ライトノベルにありがとこー

『好きでワクワク』をコンセプトにしたラノベブログです。

【ぶち壊せ、そのラムネ瓶を】千歳くんはラムネ瓶のなか7【感想】

こんにちは、とこーです。

前回はだらだらとエッセイ仕立てでチラムネ7巻について語ったのですが、今回は趣向を変えて(というか戻して)、きちんと感想を書いていきたいと思います。

当然ですがネタバレ多数ですので、未読の方はご注意を。

一応、リンクを貼っておきますね。きっとブログを見ている方は既読だと思いますが。

bookwalker.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.戻ってきたような春、帰ってきたような秋

まずは一章『私たちの九月』。

チラムネ!!!って感じの一章でした。いつものことながら一文目から凄いんですよ、ほんっとに……これを見てどれだけの時間フリーズしたことか。

そこから始まるのは、どこか懐かしいやり取り。

特に一章は、1巻や2巻をすごく意識したお話だったな、と感じます。P12~の文章ややり取りは、もろ1巻と重ねてきてますしね。

しかしそれでも、色んなものが違う。優空とのやり取りに始まり、男子陣には健太が混ざってて、陽や悠月との関係もちょっと変わってて、不快ビームを出してた亜十夢くんやなずなたちとも、今では仲間みたいに過ごしてて。

遠回りをして、時に間違えて、だからこそ辿り着いた世界って感じがありました。これまでチラムネを読んできた人間は、ここで泣けるんすよ。

っていうか、健太が今まで以上に打ち解けてるなぁ、と感じました。今までも健太はお客様ポジションには程遠いくらいチーム千歳に馴染んでましたけど、6巻があって、真の意味で対等で心を分け合った友達になったんじゃないかな、と思ったり。

あと、嬉しかったのは夕湖の6.5巻の言葉が、やっぱり朔にとっての救いになっていたこと。私、チラムネの中でも一番といっていいくらい、あの夕湖の台詞が好きなんです。優しい上書きが、本当に尊くて綺麗だったから。なので、彼の中でその言葉が救いになってくれていてよかった。そういう彼と彼女でいてくれて、よかった。

 

夕湖絡みで追加して言うと、7巻全体を通して、彼女が柊夕湖になっていくな、と感じました。それと同時に、他の子の中でどんどん神聖視されていくな、とも。

6.5巻を読むと分かると思うのですが、この作品って自己評価と他者評価の食い違いが大きいんですよね。特に夕湖は顕著だなぁと感じています。彼女は彼女であり続けていて、彼女が以前朔に言ったように彼女の精一杯で朔と向き合ってるんですよ。時に反省して、時に変わって……って。

けれど、他の女の子の間では一歩前に進んだ夕湖の姿が尊いし、遠くにあるように見えてるわけです。

個人的には6巻を経て「夕湖と優空が一歩前に進んだ」と思っていたのですが、7巻を読んで「夕湖は前に進み、優空はスタートラインに立ったのか」と気づかされました。きっとまだ、他の彼女たちは一歩が踏み出せていないんですね。

夕湖がそうであったように、きっと一歩を踏み出すためには傷つかなくてはならない。傷つけなくてはならない。その果てに、何かを失くすかもしれない。それなら……と停滞に身を委ねそうになっていく。そんな一章でした。

 

 

2.交わるみんな、色づく青

そんなこんなで、二章『私たちの青色』。

これはものすっごく青春なお話でしたね。藤志高祭、青組の応援団の準備。みんなで一緒にワイワイやって、合宿して……って。

5巻も青春してましたけど、それぞれが弱さと向き合った6巻の後だからこそ、あのときよりもずっと愛おしい時間が流れてるんだなぁと感じました。

そんな中でも、それぞれのヒロインとの関係の描き方ですよ。特に悠月とか、朔の家でのやり取りがゾワゾワして最高でした。

更に、合宿回。

私はチラムネで一番ラブコメを感じましたね。わいわいがやがやしてるのは青春っぽくもありながら、朔とヒロイン5人とのやり取りはラブコメっぽくて、笑える部分もあって。3巻で明日姉が朔を攫ってデートに行くシーンみたいな勢いを感じたのは私だけかな’(多分そう)。

また、ヒロイン同士の一対一の語り合いを描いてたのが憎かったですね。Wヒロインものですらヒロイン同士のやり取りって熱いしグッとくるのに、5人全員が魅力的なチラムネでリレーみたいにこれをやるのは強すぎません?

ここに関しては、もうちょいじっくり読んで、落とし込んでから消化したい部分です。

え、あの子についての話?

それは後でまとめてするに決まってるじゃないですか……ここで語ったら止まらないので。

 

二章を締めくくる文章は、本当に千歳朔だな、と思いました。

6巻の夏祭りでの「みんな」の集合がグッとこなかったファン、いないと思うんですよ。朔自身もラムネ瓶から取り出して、ヒーローではなく千歳朔になって、みんなと一緒の日々を過ごして。

その青い春をあの文章でまとめるのは、朔の気持ちがぐぅぅぅぅっって伝わってきました。

 

 

3.誰の居場所で、どんな居場所で。

三章『私たちの居場所』。

夏の残り火みたいにゆらゆら揺れていた不確かな違和感が、ぼぅ、と燃え上がる三章でした。っていうか、タイトルがずるくない? 目次公開されたときに「あー、そっか。居場所ができたんだな……みんなでいる場所を居場所って思いあえるようになったんだな」と明日姉がみんなの中に入ることを嬉しく思いながら感動してたのに、全然意味合いが違うじゃん!

個人的にここを読みながらよぎったのは、二章の終盤でのやり取りでした。紅葉と公園に行き、夕湖といつも話していた場所で話すところ。あそこは、もろに三章と繋がってますよね。

それぞれの女の子が朔と絆を持ち、居場所を得て、関わってきた。

それは紛れもなく特別で、夕湖だって、海人に朔の場所を上書きされたくないと思っていて。

それでも夕湖はたぶん、他の三人のように居場所を上書きされていないし、されていても彼女たちのように傷つかないんですよね。

ここで、彼女の言葉が生きてくるのでしょう。

「だけどね、自分の態度も決めないままに捕まえられる相手じゃないよ、隣にいるあんぽんたんは。いまの悠月も、私も、朔のトクベツじゃない。だけど私は自分がトクベツじゃないことをちゃんと知ってるから、一歩リード!」

(『千歳くんはラムネ瓶のなか2』より)

夕湖は嫉妬しないわけではないと思います。でもそれは、きっと羨ましいとかじゃなくて、自分もしたい、っていう思いなんじゃないかと。

ここでも夕湖の言葉が生きてくるわけです。

「そうだよ、私は私の精一杯で朔と向き合えばいいの。他の子は関係ない」

(『千歳くんはラムネ瓶のなか3』より

5巻や6巻を読んで、私は夕湖の言葉がどこか強がりだったのかな、と感じていました。嫉妬しているし、他の子のことをとても意識していましたから。でも違ったんだな、と今回思わされました。というか、7巻を読んで一貫して思ったのは「あー、自分は柊夕湖って女の子のことを何にも知らなかったんだな」ってことでしたね。

 

と、そんな風に夕湖のことを受けて、他の3人です。

明日姉、陽、優空。

二人はそれぞれ、紅葉に居場所を上書きされるような形で7巻を終えました。これは決して三章だけの話ではなく、二章でもちょこちょこ描かれていたことです。

朔兄、と呼んでみたり。

8番についていったり。

衣装を作ると名乗り出たり。

ん……?と思う描写はいたるところにあったんですよね。紅葉、押し強くない?と。若干空気読めないレベルでグイグイ来てるし、ものすごくかき乱すし。

でも、悪戯心で彼らの関係をぐちゃぐちゃにするような敵役がチラムネに登場するわけないじゃないですか。

だから三章を読んで、うっわぁ……って言葉を失いましたし、心臓が凄く痛かったですね。痛くて、辛くて、ぐちゃぐちゃになりました。

あとがきとか、色んなところで裕夢先生は書いているときのキャラの心境に影響されるっておっしゃってましたけど、その流れで言うと、私はチラムネを読んでいるときにチラムネのキャラの心にとても影響されているように思います。

親のような心境でありながら、まるで当事者のようにも感じていて。

だから三章は痛かった。大切な居場所が奪われていく。するすると手のひらから零れていく。呼吸を忘れたかもしれないですし、逆に呼吸ばかりをしていたような気もする。そんな展開でした。

 

で、回ってきた悠月のターン。

特に7巻では割と朔の隣にいることが多く、チームの中でも朔の写し鏡のような存在である彼女は、紅葉の言動に気付きました。

そうして問い詰めるわけですが――返り討ちに。

ずしゃずしゃに雨に打たれている気分だった、というのが正直なところです。紅葉という少女はあまりにも強すぎました。

なんか、このやり取りを見ていると、どこかで鏡写しみたいだな、と思ったりもしましたね。紅葉って実はスペック的にとても朔に通じている部分があり、容姿の面でも夕湖より悠月が引き合いに出されている時点で、どこか並立的な描写をされている感じがあったので。

だからこそ、悠月の敗北は七瀬悠月その人への敗北だったのかなぁ……とか。

 

 

4.本気

本気の話は……これもう、語る必要あるかな、という感じ。

6.5巻を読んでいたら、もう絶対に悠月がくるよな、とは分かっていましたし、色んな人が予想していましたもんね。

本気の本気でタガが外れた七瀬悠月の強さがヤバいです。

でもまさか4巻の話を引っ張ってくるとは思わなかったなぁ……そうか、「本気」って話だと、そう繋がるんですよね。盲点でした。

何より好きだったのは、最後でしたね。

主眼が朔ではなく、自分なんですよ。朔をどうこうするんじゃなくて、狂おしいほど愛してやまない自分を魅せる。これ、悠月だなぁ……と。

まぁ後は、イラストがえっぐいな、ってことですかね。それ以外は言葉が要らないと思います。七瀬悠月の本気。くそかっけぇな、って感じです。

 

 

5.On your marks.

さて、ここからは紅葉のことを語ります。これは前回書いたエッセイでもこれでもかって書いたんですが、今回はよりストーリーに沿った話をします。

紅葉の言動を、皆さんはどう感じ取ったでしょうか?

確かに理屈の上では彼女は何も悪いことをしていないし、卑怯なことをしていない。それでもやっぱり彼女たちの居場所を意図的に踏み荒らして傷つけたのは「悪女だな」、と私は感じていました。

初読だから細かい部分を拾えていなかった、っていうのあるんですけどね。

朔が大事にしている今が彼にとって、そして彼らにとってどれほど大切なのかもわかっていたし、「みんなの物語」としてのチラムネが大好きだからこそ、好き嫌いではなく「悪女だな」と感じたわけです。ある意味では、場をかき乱すトリックスターのような感覚を受けながら。

それが変わったのが、プロローグ『ヒーロー見参』でした。

もしかしたら私はここを読んで初めて、力強く抗う望紅葉という少女を理解できたのかもしれません。

この子は悪女なんかじゃない。きっとこの子なりに悩んで、苦しんで、きらきらした朔たちの日々に焦がれて、それでも本当の望みを選んだんですよね。

しかもその望みに手を伸ばそうとしたとき、既に割り込めないくらいに関係が築かれてるんですよ。

三章を読んでたくさん痛くて辛くて苦しかったのに、プロローグを読んだら「いっちゃん辛いのはこの子じゃんか……!」って思えちゃいました。

十五歳(もしかしたら十六歳)の少女が、一途な恋のために本心から憧れている先輩たちの中に割り込み、抗おうとしてる。あまりにも気高くて、月そのものみたいじゃないですか。

不安もあるし、迷いもあるし、後悔もきっとあるのに、それでも駆け抜けて。

かっこいいなぁ……って。

でね、でね!

そんな風に思ってぱらぱら~とこのブログを書くためにページをめくっていたら、紅葉のこんなセリフが出てきました。

「先輩、重くないですか?」

(中略)

「あと五人ぐらい紅葉がいたって大丈夫だぞ」

(中略)

「ふふ、じゃあその五人分も私に注いでください」

(『千歳くんはラムネ瓶のなか7』より)

場面が分かりやすいように二つほど多めにセリフを引用しましたが、私は最後のセリフを見て息が止まりました。これ、単に重さだけの話じゃなくて、紅葉の想いが現れている部分なのかなぁ、と。

「満ち足りないから、望みます」

(『千歳くんはラムネ瓶のなか7』より)

月に手を伸ばす。

その意味を再確認させられる想いのように感じました。

 

 

6.まとめ

さて、長くなりましたが、全体的に「ラムネ瓶を壊す」という感覚がとてもしっくりくるお話だったな、と感じます。

悠月が自分の殻というラムネ瓶を壊し、紅葉が停滞というラムネ瓶を壊した。

ではここから先はどうなるのか。

別に私は、5人みんなが紅葉のようになる必要はないと思うんですよ。「満ち足りない」思いは、何も恋だけに限らないと思うんです。本当の望みと向き合うことが、きっと大切なんじゃないかなーと。

それに今回、否が応でも彼女たちは自分がトクベツじゃないことを自覚することになりました。そこからどう変わっていくのか。とても楽しみです……し、何より朔がどうなっていくのかにも注目したいです。

更に、紅葉にも期待したいです。個人的には今回の話で紅葉があまりにも気高くて、少女らしくて、大好きな推しになりました。

じゃあ彼女は、悠月を覚醒させ、他の子たちにトクベツじゃないことを知らしめるためのヒールやトリックスター的な存在だったのか。

そうじゃない、と私は思います。一人の少女の望みが、力強い反逆が、まるで停滞を切り裂くためだけのナイフのように扱われていいはずがない。

……とね、時間を追うごとに紅葉のことを考えるとぐぅぅぅって胸が締め付けられるんですよ。なんでしょうね。ここまで誰かに対して気高いという感情を抱いたのは初めてかもしれません。チラムネのヒロインはみんな好きだし、心が揺さぶられてきましたし熱くさせられてきたんですけど……物語に抗う姿勢、みたいなのが好きだったのかもしれないですね。

まっっっっっじで刺さりました。

ちなみに事前に情報を追っていた人は知ってると思うんですけど、紅葉のイラストって実は二度もフライングで公開されてるんですよ。

一度目はチラムネナイトと題して口絵を連夜で公開する際に。

二度目はraemz先生が描いて発売日に投稿しようとしていたイラストを、二日ほど前に。

この二度のフライングも、紅葉の意志を感じちゃうんですよね。そんなことないって分かってはいるんですけど。

紅葉は以前SSに出てきた彼女なのか……と思いつつも、場面的に違うような感じもしていて。その出来事を知りたいなぁと思うと同時に、その物語を紅葉と結びつけること自体が彼女への冒涜のようにも思えて……とかなーり複雑でめんどくさいオタクになっています。紅葉の存在が一気にチラムネを押し上げましたよ、マジで。

 

 

と、いうわけでここまで。

SSが届いたら追記するなりツイートするなりしたいなぁ、と思っています。

それでは今回はここまで。

「千歳くんはラムネ瓶のなか7」を語る。

こんにちは、とこーです。

今回は感想ブログなのか、それともエッセイなのか、はたまたファンレターなのか、ちょっと自分でも分からない内容になります。

作品の内容と離れるところも絶対にあります。なので感想記事はまた後日、どうせ出します。だって最高だったから。

だから今回は、思うがままに書きます。趣味で書き物をしている古参ファンなりの心象の迎え方ということで、許してくださいな。

 

 

 

 

 

1.夏の先の、新章開幕

 第7巻は、再三言われてきていたように物語の後半戦に突入するお話です。その表紙を飾るのは紅葉なわけですが……ここでまず、私はいきなりですが自分語りをしたい。いや、自分語りというか、常々思っていることかな。

 俺ガイルで言えばいろは、ニセコイで言えば万里花、とらドラで言えば亜美ちゃんのように、ラブコメには後から登場するメインヒロイン以外のヒロイン、というものがいるとは思いませんか。最初からいるサブヒロインとも違う、いわば「後から入ってくる存在」。大抵そういうキャラは物語がひと段落ついて、主人公とヒロインの間に何かが生まれてから登場するのです。

 新キャラ、望紅葉。

 さて、彼女の登場をどれだけのファンが予想したでしょうか?

 実際に表紙予想として新キャラを当てたのが(SNS上では)ただ一人だったのは、どうしてでしょうか?

 誰も新キャラの登場を読めなかった?

 私は違うと思います。新キャラの登場は、少なからずあると思ってたはずなんです。それでもきっと、

 

「新ヒロインは登場しないはず」

 

 と思っていたんです。或いは、

 

「ここからさらに新ヒロインを登場させるのはやめてほしい」

 

 とさえ思っていたかもしれません。

 以前私がアニメをテレビで見ていたとき、とあるラブコメのCMで「ヒロイン多すぎ」と銘打たれていました。その作品に登場するヒロインは5人だったようで……最近はWヒロインものも減ったな、と思っていた私です。

 実際、チラムネほど複数のヒロインに人気があるラブコメは少ないです。今の流れでは本当に少ない。だってチラムネって、このラノで女性キャラクター部門の上位を占めてるくらいにヒロインが人気なんですよ?

 

 少し話を戻しましょうか。

 特に私は俺ガイルを読んでラノベ読みとして育った口なのですが、ぶっちゃけ割とずっと「雪乃と何かしらの形でくっつくんだろうな」と思ってましたし、仮に違っても「結衣とくっつくのかな」と思う程度でした。つまり、一色いろはと結ばれるのはないな、と思ってたわけです。

 これがなぜなのかは、単純ですよね。

 だって途中から、たとえば第二部から、出てきたヒロインと主人公がくっついたら、第一部の話はなんだったんだってことになっちゃうじゃないですか。

 とりわけチラムネは、6巻が凄かったから。

 それまでの蓄積でヒロインとの関係を結んだから。

 新ヒロインに「サブ」とつけることはしても、「メイン」とつくことはないだろう、ときっと色んな人が思ってたんです。

 

 ……と、そんな発売前の話を長々としたうえで、言いたいことは一つだけ。

 私は望紅葉という一人の少女を、メインヒロインと呼びたい。

 彼女は、人によっては反感を買うかもしれない。というかぶっちゃけ、7巻は賛否両論になる気がしている。物語の位置づけとしても、メインヒロインではないのかもしれない。

 それでも私は、彼女をメインヒロインと呼びたい。

 

 私はチラムネに触れ、成人し、最初にやったゲームがあります。

 『WHITE ALBUM2』。有名な成人向けゲームだ。これは幾つかルートがあるし、ネタバレをしたくないのだけれど、キャラクターとしては和泉千晶という少女が大好きなのです。

 どうせここまでこのエッセイを読んでいる人はディープな人だけなので、彼女の名前を出す意味も分かると思う。

 

 ……と真面目腐った話の後で言いますけど。

 紅葉ちゃん、やっぱり「あの子」じゃありません?

