とことこ読書感想文(一言)

読書した本について感想を書いていくブログです。 自称偏読家。

偏読家とこーが死ぬほど読んでほしいラノベ

こんにちは、とこーです。

2019年もいよいよ終わりです。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

私とこーはと言いますと、特に変わりはありません。

今年を振り返りますと、このブログを夏に始めて、そこからえっちらおっちら感想を書いてきて、それで自分が偏読家だなぁとしみじみと感じたものでした、

そんな私がわざわざおすすめラノベとか書いてもあんまり意味無いかもと思わなくもないのですが、今回はそれでも読んでいただきたいライトノベルを書いていきたいと思います!

以前も同じような記事があったのでは。。。とお思いの方!

もちろんその通りなのですが今回はどちらかと言うと点数は少なくして、その分一つひとつの作品への愛を多めにしていきます。

有り体に言って布教です。

あくまで今回は“おすすめラノベ“なのでもうおすすめすることもなくたくさんの人が読んでいる俺ガイルは省きたいと思います。

それでは前置きも程々にいきましょう。

 

 

1.友達いらない同盟

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

  • 作者:園生 凪
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/12/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

この作品は前々からおすすめしている作品で、私とこーの中では一、二を争うレベルで面白いと思っている作品です。

ジャンルは青春ラブコメ

主人公は友達の定義を『こいつになら、まあ、殺されても仕方ない。そう思える相手』として考えている男子高校生。

そんな彼にとあるクラスメイトが声をかけることから物語は始まります。

この作品の注目ポイントは大きく分けて5つ!

その5つを順番に語っていきます。

 

①友達の定義

「友達いる?」「友達の定義による」みたいな会話は自意識が太りまくった思春期の人なら誰でもしたことのあるものではないでしょうか。え、したことない?

まあ、誰かとすることはなくとも思ったことはあると思います。誰もが簡単に使う『友達』という言葉。誰も説明せず、なのに友達を作ることが正しくて良い事であるように教育される。

そんな時代の中で主人公のようにはっきりと友達の定義を持つ人は少ないような気がします。

「友達は自然となってるものだから」ということも言いますし、そういう意味では定義なんてものを考える時点で正しくはないのかもしれない。でもそんな曖昧さが世の中の面倒臭さにも繋がっている気がします。

そういう意味では友達の定義をここまではっきりと持つ主人公の生き様はかっこいいと言えると思います。

 

②主人公の友達『スベテ』の存在

①で紹介したような友達の定義を持つ主人公ですが実を言うと友達自体はいるんです。ぼっちラノベってわけじゃないんですよ!

名前は最上全知。全知と書いてスベテと読みます。

彼はとにかくなんでもできます。勉強はもちろん無茶苦茶できますし、運動はなんでもできる。とりわけバスケでは中学時代、主人公たちの世代で県内で最もうまかったとさえ主人公が思うほど。コミュニケーション能力もずば抜けていて、調和を計るためのプロセスをしっかりこなすことができる。主人公が中学時代、そんなスベテの『金魚のフン』と陰で呼ばれていたことからもスベテがとてつもなく凄いことがわかります。

ラノベ文庫|第5回講談社ラノベチャレンジカップ 講評|講談社コミックプラス

 

こちらのURLの先を読んでいただきたいのですが、これは友達いらない同盟が講談社ラノベチャレンジカッブで佳作を受賞したときの講評です。

wikiなどを見ると『超真面目くんと超不思議ちゃん 恋は戦いだ』が友達いらない同盟の元の作品ということになっているのですが、講評を見る限り『スベテ観察記』の方が元の作品であると思って良いのではないかと思います。

そして、もしそうだとすればそもそもとして『スベテ観察記』はスベテを軸とした青春友情話なんですよ!

天才であるスベテと主人公。最近よくある『友人キャラの俺が主人公』『引き立て役の俺』的な要素があるわけです。

なのに、なのにです。

この『友達いらない同盟』でスベテについて語られる描写は少ない。おそらく方針転換したのではないかと思います。

あくまでスベテは友達であり、天才であり、主人公にとって『倒すべき相手』でもある。

この友情がとてつもなくいいのです。

 

③基礎的な文章力

後に紹介します『千歳くんはラムネ瓶のなか』もそうなのですが、『友達いらない同盟』はそれ以上に文章のくせが強いです。

セリフは個性を強調しすぎない故に一見すると誰が喋ってるのか分かりにくいとも感じます。が、その実誰の言葉かがはっきりしており、個性がやけに強調されることない日常会話になっています。

そして、その会話と合間に挟まれる地の文がいい。ギャグがふんだんにふりこまれているわけではないのに、文を読んでいるとその『文脈』で頬がほころぶようなすっごい微妙な、もっと言えば絶妙な面白さがあります。

更に全体的なストーリーが主人公の語りによって進む一人称の中でも、より一人称然としている作品でもあります。

普通、「」でセリフを入れたら改行して地の文にはいる所をこの作品はそうではなく、後ろに1文くっつけていることもしばしあります。

こういったところがセリフさえも、主人公の語りであるような感覚を読者に与えている気がします。

更に、1巻も2巻もミステリーというほどてはないもののかなり伏線回収によって謎を解き明かすところがあります。その伏線の入れ方がえげつないくらいささやかなので正直、こうして『伏線あるよ』と言っても気づかないレベルだと思います。

そういう基礎を固める文章もこの作品の魅力です。

 

④「死ぬべきは誰だ」という問い

実際に読んでいただけるとわかりますが超序盤に一文、『死ぬべきは誰だ』という文が書かれています。

この一文は二週目、三週目と読み込めば読み込むほどに深さを感じる言葉です。

作中で主人公の周りで起こる様々なこと。それに対して主人公は自分の言葉ではっきりと考えを言い続けます。助けるために甘言を吐くわけでもなく、あくまで自身の基準に則って行動するわけです。1報で理不尽や不合理は好まず、まるで糾弾するような瞳で世界を見つめます。そんな彼は、異常なまでに自分の芯を持っています。

