ライトノベルにありがとこー

『好きでワクワク』をコンセプトにしたラノベブログです。

【難問】『問一、永遠の愛を証明せよ。ヒロイン補正はないものとする。』感想&おすすめ

こんにちは、とこーです。

先日はこのラノでめちゃくちゃに語りましたが、本日はMF文庫Jから出た新人賞作品、『問一、永遠の愛を証明せよ。ヒロイン補正はないものとする。』の感想を書いていこうと思います。

ネタバレは入りますが、極力控えますね。

一つ言えることは……傑作だった、ということです。

今年読んだ新作では一番好きかもしれません。もちろんベクトル違いで……って作品がないわけではないですが。

 

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1.恋愛×頭脳戦「コクハクカルテット」

まずはストーリーから。

今作は、主人公・白瀬傑とヒロイン・朱鷺羽凪沙の恋を起点として紡がれる、恋愛×頭脳戦モノ、と言っていいでしょう。

しかしこの『頭脳戦』は、可愛らしい駆け引きではありません。正真正銘、恋心を賭けたゲームなのです。

その名が『コクハクカルテット』。

ゲーム中に恋愛が成就すれば永遠の愛が約束されるが、成就しない場合には恋心ごとなかったことになる。

そんな、本気のバトルが繰り広げられる作品となっています。

しかも、それだけでは終わりません。

なんとこのゲーム、ただの頭脳戦ではなく異能力が絡んでくるんですよ。それぞれの参加者が持つ異能力はかなり特殊で、その特殊な能力をどう使っていくのか……とハラハラしますし、そもそも誰がどんな能力を使っているのかも主人公の一人称視点で描かれるために定かではない。

正真正銘ガチの駆け引きに息を呑むこと間違いなしな一作です。

 

まず以てして、この設定がいいですよね。

あとがきにで作者様も仰っていますが、異能バトルと恋愛を絡めるのは、本当に面白いと思います。しかもそこに頭脳戦の要素を入れ、けれど命がかかわってくるような過剰なシリアスさもない。

賭けるのは恋心。

恋愛にトコトン終始しつつ、その上で頭脳戦を展開していくストーリーは大変魅力的です。

 

読んでいて感じたのは、あくまでゲームは舞台装置としての役割であり、そこに終始しているわけではないということでしょう。

もちろん、これはゲームの影が薄いということではありません。むしろ参加者たちはゲームに向き合い、ゲームのために協力したり苦悩したり……としていきます。

が、そのうえで、ゲーム以上にキャラそれぞれの想いや関係性がしっかりと描かれていたのが、本当に良かった。ぶっちゃけ、これゲームがなくとも十分面白い恋愛モノだろ、って感じです。それくらいに濃密なんですよ。

 

ゲームの参加者は四人。

主人公・傑はヒロイン・凪沙が好き。凪沙も傑が好き。

しかし、この両者には「永遠の愛を望むか否か」で決定的にすれ違いがあり。

他にも青ヶ島悠乃と玄岩愛華という二人の少女も参加し、それぞれが好きな人に告白させるために策を弄していきます。

 

この『コクハクカルテット』の妙は、勝利および敗北時にどうなるか、ということでしょう。

先述したように「永遠の愛」OR「恋心の忘却」なわけですが、このどちらであっても参加者たちはゲームのことを忘れてしまいます。

即ち、いずれにしても結果だけが残るのです。そしてその結果につじつまが合うようにゲームの最中のことは記憶が改ざんされます。

 

そして私は、作品のテーマとしては「永遠の愛」が、ストーリーを展開するうえでは「恋心の忘却」に重点がいっているように思いました。

どういうことかと言いますと……。

タイトルにあるように、この作品は「永遠の愛」をテーマにし、その在り方を模索するような作品です。それゆえストーリー中にも「永遠の愛」についての言及は多くなってきます。

一方で、物語を大きく進めていくのはむしろ「恋心の忘却」だったように思いました。四人のうち、勝利者は一人だけ。負けた三人は「恋心の忘却」のペナルティを喰らってしまいます。

そして「恋心の忘却」は、関係の消失にもつながるわけで。

恋心を抱くほど大切な相手との過去も今も未来の可能性すら失ってしまうわけです。

そんなゲームを舞台にするからこそ、登場人物の思惑が複雑に絡み合い、めちゃくちゃ面白いことになっていきます。

 

 

2.語ろう、主人公の魅力!

さてさて、ではキャラについて語りましょう。

ヒロインたちについては後程語るので、そのときに。

まずは主人公至上主義を抱える者として、主人公について書いていきます。

 

主人公の白瀬傑は、結果よりも過程を大事にすることを信念とする男子高校生です。

結果よければ全てよし、としないタイプということですね。

たとえば友達とするゲームであれば、勝ち負けの結果ではなく楽しんだり仲良くなったり、という過程が大切。そんな風に考えます。

 

これには、彼なりに理由があるのですが……

一言で、結果だけを得ようとした人間が痛い目に遭うことをよく知っているから、と言い表すことができるでしょう。

過程なしに結果を出した人間のもとには、いつか痛い目に遭った時に何も残らなくなる。努力も、苦悩も、過程を正しく紡いできたからこその産物だ、と。

そんな感じに考えるのが傑です。

 

こういうその人の核となる信念がしっかりしてるのって、もうそれだけでいいですよね。彼が言っていることの正しいか正しくないかは関係なく、彼が信じる正しさが彼の胸の中にあることが読者を一気に魅了します。というか、私はされました。

 

しかも!

この、彼の信念が作品の中でかなり色濃く出てくるんです。なんなら、開幕初っ端からずどんと出てきます。

「永遠の愛」ではなく、そこを目指そうとすることが大切なのだ、と。

そんな風な発言を、開幕から恋人に告げるんですよ。しかも、別れ話を受け入れたうえで。

そういう意味で言うと、主人公・傑の人物像をこの作品はめちゃくちゃ上手く描いている気がします。

 

キャラクターの輪郭が、初っ端数ページで一気につかめるんです。

その最たる理由は先述した信念ですが、もっと軽めの描写でも同様の感覚を得られます。

それが飴です。

 

彼は、よく飴を舐めています。

ハッカやレモン、グレープなど気分によって舐める飴はまちまち。

この設定というか性格は、一気にキャラクターの人物像を分かりやすく、そして端的に伝えてきました。

 

信念と個性をぱっと数ページで提示するその技量は、卓越していると言っていいでしょう。

主人公の魅力はもちろんですが、この作品は主人公の魅せ方も上手いです。飴がカギになることで、心理描写も直接的ではなく、かといって迂遠で分かりにくいわけでもない塩梅になってましたしね。

 

というか!