 8番での会話とか、プロローグとかの文章を見るに。

 いやでもそれも、物語的すぎるのかな。望紅葉に余計な物語を付与するのは、むしろ彼女に対して失礼だと思うんですよね。でもそうだとすると、一番最初に書いたSSに登場させるっていうのは、元々後輩の登場を決めてたって話とも合点が……。

 まぁ、彼女についてはここまで、ということで。

 

 

2.千歳朔とみんなの変化

 7巻読んだ人の中には、作中での朔の言動に物申したい人がいるんじゃないかなーと思うんですが、どうでしょう。私もちらっと思わなくはないんですよ。端的に言えば……お前、紅葉ちゃんに無警戒じゃない?と。特に最後にいくにあたって。

 で、実はこれって6巻までの話があったからこそなのでは、と思うわけです。

 朔はこれまで基本的に好意を避けてきましたし、かなり警戒してきました。でも6巻を経て、そうじゃないと気付いた。夕湖や悠月たちと向き合い、自分の気持ちに名前を付けようとしているわけです。

 だからこそ、好意=避けるもの、という認識が揺らいでるんですよ。

 そればかりか、そうやって決めつけで警戒することで夕湖の想いを、安易な一目惚れだと決めつけてしまっていたわけで。それはきっと傷つけることだと学んだわけで。もっと言えば、他の女の子に遠慮するのは彼女たちの恋に責任を持つことだ、と傲慢さを示されたわけで。

 だから、紅葉との接し方について過剰に他の5人に気を遣うのは、むしろ間違いだ――と絶対に思ってるんですよ、彼は。逆に言えば、そう思うという変化があった夏だったんですよ。

 その夏を潜り抜けた後に現れる紅葉!

 必然の蓄積だと思うんです。

 まぁ、今回について言えば朔がどうこうっていうより、紅葉の望みの強さが生み出した物語だと思ってるんですけどね。

 

 

3.絶対に賛否両論別れるだろうなーという話

 色々言ってたら自分で分からなくなってきたので、とりあえず初読の感想はここまでにしておこうかな、と思います。

 言いたいことはたくさんあるんですよ。開幕の文がいいとか、一巻を彷彿とさせながらも変化した関係性を描くのがいいとか、なずなや亜十夢も巻き込んでていいとか、健太が真の意味で仲間になった感じが(以下略)。

 その辺りはまた後日、感想記事にします。ぶっちゃけ、発売日当日に感想記事を出しても絶対に伸びない……という実体験があるので笑。

 

 ただそれでも言いたいことがあって。

 今回の7巻は絶対に賛否両論があると思います。読みの深度やキャラへの解像度、作品と触れてきた時間……というのももちろん、どういう感想を抱くかには関わるでしょう。ですがマイナスな意見を持つ人が読みが浅いのかと言えば、絶対にそれも違うと思うんです。

 千歳くんはラムネ瓶のなか7巻

 この物語は、“そういう”物語として描かれたのでは、と思ってしまいます。

 覚悟とはなんでしょうか。

 成功するか失敗するか不安に思って、それでも信じて一歩を踏み出すこと?

 99の失敗をしても本当に欲しい「1」を掴み取ること?

 それとも……。

 

 この7巻は、チラムネがチラムネで在り続ける。その覚悟と意志を感じた一冊でした。一番泣いたのは6巻だし、一番熱かったのは4巻だし、一番刺さったのは3巻だけど。

 私はこの7巻を、一番かっこいい巻だと思いました。

 

 

 こんなところで、夜更けの駄文はしめます。

 読んでくださってありがとこーございました。

【取りこぼすな、この青春を!】チラムネSS紹介の巻

こんにちは、とこーです。

夏ですね。夏と言えば青春ですね(え?)。

青春と言えば――そう、チラムネでございます!

『千歳くんはラムネ瓶のなか』通称チラムネは、まぁラノベ読みのみなさんならご存知でしょう。というか、私のブログを読んでいる方は皆さん知っていると思います。私の顔が狭いので!

チラムネは、8月18日に後半戦がスタートします。

そんなチラムネですが、毎回たくさんの特典SSが用意されています。しかもその内容が濃い! 読まなくても理解はできますが、読まなきゃ損なのは間違いない!という内容なのです。

 

そんな特典SSですが、特定の法人限定なので入手できていない人も多いと思います。

しかし、中には今からでも読める特典SSもあります。何故なら、4巻までの特典SSをまとめた5巻SS冊子付き特装版が発売中だからです。

今回は今までのSSをネタバレのない範囲で紹介&おすすめし、チラムネ沼にはまる人を増やそう、という企画です(ただ語りたいだけともいう)。

 

具体的には『どんな人におすすめか』『いつ頃の話か』『どこがいいのか』みたいなことをネタバレとせめぎ合いながら紹介します。紹介するのは、

①4巻までの時系列で登場するSS

②SS冊子付き特装版限定の書き下ろし小説

です。

既に読みたくなっていて、前情報なしで読みたい!という方は、こちらにリンクを貼っておきますのでぜひご一読ください。

bookwalker.jp

 

 

 

 

 

 

1)1巻分ショートストーリー

1巻分のショートストーリーは全部で5作。

そのうち5巻SS冊子付き特装版に収録されているのは4作で、もう1作はチラムネのコミックス3巻巻末に収録されています。どちらも時系列的に1巻の前後のお話で、1巻の解像度が上がるだけでなく、解釈自体が深みを増すような内容になっています。

では1作ずつ紹介していきましょう。

 

①たとえば最初に呼ぶ名前

初出:コミックス1巻×原作4巻連動特典

登場キャラ:朔、優空

視点:朔

おすすめしたい人:優空推し/6巻の優空の気持ちをより深く知りたい人

こちらは、1巻1章『憎まれっこリア充は学校にはばかる』と2章『健太くんは部屋のなか』の間のお話となっております。話の内容は2章での健太宅訪問に関するアレコレだったりするのですが……こちらのSSは、特に5巻‐6巻と合わせて読むこと推奨な内容となっております。

というのも……このSSタイトル、6巻プロローグ『私の普通』にて登場しているんですよ。朔視点の話ではあるのですが、このSSのときの優空ちゃんの想いを考えながら読むと、大変エモいお話となっているのです……!

更には6巻の優空ちゃんの過去の話にもつながる部分があるので、優空ちゃん推しの方にはぜひとも読んでいただきたいSSとなっております!

 

②窓の外

初出:コミックス1巻巻末

登場キャラ:朔、優空

視点:朔

おすすめしたい人:優空推し/1巻の朔に惚れた人/朔推し

こちらはコミックス1巻の巻末に収録されたSSです。一度目の健太宅訪問の後、朔と優空ちゃんが“とあるもの”を買いに行く……というエピソードになっています。

まさに健太の説得に繋がる部分でもあるため、1巻の内容を補強しつつ、朔の優しさみたいな部分をぐっと押し出してくれるSSとなっております。

こちらは次に紹介する『家の外』とセットで読むと美味しいSSにもなっています。

5巻SS冊子付き特装版で読めますよ!

 

③家の外

初出:コミックス2巻巻末

登場キャラ:朔、夕湖

視点:朔

おすすめしたい人:夕湖推し/1巻の朔に惚れた人/5巻と6巻の夕湖の行動が好きな人/6.5巻の夕湖を見て惚れた人

こちらは夕湖が登場するSSです。前述したように『窓の外』とセットで読むと美味しいSSなのですが……構成としては、割と『窓の外』と似ています。健太宅からの帰り道、という設定です。1巻を読んだ方は「あー、あそこか」と分かると思います。

そんな中でこちらのSSは朔が健太のために“とあるもの”の情報を調べているシーンが描かれます。1巻ではちょろっとしか書かれてなかったんですが、朔が真剣に健太のために色々とやっていたんだな、と分かるSSです。

更には夕湖との話も描写されます。ここは、5巻や6巻の二人の会話、夕湖視点、そして6.5巻の夕湖と朔の会話を読むうえでものすご~~く意味のあるシーンとなってます。マジで、これを読めば夕湖推しになるでしょ、ってくらいに。

こちらも5巻SS冊子付き特装版で読めますよ!

 

ちなみに私は『窓の外』『家の外』と繋がる1巻の記述がどちらも好きで、それが1巻を推した理由の一つだったりもしたので、この2作のSSはクリティカルヒットでした。

 

④雨、あめ、降れ、ふれ

初出:メロンブックスノベル祭り

登場キャラ:朔、優空

視点:朔

おすすめしたい人:エモいシーンが読みたい人/優空推し

こちらは、1巻で健太くんが学校に復帰してからあれこれと頑張っている期間の、とある雨の日のお話です。チラムネの中では最初に世に出たSSがこれだったりします。メロンブックスノベル祭りでこのSSが欲しいがために散財したこと……!

このSSはとにかくエモくて、裕夢先生節がひしひしと伝わってくる1作です。1巻~2巻はそれ以降に比べると抑えめな部分がありますが、ここのリリカルさは堪らないですね。

「優しい空」という単語が登場したのもここが初めてだったりします。

更には後輩との絡みがあるので、望紅葉ちゃんが登場してたのでは?とか言われたりもしました。まぁ、まだ可能性が消えたわけじゃないですが。

何気に朔のイケメンな一面も見えて、「それはモテるわ……」とも思うSSです。

こちらも5巻SS冊子付き特装版で読めますよ!

 

⑤昼休みの屋上コッペパン

初出:コミックス3巻巻末

登場キャラ:朔、優空

視点:朔

おすすめしたい人:優空推し/1巻の解像度を上げたい人/6巻の解像度を上げたい人

こちらの作品は、現時点ではコミックス3巻でのみ読めるSSです。5巻SS冊子付き特装版を読んでいる人でも、こっちは読んでない、という方もいるのではないでしょうか?

時系列としては、健太が我らがツンデレヒロイン・亜十夢くんに絡まれた日の昼休み。お察しの通り、ちょっと凹んでる朔が優空ちゃんに寄り添われる……みたいな話なんどえすが(ネタバレギリギリ)、これがエモい。

何がエモいって、1巻での陽との関わり方の違いなんですよね。

1巻を読んでるだけでは「陽に背中を押されたんだな」で終わるんですが、このSSを読むと、朔が「誰かに何かを貰う」んじゃなくて「みんなから色んなものを貰ってる」というのが分かるSSになってるんです。

更に、このSSで登場するとある台詞は6巻にも登場し、この回収も鮮やかです。

この部分は後述するSSにも登場するのでそこで詳しく語りますが、6巻の解像度が上がるSSです。っていうか、個人的には法人特典を集めない人でも6巻の解像度が上がるようにコミックス3巻でそういう描写を改めて入れたのでは?とさえ思ってます。コミックス3巻、原作6巻と同時発売でしたしねー。

1巻の解像度が上がるだけでなく解釈さえ変わりかねない激重要なSSを1巻発売から二年以上経って出してくるのもにくいところです。

 

 

2)2巻分ショートストーリー

2巻分のSSは現段階で7作です。『現段階』というのは、コミックス版が今2巻の部分に差し掛かっているので、今後も増える可能性があるためです。

5巻SS冊子付き特装版で読めるのは6作で、残り1作はコミックス4巻巻末に収録されています。どちらも今から入手できるので必見です。では、紹介していきましょう。

 

①遠くに続く影法師

初出:メロンブックス青春フェア

登場キャラ:朔、明日風

視点:朔

おすすめしたい人:エモいシーンが読みたい人/3巻の展開をさらに楽しみたい人/明日風推し

こちらは朔と明日姉のとある放課後を描いたショートストーリーです。時系列はそこまで詳細に描かれていません。2巻発売の日に始まったフェアで配布されたSSなので、1巻~2巻付近の話だと考えていいでしょう。

ここでは曲名こそ登場しませんが、とある曲と思しきJ-POPを明日姉が聞いていて、そのシーンが3巻に割とダイレクトで繋がっていたりします。

3巻のノスタルジーな雰囲気を味わえるSSですし、3巻の展開と大きく関わるSSでもあるので、ぜひ読んでほしい1作です。

 

②いつものカフェラテ、いつものティーラテ

初出:2巻とらのあな特典

登場キャラ:朔、優空、(夕湖)

視点:朔

おすすめしたい人:優空推し/1巻の解像度を上げたい人/6巻の解像度を上げたい人、優空と夕湖の関係が好きな人

ゴールデンウィークの中盤、朔と優空ちゃんと夕湖がエルパに出かけて……というSSです。夕湖も登場するのですが、メインは優空ちゃん。優空ちゃんが“とある場所”でたそがれていると、朔がやってきて……みたいなお話です。

1巻の後の優空ちゃんの心情を描くという点ですっごくいいんですよ、このSS。

更には前述した『昼休みの屋上コッペパン』で語った“とある台詞”が登場するのがこのSSでもあります。

エモいのはこのSSと『昼休みの屋上コッペパン』、そして6巻で“とある台詞”がキャッチボールになっていることなんですよ。このSSのみでは単なる回収なのですが、2作のSSが繋がることで、尊いキャッチボールになるんです。これを気付いたときは息を呑みました。そういう意味で、6巻の解像度を上げるSSです。

一方、サブではあるものの夕湖が登場し、夕湖と優空ちゃんの会話が結構真に迫って描かれる部分でもあります。お互いがお互いを尊重しあってるんだな、と分かるのもこのSSです。

5巻SS冊子付き特装版を買えば読めますので、ぜひ読んでみてください。

 

③ふたりの放課後ボーイフレンド

初出:2巻アニメイト特典

登場キャラ:悠月、陽、(朔)

視点:悠月

おすすめしたい人:悠月推し/バスケ部推し

ここまで紹介してきた中だと、初の朔以外の視点によるSSです。実際、出た順番でも朔以外の視点はこのSSが初めてですね。悠月が朔に偽物の恋人を頼む前、時系列的にはむしろ1巻の範囲です。悠月と朔が電話で話した日の翌日なので。

悠月が冷静に朔と陽の関係を分析したり、この時点での悠月にとっての朔がどんな人物なのかを知れたりするSSです。

悠月推しはもちろん、バスケ部のナナウミコンビが好きな方にはぜひ読んでほしいですね。

 

④多分、友達の好きな人

初出:メロンブックスノベル祭り

登場キャラ:朔、陽

視点:朔

おすすめしたい人:陽推し/青春感を味わいたい人/2巻の解像度を上げたい人

陽がメインという意味では初なのがこのSSです。2巻の練習試合を経て、その後日の朔と陽の放課後が描写されるお話となっております。

このSSを読むと、朔の日常が地続きなんだな、という感覚を味わえます。ヒロインが複数人だからこそのよさですね。

加えて、陽の心の揺れ動きも書かれている作品です。2巻~3巻の特典では陽の朔への微妙な感情がちょいちょい描かれているんですが、これもそのうちの1作ですね。そのあたりのSS群を追いかけつつ4巻を読むと、陽のことがグッと好きになると思います。

 

⑤SNS風ショートストーリー

初出:BOOL☆WALKER2巻特典

登場キャラ:悠月、陽

視点:陽?

おすすめしたい人:陽推し/悠月推し

これは先ほどの『多分、友達の好きな人』のときに語った、陽の感情を描いたSS群の1作です。

これはチラムネのSSの中では唯一SNS(LINE?)風の作りになっています。時系列としては、2巻のお祭りの前日。女子同士の会話がJKっぽくて、それだけでも用価値があるのですが……注目してほしいのはSNS風の作りになっている、ということ。

メッセージのやり取りの『時間差』や『打ちかけのメッセージ』など、SNS風だからこそ感じ取れるものがあるSSなのです。

悠月の乙女っぽさを感じ取れるSSであり、陽の乙女っぽさが滲むSSでもあり、二人の関係値も伝わってくるSSです。

 

⑥ナイショの青と青

初出:2巻ゲーマーズ特典

登場キャラ:朔、夕湖、(健太)

視点:朔

おすすめしたい人:夕湖推し/2巻の裏側を知りたい人

こちらは夕湖がメインとなるSSです。時系列としては2巻終盤。SSの中でもかなりコメディ寄りで、2巻のとあるシーンの裏側が覗けるSSです。

夕湖の可愛らしい一面も描かれており、ぐいぐいと朔の“とあるもの”の趣味を聞いたりするシーンは、結構いじらしいです。

夕湖推しにはぜひ読んでほしいSSとなっております。

 

⑦鏡に毒りんご

初出:コミックス4巻巻末

登場キャラ:悠月

視点:悠月

おすすめしたい人:悠月推し/6.5巻の悠月を見て惚れた人

このSSは今の段階ではコミックス4巻の巻末でのみ読めるSSです。時系列としては、2巻の直前。朔とカフェで待ち合わせをする日の朝のお話です。

「悠月、この時点でこんなことを考えてたんだ……」っていうのがダイレクトに伝わってくるSSで、個人的には2巻の中の悠月の見え方が結構変わった気もしてます。

更には6.5巻とかなり繋がりがあり、後半戦での悠月への期待度が増すお話にもなっていたりします。

同時に悠月の悠月らしさが垣間見えるお話であり、ヒロイン・七瀬悠月ではなく、人間・七瀬悠月を好きになれるSSの一つなのではないかな、と感じます。

コミックス4巻は原作1巻ラスト~2巻に突入していて、こちらだけでも非常に読み甲斐があるので、マストバイですよ!

 

3)3巻分ショートストーリー

3巻分のショートストーリーは全部で5作です。いずれも5巻SS冊子付き特装版に収録されているので、読みたい方はそちらをご購入ください(今後コミックス版の刊行で増える可能性はありますが)。

どのSSも個人的にかなり好きなものなので、語っていきますね。

 

①できればずっと、また今度

初出:3巻アニメイト特典

登場キャラ:朔、夕湖、優空

視点:朔

おすすめしたい人:夕湖推し/優空推し/この三人が好きな人/優空と夕湖の関係が好きな人/6巻の解像度を上げたい人

夕湖と優空のパジャマ姿のイラストとセットで配布されたのがこのSSです。3巻にて夕湖と優空が押しかけてきた日の話となっています。

前述した『いつものカフェラテ、いつものティーラテ』以上に朔・夕湖・優空の三人でのシーンが描かれているSSです。と同時に、夕湖と優空の二人の仲の良さも伝わってくる、とってもいいお話です。

この三人の一年生の頃から続いている関係性が好きな方、5巻や6巻での三人の対話で心が動いた方にはぜひとも読んでほしいSSだったりします。

また、個人的には夕湖の優しさというか、いい子さがひしひしと伝わってくるのもこのSSだと思っています。彼女が抱える悩みとか、そういう等身大の柊夕湖という女の子の一面が垣間見えているんです。

更に言っちゃうと、ここの内容はがっつり5巻に食い込み始めてるので、十二分の物語を楽しむうえでは欠かせないSSだなぁ、とも思ってます。

 

②たまにはネクタイを外したくなる

初出:3巻ゲーマーズ特典

登場キャラ:朔、陽

視点:朔

おすすめしたい人:陽推し

この話は、素直に陽推しに読んでほしい話です。陽推しの方にも「こういう陽が好き」というのは色々だとは思いますが、なかでもこのSSは陽を好きな人が好きな陽が詰まってるなぁ、と感じます。

前述した陽の感情を描いたSS群の1作で、キャッチボールをした後日の放課後の一幕なのですが……タイトルの通り、陽のネクタイにまつわるお話です。

ちょっとアンニュイだったり、しおらしかったり、恥ずかしがってたり、かと思えば真っ直ぐだったり。陽らしい可愛さが要所に見え隠れしつつ、4巻での点火に向けてひしひしと何かが高まっているSSです。

 

③掴みたいのに掴めなくていつでも見てるだけ

初出:3巻とらのあな特典

登場キャラ:朔、夕湖

視点:朔

おすすめしたい人:夕湖推し/朔にとっての夕湖の存在の大きさを感じたい人/朔の少年らしさを感じたい人

私がこのSSが大好きなんです!!!!!!