それは多少なりとも混乱が生じても変わりません。幾分かの修正はあっても決してぶれずに自分の考えで行動する。それは自分の正義による独善にさえ映るほどです。

私はこの作品の主人公ほどに頑固な主人公は見たことがありません。俺ガイルの八幡よりも強固な信念を持ち合わせていると思います。

それがよいことかはともかく、私としてはそんな姿がかっこいいと思いました。

そしてだからこそ、終盤において主人公が思う『死ぬべきは誰』なのかという問いが深く、重いのです。

 

⑤ヒロイン『澄田』の問題

こちらについてはネタバレにならない範囲で。

読み進めていけばすぐわかる事なのですが、ヒロインの1人の『澄田』という子はミステリアスで少し問題を抱えています。

そんな彼女が主人公に同盟を持ちかけることからストーリーが始まるので、物語的に彼女が重要人物であることは誰でも推測がつくことだと思います。

そんな澄田が抱える問題は、ラノベで扱うにはなかなかに重いことです。よく扱われることでもあるのですが、この作品では一際重くなっています。シリアスが苦手な人は読むのが辛くなるかもしれませんし、人によっては「意味わからない。結局何が言いたいの?」

となるのではと思います。

私は幸か不幸か身近に実感しやすいことが色々とあったために理解出来ましたが、それでもなかなかに重いなぁとは感じました。

そんな彼女の問題ですが、最後まではっきりとした解決はされないまま終わります。詳しくは読んでほしいのですが、彼女自身がどうして『こう』なったのか言葉にできないままに1巻はラストを迎えます。2巻でもそのことについて触れられることはほぼありません。

ライトノベルとかだと、ヒロインを主人公が助けたり、ヒロインが自発的に助かるのを補助したり、色々と主人公がやるのがお決まりのパターンです。そうでなくても、はっきりとした解決は示されることが多いでしょうし、そういう描写がなくとも自明的に察せる

作品も多い。そういう作品も私は好きですが、この作品はそれとは別のベクトルで好きです。リアリティと言ってもいいですし、それとはまた違う不思議な雰囲気を醸し出してもいる気がします。

 

 

さてこの4つにまとめてみました。

本当にこの作品は好きで、語れば沢山語れるのですがそんなことしていたらこのブログがチラムネと友達いらない同盟の記事で埋め尽くされてしまいますのでやめておきます。

それにしても本当に2巻で完結してしまったことが悲しくて仕方ない作品です。作者の園生凪先生のご意向なら仕方ないのですが、もし売れなかっただけということならあと数年粘って欲しかったです。多分、今も続いていればもっと前線で戦えてると思うんです。深いラノベ多いですし。

IFに意味は無いですけど、それこそ時期さえずれていればもっともっと人気になっていた作品だと思うので、ぜひ読んでみてください。

 

 

2.モブ恋 

モブ恋 (電撃文庫)

モブ恋 (電撃文庫)

 

3巻完結の青春ラブコメです。

こちらは私とこーをラブコメにハマらせた要因とも言える作品です。

一時期は、まだラノベをこの作品しか持ってなかったもので、何度も何度も読みまくってたほどです。

イケメンでありながら、幼なじみ(男)を主人公とするギャルゲ時空(主人公命名)のせいで友人キャラになっている主人公。

そんな彼はある日、どう考えてもモブキャラの女の子がギャルゲ時空の中心である幼なじみ(男)に好意を抱いていることを知り、恋を応援するようになる。。。というストーリーです。

こちらの作品も注目したいポイントは5つです!

その5つを順番に書いていきます。

 

①そもそもモブ子可愛すぎ問題

私が貼ったAmazonのページ見ましたかね。見ればわかると思うんですが、表紙の女の子、可愛くないですか!?

知ってます? この子、モブキャラ扱いされていた今作のヒロインなんですよ。

モブキャラとかざっけんな! ってレベルで可愛く無いですか? 実を言うとこの作品は表紙買いした作品なんですよ。

イラストも可愛い彼女なのですが、そんな彼女がひたむきに恋のために頑張る姿はもう尚更可愛い。元はメガネなのにあっさりコンタクトにしちゃったり、部活動を作ったり。。。と驚くほどに活動的です。

そんな姿、可愛くないわけないですよね。

そんな彼女目的で読むだけでも十分楽しめると思います。

更に、そんな彼女の心情の変化にも注目していただきたいです。ただ恋する乙女としてだけでなく、ヒロインとして他のヒロインの『友達』だからこそやっていることもまたあって、そういう優しさとか変化みたいなところもまたいいのです!

 

②とんでもないギャルゲ時空とその中心『秋兎』

ギャルゲ時空の中心である幼なじみ(男)こと渡会秋兎。そんな彼にも注目していただきたいところです。

もう言動諸々がtheギャルゲ主人公って感じで、主人公が自分のことを友人キャラでしかないって思うのも当然だなぁと思います。

そんな彼なのですが、もう色々とおかしい。異世界にも言ってて、ヒロインの1人にはサイコキネシスを使える子もいるとかいう世界観ブレイカーな存在です。

その中で、そんな世界観ブレイカーな要素をほとんど無視してあくまでモブ子の恋に落とし込みながらも、それでいて秋兎の主人公力を見せる。

この作りは当時はただ『おっもしれぇ!』と思ってましたが、少し冷静になってラノベを知ってから考えるとなかなかに物凄い作りだったのだと感じます。

 