シンプルに、普段から食べているものが設定されてると、それだけでキャラクターに愛着が持てません!?

俺ガイルの八幡のマックスコーヒーなんて、その最たる例ですし。

飴を持ってきて、しかもその飴を舐めていることにも後程エピソードを持ってきて……って、異様なほどに上手くありません!?

これで主人公を好きにならないとすれば、もう単純に性格が無理って人だけでは?

 

 

と、昂ぶりすぎましたが、そんなこんなで人物像が分かりやすく示されているからこそ、最初の時点で「あ、こいつ面倒な奴だな?」というのも伝わってきたのも事実でした。

けどそんな面倒くささも、うざさではないから最高にいいんですよ。

まぁストーリーの中では、彼の信念がかなり面倒な展開を呼ぶことになるのですが。

 

 

3.ヒロインも個性豊かで魅力的!

この作品では、主人公のほか、四人の美少女が登場します。

うち三人はゲーム参加者であり、もう一人は主人公の元カノです。

これがもう、全員魅力的なので語っていきますね。

 

 

まずは、朱鷺羽凪沙。

メインヒロインが誰かと聞かれたら、まさに彼女でしょう。

表紙を飾る彼女は、まさに忠犬という言葉がぴったりです。

実は彼女、主人公の元カノの妹だったりします。

もう、この時点でかなり拗らせた設定ですよね。ぶっちゃけ、この設定だけで余裕で一作いけるでしょって感じですし、そういう作品で面白いものもあるはずです。

彼女は、とにかく傑にアピールしまくってきます。ストーリー開幕時点から好感度MAXなヒロインとか、どんだけ癒しだよって感じですよね。

で、めちゃくちゃ可愛いんです。

積極的なアピールはもちろん、どこか取ってつけたように見える「です」語尾、THE忠犬な振る舞いエトセトラ。

とにかく可愛い。幸せ。彼女とは言わないから後輩にしたい!

そんな彼女は、傑との「永遠の愛」を望んで、『コクハクカルテット』に参加してしまいます。

ストーリーが大きく動くのはここですね。

傑が「永遠の愛」という結果だけを求めることを否定するのと相対する凪沙の願い。

これがめちゃくちゃ切なくて、けどどっちの気持ちも分かるからこそ凪沙が愛おしくなります。

 

 

続いて、青ヶ島悠乃。

高嶺の花、宇宙の果てに咲く花と形容される存在です。

何を考えているかは分かりにくく、クーデレという言葉が端的かもしれません。

彼女はとにかく切れ者で、切れ者なのにズルくはない真っ直ぐさが魅力的です。恋心に真摯に向き合う、その姿勢が本当に好き。

あと、読んだ方なら分かると思いますが、ぬいぐるみを抱いてるあそこの描写をやばい。可愛い。語彙力が死にます。本当にありがとうございました。

そんな彼女は、どちらかといえば傑と似た信念を抱いているらしく。

彼女はどんな思いで、どんな思惑で『コクハクカルテット』に参加したのか。

ゲーム展開を大きく左右する彼女には、色んな面でハラハラさせられっぱなしでした。

 

 

次、玄岩愛華

いわゆるギャルでビッチなJKでしょう。

『百戦錬磨の百人斬り』とも言われているほど、男遊びが激しいとのうわさが。

しかしまぁ、ラノベ読みなら分かる通り、この手のキャラはギャップが……ね?

好きな人がいるからこそ参加する『コクハクカルテット』。

彼女が誰が好きで、その恋心にどう向き合うのか。

めちゃくちゃ心を揺さぶられましたし、頑張ってって思った子でした。苦悩しつつも頑張ろうとしてるところとか、ポンコツかと思えば勉強はめっちゃできるところとか、ご馳走様としか言えない設定が揃ってましたし。

『コクハクカルテット』終了前の彼女とのひと悶着は、本当によかった。熱くて切なくて、ぐっときましたね。

 

 

最後に、朱鷺羽美凪

傑の元カノであり、凪沙の姉です。

但し彼女は、恋愛に参入してくる様子はなかったですし、『コクハクカルテット』にも登場していません。なんなら回想シーンと一部を除いては登場してませんでしたしね。

ですが、もう超最強の元カノって感じがしました。

そこにラブはないけど、理想的なライクがあるし、絆がある。そんな感じでしょうか。

可愛い可愛くないではなく、いい元カノすぎる。

普通に「別の人見つけて幸せになってくれ……」って思えるレベルで元カノなんですよ、この人。

けどストーリーには、その存在が大きくかかわってきていますし。

今後、注目せざるを得ない人ですよね。

 

 

と、こんな感じでキャラを紹介していきました。

どの子も好きなのですが、やはり凪沙の忠犬感がやばいですね。後輩しまくってて後輩にしたい(語彙力死亡)。

 

 

4.巧い……!

読んでいて、思ったことは幾つもありますが。

第一に「めっちゃ巧い」と思いました。

これは先ほど主人公の魅力を示すところでも言いましたが、本当に伝わりやすいんですよ。

分かりやすさではなく、伝わりやすさ。

いやもちろん分かりやすいですよ? けど伝わりやすさと表現したい、分かりやすさがあるんです。

主人公はもちろんのこと、他のヒロインについても、魅力を引き出し、印象付けるのが凄く上手。

で、キャラも結構数が減らされていて、ぎゅっっと焦点が絞られているから名前やパーソナルデータがするっと入ってきました。

これは、それぞれが持つ異能の効果もあるんでしょうね。あと、全キャラ色をもじった名前だからこそぴたってはまりますし、

 

そのうえ、会話もめちゃくちゃいい。

テンポ感はもちろんですが、読んでいて心地いい会話なんですよ。

主人公の面倒くささ、ヒロインの可愛さが十二分に引き出され――る、だけではなく!