……と声高に叫ぶくらいには好きなSS。悠月のストーカーの件が終わり、夕湖と朔が遊びに行ったときのゲームセンターでの一幕です。

このSSは、とにかく夕湖の存在がどれだけ朔の支えになっているか、っていうのが伝わってくるんですよ。このときの朔は明日姉の進路の話を薄らと会話の流れで聞いて、少し気にしているところなわけでして。幻とか憧れとかの狭間で揺れたり、結局智也くんを止めることはできなかったり、結構複雑な時期なんですよ。

そんなときに遊びに誘って、気晴らしをさせてくれる夕湖の存在の大きさ!

本当にこれが好きです。

あと、このSSの締めの地の文も好きなんですよ。そこに朔らしいモノローグが詰まってるな、って感じがしています。

凄く読んでほしいSSです。

 

④シャンプーにキャップ

初出:3巻BOOK☆WALKER特典

登場キャラ:朔、悠月

視点:朔

おすすめしたい人:悠月推し

このSSは、私的に「悠月推しにめちゃくちゃ刺さるSSだろうなぁ」と思っているSSです。

時系列としては、明日姉との東京旅行から帰ってきた日。

あえて言うなら、悠月に背中を押されて明日姉を連れ出し、そして帰ってきた日でございます。

これだけでも悠月の感情が想像できるのではないでしょうか。

女・七瀬悠月のかなりリアルで緻密な心情を、朔と悠月らしいやり取りに織り交ぜながら描いたSSです。悠月の良さが伝わってくるだけでなく、悠月の解像度が上がるお話でもあるので、後半戦を読んでいく上でも結構重要だなーと感じてます。

ちなみにこのとき悠月が来ているパーカーはガガガオンラインショップにて購入可能です。

 

⑤あなたと見たいブルームーン

初出:メロンブックスノベル祭り

登場キャラ:明日風、(朔)

視点:明日風

おすすめしたい人:3巻の解像度を上げたい人/明日風推し

このお話は、明日姉のミステリアスじゃない部分がぎゅっと押し出された可愛いお話だなぁ、と思っています。特に3巻以前は明日姉がミステリアスに描かれていましたが、このSSは女の子・西野明日風って部分がかなり出ていると感じています。

時系列は東京旅行の直前。朔を待たせて準備をしているときですね。

旅行の準備といえば……と妄想を膨らませると、その時点で読みたくなるのではないかと思います。控えめに言って、めっちゃ可愛いです。すっごい乙女なので。

また、ここでは作品の中で大事にされている呼び方にも注目できると思います。

明日姉にとって朔は「朔兄」であり「君」でもある。明日姉は「君」であり「明日姉」でもある。これは3巻にとどまらず、朔と明日姉の関係の中で欠かせない考え方です。このSSではそこが描かれてもいて、今後の二人の関係を見ていく中で読んでおくべきSSだなぁと感じています。

 

 

4)4巻分ショートストーリー

4巻分のSSは全部で3作ですね。やや少なめに見えますが、実際には4巻発売と同時にコミックス1巻が出ているので、『窓の外』や『たとえば最初に呼ぶ名前』を書いていて、裕夢先生のSS執筆量は変わらない(どころか増えている)んですよね。

ともあれ、1作ずつ紹介していきます。

 

①うそつきは夏のはじまり

初出:4巻とらのあな特典

登場キャラ:陽、夕湖

視点:陽

おすすめしたい人:陽推し

陽の感情が現れてるSS群の1作です。時系列は、プール掃除を命じられた日の放課後。夕湖からある提案をされて……といった感じのお話です。

まさに4巻の最中のお話なので、陽の感情も点火寸前、という感じ。タイトルも含め、とっても4巻の特典SSらしいなぁと感じています。

陽の可愛さや感情の動きを読むうえでもとてもいいのですが、5巻以降が刊行されている今となっては、それ以外のところでもものすごく注目のSSです。というのも、陽から見て夕湖がどんな子なのか、みたいなのが少し描かれているんですよ。それが5巻や6巻……と恋に目覚めた陽に繋がってくるんです。

陽が好きという意味での陽推しの方も、陽の恋を応援したいって意味での陽推しの方も、ぜひ読んでほしいSSです。

 

②先輩と後輩の距離

初出:4巻ゲーマーズ特典

登場キャラ:明日風、陽

視点:明日風

おすすめしたい人:明日風推し/明日風の心情を知りたい人

明日姉推しにも、特に推しというほどではないという人にも、ぜひ読んでほしいSSです。というか、西野明日風という少女を知る上でこのSSを読まない選択肢はないと思います。

時系列は朔たちが野球の練習を始めた頃……といっただけで、6巻既読の方はどんなお話か察するのではないでしょうか。

そうです。そういうお話です。

明日姉の気持ちが歯がゆさとか苦しさとか、そういう単純に言語化したくない部分がぎゅっと描かれたSSです。っていうか、これは本当に本編にすべきでしょ、と思うレベルですね。

4巻~6巻にかけて、西野明日風という“先輩”は何を思ったのか。

これは、たとえば5巻で一人だけ朔と一緒に夏祭りに行けなかったことや、朔との二人きりの勉強合宿や、水着を見せにきたことや、キャンプで朔たちと合流したときの気持ちや、色んなものがぐーっと押し寄せてくるSSだと思います。

特にね、キャンプのときに明日姉が「こういうの、ずっと憧れだった」って言うんですが、そのときに会話しているのが陽だったりして……!

卒業が近づく彼女の今後を読んでいく上で、絶対に読んでほしいSSです。

 

③私たちの1 on 1

初出:4巻アニメイト特典

登場キャラ:悠月、陽

視点:悠月

おすすめしたい人:バスケ部推し/悠月推し

4巻のラスト直前のワンシーンを切り取ったお話です。バスケの試合~陽と朔が帰る直前まで、ですね。

4巻でメインとなった陽ですが、その裏では悠月もかな~り画策していたわけで。そんな彼女の熱い一面が垣間見えるSSです。

バスケ部二人のこのノリがたまらないって言うのもありますし、ここでは女・七瀬悠月らしさが滲んでいて、悠月推しには刺さるのではないかと思います。体育会系らしさと女らしさが同居していて、かなりイイです。

悠月推しはもちろん、ナナウミコンビの絡みが好きな人にもぜひ読んでほしいお話です。

 

5)5巻特装版書き下ろし掌編『夜更け前の月と夜明け前の太陽』

登場キャラ:悠月、陽ほか

視点:悠月&陽

このSSは5巻SS冊子付き特装版のみで読むことのできる、ちょっと長めの書き下ろしショートストーリーです。時系列はSS冊子付き特装版の表紙に描かれる秋。それも、みんなが一年生のときの秋です。

一年生の頃の悠月と陽の視点で物語が展開され、バスケ部の先輩との絡みや一年生の頃の朔との絡み、当時の悠月と陽の心情などが描かれているお話です。

ぶっちゃけそれなりの文量なのでお話としてただただ面白いから読もうね、と言っちゃってもいいんですが、あくまでショートストーリーとして紹介していきます。

まずこのSSは未だ描かれていない秋が描かれているということで、チラムネ後半戦を先取りして空気感を感じることもできます。それだけで美味しいですよね。

そして次に、一年生の頃の悠月と陽の恋愛観や朔への気持ち、お互いへの気持ちなどが描かれています。これが二年生の彼女たちとどう変わったのかを読んでいくのも最高じゃありません? 感情の差分があるからこそ今の感情が際立つわけで。単に特別じゃなかった存在が特別になったとか、何とも思ってなかったけど惚れたとか、そういう変化じゃないんですよ。ここがいい。

更に、一年生の頃の朔が描かれているのもポイントです。この頃の朔と悠月や陽との接し方と、今の関わり方の違い。ここからは、朔視点が描かれてはいないものの、朔にとっての悠月や陽の存在の変化も読み取れると思うんです。だからこそ、読んでほしい。このSSを読むか読まないかって、5巻6巻の捉え方にも結構影響するでしょうし、もっと言えば朔たちの今後の青春をどう捉えるかってことにも関わると思うんですよ。

なのでぜひぜひ読んでほしいな、と思っています。

 

 

6)終わりに

さて、ちょっと長くなりましたが今回はここで終わりにしておきます。

本当は5巻以降のSSも語りたいのですが、語っても未読の方が入手するのが難しいですからね……またまとめていただけたら、そのときに書きます。

チラムネはちょっと本気でSSがもはや本編なので、余裕がある方はぜひゲットしてほしいです。近くに店舗がないって方は送料とかがかかってはしまいますが、通販サイトで買う選択もあるのでぜひ推しのSSだけゲットする、とかもありだと思います。

もちろん読まずとも本編は十分に楽しめるように作られているので、そこは安心していいと思います。特典をゲットしない浅いファンは楽しめないぜ、みたいな意地悪なことは絶対にされてないので。

ただ読んで絶対に損はしないので、比較的入手しやすい特装版に収録されているSSだけでも読んでみてください!

 

 

また、7巻に向けては短編集6.5巻も絶対に読んでほしいな、と思っています。

○.5巻ですが完全に本編で、ヒロインたちの夏の終わりが綺麗に描かれた名作です。ぶっちゃけ、6.5巻だけでも読み物としてものすっごく面白いので。

6.5巻の感想記事はぶらさげておくので、ぜひ読んでみてくださいね。

toko-96463.hatenadiary.jp

 

 

それでは、今回はここまで。

7/29~8/1までは20時に毎日チラムネの新規イラストが公開されるそうなので、覚悟を決めて待つとしましょう!

それではここまで読んでくださってありがとこーございました!

 

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好きラノ投票2022上半期編

こんにちは、とこーです。

今回はシンプルに好きラノを投票するだけの回となります。一冊一冊へのコメントをすると絶対に長くなるので、今回は割愛します。いや、ほんと語りだすと絶対に長くなりすぎてやばいんで。

ということで、一作目からレッツゴーです!

 

 

1.天使は炭酸しか飲まない(2)    

【22上ラノベ投票/9784049143447】

一巻も好きですが、重複投票はNGということでよりパワーアップした二巻を。

 

2.わたし、二番目の彼女でいいから。(3)  

 【22上ラノベ投票/9784049142327】

いくところまで行った背徳ラブコメ。今後にも期待です。

 

3.顔さえよければいい教室 1.詩歌クレッシェンド

【22上ラノベ投票/9784040745435】

音楽エンタメラノベとしての新星。MVとの親和性もすごかったです。

 

4.隣の席の元アイドルは、俺のプロデュースがないと生きていけない   

【22上ラノベ投票/9784040745442】

めんどくさい女の子たちの恋愛模様と等身大な主人公が魅力的なラブコメ

 

5.君は僕の後悔(3)   

【22上ラノベ投票/9784086314701】

青春が詰め込まれた第三巻。感情の描き方と言葉の描き方がすごかったです。

 

6.現実でラブコメできないとだれが決めた? (5)   

【22上ラノベ投票/9784094530551】

激アツにして復活の五巻。7番さんが優勝してましたね、はい。

 

7.青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。(2)  

【22上ラノベ投票/9784094516937】

5年ぶりの新刊にして、敗北と弱者の美学を描き切った最高の作品。マジで三巻もお願いしたいです。

 

8.弱キャラ友崎くんLv.10

 【22上ラノベ投票/9784094530452】

開幕・日南編。シリーズの中で一番好きな巻になりました。日南好き。

 

9.負けヒロインが多すぎる! (3)  

【22上ラノベ投票/9784094530643】

笑えて、萌えて、感動もできる。ラブコメとしての完成度は最高レベルですね。

 

10.千歳くんはラムネ瓶のなか(6.5)

 【22上ラノベ投票/9784094530605】

信者みたいだし、選ばない方が……と迷いつつも、選ばざるを得ない完成度でした。短編集だからこそ描ける五人のヒロインの物語です。

 

 

 

と、こんな感じですね。

10作って、読んでない自分からすると結構多いのでは?と思ってましたが、意外と足りないですね。思いのほか読んでました。

どの作品もラブコメなのは、流行りというより純粋に私の好みですね。ラブコメはなんとなく物語の世界観の型がきまっているので没入しやすいんです。

さてはて、今回はどんなランキングになるのか。

楽しみにしてます。

【激重感情】『運命の人は、嫁の妹でした。』レビュー

こんにちは、とこーです。

連れカノのときに雑記を書いた以来、久々のブログ更新になっております。今回はメンタルが割と回復してきたこと、時間ができたこと、そして何より今回読んだ新作がよかったことなどから、ちょっと丁寧に書きたいと思います。

今回読んだ作品は『運命の人は、嫁の妹でした。』

電撃文庫さんから7月に発売したばかりの新刊です。タイトルからして結構きになっていたのですが、実際読んでみるとタイトル以上のよさがありました。

そんなわけで、あらすじ以上のネタバレはないように紹介していきます。

ご購入はこちらから⇩

 

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1.想像を超えるストーリー

タイトルを見る限りだと、最近流行りの背徳系だ、と思う方もいると思います。私も実際そう思いました。そのうえで、運命の人っていうワードの使い方に惹かれた部分があります。

が、今作は第一印象を超えていきます。

この作品は現代ファンタジーチックな世界観の「前世」と、少しおかしな人が集まる「今世」の二つの軸が交わる、濃密なラブコメディだったのです!

 

主人公の大吾は、前世で獅子乃という女性と恋をしていました。

終わりゆく世界。退廃的な環境の中で、次はお嫁さんに、と誓いながら「前世」は終わりを迎えます。

そんなバックボーンを忘れていた「今世」の大吾はとある事情から婚活を始め、ネットで知り合った女性・トワとブラインド婚活――すなわち、実際に会う前に結婚――をすることに。

そんなトワの妹が獅子乃であり、大吾は彼女と関わる中で「前世」の記憶を少しずつ思い出していきます。獅子乃もまた「前世」のことを思い出して……。

 

とね?

まずこの、終わりゆく世界っていう「前世」の設定がよくないです!?

なんかこう、ノベルゲームっぽいというか、ラノベっぽいというか。特にバトル要素がないラブコメにめちゃくちゃファンタジーな設定を付加してくるのが、たまらないです。

そして「前世」の記憶が結構濃い。

描写としてはそこそこ取りつつも、それが作品の大部分を占めるわけではないんです。なのに惹き込まれます。これが何故かと言えば、必要な部分と必要じゃない部分の区切りが上手いんですよね。

「前世」において重要なのはなにか。それは「前世」でのキャラクターたちの想いなわけです。史実ははっきり言ってそこまで重要じゃない。ディープに読み解く人だけが分かっていればいいんです。今作は感情の部分を見事に切り取り、そのうえで史実はあくまで必要な範囲だけをぎゅっと押し込めていた……と思います。

 

で、「前世」をふまえた「今世」ですよ。

こちらもすごく上手い。後述しますが、「前世」という設定が付与された時点で、表紙のヒロイン・獅子乃にフォーカスがいってしまうのは必然なんです。でも、それではヒロインレースにはならない。

今作では「今世」にもきちんと練られた設定があり、「今世」の獅子乃もちゃんと可愛いですし、タイトルにいる「嫁」にも魅力があります。

何より、大吾の周囲の環境や設定を練りになっている感があって凄いです。

何人か登場するサブキャラクターは魅力的ですし、そのうえで物語を進めるうえで存在感と必然性がありますし、読んでいく中で一切ノイズになっていないんです。

だからこそ、没入感が凄い。するする目が進みましたし、頭に入ってきました。

 

 

2.キャラクターが魅力的

今作にはヒロインが二人登場します。

タイトルの「嫁」であるトワこと兎羽と、「嫁の妹」である獅子乃です。

獅子乃は「前世」で大吾と繋がりがありましたが、そのことを憶えてはいません。しかし大吾と関わる中で彼に少し好意的な感情を抱き、やがて前世を思い出して……となっていきます。

まぁ、そのあたりはネタバレなのでいいとして。

本章では二人のヒロインの魅力を語っていきます。

 

まずは表紙を飾っている獅子乃。

敬語ヒロイン・オブ・ジ・イヤーって感じの女の子です。中学三年生で真面目。家庭環境のせいでやや世間知らずではありますが、義理堅い部分もある女の子です。

ツンケンしている部分があり、そこも可愛いのですが……彼女の場合は、大吾にアプローチすると決めてからのちょい腹黒な感じも最高です。

一方でポンコツというか、抜けている面もあり、そこも魅力的なキャラとなっております。

 

続いて、「嫁」である兎羽。

彼女は序盤に自由人として描かれ、大吾を騙したとしてちょっと問題児っぽく扱われるのですが……その実情は、かなりポンコツな女の子、という感じ。

男友達っぽい気安さがあったくせに、付き合っていくとどんどん乙女っぽい部分が垣間見えてきてめちゃくちゃ可愛いぞ?みたいなキャラです(伝われ)。

実は彼女にもとある過去があるのですが、まぁそれは読んでみてください。

決して彼女が当て馬ヒロインじゃないことが分かると思います。

 

 

さて、ヒロインの次は主人公の話もしておきましょう。

御堂大吾。

今作の主人公となる彼は最初「あれ、ダメな奴じゃね?」「しょうもないな……」というところから始まり、若干「バカなのでは?」って面は終始続いていきます。

ですが、その要素がものすごく魅力になってるんですよね。

人を信じられる強さ、迷っている人に手を差し伸べられる優しさ、みたいな。

魅力がないように見える主人公に魅力を付加するために使われるありがちな文句ではなく、人物造形として上手く「いいところ」と「そのいいところが裏目に出てしまう悪いところ」を練り込んでいると言えるでしょう。

これも後述しますが、大吾のいいところを必ず大吾以外の視点で描く、というのがよかったです。これは文章だからできる表現だと思いましたね。

大人なんですが会社勤めとかではなく、アパート経営をしながらたまに探偵業を、みたいな感じらしく。なんかその設定が妙にフィクション感があってよかったです。物語を読んでる、って感じでした。

 

こんな感じで魅力的なキャラクターがいる今作。

サブキャラも実に濃いので、飽きることなく一冊を読みきれます。

 

 

3.視点移動

何度も言ってしまう形になって申し訳ないんですが、この作品は「上手い」です。

もちろん面白かったですし心も動いたんですが、何よりも「上手いなぁ……」と思わされました。

その要素は大きく分けると三つです。

一つは設定の上手さ。もう一つはキャラクター造形の緻密さ。

ここはこれまで触れてきましたね。

残りが視点移動の話です。

 

今作では大吾・獅子乃・兎羽の視点が入れ替わりながら進みます。

個人的にキャラクターの外面(骨格的な意味)がまだ定着していない一環で視点移動を多用すると混乱を産むだけだと思うのですが、今作ではそういったことがありませんでした。