③主人公も恋をする

モブ子や秋兎について書きましたが、この作品の主人公、南代春馬についても書きましょう。

彼もまた恋をしているのですが、その相手が残念なことにギャルゲ時空のメインヒロイン(だと主人公は思ってる)なのです。

つまり、モブ子だけでなく主人公もまた叶わぬ恋をします。

そしてモブ子と共に恋の痛みを知っていくのです。

モブ子だけでなく、彼自身も恋をし傷つく。そんなところがまた、面白いです。ただあくまで軸はモブ子の恋。主人公が結果的にモブ子に元気づけられたり支援されたりしても、基本的には一方的な主人公からモブ子の恋への応援がメインです。

お互い助け合う、というのではなく主人公がモブ子を応援したいと思って応援する。その中で主人公も勇気を持つ。そこがいいと思います。

 

④最終第3巻が肝

ネタバレっぽくなりますが読めば直ぐに分かるので言いますと、3巻でこの作品は完結し、更にギャルゲ時空の中心である秋兎はヒロインのうち誰かと付き合います。

言ってみればそこでギャルゲ時空は『完結』を迎えるのです。

それでも物語は続く。完結後の友人キャラや他のヒロインはどうするのか。そこが3巻では強く書かれています。

完結後の世界で、負けヒロインが主人公を愛し続ける。それは読者や主人公のエゴな部分があります。それを分かっているからこそ、この作品ではその後の恋模様を描きます。

そして、僕としてはこの3巻が1番好きです。この完結後の世界での恋が、本当に恋がなんなのか考えるきっかけになるのではないかと思います。

 

⑤モブ子の存在

モブ子のことを南代はどう思っているのか。それもまた、魅力です。

主人公もまた恋をしているわけですが、それでもモブ子の変化を見れば可愛いと思うこともしばしばあるわけです。

更に1巻、3巻においてはモブ子にある変化も訪れます。そんな時、主人公がどんなふうに感じているのか。そこから作品内での主人公とモブ子の歴史を垣間見ることができます。

俺たちは愛を識る。

それが最終第3巻の帯にも書かれていた言葉なのですが、このフレーズにこの作品は集約されます。

あとですね、あとですね。

3巻の最後のページ。これがすごいんです。幸せ感がヤバいんですよ。

主人公を支えてくれたのは誰なのか。愛とはなんなのか。そんなことを改めてふわふわと知れる1ページです。

この⑤になっても言うけど、やっぱりモブ子、可愛いすぎだろ。

 

 

さて、モブ恋は3巻で完結している作品です。

続けようと思えば、もう少し風呂敷を広げて、モブ子と主人公の関係を描いてほしかったかなぁ(モブ子が可愛いから)と思いますが、作品としては無駄がなく、むしろこれはこれでアリだったかなとも思います。

電撃文庫様はやはり3巻が区切りなのか。。。

というか、冴えカノといいモブ恋といい、モブキャラとか冴えないとか言われる女の子可愛すぎ問題ね。

 

3.青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。

青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。 (ガガガ文庫)

青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。 (ガガガ文庫)

 

こちらはガガガ文庫より刊行された青春ラブコメです。

残念系青春ラブコメというか、敗北系青春ラブコメというか、そういう感じの『あー、ガガガらしい』と思える作品です。

いらないと思いつつこの作品との出会いの裏話をお話すると、俺ガイル12巻が刊行予定され、そして延期が決まった月に発売されたということもあって当時は「俺ガイルで空いた心の溝を埋められるのか」と思いながらや読んだらくそ面白くて興奮したという記憶があります。

超絶クズであらゆることの出来ない負け組の主人公がある日、謎の人物から呼び出される。その謎の人物が突然救済すると主張して。。。というお悩み解決モノ。

この作品は4つのことについて順番にお伝えしたいと思います!

 

①負け犬による負け犬のための負け犬の遠吠え

いきなり別の作品の名前で申し訳ないのですが、チラムネはすごい向上心を持った主人公ですよね。月に手を伸ばせ、なんてそのわかりやすい言葉です。

でも、この作品の主人公、狭山は向上心ほぼゼロ。圧倒的負け犬にして、圧倒的クズ。驚くほどのクズ発言で、どこかの素晴らしい世界にさえ転生できなさそうなレベルです。

そして、登場人物もまたどうしようもない人たちばかり。社会不適合者レベルの人が溢れてると言っても過言ではありません。救済を自称してるヒロインとか、犯罪者だしね。

けれどもそんな負け犬たちだからこその生き方がある。頑張ろう、という向上心を持てない負け犬のまさしく遠吠えによって構成された今作は本当に心に訴えかけてきます。

心が弱った時なんかはぜひ読んでいただきたい作品です。

 

②救世主『藤崎小夜子』

主人公を呼び出し、救済しようと半ば強制的にあれこれやろうとするヒロイン、藤崎。彼女は、ほかのキャラは高校生なのに彼女だけ中学生だったり、髪が白くてまるで天使みたいだったり、とんでもない電波さんだったりと、本当に理解不能とも言える人物です。

そんな彼女なのですが、まあまずひとつは可愛い。U35先生の神イラストはもちろん、境田先生の各セリフによって本当に可愛く描かれています。

が、その一方でとんでもなくかっこよく、ともすれば危険な面があります。

それは異常なまでの救済への執着です。

作品の中で1人目に救うこととなる人物を助けるとき、死の危険がありながらも何一つ躊躇なく救ってみせたり、お金が必要な相手に一気にお金を渡そうとしたり、ともう、とにかく異常です。そんなところはかっこいいですし、危ういなぁとも感じます。

これはなかなか言葉で言っても分かりにくいので、ぜひ読んでいただきたいです。読むと、本当にその異常さが分かりますし、その異常さが作品で意図されているものだとも分かります。

 