読んでいて楽しいって思える会話文でした。

 

テンポで言えば、会話文以外でも同じことが言えると思います。

地の文の量や展開など、物語の速度感を決める要素はたくさんあると思います。地の文が長いと話が進まなかったり、場面をどう切り取るかによって早すぎたり遅すぎたりしますからね。

この作品はそこのあたりもちょうどよく、心地よく読めました。

頭脳戦要素、異能要素があったおかげもあり、どんどんページが進みました。

次に、次に、と読んだ時に「物足りないなぁ」とも「早く進めよ」とも思わない、ちょうどよさ。

この作品好きだなぁって思いましたね。

 

 

5.永遠の恋を証明できたのか。

さて、ストーリーについても語っていきましょうか。

タイトルにもあるように、この物語は「永遠の愛」をテーマとしています。

「永遠の愛」を望む凪沙と、それを求めて努力する過程が大切なのであって結果を押し付けられるべきではないと考える傑。

この二人は完全に両想いで、しかも物語冒頭で傑も決心して踏み出そうとしていたのに、『コクハクカルテット』のせいで両片思い状態になってしまいます。

しかも好意が分かっている状態での両片思い。

しかし、この二人には明確なすれ違いがあり、それが物語を複雑なものにしていました。

 

そのあたりの複雑さを一言で表すと、本当に「主人公、面倒くさい……けど気持ちはめちゃくちゃ分かるし、間違ってない……」なんですよ。

なにしろ『コクハクカルテット』は、「永遠の愛」を約束してしまします。

生じる不満や嫌いあう可能性も全部消し去って、永遠に愛し合うという結果をどんと作ってしまうんです。

 

そして、ここに傑の元カノ・美凪の存在が出てきます。

「永遠の愛」に届かなかった二人。その恋を引きずってはいても、やはり「永遠の愛」ではなくそれを目指す過程が大切だと考える傑。

一方の凪沙は……と、完全なる平行線なんですよね。

 

その果てで見つかる「永遠の愛」への辿り着き方は……。

と、この結末が死ぬほど好きでした。

少し悲しいように見えますし、これなら……とIFを想像してしまいますが。

『コクハクカルテット』という過程があり、それを大事にするからこその傑の「永遠の愛」への辿り着き方がもう、最高なんですよ。

そしてラスト、『コクハクカルテット』の記憶がなくなったことで結果だけが残るというのが、もう……!

 

見開きの挿絵とか最高に綺麗で、泣きましたもん。

 

既に章題の時点でやばいんですけどね。

タイトル回収かと思えば、その次にまだ章があって、というのが好きでした。

目次をちゃんと見てなかったので、最後の章題になったとき、「おおおおお!」ってなりました。

 

なんだかんだ色んな作品で描かれてきた「永遠の愛」に答えはないのでしょう。

でも、私好みの最高な答えを出してくれたなー、と感じました。

最後のああいう展開が、むしろ最高に希望に満ちているように見えたのが本当に好きです。

 

 

6.イラストも神ってるよね、という話。

作品のことを語ってきましたが、イラストもまた最高にいいのが今作でした。

イラストレーターのみすみ先生は、私自身、Twitterかどこかで数度お見掛けし、イラストに感激した覚えがあります。

そして今回のこの表紙。

私、見た瞬間に息を呑みましたよ。

可愛くて、萌えて、なのに儚げで、命が宿っていて、質感があるのに絵って感じもして、記憶の中の世界みたいな雰囲気もあって。

最高に可愛くないですか?????

 

だいたい、キャラデザからして神なんですよ。

凪沙の、この兎の耳みたいなリボン。

あんなもん、リアルでつけてるの見たことないですけど、めっちゃ可愛いじゃないですか!

漫画だとよく見ますけどラノベだとあまりないですし、実は途轍もなく好きなんですよね(某花嫁で四葉派の人間)。

白い髪に赤のリボンといいうのも、なんだか兎っぽいですしね。

目もピンクな感じで、肌も白いのに朱が差していて、美少女が詰まってますよね、このイラスト。

 

無論、それはほかのキャラにも言えることです。

全部可愛すぎるし、イラストがラノベとマッチしすぎててやばい。

文体とのマッチも含め、イラストレーターさんを選んだ方は天才としか言えません。

もちろん、みすみ先生もかつび圭尚先生も最高ですし!

 

っていうか、これ書いてて思いましたけど表紙の指輪ってそういうことじゃないですか!

読み終わってから読んだら最高にいい表紙!

見え方が変わる表紙、そういうの大好きです! 愛してます!

 

ロゴデザインや目次のところもおしゃれで、非の打ちどころがないなぁって思います。

 

 

7.まとめ~ワクワクするラノベ

以上、ここまで語ってきましたが。

読んでいて一番思ったのは、「ワクワクする」ということでした。

手に汗握る展開、甘い展開、苦しい展開、張られた伏線らしき謎などなど、本当に読んでいてワクワクできる作品でした。

ワクワクが最近のラノベを読むうえでのテーマである私としては、100点満点の作品だと言わざるを得ません。マジで好きです。

 

で、私この作品は一巻完結かなーって残念に思ってたんですよ。

流石にゲームを持ち越しにしたら一巻での盛り上がりに欠けちゃいますし、新人賞受賞作なのでしょうがないかなぁ、と。

 

でも最後見てみたら、書いてありましたよ。

『問二、永遠の愛を証明せよ。思い出補正はないものとする。』

2022年春発売予定ですってよ……!

 

二巻きたぁぁぁぁぁ!

という嬉しさとともに、タイトルの付け方のオシャレさもやばすぎて好きです。

『永遠の愛を証明せよ。』が本タイトルで、『問〇』と『~~はないものとする。』ってつけていく感じですかね? それとも二巻で完結が決まってる?

 

どちらにせよ、ワクワクがやばいです。

次の舞台は文化祭。ラノベの定番とも呼べる場所で繰り広げられる第二のゲームって……楽しみすぎる!!

 

春まで待機しつつ全力で推していく所存です、はい。

 

 

 

 

そんなわけで。

例の如く長文になったため、絶対ここまで読んでる方は少ないと思いますが、読んでくださった方には感謝しかありません。

読んでくださってありがとこーございました!

それではまた次回!

【このラノ】『このライトノベルがすごい!2022』について語るコーナー

こんにちは、とこーです。

さて皆様、もうすぐ12月に入りますが、いかがお過ごしでしょうか。

本日11月25日は『このライトノベルがすごい!2022』の公式発売日です。

ということで今回は、このラノについて書いていこうと思います。

それくらいならラノベ読んで感想を……ってところなんですが、まぁそれはおいておいて。

ネタバレ云々もありますので、気になる方はご注意を。

そして……順位だけではなく収録されている記事もとても面白いので、ぜひご購入ください!