視点移動がスムーズかつ、そのタイミングが適切です。「ここでこのキャラの視点にうつってほしいな」と思うような場所で、ちょうど移動してくれます。おかげでほとんどラグなしで読み進められるんですよ。

そのうえで、この視点移動がやや処理しにくい設定をラブコメに昇華していると感じました。

「前世」の設定はそれ自体がウェイトとして重くなりすぎてしまい、いつヒロインがその記憶を思い出しているのか、その記憶に対してどう思っているのか、といったことがぐちぁぐちゃしてしまいかねません。そのうえ離れた要素のことが描かれるので、読みながら「この物語はどこに向かってるんだ?」状態になるおそれもあります。

今作では「前世」のヒロイン、「今世」のヒロイン、「前世」の主人公、「今世」の主人公といった感じで「前世」と「今世」を個人の内面の物語のように描くことで、最終的な焦点が“今の恋心”に当たっているように思います。

これは前述した「前世」を史実ではなく感情として描くというのと似ている話です。これが主人公視点のみの話ではどんなに感情を描いても史実的な要素が強まってしまいますが(もしくは逆に過度なポエムチックになり、物語としての位置づけが弱くなるか)、ヒロイン視点での「前世」が語られることで、見事に物語に詰め込めています。

 

一方で「前世」がクローズアップされるあまりに「今世」が弱くなる、という問題もあります。もっと分かりやすく言えば、「前世のことは分かったけど、今世のヒロインって別に可愛くなくね?」みたいな。主人公にとって特別な存在でも、それが読者に伝わらない、ということはしばしばあるでしょう。

視点移動はそれを解消する役割も果たしています。

 

どうしても主人公視点のみでは、ヒロインの魅力を描写しきれない部分があります。

照れかデレでしか表せない、と言ってしまうと極論かもしれませんが。

ヒロインの一人称により、主人公が知らない事実を描写できますし、ヒロインが心の中でしている可愛らしい葛藤を覗くこともできます。これが絶対に大きい。さらに、ヒロイン視点から主人公を描くことで、主人公視点で良さを描くよりも効果的に伝わってる部分もあるでしょう。恋する女の子の眼鏡を読者につけさせてるわけです。

 

こういう意味で、今作において視点移動はものすっごく活用されていると感じました。ほんと、上手い……。

 

 

4.まとめ

今回は久々に少し書きました。

びっくりするほど巧かったんですが、そもそも作者様がシナリオライタをやっているとのことで。そりゃそうだな、と思いました。あらすじを読んでいたら冴えカノのタイトルが出て思い出したんですが、読んだ後の感覚はなんとなく冴えカノのblessing software の一作目のゲームっぽいのかもしれないです。現代ではファンタジー要素がないので、やや違いますけど。

 

いずれにせよ、今後の展開が気になりますね。

9月には早くも二巻が発売とのことです。電撃さんは最近、一巻だした翌月とか翌々月に次を出して畳みかける、みたいな手法をとることがありますね。楽しみです。

 

 

 

 

そして、ここからはちょっとだけネタバレ。

その後は挨拶をしてるだけなので、未読の方はここでブラウザバックすること推奨です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的にはP286~287の部分が最高でした。

全部文字を揃えてずらーって並べるあの口説きのシーン。

空いたスペースに、絵が浮かび上がってくるような錯覚をうけました。あそこから、物語が一気に進んでいくのが最高です。

明かされる「前世」の事実。

そこからの――。

ここからどうなるのか、楽しみでしょうがないです。

名作に出会えました。

 

 

それでは、今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

【雑記】継母の連れ子が元カノだった9【感想】

今回はツイートしようか迷った内容を、ちょっと長くなったのでブログに雑記として乗せます。

いつものようなブログの体裁ではないのでご注意を。

『継母の連れ子が元カノだった9』はこちら⬇

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この巻がシリーズの中で【圧巻】と言えると思う。
再婚同居系には後続作が様々あれど、この作品がたどり着いた場所に来れる作品は少ないと思う。

「尊敬」
たった二文字の、しかも永遠の愛やら本物の気持ちやら、ロマンティックで劇的なワードってわけじゃない言葉が、ぴたっとハマってる。
そうだよな……そうそう……
4巻が結女、6巻が水斗回と定義するならば、今回はそれらが交差する9巻なわけで。
二人が比翼の翼となり、9巻の先の10巻にいくのは、4+6=10の計算式が浮かんで、憎いなぁ……と思った。たまたまだろうけど。

 

水斗と結女といさな。
三人の視点が中心になりつつ、これまでの話でひと段落ついたカップルたちの挿話によってテーマと世界が広がり、クローズドでありながらオープンな「問い」の巻になってた。

なんかこう、端的に「この話のために計算してただろ……」って思わされるね。特に生徒会周りは、そんな感じがする。かといって舞台装置的な存在でもないんだけどね。

 

何より上手いのは、視点転換。
シーンの切り替えが多用され、しかも会話の中では地の文が削ぎ落とされ、物凄くリアルタイム感があった。
「こっから盛り上がるぞ……!」ってアピられるから、否応なしに盛り上がるし、のめりこむし、抜けなくなるのよね。

 

あとね、ぼかぁ、男子の会話が好きなのよ。特にこーゆう、カップリングが固まってるアレ。
ほんと大好物です。幼馴染カップルラブい。

 

まぁ何はともあれ、一つの区切りというか、スタートラインに立ったって感じはする。

ただ絶対に試練は残されていて、ほかの主要キャラもゴールにはたどり着いてない感じ。

ここからどうなるのか、楽しみ。

 

何はともあれ「尊敬」の二文字を出してきたのは天才だと思った。

うん、それに尽きるかな。

今回は以上です。

 

かなりいつもと違う内容&文体も違うんですが、新作以外はこんな感じで「雑記」と称して感想文を書いていくと思います。

それでは今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました。

【常敗の不死鳥】青春絶対つぶすマンは俺に救いはいらない。2【感想&おすすめ】

 こんにちは、とこーです。

 今日は……今日は待望の、青春絶対つぶすマン2巻の発売日でしたっ!

 というわけで読んだので感想を書いていきます。

 1巻未読という方は、マジで面白いので読んでください。

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1.帰ってきた“痛”青春

 青春絶対つぶすマンは、私が中学生の頃に刊行された青春ラブコメです。当時は「俺ガイル12巻と同時発売の似てるラブコメがあるな」→「俺ガイルが延期? じゃあこっちを……」みたいな感じで手に取り、本気で面白くて感動しました。

 今作を一言で言えば、ダメな奴らの負け犬系青春ラブコメだ、と言えるでしょう。

 社会不適合とも言える、ダメな部分がある彼ら彼女ら。

 そんな彼ら彼女らの織りなす残念系青春ラブコメが魅力だったわけで。

 

 では、2巻はどうだったのかというと……。

 好きだったゲームの続編が出た、みたいな感覚に陥りました。

 1巻の続きの世界が描かれていることへの感動もあるんですが……それ以上に、どのキャラも変わってないのに変化していて、明らかに1巻と違うのに同じだって思えたんですよ!!

 5年経っているんだから、1巻と全く同じかと言えば違うんですよ。癖とか、そういうのが何となく違う。一瞬違和感を抱いたのは否めません。でも、その違和感に嫌悪感が混じらないんです。帰ってきた、という喜びが上回るんです。パワーアップしてやがる……と苦笑いになるくらいの魅力があるんです。

 

 もうほんと大好き、ってなりました。

 

 

 

2.新キャラ・仲里姉妹

 今回のメインとなるのは、なんといっても仲里姉妹です。

 何を取っても優秀で、どこまでも勝者な姉の芹奈

 姉に敵わず落ちぶれたビリギャル、仲里杏奈。

 この二人がいいキャラをしてるんですが、まず言いたいのは姉の芹奈さんですね。口絵とかを見て、もしや、とは思っていましたが、やっぱりこのお方は“あの人”でした。もろ1巻と繋がってるじゃねぇか!!!! それどころか1巻の冒頭の重みががっつり変わるじゃん! と私は言いたい。5年ぶりの2巻でやることですかこれ???

 

 どこまでも負け犬な狭山にとって天敵である、強者。それこそが芹奈なわけですが……彼女の言葉は、作中でも言われているようにすごく正しいです。

 ライトノベルでも、最近は彼女のような言説が増えてきていますね。ひねくれ系から一周回って、やっぱり前を向こう、って感じの流れになっているんでしょう。

 芹奈と対面した狭山の態度は、だからこそ余計にぐっときました。

 

 一方の杏奈は「うん、お仲間へようこそ」って感じの奴でした。

 ところどころ応援したくなるのに、適度にダメ人間をやってるっていう……。

 でも素直で、真っ直ぐで、愚直な女の子だな、とは感じました。

 後述しますが、笑顔の敗北宣言は死ぬほど綺麗でした。

 

 特に杏奈については1巻で登場した既存のダメ人間たち(酷い言い方)との絡みもあって、それが面白かったです。

 小野寺の新しい一面も垣間見えましたしね。

 

 

 

3.負けて生きること

 この作品は前述したように、負け犬たちの物語だと言っていいでしょう。

 1巻で負けと向き合った小野寺にとっても、それは例外ではありません。

『続・何もかもめんどくさい夜に』は、1巻の正当続編たる物語だったと言えるでしょう。夢破れ、立ち向かうことを諦め、負け犬と相成った小野寺。でもそれは楽になることではなく、むしろ辛いことで……。

 負けて生きていくことの辛さが、そして救いのない“負け”という現実が描かれていました。

 なんというか上手く言えないんですけど、この話が本当によかったんですよね……。

 エモい、とは違うと思うんですよ。

 悲しいでも切ないでもなくて、一言だけ言うなら綺麗だな、って。

 負けて生きていく灰塗れのシンデレラは綺麗だな、と思ったりしました。

 

 そして、その負けを背負っていくことの尊さが今回も描かれていたように思います。

 人のせいにするな、と。

 ダメで、負け犬で、どうしようもないのは自分だ、と。

 でもその苦しさだって……。

 正直、そんな狭山の言葉にはすっごいグッときました。

 

 最後の芹奈とのやり取りも、すっごいよかった。

 頑張ることはもちろん素晴らしいんですよ。だから、頑張ってる横で頑張らない存在は悪だし、頑張ってる奴らを馬鹿にしたり、足を引っ張ったりするようなキャラはどんな作品でも悪い奴として語られる。頑張ってる奴が恥ずかしい、みたいな空気を作るキャラは紛れもなく悪なのでしょう。行く先は破滅で、どうしようもなくて。

 それでも、この負け犬の遠吠えが愛おしく思えました。

 

 ……と、何となくまとめてみましたが、語り切れてないポイントばっかりで消化不良巻は否めません。

 なんかうまく言えないんですよね。

 ただ、確実にこの作品を読まないと得られない“何か”があるのは確かなわけで。

 その独特さが魅力だなぁ、とは思うのでした。

 

 

4.まとめ

 きっとこの2巻を、また何度も何度も読み返すんだな。

 読んでいる途中、そして読み終わった後の第一声はそれでした。

 5年越しの2巻。

 1巻をより深め、解像度を高め、敗北の二文字と向き合った物語だったんじゃないかと思います。

 真っ直ぐで、明るくて、明日のエネルギーになるようなお話も大好きです。勇気を貰えて、希望を貰えて、前向きになりたいです。

 でもその一方でこの作品みたいなお話も、絶対に必要だと思うんです。少なくとも私は、正しく在り続けるなんて無理なので。

 個人的にはサイダーガールの『足りない』を聞きながら読み直したいと思える作品でした。

 

 

 それでは今回はここまで。

 どうにも拙くなってしまって申し訳ないです。鍛えます。

 ここまで読んでくださってありがとこーございました。

 

 

 

 ……それはそれとして3巻も読みたいなぁ…10年待てばいけるかなぁ……

【新作試読】隣の席の元アイドルは、俺のプロデュースがないと生きていけない【紹介&感想】

 こんにちは、とこーです。
 今回は『隣の席の元アイドルは、俺のプロデュースがないと生きていけない』を試し読みしたので、徒然と思ったことを書いていきます。本気で面白かったので、ぜひ試読してみてくださいね。

 公式サイトはこちら
fantasiabunko.jp


 BOOK☆WALKERのリンクも貼っておきます
bookwalker.jp

1.どんな作品?

まずはこの作品の概要をば。
この作品は5月20日に富士見ファンタジア文庫から発売予定の作品です。
作者は飴月先生。『君のせいで今日も死ねない。』の作者さんですね。
イラストは美和野らぐ先生。すっごく綺麗なイラストを描かれる方で、絵画的なタッチにうっとりすること間違いなしです。

とはいえ、私自身はこの作品に手を出すのか少し迷っていました。
今はラブコメ飽和、と呼ばれる時代。特に一対一の純愛ラブコメが跳梁跋扈していて、若干食傷気味です。
この作品もタイトル的に一対一のラブコメっぽいので、少し迷ってました。
ですが……この作品、富士見ファンタジア文庫さんがかなりプッシュしてるんですよ。
4月からずっとツイッターのほうで宣伝ツイートをしていたり、なんと『ホワイトアルバム2』や『冴えない彼女の育てかた』の作者である丸戸史明先生からコメントをもらっていたりして……期待値がぐんぐん上がっているわけです!



2.どんなキャラが登場する?

公式サイトを見てもわかるのですが、どうやらこの作品はヒロインが3人いるっぽいです。
一人は『隣の席の元アイドル』である香澄ミル。
もう一人は幼馴染の現役アイドル、白樺冬華。
最後が同級生の委員長でアイドルオタク、久遠琴乃。
おそらく単なる当て馬ってわけじゃない、それぞれのヒロインとのラブコメが展開されるのではないかな……?と丸戸先生の帯コメントや宣伝のされ方から妄想しております。


3.作品の感想

試し読みの時点で何を言ってるんだ、って思うかもしれませんが、私は本気で泣かされました。試し読みだけですでに圧倒的に面白い。今年読んだ新作だと一番かもしれないな、ってレベルです。

まず第一に、主人公が好きでした。
人生オール80点。勉強も運動も人付き合いもなんでもこなす、というある意味ハイスペックな彼は、しかし、胸に何とも言えない感情を抱えています。

 ────ずっと、何かを探している。
 夢中になれるような何かを。
 必死になれるような何かを。
 全部をささげてもいいと思えるほど、好きで好きでたまらないものを。
 (『隣の席の元アイドルは、俺のプロデュースがないと生きていけない』試読版より)


この文章を頭に持ってくることで、ずん、と主人公の核が伝わってきました。

また、言葉は悪いですが、作品の雰囲気が陰キャ主人公系のラブコメみたいになっていなかったのもよかったです。
過度な卑屈さとかが目立つと、どうしてもこの作品の雰囲気とはマッチしませんから。
イラストもあいまって、少し彩度を落としたアニメ映画を見ているような感覚に陥りました。泣けるアニメ映画の最初の10分、みたいな。エモさとノスタルジーの中間のような、独特な雰囲気です。

そんな今作のヒロインの一人、香澄ミル。
彼女のセリフが本当に刺さって、私は泣きました。特に試読版最後のセリフとか……(気になる方はぜひ読んでください!)。
独特な雰囲気と鋭いセリフは、試読版の時点で彼女独特の魅力に昇華されていました。

ほかのヒロインとのやり取りは試読版の範囲では多く語られていませんが……ただ可愛いってわけじゃないのは確かでしょう。


ほかの作品の名前を出すのは憚られますが、全体的にアニメで見た『さくら荘のペットな彼女』の雰囲気に似ていました。
原作ではなく(読んでいないのではっきり言えません)、アニメのほうです。あの色合いやBGMの雰囲気がこの作品の冒頭を読んだときの雰囲気と噛みあっていました。

4.まとめ

色々と言いましたが、要するにこの作品は買いですよ、ってことです。
まあSNSを見ると、私みたいに一対一ラブコメに食傷気味な人は少なくて、むしろ複数ヒロインのほうが負けるのを見るのが嫌……って方もいるっぽいですが。
でもこの作品、主人公とヒロインたちの恋の過程を丁寧に描いてくれる良作ラブコメだと思います(試読の勝手な感想)。
ちなみに略称は #となドル っぽいです。
丸戸先生曰く、「みんな超重い」らしいので、そういうのが好きな方はぜひ読んでください……!
っていうか、絶対この手の作品は長期シリーズになったほうが解像度が上がるので、みなさん買いましょう!!!!!!


以上、とこーでした!
今回はここで終わりです。
読んでくださってありがとこーございました~!

『天使は炭酸しか飲まない2』感想

こんにちは、とこーです。

ブログ更新が本当に久々すぎて我ながら苦笑気味なのですが……。

今回は楽しみにしていた新刊、天使たんこと『天使は炭酸しか飲まない』二巻の感想を書いていきたいと思います。

ネタバレありになると思うので、未読の方は要注意です。

一巻のおすすめ記事を貼っておきます。

toko-96463.hatenadiary.jp

 

一巻購入はこちらから↓

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1.第一印象は「化けたな」

今作はびきょりの作者様の新作であり、タイトルや表紙に惹かれるところもある……ということで、一巻を読み、ブログを書いた作品でもあります。

つまり一巻の時点でものすごく面白かったのですが……二巻を読んでいて一番に思ったのは、「一巻からのパワーアップがすごっ」ということでした。

これは、一巻がつまらなかったとか、一巻より二巻のクオリティが高いとか、そういう単純なことではないように思います。一巻で描かれ、変化した登場人物たちの関係を前提とした二巻だからこそ描ける面白さが溢れていました。

 

特に湊の描写ですね。

一巻でのあれこれがあったからこそ、湊の感情には要注目なわけで。

ラノベチックな描写をする一方で繊細に扱うべきところは繊細に扱っているのがまた、一段階上の青春ラブコメって感じがしました。

 

これは、伊緒の天使業についても言えることでしょう。

伊緒がどういう心境で天使の仕事に向き合っていて、どういう人間なのか。それを一巻の湊の事件を通して描くことで、天使の仕事自体にじんと染みる魅力が生まれていました。

 

それとは別に、一巻よりも日常に根付いた要素が強い案件だった、ということも二巻の面白さの理由の一つだと感じます。惚れ癖案件(言い方)も面白かったんですけどね。

 

総括して、二巻で更に化けた作品だ、と言いたいと思います。

 

 

 

2.ヒロインが可愛い問題

先述した部分もありますが、二巻でヒロインの魅力がさらに増してるように思います。

一巻を経た湊もそうですよね。

でも私は言いたい。

日浦、神ってないか、と。

ボーイッシュというか、男友達っぽいキャラである日浦を変に急に乙女にするわけではなく、あくまで日浦の性格自体は変わらないままでここまで可愛く描けるのすごくない?

かっこいいし、可愛いし、めちゃくちゃ最高になってるんですけど?