③キャラ立ちが半端ない

②では救世主である藤崎について書きましたが、その他の登場人物についても実はびっくりするくらい魅力的に書かれています。

本当にラノベらしい、残念系青春ラブコメらしいキャラ立ちは『なんで1巻だけなのにこんだけキャラ立ってるんだよ』となるレベル。

そういう意味では本当に俺ガイルを彷彿とさせる魅力があります。

主人公のクズさはそれはもう親しみやすいですし、その他のキャラも基本的にはクズなので親しみやすい。その上でそうなるだけのダメなら部分を抱えていて、そういうダメな部分はクズという言葉では語りきれない魅力があります。

キャラ立ちという点では、青春ラブコメではここまでの作品はなかなかない気がします。

 

④共感系ラブコメとも。

とことん主人公たちがクズだと書いてきましたが、それは人間らしさを非常に強調的に書かれているとも言えます。

誰にだってダメな部分はあります。なんとなく今日はだるくてサボっちゃったり、人に注目してもらいたいと強く渇望したり、他人の期待に応えることに耐えられなくなったり。そういうことがある人ならばこそ『共感』できるものがあるのではないかと思います。

ライトノベルは共感出来なきゃダメ、と言う気はさらさらなく、共感出来ない作品もまた名作はあると思います。ですが、この作品は確実に共感するライトノベルとしての魅力に溢れた作品だと思います。

個人的に好きなのは序盤でのシンデレラの話です。これはひねくれていると言うか負け犬根性逞しいというか、もう苦笑するしか無いのですが、その一方ですごくしっくりきた話でもあります。ぜひご自身の目で確かめてみてください。

 

ガガガ文庫なので5、6年越しの新刊とかも期待できるかなぁなんて、思っているのですが、先日担当編集様とお話した感じからして難しいかな、とも感じています。

しかし、1巻だけでも十二分に、いえ十五分に楽しめる作品です。

ぜひ読んでいただきたいと思います!

 

4.千歳くんはラムネ瓶のなか

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

  • 作者:裕夢
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/06/18
  • メディア: 文庫
 

この作品は言うまでもないほどに私が推している作品です。

超絶リア充である主人公が青春の中で色々とやりながらラブコメをする、といった内容です。

説明が急な雑だな、と思った方に言い訳すると、この作品は1巻のあらすじを話すのは作品の紹介としては少々不足している気がして、結果としてこういう表現をするしかないんです。

さて、それはともかく。

この作品の魅力はもうですね、語りきれないほど語っていて、実際問題このブログでも何度も記事にしているのですが、今回はあくまでその魅力だけを抽出して書かせていただきます。

ただし、どうしても過去記事を見てもらった方が濃い内容になるので(というか過去記事レベルのことをしてるとこの記事がチラムネでパンクします)、とりあえず過去記事をはらせて頂きます。

 

『千歳くんはラムネ瓶のなか』感想 - とことこ読書感想文(一言)

『千歳くんはラムネ瓶のなか』の二巻が楽しみすぎる件について - とことこ読書感想文(一言)

『千歳くんはラムネ瓶のなか 2』感想 - とことこ読書感想文(一言)

『千歳くんはラムネ瓶のなか 2』感想――ちょっとだけ飲み下せたVer - とことこ読書感想文(一言)

 

宣伝じみて申し訳ないのですが過去の記事が愛を語っているんです。。。

さて、ということでここからはそういう過去の記事の要素も入れつつあくまでオススメな要素を抽出して行きます。

おすすめポイントは絞りに絞って4つです!

 

①主人公かっこよすき!!

誤字じゃないです。かっこよくて好きなのでかっこよすき! なのです。

なんと言ってもこの作品の魅力の第1は主人公、千歳朔のかっこよさにあると言っていいでしょう。

1巻の途中までだとどうしても鼻につくなぁ、と思う方もいるのではないかと思います。或いは1巻を読んでもまだ、主人公はうざい! と思う方もいるかもしれません。

千歳朔はそれほどまでに強烈です。初期の俺ガイルなら『強者の理論』と一蹴しそうなことも普通に言いますし、冷静になったら正しいと言えないこともします。

けれどそれでいいのです。

彼は過度にかっこよく、けれども絶対的な正義とかそういうことではない。そもそもライトノベル自体が哲学という訳では無いんだし、主人公のやることが社会通念的に100%正しく、誰にも文句を言われないようなものである必要は無いのです。

彼はあくまで高校生。だからこその凄まじいかっこよさがあり、そのかっこよさを裏づけるだけの信念がある。

彼の考えていることを、読者側も100%理解出来ているわけでなく、私個人としては彼の考えを知ることこそがチラムネを読み進めていくうえで重要な事だなぁと考えています。

ぜひとも『リア充だからうざい』ではなく、1度引いた目線でみていただきたいと思います。そうするとリア充とかそういうことではなく、無邪気で過度な男士高校生らしさが見えてくると思います。

 

②ヒロインが魅力的

ヒロインについてはこれまで触れてきた作品でも触れてきましたが、今作においても無茶苦茶ヒロインが可愛いです。

しかも登場するヒロインは5人。その全員が魅力的です。

と、いうのもですね。

この作品におけるヒロインたちは記号的な要素があまり見られないというのがひとつあるのではないかと思っています。

以前読んだエッセイなどで、オタク文化には所謂記号から作り出されるものが存在しているのである、という文を読んだのですがそういう意味ではこの作品はそういった記号がなかなかないです。

強いていえばバストサイズとリア充という立場くらいのものです。それ以外は、ある程度意図的に書き分けられているものの記号的要素を具象化するほどのあからさまな個性は見られません。

例えば、天然で全体的にアホっぽさを感じる夕湖というヒロインはそれでも進学校という設定を忠実に表すように、言葉のセレクトに知的さが垣間見えることがあります。

他のヒロインも『どんなキャラ?』と聞かれても『かわいい』と答える以外は簡単に説明できないような魅力的なヒロインたちです。

2巻ではそんなヒロインのうち、七瀬というヒロインについて描かれました。

この2巻で、一気に七瀬推しになるファンも続出しており、このまま3巻、4巻と刊行される度にヒロインの魅力が深堀されていくのなら、もう全ヒロイン推しになるのでは、とさえ思えるようなレベルです。

 

③ストーリーがとにかく熱いっ!

