南とのやり取りの方が「うぉ……」ってなりました。
個人的に日南推しなので、超いい。彼女とかとは違う、本当に戦友なんだなって実感するシーンでした。
だからこそ最後のアレは、胸をえぐられました……
「キャラ変」していたのは、日南だった、という事実。
てっきりnanasiに自分を超えて欲しいとかそういうものだと思っていたので、絶句しました。戦友がほしいわけではなかったんですね……
寂しくても平気って言葉もありますし、家族にも仮面を被っている事実もそうですし、本当に日南は……(語彙力)
友崎くんと水沢。2人がどう関わっていくのかが気になります。
それとは別に、友崎くんはむしろ「強キャラ」だという指摘も、個人的には物凄く胸が揺さぶらました。
「弱キャラ」というタイトルだからこその、このエモさ。
そしてタイトルでいえば、6,7章のタイトルのクリティカル具合も凄かったです。
特に6章。今後、ゲームやってたら思い出しそうな気がしてしょうがないです。
と、乱雑な文になりましたが、今回はここまでで。
超良かったのですが、感想を書かなすぎて語彙力死亡という申し訳なさ。
ともあれ、10巻がものすごく気になります!
時期的にも、日南のあれこれが変わったところで完結なのでしょうか。それとも、その先での人生攻略も?
あと個人的に、本性日南と菊池さんの言い合いとか見てみたい気がしましたね。
それでは読んでくださってありがとこーざいました!