言動の塩梅が絶妙すぎるんですよ。

伊緒視点の地の文、藤宮や湊視点での描写etc……外的要素と組み合わさることで、最高に尊い存在になってる気がする。好きです。うん、推しですわー。

 

そして、そんな日浦と湊とのやり取りもツボでした。

一巻はそういうのもあんまり見られなかったですしね。関係が開いて繋がっていくのは青春ラブコメの醍醐味ではないかと思います。

 

 

 

3.綺麗な決着

二巻は、本当に決着が青春だった、と思います。

最後に向けてだんだんとヒントを散りばめ、そのヒント自体にどこか切なさを纏わせて物語が進み、最後に……という流れが最高です。

ずるいのは章題ですわ。

目次で『だから、ただの友達に』って見たときは「あー、きっと誰かがフラれるけど友達として仲良くしたい的なことかなー」って思いましたもん。というか、最初の方やあらすじを見ると、そう感じてもおかしくないと思います(自己弁護)。

でも蓋を開けてみれば……。

この、タイトルの意味合いが文脈によって変わるのがいっっちばん好きなんですよっ!

 

伊緒の台詞は熱いし、御影は御影でいい子だし。

群像劇寄りの青春ラブコメって、こうなんですよ!

目頭が熱くなりました。

 

好きなのは、

「でも、俺はお前じゃないから、お前の友達になれるよ」

『天使は炭酸しか飲まない2』P336L1

ってところで!

BUMP OF CHICKENの『真っ赤な空を見ただろうか』って歌を思い出しました。ここ、聞きながら読んだら絶対エモいんで!

 

とにもかくにも、今回のラストは本当にいいと思うんです。

というだけのオタクの話でした。

 

 

 

 

4.まとめ

こぼれ話というか、書いていて思ったんですけど、今作は終始伊緒の行動に嫌な感じがしないのがいいですね。

そもそも伊緒自身が未熟だし、青臭いし、だからこそ情に厚いし。

善人とか悪人とかそういうことじゃなくて、“好い”奴なんですよ。

このキャラ造形は天才的だと思います。

 

と、そんなこぼれ話をしつつ。

今回はここで終わります。久々すぎて文章が雑&短いですが、まぁ、書き足りないことはTwitterとかに上げるのでどうぞよしなに。

 

心底思うのは、この作品はマジで続刊してもらいたいってことですね。

一巻、二巻とある意味同じオチで終わってますし、まだまだ伊緒自身の問題には切り込めてないですし。他にも伊緒の身内とか、もう一人の三大美女とか、掘ったら面白いところがすっごくありそうです。

っていうか、これ次が多分夏休みぐらいの期間になるわけですが、この時間経過も心地いいですね。私は一巻一か月を目処に物語が進む作品が好きなので、この作品も似たような時間の流れを感じて、結構心地いいです。

 

 

さて、ではここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

 

 

 

 

 

 

 

追伸(手紙じゃないけど)。

私はアニメイトで買ったんですが、日浦のことがさらに好きになるお話でした。やはり神は実在する……!

 

 

 

【創るラブコメ】現実でラブコメできないなんてだれが決めた?5【再起】感想

こんにちは、とこーです。

今回は、今日発売のラブだめ5巻の感想を書いていきます。

おすすめというよりはネタバレ回避のためにTwitterじゃなくてブログで書いているだけなので、今回も短めです。本当に。

けど、その前に言わせてほしい。

六巻で完結ってのが複雑すぎる!!!!

薄々気付いていたけども!

何となく、そうかなぁ、って思っていたけども!

六巻で完結するのがふさわしいだろうなとも思うんですが、それでも寂しいですね。

まぁそんなわけで、感想を書いていきます。

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1.登場人物たちとの邂逅

4巻を経て、計画を取りやめた耕平。空っぽな毎日を過ごす彼の一方で、7番さんこと彩乃も戸惑っていました。

そんな中始まる、夏休みの勉強合宿。

そこで耕平と彩乃はそれぞれ登場人物と話しました。

耕平サイドは鳥沢と常葉、彩乃はあゆみちゃんと日野先輩。

それぞれとの会話が……めっちゃよかったですねぇ。

 

鳥沢の台詞はグサグサ刺さりますし、常葉の言ってることには凄く共感できるし。

あゆみちゃんは牙を抜かれたチワワだし、けど真っ直ぐだし。

日野先輩も奔放で、ヒロインやってるなぁって感じでした。

同時に耕平サイドでは、今まで溜めに溜められていた男キャラたちの内面がぐっと描かれてもいましたね。

 

有能イケメンキャラと親友キャラ。

そう耕平が設定しつつも、耕平が全く知らないところで生じていた違和。

めっちゃ好きでした。すっごい熱いし。耕平が感じてるもどかしさみたいなものも、すっごく尊くて好きでした。

 

 

2.メインヒロインとの邂逅、そして……

合宿の最後、メインヒロインの清里さんが彩乃と話しました。

1巻からずっと続いていたこのやり取り。

4巻を読んだ身からすると、清里さんの切なさも感じますよね。清里さんは、彩乃を本気で傷つけたくないわけですよ。耕平を自分に重ねて、きっと近くにいると傷つくって分かっているから。

清里さんは中学時代に友達を全て失ったわけで。

だからこそ、耕平には彩乃を失わせたくない。そう思ってる部分も、絶対にあるはずなんですよね。清里さんは血の通っていない存在ってわけじゃないですから。

でも、彩乃からすればそれは納得いかないわけで。

そこからの彩乃の無敵モードがやばすぎません????

めっっっっっちゃ熱いし、可愛いし、かっこいいし!

共犯者、覚醒。強すぎました。

 

 

 

3.ぶつかる二人

共犯者として覚醒した彩乃は、耕平の中学時代の同級生とアプローチをとって、当時の記憶を思い出させます。

そのシーンも色々とよかったんですが、その次で一気に吹っ飛びましたね。

屋上での再会。

そして彩乃の、圧倒的な攻め。

ぶっ飛ぶかと思うくらいかっこいいし、可愛いし、いい女だし。

『私だけの特権だ』ってヤバくない?

共犯者をやりたい、っていう意思をぶつけて。

こんなん、告白でしょ(違う)。

主人公サイドから改めて声をかけるんじゃなくて、今度はヒロインサイドからこの言葉を投げかける。それもなんかいいな、と主人公がヒロインを巻き込む系のラブコメを読んだ身としては思いますね。

あくまで、皆が主人公で。この5巻は彩乃が主人公って面が強くて。だからこその、この場面でした。

 

 

4.動くラブコメ、始まる真・計画

耕平が再起してからは、もう真っ直ぐですよ、真っ直ぐ。

一気にラブコメ突入。彩乃の家に行って料理食べて、家族に紛れてって……現実でラブコメできちゃってるんですけど??

こんなに容易くラブコメができるなんてことがあっていいのか……?

っていうか、親御さんのキャラが強すぎる笑

そりゃ、彩乃も悩みますわ。個性強すぎるでしょこの人たち。

まぁもちろん、親御さんへの挨拶に行ったわけではなく、あくまで真・計画のために話をしにいったわけですが。

 

真・計画は、どうやらかなり狂ってますね?

アプリ開発? 数か月単位? みんなのラブコメ

予想できるような、予想できないような……。

言えるのは、どう考えてもとんでもないことをやろうとしてるってことだけですね。学校を巻き込んで、一体何をやるのやら。決行は学園祭っぽいですからね。

 

にしても、彩乃とのラブコメがラブコメなんですけど(語彙力)。

真・計画での、耕平にとってのメインヒロインは誰なのか。

彩乃か?と考えたいところですが、清里さんも清里さんで苦悩してますし、その苦悩を分かってあげられるのも耕平なのでは?って感じがします。

いずれにせよ、最後の最後には清里さんをも巻き込んで、皆が笑顔になれる現実を創ってほしいところです。

次回、6巻が最終回。

学園祭。ラブコメの始まりを期待してます。

 

 

 

5.まとめ

ということで、今回は終わりです。

ようやく希望が見えたと思ったら次回が最終巻ってことで、嬉しいような、寂しいような、複雑な気分ですね……。

でも物語的に考えると、清里さんとの話に決着がつくのが綺麗な完結なので、当然と言えば当然なんですよね。うん、何となく予想はついてました。

好きなシリーズの完結は寂しい……!

次回を楽しみにしつつ、既刊を復習していきたいと思います。

 

それではここまで読んでくださってありがとこーございました!

【カラフルなビー玉】千歳くんはラムネ瓶のなか6.5【短夜を彩る長篇集】感想

こんにちは、とこーです。

本日はお察しの通り、チラムネ6.5巻を読んだので感想を書きます。

と、言っても今日は短いです。Twitterだとネタバレになるからブログに書くよってだけなので。

つまり、こっちではガンガンネタバレします。

未読の方はご注意を。

 

 

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1.一章~恋が、友情が、やべぇ……~

一章タイトルは『八月の夜に結んだ十年前のゆびきりげんまん』

このタイトルからしてエモいんですけど、登場するメンツも凄いんです。

この話は主に、悠月と夕湖の二者の視点で進行しますが……そこに、なずなも入るんですよね。

まずわかると思うんですけど、悠月となずながしっかり友達になるんですよ!

二巻で色々あって、お互いに複雑な感情を抱いている二人!

その二人をあっさりと結んでしまう夕湖!

これは悠月自身も思っていましたけど、敵わないですよね、ほんと。

一章は、悠月と夕湖、それぞれの想いが金沢旅行を起点として描かれていくんですが……。

まずね、悠月。初っ端から入りがズルいんですよ。鏡よ鏡、みたいな。メルヘンチックって言い方はあれですけど、乙女的というか、物語的というか。朔との会話でもよく出ますけど、そういうノリで話が進んでいくのがもうすっごくいい。

白雪姫とお妃様、っていう対比構造とか。

悠月の中では、夕湖は特別で、強い女の子なんですよね。そんな夕湖への嫉妬にも似た感情とか、気持ちの揺れ動きがやばくて……。

何より、一枚目の挿絵がやばかった!

綺麗すぎるし、魅力的すぎる。魔女ですよ、うん。

 

で、そんな悠月とは対照的な夕湖。

彼女は五巻・六巻で失恋をしているわけなんですが……。

六巻の出来事があくまでなかったことにはならず、でもだからこそ、と進んでいく様がめちゃくちゃよかったんです。

朔との電話のシーンはやばかったぁ……。

それに、夕湖が悠月となずなに色々と話すのもいいんですよ。話せるところが、本当に強い。夕湖にとっては当たり前のことなのかもしれないけれど、とっても強くて、眩しくて、魅力的な部分だと思うんです。

おでんのシーンも!

この夕湖の夕湖さは、唯一無二だし、眩しくてすっごく愛おしいと思います。あそこで、惚気てって頼める女の子がいます?

 

夕湖が二人に話すシーンでは、なずなもめっちゃいい子だったんですよね……。

あそこで炊きつけてごめんって謝れるんですよ?

超いい子じゃん! しかもその後、ネタにしちゃえるところとか。夕湖とは違う、雑さとも奔放さともつかないところがいい! 最高の女友達って感じで、悠月と夕湖と三人でずっと仲良くしててほしい……!

 

悠月にしろ夕湖にしろ、きゅっと胸が痛くなる場面はあるんですけど、ドロドロには絶対にならないんですよね。

ドロドロしそうになると、ううん違うよね、ってなる。

どこまでもこの子たちはいい子で、真っ直ぐであろうとしていて、それは恋を介しても変わっていなくて。そんなところが好きでした。

 

 

 

2.二章~夢と夜と~

二章タイトルは『やがて涙で咲かす花』。

メインとなるのは明日姉でした。お父さんの伝手で編集者の人と話すことになり、朔くんと一緒に色々と話すことになる……という感じ。

一章とは打って変わって、恋よりも夢に重点が置かれたお話でした。

編集者を目指すことになった明日姉。

そんな彼女の、挫折と未来が描かれていた話で……。

 

むっちゃ刺さったんですよ、これ!!!!!!!

 

いや、刺さらないわけがないんです。だって私、将来編集者になりたいと思ってますし。三巻が凄く好きで背中を押されている私としては、本気でYELLだって思いました。

三巻の、まさに延長線上にあるのがこの話だと言っていいのかもしれません。

夢を追いかけて進む明日姉。夢を追うことの大変さを実感し、それでも前に進んでいく。そんな明日姉の姿は、とっても眩しくて心に残りました。

涙を流すあのシーン、やばいでしょ?

すっげぇ泣きましたね。わんわん泣いた。『.5』巻ってなんだよ、って話ですね。三巻を読んだ人間が、じゃあこの話を読まなくていいのかよ、ってレベルです。

 

あと、地味にお父さんが好きすぎる。

明日姉パパ、がんばれ。

朔の話って今回あまり描かれないんですが、それでも最後の方でタッチしていたのはこの作品の読者として嬉しかったです。

野球をやるのか、それとも……。

五巻あたりから提示されていた問題ではありましたけど、最後には語られるときがくるのでしょうか?

恋と生き方は地続きだと思っているので、その辺も楽しみです。

あと、個人的には『人恋しいのか君恋しいのか不確かなまま。』という一文が天才だなって思いました。これ、冬のココアかなんかのCMで使えるフレーズじゃない?

 

 

3.三章~家族っていうか……ぉい~

三章タイトルは『彼女と彼の椅子』。

メインとなるのは優空ちゃんなんですが……一つ言いたい。

この話で急に一番正妻しすぎじゃない?????????

悠月、夕湖、陽は電話越しだし、明日姉は夢を追うために一緒に見学に行った感じなわけで。

優空ちゃんの回だけ、急に恋愛ストーリーになってるんですけど?

可愛いが爆発してる回でしたが何か?

 

市場に買い出しに行って、もはや夫婦のようにメニューの話をして。

かと思えばお菓子を選んで。

親御さんへの挨拶までしちゃって……。

しかもこれ、全部優空ちゃん視点なので、朔くんがイケメンすぎるっていうね。ヒロイン視点での朔くんがイケメンになるのは分かるけど、それにしたって優空ちゃんフィルターのそれが少女漫画すぎる。

いちいちキュンキュンしちゃったよ……。

 

と言いつつ、しっかり根柢のところにはお母さんの話も入ってたんですよね。

お母さん、そして家族の話。

特別を選んでいなくなったお母さん。そんな風になりたいわけじゃないけれど、それでも共感できる部分もある。譲りたくないものができた。

そんな優空ちゃんの話は、もう、ね……?

そして朔くんの椅子ですよ。椅子のプレゼント。ズルいね、朔くん。気障男。イケメンすぎるし、惚れるわこれ。

でも何よりズルいのは挿絵だと思いません?

優空ちゃんが椅子に座った挿絵。あれ、絶対にスペース的に顔全部描くことだってできたはずなんですよ。なのにあえて一部分を描かないの。で、凄く日常を感じる。ああ、この子にとってこの椅子のプレゼントが凄く嬉しかったんだろうな、って一目で見て分かる挿絵。こういうのを、『挿絵』って言うと思いません?

鼻唄とか聞こえそうじゃないですか。それこそ、『おかあさん』の歌とか。

いつかお母さんともう一度会ってほしいな、って思います。

それで朔くんを紹介する。そんな日が訪れるといいな。

 

 

4.四章~恋は弱さか、強さか?~

四章タイトルは『かかげた両手に花束を』。

メインは陽で、舞や美咲先生なども登場した完全なスポコン回でした。

話の核になったのは、恋をした自分が弱くなったんじゃないか、というところでした。

バスケに全てを捧げていた頃と違い、朔への恋心を自覚し、意識する瞬間が多くなった陽。だからこそ気が抜けて、弱くなってるんじゃないのか? そんな風に悩みつつ、先輩に揉まれる話だったわけですが。

 

美咲先生、いい先生すぎないですかね?

俺ガイルで育った身としては平塚先生みを感じますし、絶対仲良くできると思うんですよ。美咲先生と結婚できる世界線はどこですか?って感じ。

バスケの描写は熱くて、四巻の熱が戻ってきたーーって感じでした。

が、まぁ、やっぱり陽らしさを感じたのは朔との電話の後ですよね。

朔の生き様を馬鹿にされるのは許せない。そんな熱さを持てる陽は、本当にかっこよくてやばいです。

 

ちなみにスポーツ描写自体は、スポーツをあんまりやらないのでイメージできてないところも多いです。

ですがイメージできなくとも熱を感じられますし、想いと想いのぶつかり合いって感じが凄くかっこいいですからね。

戦士じゃなくて戦う女。

ファイティングガールズの話も、すっごいよかったです。

 

 

 

5.まとめ~『.5』だけども~

書いてたら意外と長くなったなー、短く済ませるつもりだったんだけどなー、と思いつつ。

最後にまとめておきます。

『長篇集』と銘打たれた今回は、明言されていたように、話は進みませんでした。

それどころか朔視点はゼロで、男メンバーは朔以外ほぼ登場しません。名前くらいですね。まさに『ガールズサイド』って感じの話ではあります。私自身、もうちょっと朔が登場するかも、と思ってました。けど実際には一章・四章では電話オンリーでの登場になるくらい、登場してません。

じゃあ、読まなくていい話なのか。

物語に関係ない、言ってみればファン御用達のファンディスクなのか。

それは、否だと言えるでしょう。

まさにこれは、前半戦の締めくくりであり、続編と言えるのではないでしょうか?

前半での夕湖と悠月の話の、完全なる続編が一章だ、と言ってもいいような気がします。

告白した夕湖と、偽の恋人だった悠月。二人の恋の話だと言っていいでしょう。

三巻の正当続編が二章だ、と言われれば首を傾げる人は少ないと思います。

六巻の優空の話の続編が三章でしたし、四巻の陽の話の続編が四章だったのは言うまでもないですね。

もっと単純な捉え方をするのであれば、二~六巻で開放された5人のヒロインのルートを全部一気に進めてる感じです。

それぐらい、それぞれの話と繋がっていたように思います。

裕夢先生、本気でノベルゲームをやろうとしてません?って言いたくなるレベル。

 

そして、そんな話だからこそ、最初から読み進めていった身としては全部が尊いんですよね。

夕湖と悠月となずなが旅行にいくだけで泣けます。夕湖も、悠月も、お互いがお互いの事情でそういう青春に手が届かなかったわけですからね。

明日姉が夢を追いかけている姿は泣けるに決まってます。三巻を経て、夢を選んで、明日に向かって進むと決めた明日姉。その姿は愛おしいです。

優空ちゃんと朔くんの時間だって、嬉しくてしょうがないです。優空ちゃんにとって、それがどれだけ特別なのか、痛いほどわかってしまいますから。

陽が四巻でたどり着いた先。だからこそ抱える懊悩も、それを燃やし尽くすような熱を持っていることも、嬉しくてしょうがありません。

いわば、前半戦で彼女たちが手に入れたもの。

その手に握ったビー玉の月を、改めて空に翳し、手を伸ばしなおす。

そんなお話だったのではないでしょうか?

 

というわけで、チラムネファンとして言いましょう。

『.5』巻系はあんまり読まない、という人の気持ちも理解できます。どこか外伝的で、スピンオフっぽくて、そこまで熱いファンじゃないからいいかな、って思うかもしれません。私もそう思ってなかなか手が伸びない作品はあります。

でもこの作品で、一~六巻を読んで心揺さぶられたのならば!