先日のライトノベルニュースオンラインアワード2019年10月刊でも、熱かった部門に選ばれているようにとにかく、ストーリーが熱いです。

1巻、2巻ともに少年漫画? と首を傾げたくなるくらいに熱い。そして、燃えて、萌えて、泣けるんです。

自分がなりたいような自分でいる。そのための向上心がひとつのテーマとして掲げられていることもあって、とにかく熱くて強烈なストーリーになります。

①で語った主人公もまたその一因です。

かっこいい主人公だからこそ、熱くなる時は全力で熱くなる。そういう『らしくなさ』或いは真の千歳朔『らしさ』こそ熱さの要因となっているのでしょう。

 

④文章が半端ない

これも言われていることですが、この作品はとにかく文章が綺麗です。

さらに、ただ文章が綺麗と言うだけじゃないのがこの作品。平仮名や漢字。そういうものの使い方が絶妙で、日本語が好きになること間違いなし作品なのです。

さらにさらに!

オノマトペの使い方もすごいんです。その状況を独特かつ、綺麗に表現するのにベストとも言えるタイミングで使ってるんです!

これがですね、何よりすごいのは『あくまで千歳朔という少年の一人称』としての地の文に思えるんですよ。

綺麗すぎるのではなく、あくまでいつも本を読む高校生による語り的な地の文。だからこそこれは綺麗かつ味があり、素敵なんです。

そういう意味でいえば、この作品はただ『文章が綺麗』なんて、言葉で決して語りきれない魅力があるのです!!!

 

 

と、危ないですね。語りすぎてしまうところでした。

千歳くんはラムネ瓶のなか についてはドラマCD企画も進行しており、勢いのある作品です。

今後も私は全力で推していきますのでぜひ、読んでみてください。

 

 

 

 

 

おわりに

長くなってしまいました。

しかも結局前回オススメしたものを詳しく書いただけになってしまい、決して褒められたものでは無い記事になってしまいました。

ただ、今回紹介した4作品は私の短いラノベ読書歴の中で、特に読んで欲しいものを選りすぐっています。ランキングなどつけようとしてもつけられず、結局、このような形となりました。

読書自体まだたくさんするわけでもなく、ラノベでさえもとことん選りすぐって購入していく偏読家気質の私は読書家としては失格にかもしれません。そんな私でも、今後も自由に自分なりに感想を書いていきたいなと思います。

何卒よろしくお願いします。

それでは、読んでくださりありがとこーざいました!

 

 

『俺を好きなのはお前だけかよ(3)』感想

こんにちは、とこーです。

前回に引き続き、俺好き3巻を書きたいと思います!!

3巻は俺好きの中でも特に好きな巻のうちのひとつですからね。

好きだからこそ語彙力ごみになりますがご了承を。

俺を好きなのはお前だけかよ (3) (電撃文庫)

俺を好きなのはお前だけかよ (3) (電撃文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは行きます。

俺好き3巻はツバキが登場する!

からの、ジョーロくんの苦悩が描かれた巻でした。電撃文庫は3巻が結構打ち切りの分かれ目な印象なので、そういう意味ではひとまず話をまとめたなぁと思いました。

 

ジョーロくんのモノローグによる進行はやっぱり面白いし勢いがあって好き。

そんな中、やっぱりちょこちょこ不穏なトラブルが起こります。

サンちゃんやひまわり、コスモス先輩、ツバキ、パンジー。みんながみんな個性が強くて輝いている人だからこそ、ジョーロくんが引け目を感じるのも当然でしょう。

1巻も2巻も、確かにジョーロくんは頑張った。

けれどもだからといってそれは主人公と言えるほどではない。根本的な解決はパンジーやサンちゃん、コスモス先輩に任せちゃっているような思えるかもしれません。

そんなジョーロくんだからこそ、引け目を感じて色んなことが上手くいかなくなります。

 

でも色んなことを通じて主人公である覚悟を持ちます。

ある意味では今後続いていく物語のために『主人公』になるのがこの巻でした。

主人公が真山おじさんと話すところは涙無しには読めませんでした。

1巻から一貫していた『友達のために』を改めて意識するジョーロくんの菅田はかっこいい主人公でした。

 

 

ひまわりとジョーロくんとの関係もまた、よかったです。

幼なじみ=恋愛みたいな印象ばかりの昨今で、しっかりと友達としての幼なじみを描いているのはさすが俺好きだと感じました。

友情があるからこその恋愛。そういう青春、本当に好きです(こればっかり言ってるな)。

 

そんな3巻の中でも特に好きなのは

    俺ってほんとに、どこにでもいる平凡な………

「……ちゃんと伝わったよ」

    主人公なんだ。 俺好き3巻P316L8-10

ってところでした。

1巻のあれからのこの1文。

もうぐっときます。これを気づかせてくれたツバキもまた、良き友達でした。

友達という関係を広げて友達との関わりで生まれてくる色んな感情を描いたのが3巻であったように思いました。

主人公が『友達キャラ系』だとこういう系の葛藤はありがちですけど、なんか自分を主人公って認めるってパターンも珍しいですよね。

そんなところのあおくささも好みだなぁと改めて感じました!

 

 

今回はここまで!

書きたいことはたくさんあるのに言葉が出てこないしまとまらないジレンマを抱えながら今後も突き進みたいと思います。

それでは読んでくださってありがとこーざいました!