 

 

 

 

 

 

 

それではいきます。

 

 

 

 

 

1.とこー的このラノ!2022

まずは、私のことから。

今回、去年引き続いて私はこのラノ協力者を務めさせていただきました。

前回より協力者枠が拡大されており、このことへの是非は色々ありますが……応募して選んでいただいたからにはちゃんとやろう、ということで、今年も吟味しながら五作品を選ばせていただきました。

ざっと順位を書かせていただきますね。

 

1位『千歳くんはラムネ瓶のなか』

2位『ホヅミ先生と茉莉くんと。』

3位『楽園殺し』

4位『主人公にはなれない僕らの妥協から始める恋人生活』

5位『現実でラブコメできないとだれが決めた?』

 

以上が、私の投票した作品となります。

コメントとしては見つけた範囲だと二か所で採用していただいているので、ぜひ探してみてください。

 

さて、では折角ですので一作ずつ選んだ理由とおすすめポイントを書いていきましょうか。

 

まず5位『現実でラブコメできないとだれが決めた?』

ラブだめでお馴染みのこの作品。ラブコメを目指しつつも、ラブコメを題材にした頭脳戦や少年漫画的な熱い要素もある作品です。

テーマはずばり、ラブコメを作ること。

主人公の長坂くんへの好感度が巻を追うごとに高まり、同時に現実の壁が高くなっていくことでわくわくしまくる作品でもあります。

『わくわく』をたくさんくれたため、今回は5位に選ばせていただきました。

五巻次第では1位に行く可能性もあると思っています。

 

 

一巻感想記事

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次に4位『主人公にはなれない僕らの妥協から始まる恋人生活』

こちらは、いわゆる甘々系の一種でしょう。

妥協して付き合うことになった二人。しかし、付き合ってみれば意外と楽しくて……といった感じで、割とありきたりに見えなくもないのですが。

私はこの作品の厭世チックなところ(勝手に言ってるだけで、他の人がどう思っているかは分かりませんが)が好きだったりします。

作中に出てくる『不幸の引力』の話なんかは、結構考えさせられて、胸に刺さるものがありました。

 

一巻感想記事(二巻が読みたいです!)

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続いて、3位『楽園殺し』

作者様の前作『リベンジャーズ・ハイ』から続く物語です。

私としては滅多に読まないファンタジー作品でしたが、めちゃくちゃかっこよくて中二心がくすぐられるうえ、すらすら読めるという圧倒的な完成度でした。

読んでいる時の『次、どうなるんだ……』と手に汗握る感じやわくわくが堪らなくよかったので、今回は3位に選びました。

 

一巻感想記事(二巻も今読んでます)

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続いて、2位『ホヅミ先生と茉莉くんと。』

こちらは、本当に大好きな作品です。新作(?)の中では一番大好きですね。

一人のラノベ作家を中心に描く、まったりとした恋愛物語。

そこにファンが、イラストレーターが、コミカライズ作家さんが……と色んな人が集まって、素敵な物語が紡がれていきます。

ふと零れおちる言葉の綺麗さや温もりはとても胸に染みますし、毎回終盤にかけてハッピーエンドへと導いてくれるホヅミ先生の姿には『かっこいい』ってなりますし、優しさで心がふわふわします。

読んだあと、ちょっぴりセンチメンタルでポエミーになる作品です。

 

一巻感想記事(現在、三巻まで出てます!)

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さて、次に1位……といきたいのですが。

えぇ、あえて。

あえて1位は別の見出しを付けてなが~く語らせてください。

口でしゃべるのが苦手な分、精一杯に文字にしたいんです。

そんなわけで。

2位~5位の作品でした。

順位をつけなくてはいけないのは心苦しいですが、私が読み、感想を書く作品はどれも胸を張って最高だと言えますので、ぜひ読んでみてください。

 

 

2.とこー的このラノ1位は……

ここまで読んでくださった方は、もうきっと私が1位を選んだとある作品が全体として何位を取ったのか、ご存じだと思います。

私が1位に選んだ作品は……『千歳くんはラムネ瓶のなか』

そして今回………………文庫部門にて二年連続1位となりました!!!

さぁ、ここまで読んだ方。

このラノ!2022を手に取り、表紙をめくりましょう。そして裕夢先生の巻頭インタビュー&raemz先生の描きおろしイラストを見つめてくださいな。もう私のくっっだらない御託なんかより、そっちを見た方が有益です。

 

私はですね、もう泣きましたよ、えぇ。

めちゃくちゃ嬉しかったです。だって、二年連続って結構無理な感じあるじゃないですか。特にチラムネは去年協力者票が強かったので、二年目だと一気に下がるんじゃないか、と思っていまして。

 

ですが、私はそれでもよかったんです。

だって私、6巻を読んだ時点で決めてましたから。

私的このライトノベルがすごい!2022で圧倒的首位だろう、と。

なんなら6巻の感想で書いてますね。

このライトノベルがすごい!』そのものみたいな話だった、と。

つまるところ、そうなんです。

チラムネ、すごいんです。1巻のときからずっと、ずぅぅぅっとすごいんです。それが6巻になって更にすごくなって、1巻から5巻の凄さが更に倍増したんです。

 

思えば、一巻を読んで、裕夢先生たちのことを知り、ラノベに深く興味を持ったのがこのブログを始めたきっかけでした(その割に記事第一号じゃないのは、別のサイトで既にあげていたからです)。

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そんなわけで、もうこのブログでは何度も言っていますが。

あえて!

『千歳くんはラムネ瓶のなか』を1位に選ん理由を書かせていただきたいと思います。

 

今年のこのラノでは、チラムネは4巻から6巻が対象となっていました。

4巻といえば、陽とのスポコン回ですね。ファンの間では4巻派か6巻派が一番好きな巻で別れるところではないかと思います。私は全部好きです。選べるわけないですね。

1巻から4巻までとは雰囲気が変わったのが5巻でした。

ここからはより青春偶像劇の色が強まり、切ない青春の恋模様、友情模様が描かれていきます。

夏の始まりを描いた4巻は、まさにサイダーの泡のように爽やかで刺激的でした。一気に飲めば咽てしまうくらいに勢いがあって、ともすれば胸焼けしてしまいそうなほどです。もう何度も読んでますが、あそこまで泣いた話もないですね。本当に熱い。

朔が過去を暴露するところ、陽が仲間と上手くいかないところ、それでももがくところ、亜十夢くんとの練習、そして二人の試合。

最高の夏の始まりを描いたのが4巻。異論ないですし、この時点で1位にしてもいいくらいです。

 

続く5巻は、4巻までの勢いがあったこともあり、初読では物足りなさを覚えていました。

楽しい日常ですし、読んでいてめちゃくちゃ面白いです。でも4巻までに比べると起伏がないような……と。

けれどそれは、嵐の前の静けさでした。転の前の起承と言ってもいいのかもしれません。

最後の最後、あの展開には涙しましたし、あの展開があったからこそ、私は改めてシリーズを読み返して色んなことを思いました。

朔にとって、チーム千歳の面々がどれほど大切な人たちになっていたのか。

それを実感するのが5巻であり、1~4巻を読み返した後の5巻は初読の比ではないほどに輝いていました。

青春の輝き、まさにその一言がふさわしいでしょうね。

最高に尊くて、5巻単体でもやっぱり1位にしていたんじゃないかと思います。

 

ですが……!