絶対に今回の話は読むべきです。

っていうか、今回の話を読まないで七巻に行くのと、きちんと今回の話を読むのとでは、物語としてのレベルが全然変わると思います。マジで、完全なる主観ですが。

 

そんなわけで、今回はここで終わりにしておきます。

毎度のようにチラムネの新刊は、「初期から読んでるから贔屓目で見てるんじゃね?」と疑心暗鬼になるんですが、今回もその疑心暗鬼が余裕で吹き飛ぶできでした。やっぱり、チラムネは青春です。

 

では、ここまで。

最後まで読んでくださってありがとこーございました。

【堂々の名作】『この△ラブコメは幸せになる義務がある。』感想&おすすめ

こんにちは、とこーです。

春が近づく今日この頃。皆様はいかがお過ごしでしょうか?

私はと言えば……久々にめちゃくちゃ好きな作品に出会えて舞い上がっております!

 

そんなわけで今回は電撃文庫の新作『この△ラブコメは幸せになる義務がある。』のおすすめポイントを書いていきます。

ネタバレは程々にしますが、気になるよって方はまず買って読むことをおすすめします! めちゃくちゃ面白いので!

 

 

 

 

1.どんな話なのか

まずはあらすじを紹介した方がいいでしょう。

ブコメ史上最も幸せな三角関係! これが三角関係ラブコメの到達点!

「なんであんたが麗良に好かれるのよ!?」
 平凡な高校生・矢代天馬は偶然にも、同じクラスのクール系美少女・皇凛華が彼女の幼馴染の清楚系美少女・椿木麗良を溺愛していることを知ってしまう。
 そこから天馬は、凛華が麗良と仲良くなれるよう協力することになるのだが──。
「矢代君が凛華ちゃんと付き合ってないなら、私が彼女に立候補しちゃおうかな?」
「矢代、あんたなにしたの!?」
 その麗良は天馬のことが好きになり、学園の美少女二人との三角関係へ発展!
 複雑に絡まったこの恋の行方は……!?
 第28回電撃小説大賞《金賞》受賞! ラブコメ史上、最も幸せな三角関係が始まる!

(公式サイトより抜粋)

丸々の引用になってしまって申し訳ありません……。

ストーリーは上記の通りです。

作中に登場するヒロインは二人。

一人は可愛くて清楚系でロシア人の血が混じった少女、椿木麗良。

もう一人はスレンダーでクール系の少女、皇凜華。

凜華は麗良のことをめちゃくちゃ好いています。性的な意味でも、恋愛的な意味でも。しかしずっと想いを秘めていて……主人公の矢代天馬はその事実を知ってしまうわけです。

ひょんなことから天馬は麗良に興味を持たれ、そこに目を付けた凜華が天馬に恋の支援を依頼(命令)。天馬は色々といいつつも彼女の想いに動かされ、応援することに。

 

と、この辺のストーリーを聞いてると、まさにラブコメ!って感じがしますよね。

私は少し前にようやく履修してわんわん泣きながら見ていた『とらドラ!』を思い出しました。恋の手伝いって、なんかラブコメ感ありません?

そこでクールで粗暴な少女の意外な一面を知って……みたいな。

ありがちというか、復古的というか、王道な感じがします。このままこの応援で色々と取り組んでる二人がくっつくまでがテンプレなんですよね(言い方)。

 

しかし、この話はちょっと事情が違う!

第一に、『△ラブコメ』なんです。

あくまで彼らの関係は三角形で、しかも幸せになるのです。だからこそ恋の手伝いもただの手伝いではなくて、色々とあるんですよね……。

まぁその辺は二巻、三巻と続いていくことで出てくる魅力なのでしょうが。

 

ともあれ、恋の応援をきっかけに学園の二大アイドルの知られざる一面を知って距離を近づけて……っていう、男の子も女の子も望んでるストーリーが詰まっています。

そういうのが好きならマストリードです!

 

 

 

2.キャラクターの魅力

ブコメといったら、肝心なのはキャラクターの魅力ですよね。

もちろん他のジャンルでも大切ですが、ラブコメの場合はキャラたちの掛け合いがメインになるわけですから、当然重要度は増します。

この作品はその面でもめっっちゃよかったので書いていきます!

 

まずは皇凜華。

黒髪スレンダーな美少女です。この後に紹介する椿木麗良と二大アイドルのような扱いを受けているのですが……彼女の場合は周囲に冷たく、厳しく当たるので『飴と鞭』の鞭側を担っているようです。彼女に折檻を食らうのをご褒美と捉える……みたいな感じ。

軽音楽部に属し、作曲は容易にこなすし、ギター以外にも色んな楽器を上手くこなせる少女。そういう意味では天才と言えるでしょう。事実、母親は有名なピアリストだったようです。

……容姿や態度も含め、某作品の天才ピアニストが頭によぎりますが、まぁそれはさておいて。

周囲から『クール』だと思われている彼女ですが、それはあくまで周囲からの印象。

実際には恋に真っ直ぐで、幼馴染の椿木麗良のことが大好きで、不測の事態が大の苦手で取り乱してはとんでもないことをしてしまう……という部分がある可愛らしい女の子です。

彼女の恋心は真っ直ぐで、不器用さが愛らしくて、上手くいって喜んでるところとかも可愛くて……って感じのキャラです。

 

 

続いて、椿木麗良。

こちらも魅力的な女の子です。ブロンドヘアーでゆんわりとしたスタイルの女の子。ロシア人とのハーフらしく……まさに慈母、聖女って感じの外見ですね。

その見てくれに反さず、彼女は性格面でも聖女感が凄いです。

困っている人がいたら助け、生徒会、広報委員などなど、色んな役職を掛け持ちして頑張っている子のようで。飴と鞭の『飴』の方を担うわけですね。

そんな彼女ですが……ひょんなことから、主人公に強く興味を持ちます。この『ひょんなこと』はマジで割と軽めで、しかも最近のラノベ界隈だとよくある話ではあるんですが……多分、このきっかけは何でもいいんですよね。恋ってそういうものですし。

ピュアピュアで無害そうな彼女ですが、メシマズの次元を超えたダークマター製造スキルを持っていたり、味覚が美味しい/美味しくない以外になかったり、ポンコツな面も結構あるようです。

こういうコメディなポンコツさを入れてくるところがいいんですよね……。

 

さて、次は主人公。矢代天馬です。

彼は……なんというか、なかなか解釈しにくい存在ではあります。

一言で表すのなら『ラブコメ主人公』『ギャルゲ主人公』って感じでしょうか?

過度に陰キャでも過度に明るくもなく、どちからといえば目立たない方の存在。青春が程遠いと思っている……みたいな部類です。

天馬は恋をしておらず、恋愛アンチとまではいきませんが恋をしていないのは不健全みたいな風潮には色々と思うところがあるような……そんなキャラ。

ただ個人的には、彼の魅力を表すような一節がありました。

それは三章『両手に花のパラノイア』の冒頭。

周囲から器用貧乏、向上心や努力という言葉から遠い、と言われているがそれは少し違う、と。実際には勉強もスポーツも努力していて、人の倍をやっても平均をやや上回る程度にもなれないから向上心や努力が失われていったのだ、と。

これは色んな人が共感できるんじゃないかな、と思いました。

私だってそうです。最初は向上心があって、努力だってできていて、情熱的で。けれども自分が凡人だということを自覚して、少しずつ冷めていくわけです。

そんな天馬は凜華に振り回され、恋の協力をするようになり、一巻だけでも大きく環境を変えることになります。

その日々を楽しく思っていく。

このかっこかわいさ(かっこよくて可愛い、の意)分かります!?

巻き込まれ主人公のお手本みたいな人物造形じゃないですか?

どこか冷めていた主人公が振り回されることで環境を変え、時に熱くなり、そして……って、ラブコメ主人公として理想的です!

もちろん、かっこいい行動をするところも多々あります。

麗良を助けたり、凜華を助けたり……まぁその辺です。

でもそれよりも振り回されているところでの天馬の感情の揺れ動きが好きでした。

後で書きますけど、この作品が三人称なのも彼のいい面がよく分かるポイントかなぁと思います。一人称だったらあんまり好きになれなかったかもしません。

 

 

他にも、サブキャラが何人か登場します。

凜華と天馬の間に起こった噂をあっさり沈めることでストレス展開を数ページのうちに終わりにした優男、速水颯太。友人キャラは主人公を呼び捨てにするイメージがありますが、この作品では「くん」付けなのもいいです。どっちがいいとかではなく、キャラ的に解釈一致なので。

主人公の姉、矢代渚もまた個性的です。何せしょっぱなから飲み会でお持ち帰りされなかったことを嘆いてましたからね……。かと思えば凜華にあっさり懐柔されたり、下ネタ言いまくったり、コメディを上手く動かしていました。

次に先生。相沢真琴という若干粗暴で元ヤンっぽい先生もまた、コメディを担っています。

主人公の姉とか先生とか、そういうサブキャラが面白いとラブコメとしての面白さが一気に底上げされますよね。この作品はまさしくそうでした。

他にも人物自体は出てきますが、会話が多くみられるのはこの辺ですね。

一巻では割と少なめの人数で話が回っていたので、そういう意味でも読み易かったです。

 

 

 

3.三人称が読み易い!

三人称作品というと、やや手に取るのを躊躇うことはないでしょうか?

私はあります。やっぱりラノベは主人公の一人称で、地の文でだらだらとモノローグが語られるのが面白い……って思っている節があるからでしょう。あと三人称だとやや小難しい感じもしちゃいます。あくまで印象ですが。

しかしこの作品はそっちの面でも抜かりありません。

読み易いんです。サクサク話が進み、イメージがしやすい。物語に切り抜くところとそうじゃないところを履き違えていないですし、三人称ゆえにその切り取りに融通が利くのもポイントではないかな、と思います。

一人称に近いには近いので、そういう意味では一人称ラノベのアニメを見ているような感覚が近いかもしれません。思っていることは分かるしある程度モノローグも聞こえるけど、あくまでカメラは第三者視点、といった感じ。

これが天馬の性格や全体の展開と上手くかみ合っていたように思います。

特に前半は天馬がテンパったりポンコツったりするんですが……その辺を一人称にするとくどく、そしてチープになりすぎちゃう気がするんですよね。もっと悪く言うと、「なんだこの主人公、頼りないな……」となっちゃう、みたいな。

でも三人称だとそこをコミカルに描けて、割とさっぱりした空気感にできていました(私の勘違いかもですが)。

読み易さは抜群なので、三人称って理由で倦厭するのはもったいないです。まぁ私くらいしかいないかもしれないですが。

 

 

4.恋の応援と三人の関係

恋の応援ということで始まった天馬と凜華の関係。とあるきっかけで興味を持たれて始まった天馬と麗良の関係。この男女の関係のほかにもう一つあるのが、凜華と麗良の関係ですよね。

幼馴染だった二人。凜華は麗良に恋心を抱いていて……じゃあ麗良は? そもそもどうして凜華は麗良が好きなの?

そのきっかけやお互いの想いはかなり丁寧に描かれていて、読んでいてすっごくグッときました。だからこそ一巻最後の、凜華と麗良の二人で話しているシーンはすごく切なくて、けど可愛らしくて尊くもあって、すごくよかったです。

 

絡まって、けれどとても可愛らしくて推せる三角関係。

苦々しいはずなのにコメディに上手く昇華していて、まさに『幸せになる義務がある。』だと思いました。

女の子二人の仲がよくて、主人公もそのことを嬉しく思っていて、だからこそ軋んで苦しくなる三角関係も青春ラブコメの王道でしょう。青春群像劇と言い換えてもいいですが。

でもそういう作品って読むたびに思いますよね。

「ハーレムになってくれ!!!」って。

「一夫多妻制の導入を!!!」って。

私はハッピーエンド至上主義なので、余計に思います。好き合ってる三人なんだから、もっと幸せでいっぱいになってよ、と。

この作品がどういう方向に進むかは分かりませんが、この幸せな三角関係は見守りたくなること間違いなしです。

 

 

 

5.終わりに

さて、久々に感想を書いたので拙くなってしまいました。

感想っていうかおすすめがメインでしたしね。

個人的には青春ラブコメの美味しいところが詰まってる作品だなーって思います。あと、一巻で丸々四月を描いているのも好きですね。これは共感者が絶対にいると思うんですけど、一巻で一か月くらいのペースで物語が進んでだいだい十巻前後で終わる、みたいな青春ラブコメめちゃくちゃよくないですか? リズム感がめちゃくちゃ好きなんですよ。キャラの感情の動きもそれくらいの間隔の方がしっくりきますし。

サブキャラによってサクサク回るコメディといい、ヒロインの可愛さといい、めちゃくちゃ巧いんですけど……その言葉はこの作品にはあんまり使いたくないなぁって思います。なんか、それだと計算高い感じがしてこの作品の読後感と合わないので。

欲しいものが詰まってる!

それに尽きるでしょう。

イラストもめっちゃ可愛いですし!

 

 

そして……さっきから一巻一巻言っているように、この作品は二巻が決定しております!

電撃文庫さんナイス!

そうですよ、そう。こういう面白いラブコメがシリーズ化していくからこそいいんですよ! シリーズになればなるほど青春ラブコメはハイコンテクスト的な要素が増えていって、面白くなるんです!

ヒロインの魅力をどんどん押し出し、主人公を描き……ってやっていけば、絶対に電撃文庫を担えるレベルのビッグタイトルになりますから!

二巻は夏発売とのこと。

めちゃくちゃ楽しみにして待ちます。

なので未読の方はぜひ読んでみてください。長期シリーズ化してほしいので。

リンクを貼っておきます。

bookwalker.jp

 

 

それと、作品PVも作られているようです。

CVもしっかり入ってるあたり、電撃文庫さんはお金ありますよね。

youtu.be

 

 

 

どうか打ち切りになりませんように、と祈りまして。

今回はここで終わりにしたいと思います。

最後まで読んでくださってありがとこーございました!

ラノベ新刊の話をしよう(ブログ復帰で語る回)

こんにちは、とこーです。

ブログは1月以来の更新で、我ながら「なんだこいつ……」って感じなのですが、諸々のことがひと段落したことと、ブログで書きたいことが貯まってきたので書こうと思います。ええ!

 

まぁそんな風に言ってることからも分かるように、今回は感想ではございません。

3月から発売する新刊ラノベについて、今思いつくものを語っていこう、というコーナーでございます。

逆に言うとここに書いたものは買うし、感想もブログにあげると思います。シリーズものはどうしてもTwitterになってしまいがちですが、本気で好きなものは巻ごとに書きたいですからね。

 

では、さっそく始めていきましょう。

 

 

 

1.この△ラブコメは幸せになる義務がある。

電撃文庫から発売するこの作品。第28回電撃小説大賞にて金賞を受賞した作品となっております!

原題は『百合少女は幸せになる義務があります』です。

私の記憶だとこの作品、『百合』ってワードを使ったせいでプチ炎上したんですよね。百合って書いたくせに男が登場うんたら、と。

まぁそんなことはどうでもいいんです。百合に男を挟むな主義の人間ではないので。

 

受賞作からは、大幅改稿されたんでしょうか。

ヒロイン二人の名前も変わっており、商業作品用にテコ入れされていることが分かります。

そのストーリーは大雑把にまとめると次の通り。

 

平凡な高校生・矢代天馬のクラスにはクール美少女。皇凜華とマドンナ・椿木麗良がいる。天馬は凛華が麗良に並々ならぬ好意を抱き、溺愛していることを知る。

天馬は凛華の恋をサポートすることになるが、麗良は天馬に好意を寄せるようになり……。

 

と、いった感じの内容。

ここだけピックアップすると、割とドロドロに見えなくもないですよね。

しかし!

大切なのはこの作品が『三人全員ハッピーエンド』を目指す、と銘打っていること。

そうなのです。

これはラノベであり、ラブコメであり、三角関係なのです!

 

最近、この手の話はじわじわ増えてきてますよね。

今まで一対一の純愛+かませキャラ、って感じの作品が多かったですが、やっぱり負けるために用意されたかませキャラはよく見えないもので。

そんなキャラをヒロインの押し上げることで……って感じの作品。

まぁそれが不純愛になっていったり、アンモラルな感じになるのが多いんですが。

 

この作品は、アンモラルって感じじゃありません。

どこまでもラブコメで、三角関係で、幸せって感じ。

私も試し読みをしてみましたが、かなり読み易く、「そうそう、こういうラブコメだよなぁ」って思いました。

重すぎもせず、ギャグに振りすぎているわけでもない。

私が好きなラブコメってこんな感じなんですよね。

 

表紙もシンプルながらセンスがあっていい!

ヒロイン二人と三角形を用いた表紙は映えます。

あと挿絵の方も試し読みしてもらえれば分かるんですけど、かなりいい!

なので、今最も楽しみにしてる新作です。

 

dengekibunko.jp

 

 

 

 

2.現実でラブコメできないとだれが決めた?5

さてここからは、続刊系です。

トップバッターは、なんといってもラブだめ!

『実現するラブコメ』として、まさかのBAD ENDへと墜落した3巻、ラスボスorメインヒロインの過去編である4巻を経ての5巻。

4巻のラストのタイトル回収はあまりにもえぐくて、本気で悲鳴をあげましたからね……。

それと同時に色々と伏線も敷かれていましたが……どうやら5巻は、7番さんこと彩乃に話の焦点が当たるらしいです。

 

耕平からの計画中止の宣言を受け、彩乃は呆然自失。

連絡もとれていないなか、カフェのマスターのアドバイスを受け、二人の“ヒロイン”の元へ……って感じのあらすじですね。

 

これ、4巻に引き続き5巻も耕平が出番なしかもしれないですね……。

逆に彩乃が共犯者として一回り進化するのかも?

「共犯者に必要な、たった一つのもの」というのも気になります。

個人的に彩乃は推しキャラなので、わくわくドキドキです。

 

ただこれ気になるのは、この騒動が落ち着いたら完結とかじゃないっすよね?ってことですかね。

ぶっちゃけまだラブコメを実現できてないですし、季節も夏なんですけど……ここからどうなるのかが全然予想がつかないので。

 

ま、いずれにせよ5巻が楽しみなことは変わりません。

っていうか、ガガガ文庫ブコメ、夏を陰鬱なものにしがち……?

 

表紙はグリーン&二人表紙で、爽やかな印象ですからね。

どうか希望のあるお話を……!

 

www.shogakukan.co.jp

 

 

 

 

3.千歳くんはラムネ瓶のなか6.5

これはもはや言うまでもないのでは? と思いつつ、あえて語る今回。

このラノ二冠&前半編終了となったチラムネ、初の短編集です。

といってもページ数はいつものようにボリューミーで、長編集と銘打たれているわけですが……。

 

○.5ナンバリングと聞くと、「ファン以外は読まなくても別にいいんじゃね?」と感じるかもしれないですが、よく考えるとラノベの○.5巻って重要なものが多いですよね。

学園で頭脳戦するアレとか、リア充を目指すアレとか、どれもこれも○.5巻は実質本編と変わらないような気がします。ただあくまで本編ほどまとまりがあるわけではなく、長編を集めたお話だからナンバリングを変えているだけ、って感じじゃないですかね?