『俺を好きなのはお前だけかよ(2)』感想

 こんにちは、とこーです。

テスト前ごろに呼んだのはいいものなかなか書けていなかった俺好き二巻の感想を書きたいと思います。

俺を好きなのはお前だけかよ (2) (電撃文庫)

俺を好きなのはお前だけかよ (2) (電撃文庫)

 

それではいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一巻を経て、サンちゃんたちとの関係を失ってしまったジョーロくん。そんな彼が、サンちゃんたち三人との関係を取り戻すところから物語は始まります。

そうして関係を取り戻すところが、個人的には好きでした。友達、本当にいいなぁと。それにしても、一巻を経て正直さをもったジョーロくんはいい! 友達思いだなぁって実感しました。

 

かと思ったらまさかの、ベンチタイム。あすなろによる密着取材。記事の流出。トラブルが起こるのは一巻だけ! と思って安心してたよこんちくしょうって感じのヘイトタイム。なかんかあにストレスが貯まる展開でしたね。友情要素をいれる一方で、なかなかにきつい要素もいれてくるじゃん。。。とさえ思う内容でしたね。

ただし!

そんな点もあすなろの一途さによって一気に解消したように思います!

リアルでいたら地雷くそ女とか言われそうですが『ラノベだから許される可愛さ』がありました。

 

そんな中、既存のヒロインたちにも変化が。

サンちゃんが好きならヒロインじゃないのか。。。

となっていたコスモス先輩がジョーロくんへの好意を示すようになります。あすなろとの対決シーン? は不覚にも熱くなりましたし、感動もしました。

そういうのもジョーロくんが、サンちゃんが頑張って『友達』になった、結果なんだろうなぁと思うと込み上げますよ。

 

ジョーロくんがあすなろに怒った一番の理由がサンちゃんというのもまたジョーロらしかったです。

そして、そんなジョーロと同じように、サンちゃんもジョーロがパンジーと踊れるように計らう。

この相思相愛っぷり、本当に好きです。

親友、とそう言って差し支えないくらいに2人は仲良くて好きだなぁと思います。

 

 

友達と言えばパンジーにも変化が訪れました。

パンジー自身も友達として認めて、彼らは無事友達になる。

ブコメよりももっと友達を大切にしていた2巻だなぁと強く感じました。

青春ラブコメはやっぱりこうでなくっちゃ!

 

というか普通にこの作品、友達を前面に押し出しまくってて超好き!

どんどん増えていく登場人物は、ハーレムものっぽいですがハーレムものっぽさがうざくない感じでサンちゃんの友達要素が入ってるのが好感度高いのでした!

 

ということで今回はここまで。

。。。友達って打ち込んだ回数が果てしなく多い回になってしまいました。

それでは!

読んでくださってありがとこーざいました!

『“文学少女”と死にたがりの道化』感想

こんにちは、とこーです。 

本日は文学少女シリーズ第1巻である『“文学少女”と死にたがりの道化』を読んだので感想を書きたいと思います。

 

それでは行きます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそも僕は『古き良き名作』だからといってなんでも崇め称えるようなやつではなく、むしろ古き良き名作だろうと興味がなければ読まないような偏読家です。

そんな僕としては、文学少女シリーズを薦められてもなかなか読む気がしなかったのですが、なんとなく道化というフレーズに惹かれて読んでみました。

そして、思いました。

面白いなぁ、と。

ほんと単純にそう思いました。古き良きとか、新しいとか関係なく、良いものは良いんですよねぇ。

 

主人公は自分を偽っている高校生男子。けれども彼の過去には色々とあるらしく。1巻時点では多くを語られてはいませんが、なんとなくの雰囲気はとてもよく伝わりました。

そんなわけあり主人公の『道化』と、今作における様々な登場人物の『道化』。それがこの1巻の軸になっていました。

特に主人公の叫びとその苦悩は、本当に胸に来ました。

苦しさとかそういうのは、色んな作品で描かれているものだとは頭では分かっているのに、それでも感動しちゃいます。

人間失格』を介して語られていく様々な人物の心情は苦しいままで続いていきます。苦さのあふれた作品だなぁと、感じました。

『分からない』というのもまた、この作品の軸にあるように思いました。

ある意味では存在そのものが『分からない』遠子先輩も含め、人が何を考えているか分からなかったり、どうせ分からないとなげうったり。そういう葛藤にも似たものもまた、苦しみの要因であるように思います。

 

 

でも、最後の最後。

『書く』ことによって変えられる。

そんなことから起こる、主人公のほんの些細な変化のようなものが幸せなものに思えました。

不穏だなぁと感じたのは普段、道化をしている人が見せる本性のような1面。それが遠子先輩が主人公に見ているものでもあるのだとしたら、人間失格のような悲しい結末を迎えてしまうのかなぁと思ったことでした。

そういうのも2巻以降で語られるんでしょうか。実に気になりますね。早く読みたいです。

 

 

 

 

 

 

全体として『古い名作』みたいにバカにして読み始めた自分を殴りたいくらいには面白かったです。

今後も最近の作品以外も読もう、と思う訳では無いですが好きな本を好きに読むって言うのは大切にしたいなぁと思いました。

本と人の関わりや交わりみたいなものをテーマに紡いでいくストーリーは、やっぱり好きです。

それでは今日はここまで。なんか読書感想文として本当にレベル低いですよね。。。。ごめんなさい、ちょっと今後考えます。

それでは!

読んでくださってありがとこーざいました!