それでもやっぱり、圧倒的にすごかったのは6巻でした。

何が凄いって、まずプロローグですよ。優空視点のプロローグ、あそこの時点で1巻から読んできた読者にはがつんとくるんです。

特にプロローグのラスト数行。

 

たとえば困ったとき、最初に名前を呼んでもらえるような。

 

――ただ普通にそばにいられたら、そういうのでいい。

『千歳くんはラムネ瓶のなか 6』P11L15‐17

 

何て、すごいですよ。

一行目『たとえば~』は、コミックス第一巻に同梱されていた書き下ろしSS『たとえば最初に呼ぶ名前』のタイトルまんまですし、『―—ただ普通に~』のところは、ドラマCDでの優空との一幕の『そういうのでいい、そういうのがいい』と被るわけで。

もうね、こういう伏線ではないけど気付くとぐわーってなるような回収ポイントがめっっっっっちゃくちゃ多いんですよ。いずれそういう記事を書きたいくらいに。

もちろん、この伏線回収(あえて適切か否かを問わずに使います)が凄いことが『このライトノベルがすごい!』わけではありません。あくまでそれは一つの魅力ですし、1巻を読んでない人からすれば「知らんがな」って感じですよね。

 

でも、こういう一文があるたびに思うんです。

この作品と向き合ってよかった、好きになってよかった、と。

読書をしていて、そう思える機会はそれなりにあると思います。

面白かったときはもちろんのこと、何か人生の糧にできる一文を見つけたときなんかも、そうですね。

けど、これはそういうのとは違って。

好きってだけで、もう幸せで。読んでいるだけで、幸せで。向き合うこと自体が楽しくて、色鮮やかな時間だったのに、その時間に更にご褒美みたいに幸せが降ってくる。そんな感じがするんです。

 

……まぁ、大袈裟ですが。

 

 

さて、もちろんそんな伏線回収だけでチラムネを選んだわけではありません。

特筆すべきは、6巻のストーリー。

チーム千歳のみんな、そしてそこから外れてしまっている明日姉を入れた『みんな』の夏を、きちんと終わらせるべく、様々なエピソードが詰め込まれていました。

600超ページ、ほぼすべてで泣いていたと言うのは、申し訳ないですが過言ではないです。本気で、本当の本当に初読のときにはずっと泣いてました。

読書しててこんなに泣くことなんて今までなかった、と思えるくらいに泣いて、泣いて、じんと心に染みました。

 

青臭くて、どこか陰鬱で、弱々しくも映るでしょう。

そんな青春を描き切ってくれた6巻だからこそ、私は心の底から『すごい』と思いました。

チラムネの感想記事になりつつあったから急に方向転換したとかじゃないですよ、ええぇ。

 

ともあれ、こういうことですから、正直なところ全体でチラムネが何位に来ようとよかった、というのが本音です。

強いて言えば重版などの続報がないので少し不安になったりはしていましたが、そもそも売り上げって読者が気にすることじゃないですしね。このラノ一度とった作品が正しい終わり方をできないなんてことはないでしょうから、安心していました。

 

しかし、いざ出た結果は文庫部門一位。

しかも今回、WEB部門だけでもよう実に続く2位なんですよね。それだけ多くの人に届いたと思うと、ファンとして嬉しいです。語り合いたい……!

更にさらに!

チラムネの絵を描いてくださっているraemz先生がイラストレーター部門で2位!

朔は男性キャラ部門で2位!

その他女性キャラ部門で陽が8位、悠月が9位、優空が12位、明日姉が16位と、20位以内に四人が入る状況に。

……なんでや、夕湖好きですよ。5巻6巻の彼女の頑張りをもうちょっと慈しんであげましょうよぉぉぉ……。

あと、ここでは陽と悠月の順位が逆転したのも意外でした。

ともあれ。

チラムネはいいぞ、ということで。

 

 

3.上位作品から気になるものを。

少し落ち着きまして、上位の作品について話していきます。

とはいえ単行本・ノベルズ部門は大きくてお高いので今回は断念ということで。

 

2位の『春夏秋冬代行者』は『ヴァイオレット・エバーガーデン』の作者さんの新作だそうですね。ファンタジーは苦手なのであまり読めていないのですが、泣けると評判なので読もうかな、と思います。協力者票がすごく入っていますしね。

 

4位の『ミモザの告白』も、気になってはいました。どうやらLGBT(という言葉で端的に表すのも躊躇われる事情ですが、今回は便宜的にこう表現します)が関わってくるお話のようで。ただ重めの話なので倦厭していたんですよね。12月に2巻も出ますし、読んでみるつもりではあります。

 

7位の『義妹生活』はYouTubeからスタートした物語ですね。とはいえYouTubeと本編は密接にかかわっているというより、あくまで関連コンテンツという位置づけのような気もします。こちらも評判がよく、先日12月24日に発売の4巻の書影が公開されて、すごく気になったんですよね。7位は伊達じゃないでしょうし、読んでみようと思います。

 

9位『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』は、実はつい最近2巻を読みまして。「あ、これこれ! 青春ラブコメって感じ!」となった作品です。もっと早く読んでたら入れたかもしれないですね。3巻も12月発売ですので、もちろん買います。天邪鬼はよくないなーって思った作品です(自戒)。

 

14位『ただ制服を着てるだけ』も、発売当初から気になって試し読みをしていました。ただちょうどそのときが重めの話を受け付けない時期だったので断念したんですよね……これを機に読んでみようかな、と。やっぱり読み合わせは重要ですからね。

 

私が投票した作品だと、ラブだめが12位、ホヅミ先生(とくんと。)が17位に入っています。ギリギリ1巻だけだと選ばなかったマケインも、18位ですね。2巻のあとなら絶対に入れていた一作です。

 

どれも素敵な作品ですので、読んでみたいですね。

 

 