 

そしてそれは、チラムネなら更に顕著でしょう。

チラムネの特典SSを一度でも読んだことがある人なら、いかに○.5巻ナンバリングが信用ならないかがわかるはずです。

チラムネは特典SSにも平気で伏線入れていきますからね。もちろん推理モノじゃないので伏線を拾えなくても全然楽しめるんですけど、伏線知ってるのと知ってないのとでは没入度が違いますから!

というか、6巻は特典SSで出てきた伏線を当然のように使ってきましたから!

実質ではなく、完全に本編です!!!!

 

と、まぁ、そういうアレはともあれ。

どうやら描かれるのは夏休みの残り一週間のよう。

仲直りをして、元通りになった――いえ、少し変わった、チーム千歳。

彼らの残る夏休みを覗けるって、もうそれだけで最高なんですが?

これは持論なんですが、日常回もヒロインのラキスケイベントも、濃密な苦悩の後だからこそ映えると思うんです。

 

苦しんで、ぶつかって、チーム千歳の面々にとっての仲間の価値が描かれ。

だからこその日常回!

全ヒロインとの話が終わったらこその恋愛イベント!

これこそ、シリーズものの醍醐味ではないでしょうか!

 

……と書いている今、チラムネの店舗特典が公開されました。

今回も五法人で特典がつくようですね。

新規イラストも三枚公開されてます。

ちょうどさっきモーメントでまとめたので、リンクを貼っておきますね。

 

twitter.com

 

なずな&夕湖&悠月の浴衣!!

これは金沢でレンタル浴衣でお出かけ、って話が出てたので、それでしょうか?

でもなずな???

なずなと悠月は色々とあったんですよね。それを繋いだのはやっぱり夕湖?

だとしたら……妄想が膨らみます。

 

バスケ三人組のイラストもやばい!

東堂舞がかっこよすぎる。っていうか、陽が主人公すぎる。

熱い展開でしょ、これ! 四巻好きなら必見ですね。

 

で、優空ちゃん!!!!

この目、この角度、この表情!

どれもどんぴしゃでズルい!!!!!

可愛い!!!!!

6巻の後の優空ちゃんが楽しみです。

 

www.shogakukan.co.jp

 

 

4.問二、永遠の愛を証明せよ。思い出補正はないものとする。

永遠の愛シリーズ、第二巻!

こちらも今月発売なのです。

一巻が発売されて絶賛しまくった、「記憶」をかけたラブコメ×ゲーム作品。

一巻のラストは奇麗な完結とも、これから続く物語のプロローグとも言える感じだったのですが……果たして、二巻はどうなるのか?

 

文化祭シーズン。

元カノとその今カレ、そして悠乃を巻き込んで新たなゲームが始まるそうです。

さてどうなるのか……。

元カノ・美凪がいよいよ物語に本格参戦ですね。

一巻では記憶&アドバイス役の、名元カノをした彼女ですが、今回はどう動くのか。

というかゲームの内容はどんな感じなのか???

楽しみです。

 

mfbunkoj.jp

 

 

5.推しが俺を好きかもしれない2

こちらはファンタジア文庫より発売する作品です。

通称・推し好き。

大人気ボーカルのヒロイン(主人公の推し)と、拗らせた熱狂的オタクの主人公のめんどくさい恋愛模様を描いた今作。

マジでヒロインがすっっっごく面倒可愛くて、主人公も同じように面倒なので、癖になるんですよ。というか、私的に今欲しい作品です。

人気があった今作は続刊が無事決まり、2巻発売となりました。

 

あらすじを見てみると……新たなるヒロイン登場っぽいですね。

1巻はヒロインと主人公の二人の世界って感じで繰り広げられていたストーリーでしたが、ここに大きな動きがある、と。

しかも主人公は告白されるらしく……。

 

甘いだけじゃなくて面倒な感じも楽しめたらなぁ、とワクワクしております。

 

fantasiabunko.jp

 

6.負けヒロインが多すぎる!3

この作品は4月発売です。

マケイン、待望の3巻。

といっても、マケインの方はまだガガガ文庫のHPに出ているだけなので情報はほとんどないんですけどね。

どうやら学祭で大敗北……?があるらしいです。

小鞠ちゃん表紙ですかね? それともほかの誰かが?

主人公がちょっとずつ成長しているのも見えるこの作品。

続報に期待してます。

 

 

7.青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。2

マケインの時点で情報がないなら3月刊で終わりにしとけ……って感じでしたよね。

それでも3月だけで終わりにしなかったのは、この作品について書きたかったからでもあります!!

 

『青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。』

 

この作品をご存知でしょうか?

私のブログやTwitterでは度々取り上げ、めっちゃ好きだと熱弁してきたこの作品。

俺ガイル12巻が発売延期になった月にちょうど発売し、当時俺ガイル命だった私がドハマりした作品でもあります。

1巻発売は2017年4月。

その2巻が……小学館公式HP5月刊行予定作品に入ってるんですよ!

 

ビリギャル登場!ってあらすじ、もう数年前から見てますからね。

何かのエラーの可能性もあるにはあるんですけど……違うと信じてます。

5年越しの新刊!

平成から令和へ、年号を一つ飛び越えての新刊!

めっっっっっちゃ楽しみなんですよ!

 

ストーリーは、一時期流行った残念系ラブコメみたいな感じです。

クズで負け犬な主人公は、救世主を名乗る少女と共にアレコレやっていき、ダメ人間がたくさん登場する……みたいな。

 

過去の記事で取り上げていたので貼っておきます。

toko-96463.hatenadiary.jp

 

 

負け犬で、痛々しくて、クズ。

そんな彼らの青春の続きを読めるってことでいいんですよね、ガガガ文庫様……?

と、うっかり泣きそうになります。

一応2巻のあらすじページも載せておきます。

まぁ何かの間違いということもないわけではないので、あれですが……。

 

この作品は今の時代だからこそ刺さるんじゃないかな、と思います。

ぜひ1巻を読んでみてください。

 

www.shogakukan.co.jp

 

 

 

 

8.終わりに

こんな感じで今回は終わりたいと思います。

正直、青春絶対つぶすマンが嬉しいのと△ラブコメの試し読みが面白かったのとチラムネの特典で妄想が膨らんだのとで暴走してしまいましたが……取り上げた7作は、どれも凄く楽しみにしている作品です。

最近は諸々の事情&趣味嗜好の問題で新刊を手に取ってなかったんですが、今月からはまたフィーバータイムが来そうなのでワクワクしてます。

ブログもまた書いていくと思うので、そのときはぜひ。

 

それではここまで読んでくださってありがとこーございました!

『天使は炭酸しか飲まない』感想&おすすめ

 こんにちは、とこーです。

 マジでお久しぶりです。ここ最近は自作のWEB小説にかまけて感想もTwitterに乗せるくらいになっていたのですが、流石に新作で推したい作品はブログにアップしたいよなぁと思い、筆をとることにしました。

 え、何を読んだかって?

 炭酸が導く、青春ラブコメでございます。

『天使は炭酸しか飲まない』を読んだので感想とおすすめポイントを書いていきます。致命的なネタバレはしないよう気を付けますが、気になる方はまず買ってみてください。名作ですので。

 

 

 

1.設定の妙

 今作『天使は炭酸しか飲まない』について、まずは物語の大筋を説明しつつ、設定が上手いよね、ということについて書いていきたいと思います。

 タイトルにある『天使』と聞いて、まず思い浮かべるのはなんでしょうか? ラノベ読みだと、一般的な天使というより、学園のマドンナ的な意味での『天使』を思い浮かべるのではないでしょうか? 私もそれは同じで、タイトルを見た感じではその『天使』に纏わるちょっとほろ苦いお話なのかな、と思ってたんですよね。

 

 でも、違うんです。いや、違うっていうか別に言及されてるわけじゃないんですけど。

 作中に出てくる『天使』とは、むしろ主人公のこと。

 彼が通っている学校で噂の存在となっている『久世高の天使』こそ、『天使』なんです。『久世高の天使』はいわゆる恋愛のキューピッドみたいなもので(厳密には若干違うんですが)、恋の悩みに応え、解決してくれる。そんな感じの存在として噂になっています。

 そして主人公こそ、この『久世高の天使』であり、恋愛相談に乗っている張本人なのですが……ここに、この作品独特の要素が加わります。

 それが、主人公の持つ『ちから』です。

 彼は『顔に触れた相手の、想い人がわかる』という特別な力を持っています。その力と、それから協力者の諸々の協力をもとに、彼は相談者の背中を押しているわけです。

 

 まず第一に、『天使』がヒロインではなく主人公であること。

 第二に、主人公に不思議な力を持たせていること。

 ここに、私はとても惹かれました。

 『天使』だとかいう単語が多い中で逆張りかましてきてるから? 不思議な力がある青春作品が好きだから?

 もちろんないとは言いませんが、強く惹かれた理由はそこじゃありません。

 どこまでもヒロインが普通の存在として描かれているから、です。

 学年三大美女だったり、色んなことができたり、悩みを抱えていたりするヒロイン・柚月湊。しかし彼女は、ふと客観視すると、とても普通の女の子なんです。

 そしてこれは、実はヒロインだけでなく、物語全体に言えることでもあります。

 

 ヒロインが抱える悩みも、主人公が抱える悩みも、実は結構ありふれた青春の悩みなんですよね。ただそれを、本人たちは難しい謎のように捉えている。それは本人たちがバカだったり視野狭窄に陥ったりしているからではなく、それこそが『青春』だからなわけで。

 分かっていても、認めたくないことがある。

 認めたいせいで、解決できないこともある。

 普通で、ありふれているけれど本人たちにとってはどうしようもなく大切で、他人に好き勝手に荒らされるべきものではなくて。

 そんな青春に加えるたった一匙の不思議こそが、主人公の持つ『ちから』なんです。

 

 相手の好きな人が分かるという、本当にただそれだけの能力。

 心を読めるわけでも、好きになったきっかけが分かるわけでもありません。『ちから』は、作中で語られているように、身長とか頭の良さみたいな本人のパーソナルな能力の域を出ないんです。だからこそ特殊能力ではなく『ちから』って呼んでるのかな、とも思いますし。

 青春で、好きな人が分かったところでどうなるのでしょう。何かが変わるわけでもない。自分が好かれてないと分かったところで抑えきれる想いだとは限らないですし、抑えたところでどうせ燻ってしまうかもしれないわけで。

 

 この作品の妙は、ここだと思ってます。

 特殊能力はなく、事件も起こらず、日常を描く作品もあって、それもとても面白い。

 そんな中で生まれた、特殊能力があって、事件があるこの作品。けれども、それは決して特殊な物語ではなく、すこし不思議(=SF)でとどまる、青春の物語なんです。

 そしてそのすこし不思議さは、きっと『ちから』がなくとも現実にありうるもので。だからこそ共感もできて、胸がちょっとだけ息苦しくなるサイダーのような物語になっているのではないかと思います。

 

 ……ちょっとポエミーになりましたが、ネタバレはあんまりしたくないのでこの程度で。

 それとは別に、すこし不思議さがある青春小説めっちゃ好きなのでその時点で好きです。あくまでそれとは別に、って話ですね。

 

 あんまり別作品を出すのは良くないんですけど、青ブタってあるじゃないですか。あの作品はこの作品よりファンタジーな要素が強いですが、その実、描かれるのは人間の内面であり、青春なんですよね。

 まぁこれは特殊なことではなく、架空の要素を入れることで現実的な人間の内面をより描くっていう手法なんですが……ラノベだと、最近はあんまりなかったりしますからね。あっても重めだったり。なので、この作品はそういう意味でも面白いです。

 

 

2.ヒロイン可愛い(語彙力)

 さて、さんざん設定について書いたので(既に2000字オーバーで泣いてます)、次はヒロインについて書いていきましょうか。

 今回メインになったのは先述した柚月湊なんですが……他にも二人、カラーイラストで登場してる美少女がいるので、そっちについても軽く触れられればなーっと思ってます。これ絶対ラノベ好きが惚れるよなってキャラもいましたしね。

 その前に、ヒロイン周りの設定を。

 作品の舞台となる久世高校では、『三大美女』と『プラスフォー』なる存在が勝手に認定されているそうです。『三大美女』があり、その下が『プラスフォー』なのだとか。割とこの辺の設定ってありますし、逆にリアルだとないですけど、ラノベ的文脈だとめっちゃ好きなんですよね……。

 まぁごたぶんに漏れずこの辺りでトラブルが起きたりするのですが、そこは読んでいただきたいので書きません。

 

 まずは日浦亜貴。

 黒髪ショートカットで、めちゃくちゃスポーツができる子って感じでしょうか。『プラスフォー』の方に入っているものの、興味はないしむしろ面倒だと思ってる子です。主人公とも何かあるらしく……。

 主人公が『久世高の天使』であることを知る、数少ない人物の一人となっています。人脈を駆使して情報収集もこなす有能っこ。男勝りな部分はめっちゃいいですし、でも男勝りだからって女の子として見ないわけじゃないんだぜってタイプのキャラ。絶対好きになるでしょ、この子。

 しかも、主人公にがんがん喝を飛ばしてくれるタイプなんですよね。友達として、ずばずば物を言ってくれる感じ。

 読んだ人にだけ分かるように言いますが、マクドでの二人のやり取りは最高にエモくて熱いと思ってます。

 彼女との色々なことは伏せられてましたし、二巻以降が出たらって感じにはなるんでしょうね。読みたいなぁ。

 

 次は、藤宮詩帆。

 今回中心となった柚月湊の親友です。眼鏡&ミディアムヘアの女の子。友達思いっていうか、柚月湊思いのいい子です。もう、それはめちゃくちゃに。登場シーンこそ少ないですが、友情に厚いキャラで、作者様の過去作を読んだ身としては(詳しくは後述)、こういうキャラだよなぁって頷きまくりたくなる存在です。

 眼鏡キャラですが特別に真面目なわけではなく、お茶目な一面も持っていてこれも可愛いですね。一人はいるヒロインや主人公を茶化すポジ、みたいな。人がいいキャラって感じで、友達でいたら最高なタイプ。

 

 そして最後が柚月湊。

 表紙を飾っており、『三大美女』の一人にも数えられていますが、それも望んだわけではないみたいです。

 彼女の上で語るべきは、彼女が抱える悩みでしょう。極度の惚れ症が彼女の悩みであり、この解決のために『久世高の天使』に声をかけます。

 惚れっぽいって言うとビッチっぽかったりするんですが、でもよく考えてみると大したことなくね、ってなるのがミソです。好きになったからって彼氏をとっかえひっかえするわけでもないなら文句を言われる筋合いはどこに……?という感じ。

 惚れっぽいのを自覚してるからこその反応とかもいいですね。クールっぽい見た目で、でも結構子供っぽい部分もあるデレ感。

 何より、問題解決した後の反応がいいですね。つまりそういうことでしょ、っていう。どうなっていくのかが楽しみだからこそ、二巻以降を読みたい……!

 

 

3.主人公もいいぞ!

 ヒロインを語った後は、やはり主人公のことでしょうか。主人公至上主義を掲げるラノベ読みとしては語らずにはいられません。

 今作の主人公・明石伊緒は『久世高の天使』であり、恋愛相談に乗って生徒の背中を押す日々を過ごしています。

 まず第一に推せるのは、この『久世高の天使』の活動。

 彼はこれを本気でやってるんですよ。そのためなら高額イヤホンを買うこともいとわず、かなり大変なことにも付き合い、けれど報酬を求めはせず。せいぜい秘密を守ることを暴露するくらいのもの。

 そして恋が叶わなかった相手には、本気で寄り添ってる。

 たとえ身バレの可能性あろうとも頑張った相手を励ましたくなるような、血の通った存在なんですよ。そんな一生懸命さ、よくないですか???

 

 第二に、彼のかっこ悪さも推せるんです。

 それはかっこ悪さと言うと、少し極端になるかもしれません。人間臭さ、とでも言いましょうか。それだとちょっと胡散臭いですが。

 過去のとあることを引きずり、今も踏み出せずにいる彼。

 その過去の出来事こそが『久世高の天使』の活動にもつながっており、それゆえに「いいことをしたい」とは思っていても、その行為が必ずしも結果として喜ばしいものになるかは分からない。過去の経験から得た苦い教訓をもとに行動しているだけなんですよね。ってことは、そこには迷いも絶対にありうるわけで。けど迷いつつも、それでも差し伸べた手を掴んでくれた人には誠意を尽くす。そうして自分も、少しずつ、何とかしようと思い始めている。そんな彼を推せないわけありませんよね⁉

 

 これは先述したことでもありますが、やっぱり彼もまた、等身大なのだと思います。『ちから』があって、『久世高の天使』をやっている。そういう意味では普通ではないけれど、ちっとも特殊ではない男の子なのです。

 それを人間味として一言で形容してしまうのはどうしても躊躇してしまいます。

 そういう魅力がある男の子として、見てほしいです。

 

 何よりですね、最後の展開。

 『久世高の天使』の相談者たちの行動が最高に熱くて泣けるんですよ。お前の優しさが伝播してるぞ、誰かの背中をちゃんと押せてるんだぞ、って思えるんです。主人公の行動ではなく、主人公の行動に対する他のキャラの行動によって主人公の好感度が上がる。これこそ、人と関わるスタイルの青春小説の醍醐味ですよね。

 

 

 と、理屈っぽいことは抜きにして。

 イラスト見ました????

 赤い目! 黒髪! 神デザインキタコレ!!

 かっこいいオブかっこいいがきてますよマジで! そうそう、こういう男の子が好きなんだ……顔がいい男の子の青春がいいんだ……。

 むっちゃ好きです。

 

 

4.まとめ~青春を描いて~

 さて、かなりの分量にいったのでそろそろまとめに入りましょう。

 作者の丸深まろやか先生と言えば、『美少女と距離を置く方法』で知られるラノベ作家様です。私はその作品も読んでいますし、もう一作、WEB小説の方で読んだ作品があります。それが『心配性で一途な彼女が僕をぜんぜん諦めない』です。

 いずれの作品も青春を描き、そして恋愛について描いた名作だと思っています。

 どちらも恋に終始せず、生き方や考え方に寄り添う作品です。

 

恋にも、痛み止めがあればいいのに。

『天使は炭酸しか飲まない』P10

 

 この一文からこの物語は始まりますが、私は見事に心を掴まれました。

 

 青春とは、恋だけではないですし、同時に恋抜きにも語れないでしょう。それは本人が恋するかどうかにかかわらず、周りには恋があり、そして恋をする要素があるからです。

 子供のときはジュースを飲んで、大人になるとコーヒーを飲む。

 甘さと苦さの中間点である青春にぴったりな飲み物こそ、炭酸なのではないでしょうか。ふとそんなことを思えた一作でもあります。

 

 恋愛も、それ以外も、悩みや考え方は人それぞれ。

 人によってはちっぽけなことが、誰かにとっては不思議で理解しがたい。これはヒロインや主人公だけではなく、他のキャラの行動にも見え隠れしている部分でしょう。

 その青春の不思議さに、すこし不思議な『ちから』を持つだけの男の子が、ちょっとだけ触れてみる。そうすることでシュワっと炭酸が弾ける物語。

 ぜひとも最後まで見届けたい作品です。

 

 というわけで!!!