考察編:『千歳くんはラムネ瓶のなか』と『箱男』

こんにちは。今回は普段とは少々違う形式でお送りします。

と言いますのも、先日読んだ『スガリさんの感想文はいつだって斜め上』を読みまして、もう少し深く読んで行きたいなと感じたのです。

 

さて、ということでタイトルにもある通り今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか』と『箱男』について書いていきます。

『千歳くんはラムネ瓶のなか』2巻作中に於ける描写で、千歳くんが『箱男』を読んでいるシーンがございまして、今回はそこについてです。

両作品ともぜひ読んでみてください。

『千歳くんはラムネ瓶のなか』については感想は以前に書きましたので貼っておきます。

『千歳くんはラムネ瓶のなか 2』感想――ちょっとだけ飲み下せたVer - とことこ読書感想文(一言)

 

ここから先ではネタバレも含まれていくのでご了承の上、拝読いただきたいと思います。

それではいきます。今回はいつもより長い予定です。

 

 

 

 

 

 

 

①『千歳くんはラムネ瓶のなか 2』(以降『チラムネ 2』とする。)に於ける『箱男』についての描写と今回の考察に於ける主題の提示

 

『チラムネ 2』を開いていただけるとありがたい。

これを読んでいる方からすれば不要であるとは思うが、改めて『チラムネ 2』の概要を説明しよう。

1巻というエピソードゼロを終え、ついに本編となった青春ラブコメ。その口火を切ったのが『チラムネ 2』内での『七瀬』に関する事件である。

『七瀬』はストーカーらしき者の存在を察知し、主人公『千歳』に偽恋人となるよう依頼する。

かくして『千歳』は『七瀬』の偽恋人となり、登校する。そうして日々を過ごし、ある日の放課後、『七瀬』の部活のミーティングを待つ間に『千歳』は屋上にいき、そこで『西野』と話すこととなる。

ざっとおさらいするとそんなところである。

『千歳』が『西野』へ、『七瀬』についての話をしたところで『西野』はこう言う。

「だから安部公房の『箱男』?」

P139L10

これに対し『千歳』は

「だから、ってわけでもないんだけどね。なんとなく読みたくなってさ」

P139L11

と答えている。

一言一句に意味を見いだすことが、正解だとは僕は思わない。雰囲気を出すためになんとなく、という作品上の『演出』ということもありうるし、あくまで『千歳』の行動だけを見るにしても本当になんとなく読みたくなったということもある。

しかし、それでもなぜ『西野』は❮だから❯と言ったのかが私は疑問に思った。

『千歳』の行動自体はなんとなく、と片付けてることもできるし真偽は分からない。しかし『西野』は明確に❮だから❯と言う。即ちそこには因果関係が存在しているのである。

そして、私はこの『千歳くんはラムネ瓶のなか』という作品全体を読むにあたって、『千歳』以外の人物に写る『千歳』を読むことが必要不可欠であるように思う。何故ならば『千歳』という人物は難解だからである。

故にこの考察では

『千歳』が『箱男』を読みたくなった理由

ではなく

『西野』が『七瀬』の一件を聞いて、❮だから❯という言葉を用いて『箱男』と繋げた理由

について考えたい。

 

 

 

②『箱男』について

私は気になって『箱男』を読んでみた。しかしながら生憎と私はまだ知識の足りない若造ゆえ、その内容を正しく理解することはできなかった。

しかし、面白かったのは事実だ。ただ同時に底知れない不気味さを感じた。

箱男 (新潮文庫)

箱男 (新潮文庫)

 

私が読んだのは⬆の1冊であることを予め言っておく。何故ならば、読んだ解説などによってこの『箱男』への見方が異なるだろうと感じたからだ。

私が感じた不気味さはともすれば意味不明さであった。故に解説の本なども存在しているのだろう。

その中で私は、『箱男』の巻末に付属していた文芸評論家・平岡篤頼氏の解説を読んだ。その上での『箱男』への私の印象をもとに考察を行いたい。

私の『箱男』への印象は以下の通りだ。

  • 難解かつ不気味▶意味不明さがある
  • 『覗き』と、この『覗き』の罪悪感や申し訳なさを認識させられる作品である。
  • 贋と真の区別をすることが難しい作品でしたと言える。

 

③主題への自説

②において提示した時点で、私と同じように『チラムネ』を読んでいる方は、私と同様に『箱男』と『千歳』を繋げているのではないかと思う。あるいは『チラムネ 2』についても同様で、『箱男』と繋げることは出来る。

しかし今回考えるのはそこではない。

『西野』が千歳が手に持つ『箱男』をみて❮だから❯と口にしたのは何故なのか、である。

そこで私は2つの説の提示を行う。

 

自説①

偽の恋人という『偽』と、贋と真について考えさせられるような『箱男』と繋げた。

 

自説②

『千歳』が『七瀬』に手を貸すことについて『覗き』の罪悪感のようなものを抱いているのではないかと考え、『箱男』と繋げた。

 

①と取るのが自然かつ、正しい読みであるように思う。②はどう考えても深読みしすぎであるし、『箱男』と繋げるための無理矢理感を感じる。

 

だが、この『チラムネ 2』内での『箱男』についての描写の後の『西野』の発言を読むと少し変わってくる。

「君の生き様には、いつでも誰かがいるようで、本当は自分しかいない。だけどいつでも自分しかいないようで、本当は誰かがいるの」

P140L4-5

 

 この1文を読むとこのように受け取れる気がする。

 

『千歳』はいつも確かに誰かと関わっている。けれどもそれは『箱男』における『覗き』に似ている。

彼は『ヒーロー』であり、一方で『覗き魔』のような面もある。その狭間で揺さぶられるような存在=不確か。

 

 

さて、違和感はあるかもしれない。やはり①でとる、あるいは別の意味orただ単に『千歳』が持っていたから、と読むのが正解なのかもしれない。

だがあくまで②を押したいと私は思う。

覗き。そんな言葉は1巻において相互理解を謳った『千歳』とはかけ離れているように思うのにも関わらず、『箱男』を読んだ私がすぐに脳裏に過ぎったのからである。

 

④結論

『西野』は、『千歳』が自身の行動を『ヒーロー』かつ『覗き』と思っており、その行為への罪悪感の介在を感じている。

 

 

 

⑤終わりに。

ただ今回こうして書いたのはあくまで『西野』から見た『千歳』である。

人のことを確実に捉えることなど誰もできない。これは2次元でも3次元でも同様でしあって然るべきだ。

仮に今回の結論が何かしら真に近づけていたとしてもそんなものはまぐれ当たりだし、同様に『西野』が思う『千歳』が『千歳』の本質と完全に一致することなんて奇跡でもない限りありえない。

それでも『千歳』という人物への考察を停止したくないと思う。一致することがなくとも、『千歳』の本質を知るために色んな視点から切り込んでいきたい。

 

 

ということで読んでくださりありがとこーざいました!