4.終わりに

さて、長くなりましたがいよいよ終わりです。長くなった理由の大半がチラムネについて語っていたからだ、とか言ってはいけません。しょうがないじゃないですか。発売前から推してた作品が二年連続一位ですよ? うざ古参アピールだってしたくなります。

 

とはいえ、このラノは順位だけのものではありません。

インタビュー記事は「え、これ文庫本一冊分くらいで読ませていただいていいんですか……?」ってくらいに読んでいて価値がありますしね。

ラノベは月に何十冊も出ています。私は基本的にはどんな作品が出るのかを調べたうえでタイトルと表紙、あらすじを吟味しつつ月に2~5冊ほど選ぶのですが、やはりそれだと限界があるわけで。

そんなとき、ラノベ好きの人の愛が詰まったコメントを読むと「お、いいじゃんこれ」ってなりますよね。実際、気になっていたけど手が出せなかった作品に手を出す勇気も出ました。

11月25日は、あわてんぼうのクリスマス。そんな日にラノベと向き合い、ラノベ生活をよりよくできるのがこのラノなのかもしれません。そう思うと、編集の方には感謝しかございません。

 

「凄い」という言葉の定義を巡って9月上旬あたりには揉めたり、協力者の話でごだごだしたりして、実は私も少し辟易していたのですが……そのなかでたどり着いたのが、『ラノベってワクワクさせてくれるんだよな』ということでした。

ラノベはワクワクさせてくれるんです。

タイトルがあって、かっこよかったり可愛かったりする絵があって。どんな物語なんだろうっていうワクワクが、1000円にも満たない額で買えて。

SNSで発売前から想像を膨らませたり、試し読みをしたりして、遠足の前の日のようなワクワクを味わえて、いざ読んだら一生手放したくないって思える光に満ちているんです。

だから私は、ライトノベルのライトは軽いと同時に光でもある、と勝手に思ってます。もちろん勝手ですし、ジャンルなんて……って意見も幾らでもあるんですけどね。それでも私は、他の本ではなくライトノベルの存在に救われたので。

 

 

そんなわけで最後は語ってしまって痛々しかったですが、年に一度くらいはご容赦を。

来年のこのラノも、ライトノベルを好きでいられるといいな、ラノベ界隈の片隅にいられればいいな、と思いつつ。

 

それでは読んでくださってありがとこーございました!

下記に紹介した作品のURLを貼っておきます。未読の方はぜひに!

 

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【幼馴染と、初恋と】『負けヒロインが多すぎる!2』感想

こんにちは、とこーです。

お久しぶりですね。いや、ほんとに。

最近はちょっとやることがありまして、なかなか新作ラノベを終えていない部分があります。あとはまぁ、琴線に触れる作品の母数も少なめですし。

 

そんななか、今日は『負けヒロインが多すぎる!』の二巻が発売されましたね。

今回はその感想を書いていきたいと思います。

 

一巻感想記事はこちら

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ネタバレありになってしまうので、未読の方向けに一言

 

めっっっちゃおもしろかったです!!!

 

ではいきましょうか。

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1.ポンコツが多すぎる!

一巻から続き、負けヒロインたちのオンパレードだった今作。

今回はスポーツ少女・焼塩檸檬ちゃんに焦点が当たったわけですが、そこには後で触れるとしましょう。

何と言ってもこの作品は、ポンコツキャラが多い!

負けヒロインよりポンコツキャラが多いんですよ、これ。

何しろ主人公ポジも、勝ちヒロインポジも、実際の主人公である温水くんも、負けヒロインたちも、おおよそみんなポンコツな要素があって……。

で、そのツッコミどころ満載な掛け合いと、それに巻き込まれる自称背景キャラの温水くんのツッコミが面白い。

めちゃくちゃ可愛い、萌える、悶える、っていう展開ばっかりじゃないですし、甘々が跳梁跋扈する今の時代では、そういう要素が物足りないって感じるかもしれないです。

が!!!!!

このポンコツで抜けがあって、でもちゃんと大事なところはしっかりしている感じ。

これが実にキャラの魅力になっていていいんですよね。

 

これ一巻のときにも言いましたけど、やっぱりこういうのが青春ラブコメなんですよ。

痛みもあって、モヤモヤもあって、でもそれを包み込んで『読んでて楽しい!』って思えるコメディ要素があって。

ツッコミどころ満載で、現実的かというと微妙なところがあって、けどそれがダメなんてことはちっとも感じない。そう思える作品でした。

 

個人的にはゾンビ系ギャル(?)志喜屋さんが好きです。あと朝雲さんも。この人たちはまともかなーって油断してたら、余裕でヤバい人たちでした(語弊ありまくりの表現)

 

 

2.ぽっと出のモブキャラの成長

今作の主人公である温水くんは、一見すると平凡に見える人です。

が、割とアレな部分があることは一巻を読んだ方ならお分かりだと思います。

「そーゆーとこだよ」と再三言われる彼は、マジで残念で、お世辞にもかっこいいとは言えなくて、けど愛嬌が持てるキャラです。

一巻のあのラストに於いての友達のシーンとかね。

 

で、今回。

温水くんはしっかり八奈見さんと友達になり、色々あって焼塩さんたちとのアレコレに巻き込まれていきます。

その中で垣間見える温水くんの成長というか、変化というか、そういうのがいいなぁって思いました。

少しずつ、でも確実に友達を作っていき、友達付き合いに対して抱くモヤモヤや戸惑いとも向き合って。

めちゃくちゃ『THE友情』って話じゃないですし、そこまでなるほど関係が進展してるわけじゃないですけど、着実に友情を築き、友達付き合いを自分事にしていってる感があってよかったです。

個人的にはあれです。焼塩さんのお祖母ちゃんが最後に温水くんに告げた、あのセリフが好きです。なんかグッときました。私だけかな。

 

 

3.夏の夜に隠した初恋の行方―—

さて、表紙を飾った焼塩さんの話に移りましょうか。

一巻に於いて、三連ちゃんみたいな形で見事に玉砕していった三人の負けヒロイン。

そのうち、焼塩さんだけはいまだに想い人に想いを告げられずにいました。

そんな彼女が想い人・綾野くんと一緒にいるところを発見されて……というのが今回のお話。

 

焼塩さんの話に移ると言っておいてなんですが、今回は焼塩さんと綾野くんを巡る、朝雲さんの切実な思いや八奈見さんの考えも胸に残りました。

 

焼塩さんと温水くんのやり取りとかもよかったんですけどね?

焼塩さんが涙するシーンとか、童話の話のところとか、好きだった!