 推しはマジで推せるときに推しましょうね?????

 

 

 以上で今回は終わりです。

 読んでくださってありがとこーございました!

 

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『心配性で一途な彼女が僕をぜんぜん諦めない』もぜひ。

https://ncode.syosetu.com/n1137fz/

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

 これは読んだ方だけに分かっていただきたいんですが、柚月湊の惚れ症云々の認識を知った後で主人公に好きになるかも発言をしてるの、深みにはまる萌えポイントだと思いません?

 薄らそういうことだと気付いたうえで言うってことは、自分がそう思われるかもってどこかで思っていたわけで。自意識過剰さというより、むしろ……というか。

 人間的造形が最高に可愛いと思います。

【難問】『問一、永遠の愛を証明せよ。ヒロイン補正はないものとする。』感想&おすすめ

こんにちは、とこーです。

先日はこのラノでめちゃくちゃに語りましたが、本日はMF文庫Jから出た新人賞作品、『問一、永遠の愛を証明せよ。ヒロイン補正はないものとする。』の感想を書いていこうと思います。

ネタバレは入りますが、極力控えますね。

一つ言えることは……傑作だった、ということです。

今年読んだ新作では一番好きかもしれません。もちろんベクトル違いで……って作品がないわけではないですが。

 

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1.恋愛×頭脳戦「コクハクカルテット」

まずはストーリーから。

今作は、主人公・白瀬傑とヒロイン・朱鷺羽凪沙の恋を起点として紡がれる、恋愛×頭脳戦モノ、と言っていいでしょう。

しかしこの『頭脳戦』は、可愛らしい駆け引きではありません。正真正銘、恋心を賭けたゲームなのです。

その名が『コクハクカルテット』。

ゲーム中に恋愛が成就すれば永遠の愛が約束されるが、成就しない場合には恋心ごとなかったことになる。

そんな、本気のバトルが繰り広げられる作品となっています。

しかも、それだけでは終わりません。

なんとこのゲーム、ただの頭脳戦ではなく異能力が絡んでくるんですよ。それぞれの参加者が持つ異能力はかなり特殊で、その特殊な能力をどう使っていくのか……とハラハラしますし、そもそも誰がどんな能力を使っているのかも主人公の一人称視点で描かれるために定かではない。

正真正銘ガチの駆け引きに息を呑むこと間違いなしな一作です。

 

まず以てして、この設定がいいですよね。

あとがきにで作者様も仰っていますが、異能バトルと恋愛を絡めるのは、本当に面白いと思います。しかもそこに頭脳戦の要素を入れ、けれど命がかかわってくるような過剰なシリアスさもない。

賭けるのは恋心。

恋愛にトコトン終始しつつ、その上で頭脳戦を展開していくストーリーは大変魅力的です。

 

読んでいて感じたのは、あくまでゲームは舞台装置としての役割であり、そこに終始しているわけではないということでしょう。

もちろん、これはゲームの影が薄いということではありません。むしろ参加者たちはゲームに向き合い、ゲームのために協力したり苦悩したり……としていきます。

が、そのうえで、ゲーム以上にキャラそれぞれの想いや関係性がしっかりと描かれていたのが、本当に良かった。ぶっちゃけ、これゲームがなくとも十分面白い恋愛モノだろ、って感じです。それくらいに濃密なんですよ。

 

ゲームの参加者は四人。

主人公・傑はヒロイン・凪沙が好き。凪沙も傑が好き。

しかし、この両者には「永遠の愛を望むか否か」で決定的にすれ違いがあり。

他にも青ヶ島悠乃と玄岩愛華という二人の少女も参加し、それぞれが好きな人に告白させるために策を弄していきます。

 

この『コクハクカルテット』の妙は、勝利および敗北時にどうなるか、ということでしょう。

先述したように「永遠の愛」OR「恋心の忘却」なわけですが、このどちらであっても参加者たちはゲームのことを忘れてしまいます。

即ち、いずれにしても結果だけが残るのです。そしてその結果につじつまが合うようにゲームの最中のことは記憶が改ざんされます。

 

そして私は、作品のテーマとしては「永遠の愛」が、ストーリーを展開するうえでは「恋心の忘却」に重点がいっているように思いました。

どういうことかと言いますと……。

タイトルにあるように、この作品は「永遠の愛」をテーマにし、その在り方を模索するような作品です。それゆえストーリー中にも「永遠の愛」についての言及は多くなってきます。

一方で、物語を大きく進めていくのはむしろ「恋心の忘却」だったように思いました。四人のうち、勝利者は一人だけ。負けた三人は「恋心の忘却」のペナルティを喰らってしまいます。

そして「恋心の忘却」は、関係の消失にもつながるわけで。

恋心を抱くほど大切な相手との過去も今も未来の可能性すら失ってしまうわけです。

そんなゲームを舞台にするからこそ、登場人物の思惑が複雑に絡み合い、めちゃくちゃ面白いことになっていきます。

 

 

2.語ろう、主人公の魅力!

さてさて、ではキャラについて語りましょう。

ヒロインたちについては後程語るので、そのときに。

まずは主人公至上主義を抱える者として、主人公について書いていきます。

 

主人公の白瀬傑は、結果よりも過程を大事にすることを信念とする男子高校生です。

結果よければ全てよし、としないタイプということですね。

たとえば友達とするゲームであれば、勝ち負けの結果ではなく楽しんだり仲良くなったり、という過程が大切。そんな風に考えます。

 

これには、彼なりに理由があるのですが……

一言で、結果だけを得ようとした人間が痛い目に遭うことをよく知っているから、と言い表すことができるでしょう。

過程なしに結果を出した人間のもとには、いつか痛い目に遭った時に何も残らなくなる。努力も、苦悩も、過程を正しく紡いできたからこその産物だ、と。

そんな感じに考えるのが傑です。

 

こういうその人の核となる信念がしっかりしてるのって、もうそれだけでいいですよね。彼が言っていることの正しいか正しくないかは関係なく、彼が信じる正しさが彼の胸の中にあることが読者を一気に魅了します。というか、私はされました。

 

しかも!

この、彼の信念が作品の中でかなり色濃く出てくるんです。なんなら、開幕初っ端からずどんと出てきます。

「永遠の愛」ではなく、そこを目指そうとすることが大切なのだ、と。

そんな風な発言を、開幕から恋人に告げるんですよ。しかも、別れ話を受け入れたうえで。

そういう意味で言うと、主人公・傑の人物像をこの作品はめちゃくちゃ上手く描いている気がします。

 

キャラクターの輪郭が、初っ端数ページで一気につかめるんです。

その最たる理由は先述した信念ですが、もっと軽めの描写でも同様の感覚を得られます。

それが飴です。

 

彼は、よく飴を舐めています。

ハッカやレモン、グレープなど気分によって舐める飴はまちまち。

この設定というか性格は、一気にキャラクターの人物像を分かりやすく、そして端的に伝えてきました。

 

信念と個性をぱっと数ページで提示するその技量は、卓越していると言っていいでしょう。

主人公の魅力はもちろんですが、この作品は主人公の魅せ方も上手いです。飴がカギになることで、心理描写も直接的ではなく、かといって迂遠で分かりにくいわけでもない塩梅になってましたしね。

 

というか!

シンプルに、普段から食べているものが設定されてると、それだけでキャラクターに愛着が持てません!?

俺ガイルの八幡のマックスコーヒーなんて、その最たる例ですし。

飴を持ってきて、しかもその飴を舐めていることにも後程エピソードを持ってきて……って、異様なほどに上手くありません!?

これで主人公を好きにならないとすれば、もう単純に性格が無理って人だけでは?

 

 

と、昂ぶりすぎましたが、そんなこんなで人物像が分かりやすく示されているからこそ、最初の時点で「あ、こいつ面倒な奴だな?」というのも伝わってきたのも事実でした。

けどそんな面倒くささも、うざさではないから最高にいいんですよ。

まぁストーリーの中では、彼の信念がかなり面倒な展開を呼ぶことになるのですが。

 

 

3.ヒロインも個性豊かで魅力的!

この作品では、主人公のほか、四人の美少女が登場します。

うち三人はゲーム参加者であり、もう一人は主人公の元カノです。

これがもう、全員魅力的なので語っていきますね。

 

 

まずは、朱鷺羽凪沙。

メインヒロインが誰かと聞かれたら、まさに彼女でしょう。

表紙を飾る彼女は、まさに忠犬という言葉がぴったりです。

実は彼女、主人公の元カノの妹だったりします。

もう、この時点でかなり拗らせた設定ですよね。ぶっちゃけ、この設定だけで余裕で一作いけるでしょって感じですし、そういう作品で面白いものもあるはずです。

彼女は、とにかく傑にアピールしまくってきます。ストーリー開幕時点から好感度MAXなヒロインとか、どんだけ癒しだよって感じですよね。

で、めちゃくちゃ可愛いんです。

積極的なアピールはもちろん、どこか取ってつけたように見える「です」語尾、THE忠犬な振る舞いエトセトラ。

とにかく可愛い。幸せ。彼女とは言わないから後輩にしたい!

そんな彼女は、傑との「永遠の愛」を望んで、『コクハクカルテット』に参加してしまいます。

ストーリーが大きく動くのはここですね。

傑が「永遠の愛」という結果だけを求めることを否定するのと相対する凪沙の願い。

これがめちゃくちゃ切なくて、けどどっちの気持ちも分かるからこそ凪沙が愛おしくなります。

 

 

続いて、青ヶ島悠乃。

高嶺の花、宇宙の果てに咲く花と形容される存在です。

何を考えているかは分かりにくく、クーデレという言葉が端的かもしれません。

彼女はとにかく切れ者で、切れ者なのにズルくはない真っ直ぐさが魅力的です。恋心に真摯に向き合う、その姿勢が本当に好き。

あと、読んだ方なら分かると思いますが、ぬいぐるみを抱いてるあそこの描写をやばい。可愛い。語彙力が死にます。本当にありがとうございました。

そんな彼女は、どちらかといえば傑と似た信念を抱いているらしく。

彼女はどんな思いで、どんな思惑で『コクハクカルテット』に参加したのか。

ゲーム展開を大きく左右する彼女には、色んな面でハラハラさせられっぱなしでした。

 

 

次、玄岩愛華

いわゆるギャルでビッチなJKでしょう。

『百戦錬磨の百人斬り』とも言われているほど、男遊びが激しいとのうわさが。

しかしまぁ、ラノベ読みなら分かる通り、この手のキャラはギャップが……ね?

好きな人がいるからこそ参加する『コクハクカルテット』。

彼女が誰が好きで、その恋心にどう向き合うのか。

めちゃくちゃ心を揺さぶられましたし、頑張ってって思った子でした。苦悩しつつも頑張ろうとしてるところとか、ポンコツかと思えば勉強はめっちゃできるところとか、ご馳走様としか言えない設定が揃ってましたし。

『コクハクカルテット』終了前の彼女とのひと悶着は、本当によかった。熱くて切なくて、ぐっときましたね。

 

 

最後に、朱鷺羽美凪

傑の元カノであり、凪沙の姉です。

但し彼女は、恋愛に参入してくる様子はなかったですし、『コクハクカルテット』にも登場していません。なんなら回想シーンと一部を除いては登場してませんでしたしね。

ですが、もう超最強の元カノって感じがしました。

そこにラブはないけど、理想的なライクがあるし、絆がある。そんな感じでしょうか。

可愛い可愛くないではなく、いい元カノすぎる。

普通に「別の人見つけて幸せになってくれ……」って思えるレベルで元カノなんですよ、この人。

けどストーリーには、その存在が大きくかかわってきていますし。

今後、注目せざるを得ない人ですよね。

 

 

と、こんな感じでキャラを紹介していきました。

どの子も好きなのですが、やはり凪沙の忠犬感がやばいですね。後輩しまくってて後輩にしたい(語彙力死亡)。

 

 

4.巧い……!

読んでいて、思ったことは幾つもありますが。

第一に「めっちゃ巧い」と思いました。

これは先ほど主人公の魅力を示すところでも言いましたが、本当に伝わりやすいんですよ。

分かりやすさではなく、伝わりやすさ。

いやもちろん分かりやすいですよ? けど伝わりやすさと表現したい、分かりやすさがあるんです。

主人公はもちろんのこと、他のヒロインについても、魅力を引き出し、印象付けるのが凄く上手。

で、キャラも結構数が減らされていて、ぎゅっっと焦点が絞られているから名前やパーソナルデータがするっと入ってきました。

これは、それぞれが持つ異能の効果もあるんでしょうね。あと、全キャラ色をもじった名前だからこそぴたってはまりますし、

 

そのうえ、会話もめちゃくちゃいい。

テンポ感はもちろんですが、読んでいて心地いい会話なんですよ。

主人公の面倒くささ、ヒロインの可愛さが十二分に引き出され――る、だけではなく!

読んでいて楽しいって思える会話文でした。

 

テンポで言えば、会話文以外でも同じことが言えると思います。

地の文の量や展開など、物語の速度感を決める要素はたくさんあると思います。地の文が長いと話が進まなかったり、場面をどう切り取るかによって早すぎたり遅すぎたりしますからね。

この作品はそこのあたりもちょうどよく、心地よく読めました。

頭脳戦要素、異能要素があったおかげもあり、どんどんページが進みました。

次に、次に、と読んだ時に「物足りないなぁ」とも「早く進めよ」とも思わない、ちょうどよさ。

この作品好きだなぁって思いましたね。

 

 

5.永遠の恋を証明できたのか。

さて、ストーリーについても語っていきましょうか。

タイトルにもあるように、この物語は「永遠の愛」をテーマとしています。

「永遠の愛」を望む凪沙と、それを求めて努力する過程が大切なのであって結果を押し付けられるべきではないと考える傑。

この二人は完全に両想いで、しかも物語冒頭で傑も決心して踏み出そうとしていたのに、『コクハクカルテット』のせいで両片思い状態になってしまいます。

しかも好意が分かっている状態での両片思い。

しかし、この二人には明確なすれ違いがあり、それが物語を複雑なものにしていました。

 

そのあたりの複雑さを一言で表すと、本当に「主人公、面倒くさい……けど気持ちはめちゃくちゃ分かるし、間違ってない……」なんですよ。

なにしろ『コクハクカルテット』は、「永遠の愛」を約束してしまします。

生じる不満や嫌いあう可能性も全部消し去って、永遠に愛し合うという結果をどんと作ってしまうんです。

 

そして、ここに傑の元カノ・美凪の存在が出てきます。

「永遠の愛」に届かなかった二人。その恋を引きずってはいても、やはり「永遠の愛」ではなくそれを目指す過程が大切だと考える傑。

一方の凪沙は……と、完全なる平行線なんですよね。

 

その果てで見つかる「永遠の愛」への辿り着き方は……。

と、この結末が死ぬほど好きでした。

少し悲しいように見えますし、これなら……とIFを想像してしまいますが。

『コクハクカルテット』という過程があり、それを大事にするからこその傑の「永遠の愛」への辿り着き方がもう、最高なんですよ。

そしてラスト、『コクハクカルテット』の記憶がなくなったことで結果だけが残るというのが、もう……!

 

見開きの挿絵とか最高に綺麗で、泣きましたもん。

 

既に章題の時点でやばいんですけどね。

タイトル回収かと思えば、その次にまだ章があって、というのが好きでした。

目次をちゃんと見てなかったので、最後の章題になったとき、「おおおおお!」ってなりました。

 

なんだかんだ色んな作品で描かれてきた「永遠の愛」に答えはないのでしょう。

でも、私好みの最高な答えを出してくれたなー、と感じました。

最後のああいう展開が、むしろ最高に希望に満ちているように見えたのが本当に好きです。

 

 

6.イラストも神ってるよね、という話。

作品のことを語ってきましたが、イラストもまた最高にいいのが今作でした。

イラストレーターのみすみ先生は、私自身、Twitterかどこかで数度お見掛けし、イラストに感激した覚えがあります。

そして今回のこの表紙。

私、見た瞬間に息を呑みましたよ。

可愛くて、萌えて、なのに儚げで、命が宿っていて、質感があるのに絵って感じもして、記憶の中の世界みたいな雰囲気もあって。

最高に可愛くないですか?????

 

だいたい、キャラデザからして神なんですよ。

凪沙の、この兎の耳みたいなリボン。

あんなもん、リアルでつけてるの見たことないですけど、めっちゃ可愛いじゃないですか!

漫画だとよく見ますけどラノベだとあまりないですし、実は途轍もなく好きなんですよね(某花嫁で四葉派の人間)。

白い髪に赤のリボンといいうのも、なんだか兎っぽいですしね。

目もピンクな感じで、肌も白いのに朱が差していて、美少女が詰まってますよね、このイラスト。

 

無論、それはほかのキャラにも言えることです。

全部可愛すぎるし、イラストがラノベとマッチしすぎててやばい。

文体とのマッチも含め、イラストレーターさんを選んだ方は天才としか言えません。

もちろん、みすみ先生もかつび圭尚先生も最高ですし!

 

っていうか、これ書いてて思いましたけど表紙の指輪ってそういうことじゃないですか!

読み終わってから読んだら最高にいい表紙!

見え方が変わる表紙、そういうの大好きです! 愛してます!

 

ロゴデザインや目次のところもおしゃれで、非の打ちどころがないなぁって思います。

 

 

7.まとめ~ワクワクするラノベ

以上、ここまで語ってきましたが。

読んでいて一番思ったのは、「ワクワクする」ということでした。

手に汗握る展開、甘い展開、苦しい展開、張られた伏線らしき謎などなど、本当に読んでいてワクワクできる作品でした。

ワクワクが最近のラノベを読むうえでのテーマである私としては、100点満点の作品だと言わざるを得ません。マジで好きです。

 

で、私この作品は一巻完結かなーって残念に思ってたんですよ。

流石にゲームを持ち越しにしたら一巻での盛り上がりに欠けちゃいますし、新人賞受賞作なのでしょうがないかなぁ、と。

 

でも最後見てみたら、書いてありましたよ。

『問二、永遠の愛を証明せよ。思い出補正はないものとする。』

2022年春発売予定ですってよ……!

 

二巻きたぁぁぁぁぁ!

という嬉しさとともに、タイトルの付け方のオシャレさもやばすぎて好きです。

『永遠の愛を証明せよ。』が本タイトルで、『問〇』と『~~はないものとする。』ってつけていく感じですかね? それとも二巻で完結が決まってる?

 

どちらにせよ、ワクワクがやばいです。

次の舞台は文化祭。ラノベの定番とも呼べる場所で繰り広げられる第二のゲームって……楽しみすぎる!!

 

春まで待機しつつ全力で推していく所存です、はい。

 

 

 

 

そんなわけで。

例の如く長文になったため、絶対ここまで読んでる方は少ないと思いますが、読んでくださった方には感謝しかありません。

読んでくださってありがとこーございました!

それではまた次回!