以下、AmazonのURLです。電子書籍版なら、手元に本がなくても読めますねっ!

それでは!

 

千歳くんはラムネ瓶のなか (2) (ガガガ文庫)

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千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

 

 

 

 

 

 

『スガリさんの感想文はいつだって斜め上』感想

こんにちは、とこーです。

本日は前々から読もうと思っていた『スガリさんの感想文はいつだって斜め上』を読んだので感想を書きたいと思います。

サイズとして、文庫判より大きいのがちょっと残念ではありましたが、とにかく面白い作品でしたので未読の方はこちらよりぜひ⬇

スガリさんの感想文はいつだって斜め上 (5分シリーズ+)

スガリさんの感想文はいつだって斜め上 (5分シリーズ+)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは始めます。

 

 

端的にまとめて、『本が読みたい』と思える作品でした。

題名にもある通り、この作品は読書感想文を軸に話が進んでいくのですが、その読書感想文が果てしなく面白い。

え、そこ!?

と笑ってしまいながらも、すらすらと読める。紹介されている作品のうち、『こころ』の方は読んだことがなく、あらすじを知っているだけでしたがそれでもむちゃくちゃ笑えます。

けど、笑えるだけじゃない。

斜め上に見えて、でもって鋭い。それがいいんです。

揚げ足とりで、批判的にさえ見えて、それはドラえもんをみて、『どうして秘密道具を売らないのか』とかそういうことを考える思春期典型の行動でしょう。でもそれを貫いて、読書へのたどり着いた時、自分の読書をスガリさんは手にしているように感じました。

読書感想文については、本当に、スガリさんの字で書かれたものが頭に浮かぶような気もして、上手いなぁと思わされました。

 

読書感想文の内容とそれに係る何かしらの事件が起きることで物語的に進めていくくせに、ここまで一貫として読書感想文を軸としているのも個人的には凄かったと思います。

○○が好きな主人公が~みたいなお話の場合、結局好きなものが形骸化してストーリーを動かすためのパーツにしかならない場合もあると思うんです。

それがいいことかどうかは人それぞれでしょう。あくまでパーツとして構成することで緻密に進める。それもありだと思いますし、伏線回収とは得てしてそうやって行われます。

でも、この作品は伏線回収とかではなく、一貫した主題とそれに対しての副題によって行われる問答にさえ感じました。なのに、ストーリーはストーリーでぱーつになっているわけではないから、ほんといい。

 

 

 

ただちょっとだけ言えるとすると、先生サイドの話が長かったなぁ、と。

それはそれで大切だとは思うのですが、僕としてはスガリさんの読書感想文を軸に進めるならもっとたくさんそっちにフォーカスしてもよかったような気がします。

。。。もしかしたら、それもまた意図的なものなのかも?

なんかそういう風に読書するのも楽しい気がします。

 

 

 

読書がより一層楽しくなる作品であったように思います。

文庫判好きなので、サイズが大きいのが惜しいところではありますが、それでも早く次が読みたいですね。

それでは今日はここまで。

読んでくださってありがとこーざいました!

『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』感想

こんにちは、とこーです。

今回は『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』の感想を書いていきたいと思います。

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それではいきます。

この作品はある意味ではお金について、あるいは愛について。そういう色んなものについての価値を語った作品であるように思いました。

主人公はお金さえあれば変わることができる。そんな状況で弥子さんに出会います。

弥子さんは死ねばお金になる。

ヒロインの不幸が主人公にとっての利益に、というのはよくある話ですがこの作品では、より顕著に罪悪感や申し訳なさを強調していることであるように思いました。

お金のために関わっている。

そんな風に思われたくない、っていうのはよくあることでは無いでしょうか。

子供の頃ならお小遣いを親戚がくれる時に、ただ無邪気にはしゃげていても、大人になるにつれてお小遣いをもらったことの感謝を何かしらで示さなければと思って、でも単に優しくするとその優しさがやましいものに思えてしまう。そんな行き過ぎた自意識による価値への疑問が綴られている気がして、自分自身、共感と共に自己疑心を抱きました。

 

 

そんな中で、主人公はどのようにして愛を証明したのか。

多分、正しくて完璧な証明なんてできていなかったのではないかと思います。とんでもなく的外れで、それなのにとんでもなく的を射てる。そんな独りよがりな証明の結果、彼はその価値を確かに得たんじゃないかなぁと思います。

 

そう思うと、なんだかそういう姿勢羨ましく感じました。

 

そして。

主人公は勝てない。

完璧解を続ければ負けることの無いチェッカーにおいて勝てない主人公はつまり、まだ正解にたどり着けていないんだと思います。

そして、正解にたどり着くまで終わりは訪れない。

負けているからこそ、主人公は歩みを止めないのでしょう。

いつか、どこかで2人が出逢えた時。

その時に永遠の引き分けにたどり着けたなら幸せなんじゃないかなぁと思いました。

 

 

取り留めのない感想で申し訳ありません。

時間ない中でそれでも書きたかった結果こうなりました。

俺ガイル14巻の影響もあって、それは正解なのか?

そもそも正しいと回答してしまう時点で正しくないのでは?

とぼんやり考えるようになった結果読書も変わった気がします。

それでは、また。