けれどやっぱり小学校での、焼塩さんと綾野くんの話が一番胸に刺さりましたね。

負けヒロインだった焼塩さん。

しかし女として見られていなかったわけでも、全く好意を抱かれていたわけではなくて、そういう意味では負けていなかったわけで。

けどそれでもやっぱり時間は巻き戻らないし、ハッピーエンドの前にも戻らないから、等しい時を進んでいくしかない。

そのためにちゃんと初恋を終わらせて、『好き』って言えて終わるのは、負けヒロインの美しい散り際だったのではないでしょうか。

私はあのシーン、冴えカノの幼馴染ヒロイン・英梨々が頭をよぎりましたね。

桜の散り際が最も美しいように、夏休みの終わりが或いは一番夏を感じるように、ちゃんと負ける瞬間の輝きってこうも美しいんですね。

あの見開きの挿絵は最高でした。

あのシーンによって、私のマケインへの好き度は一気に上がりましたね。

 

 

 

そんなわけで、久々に感想を書いたせいでいつも以上に駄文でしたが。

今回はここまでとしたいと思います。

三巻にしてもう二学期とか早いなとか、夏休みの諸イベントしれっとスキップする温水くんは「そーゆーとこだぞ」とか、色々思いつつ。

三巻が楽しみになる、とても素晴らしい二巻でした!!!

『これからくるライトノベル大賞』……もとい、『次にくるライトノベル大賞』でもこの作品はノミネートされているそうですので、気が向いた方はぜひ投票を。

 

と、急に回し者感を出しつつ。

読んでくださってありがとこーございました!

【メタラブコメディ?】霜月さんはモブが好き 感想&おすすめ

こんにちは、とこーです。

つい昨日おすすめ記事を書いたんですが、今日無事買えたので『霜月さんはモブが好き』の感想とおすすめポイントを書いていきたいと思います。

ネタバレは致命的なところを極力避けるつもりですが、気になる方はぜひ昨日のおすすめ記事の方を。

とりあえず、期待を裏切らない作品だったことは間違いなしなので!

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1.二つの軸が交差する作品

この作品を読んで第一声私は、『えぐみ強っ……』と呟いてしまいました。

それくらいにこの作品は癖が強かったんです。

ここまでの癖は、最近なかなか見ないですね。唯一あるとするとラブだめくらいかなぁ、という感じ。

と、今タイトルを挙げたことでピンときたんですけど、確かにこの作品は『現実でラブコメができないとだれが決めた?』(ガガガ文庫)と、ベクトルは全く違いますが、癖の強さという意味で似ているかもしれません。

じゃあどこの癖が強いの?というのは、次の見出しで書くとして。

ふと分析してみると、この作品は二つの軸が交差したり離れたりして進んでいくラブコメディなのかな、と感じました。

 

その二つの軸とは。

まず一つが、徹底的なメタラブコメディ。ともすればアンチラブコメディと見えてしまうほどの俯瞰的な、そして性悪説的なラブコメ分析が組み込まれているように思えます。

もちろんこれは私の感覚なので悪しからず。

そして、別に悪い意味ではありません。こういうのを書籍のラノベでやってくれるのを待ってたので、むしろめっちゃ楽しめました。

ただそれって結構癖が強くて。

その癖を包み込むオブラートが、もう一つの軸なんですよ。

 

そのオブラートの正体は――そう、霜月さん。

メインヒロインである彼女は、表紙のビジュアルからしてめちゃ可愛いわけですが。

作品の中では、更に可愛さMAXだったと言っていい気がします。

ヒロインに萌えているのか、それとも娘に萌えているのか……と思ってしまうくらいに愛玩的な、守りたくなる可愛さがあるんですよ。

けどそれは『俺が守ってあげなきゃ』的なあれじゃなくて、『守りたいこの笑顔!』という感じ。

needじゃなくてwantなんですね。

 

で、その癒しオブ癒しな霜月さんとの触れあい――すなわち“甘々展開”が、癖の強い描写と混じり合い、相互作用で不穏さや癒しを増しているのがこの作品なのでは、と思いました。

 

というか甘々の正しい使い方はこれだと思うんですよ(暴論)。

 

2.メタラブコメディ

メタとは、アリストテレスの著書『メタピュシカ(=形而上学)』に由来する言葉であり、「ある学問や視点の外側にたって見る」という意味があるそうです。

……そうですネットで調べました。いやちょうど最近、倫理の授業でアリストテレスについて学んだのもあるんですけどね?

 

で、私の無知と知の話はさておき。

ラノベにかかわらず、オタクコンテンツに於いて『メタ』という言葉は、割とポピュラーですよね。

アニメであればナレーターにキャラが話しかけたり。作中で語り手が読者を意識したり。その他色々と『メタい!』と笑ってしまうようなところがあります。

 

そうでなくとも、『メタ』は色んなコンテンツが発展するうえで必要不可欠なものなのではないかと思います。

それはある意味で二次創作的です。

皆が思い描くぼんやりとした概念(一次創作)を基に二次創作的に『こうだよな』と読者だった人間が書くことで、俯瞰的な視野を取り入れた作品が生じる。

それが顕著なのがラノベの青春ラブコメなのでは、と思います。

 

金髪ツインテールツンデレとか、黒髪ロングはヤンデレとか。

負けヒロインを勝たせたいとか、幼馴染は無敵だとか。

まぁ色々ありますよね。

 

この作品はそういった『メタ』視点を徹底的に組み入れ、ちょっと気持ち悪さを覚えるまでに貫いたと言えるでしょう。

 

『ハーレム主人公』の独りよがりさ。

『ハーレム要員』であるサブヒロインたちの恋心。

『モブ』である主人公・中山の思考。

 

それは、『ここまであからさまに酷いラブコメはなくね?』と言いたくなるほど性悪説に準拠していたように思います。

それに加え、まるで世界の意思かのような作為的な要素を主人公自身が感じているあたり、ラブコメ(概念)が我が物顔で鎮座しているような世界観なんですよ。

 

この点が、ちょっと本気で癖が強いように感じます。

露悪的・性悪説にやや拠ったラブコメ主人公観を『この作品ではそういうもの』として一度受け入れることができるか否かは、絶対に作品を楽しめるか否かに直結するでしょう。

 

そして楽しめるタイプの人は、もう絶対面白い。

特に私が鳥肌が立ったのは後半ですね。

とある人物のラブコメ的な行動が『ハーレム主人公』を『覚醒』させることになるのですが。

そのときの文脈と言うか、徹底的な思考にマジでゾッとしました。

なんならちょっと『こういうこと言う奴、いるかも……?』と思いましたし。

こういう描写が見たかった。

ブコメの暴走というか、気持ち悪さというか。

そういうところを描き切るメタラブコメディが好きですし、いいんですよ……!

 

このブログを普段から読んでいただけてる方は分かると思うんですが、私は『モブ恋』(電撃文庫)に始まり、『俺がラブコメ彼女を絶対に奪い取るまで。』(富士見ファンタジア文庫)など、ラブコメをメタ的テーマとして触れつつラブコメする作品が大好きなんです。

なので私と同じ趣味嗜好の方はぜひに!!!!

 

 

3.霜月しほちゃんが可愛い!!!

はっきり言って、これだけで読む価値がありますね。

めっちゃ可愛い。

いつもは無口でクール。でも自分にだけはオシャベリとか……もうオタクが好きな奴でしょ(偏見)。

ところどころポンコツで、なんだか見守りたくなる可愛さがあるんですよね。

親心―—否、父性と呼んでもいいのかもしれません。

しほちゃん可愛いよ!と。

父親的な目線で、まるで運動会のときに人一倍はしゃいで周りから惹かれるような感覚で可愛がりたい可愛さがあるのです!

 

かと思えば、主人公の気持ちにはすぐに気付く鋭さもあるから魅力的です。

というのも彼女、耳がいいんですよね。

嘘とかそういうのが分かるレベルで耳がいい。

どこぞの黄色い髪の鬼斬りを彷彿としたのは、つい最近アニメが始まったからしょうがないとして。

その耳のよさで、『モブ』である主人公・中山の気持ちを汲み取ってくれるところがとてもいいんです。

 

というか、ごめんなさい。

話逸れますけど……こういう『リアルじゃない』ヒロイン描写、めちゃくちゃよくありません????

そんな耳がいいとかありえないだろ!って思うけど、でもそういうのがラノベじゃありません?

リアルではなくラノベだから、もうそういう設定が積み込まれて軽くごった煮っぽくなる感じ! 好き!

 

……こほん、話を戻しましょう。

そんな霜月しほちゃんなのですが。

作中で、彼女視点で三人称により進行するシーンがあります。

そこがどんなところなのかはぜひ読んでほしいんですけど……。

私はあそこで『好き♡』ってなりました。

しほちゃんだけじゃなくて、中山のことも。

やっぱりヒロイン視点での主人公描写って絶対いいですよね。そういうのがあると、ぐっと物語を好きになれます。

 

イラストのマッチもやばい。

綺麗で、美麗で、可愛くて。

ある意味ではどこかミスマッチな部分もあって、その摩擦によって生じる魅力が、更に彼女を可愛くするのですよ……!

可愛さ極振り、待ったなし。

 

でもイラストで言うと、中山が描かれていたところも好きなんですよね。

というわけで次はそのことに触れます。

 

 

4.主人公の魅力

主人公の名前は中山幸太郎。

彼は『モブ』を自認し、『ハーレム主人公』である竜崎龍馬と対比的に描かれていきます。

ただこの『モブ』とか『ハーレム主人公』ってところは、2で挙げたようにメタ的要素が思いっきり詰め込まれているので、ちょっと単なるワードで説明しきれないんですよね。

世界の意思が……的な描写もあったりしましたし。

 

もちろん実際に世界の意思が働いたというより、『モブ』とか『ハーレム主人公』とか、そういうレッテル貼りをしているからこそ思い込んでしまっている、ということなのだと思います。

そしてその思い込みがさらにレッテル貼りを加速させて……って感じ。

 

そんな中山ですが、ぐっっと魅力的な人物になっていました。

比較対象は……WEB版ですね。

あちらより卑屈さが消え、ラブコメに抗うメタ視点の持ち主、という色が強くなっていたように感じます。

語り部として、主人公として、一気に魅力的でかっこいい人物になってくれたのでホクホク気分です。いや、WEB版も好きだったんですけどね?

 

霜月みほちゃんのために頑張るところは本当にかっこいい。

イラストもいいんですよ!

っていうかガチでイケメンで好きぃ……顔がいい男は無条件で正義まである。

Roha先生、神絵師すぎないです?

それなのに口絵から追い出されて帯にしかいけなかったとか……中山どんまいすぎる。

けど主人公至上主義を掲げる私が太鼓判を押すので、主人公の魅力はばっちりだと思います。

 

 

5.今後の展開、そして……

気になるのは今後の展開や、『ハーレム主人公』の周りのヒロインたちなんですよね。

彼女らは中山とは元々知り合いだったわけで。

それなりに濃い関係を築いていたということは、今後は中山と関わることになるのでしょうか。

でもそれって色々と難しいところがありますよね。

 

私的には一巻で語られた一人のヒロインには既に好感を持っているのですが、それでもラブコメ(概念)の存在感が強すぎて読めないところがあります。

単にヒロインになるとは思えませんし、そもそも霜月しほちゃんが強すぎますし。

 

そして何やら随分とイレギュラーな人物がやってくるフラグも立っている気が……。

メタラブコメディ度は決して減らずに進んでいきそうな気がします。

 

まぁ、二巻は出ますよねッ????

伏線敷かれてるし、そもそも面白いですし!

GCN文庫の看板になれる作品ですよ、えぇ。

 

そんなわけで……どうか二巻以降を。

長期シリーズにしてください!!

ブコメを追うの、めっちゃ楽しいんです!

 

 

 

 

と、今回はここまで。

頭がゆるゆるなのはいつものことということでご容赦を。

本当に癖が強い一作でしたが、面白いのでぜひ読んでみてくださいね。

 

上に戻るには面倒な文量になったので、リンクを改めて貼っておきます。

 

それでは読んでくださってありがとこーございました!

【めちゃ楽しみ】『霜月さんはモブが好き』がワクワクする!

こんにちは、とこーです。

最近はやりたいこととやらなければならないことが多い&ワクワクする作品が少ないので記事を書くことが少なかったのですが……

本日は新レーベルGCN文庫から書籍化されます、『霜月さんはモブが好き』を見て久々にテンションが上がったので発売前にワクワクするポイントを挙げていきます。

もう書店に並んでいるところもある?

ええ、知ってますとも。

それが羨ましいから欲求を抑えるために書いてるんです!!!!

 

ってなわけで、購入に迷っている方はぜひ読んでいってくださいませ。

 

 

 

1.『小説家になろう』からの書籍化

今作『霜月さんはモブが好き』は、『小説家になろう』にて大人気を博した作品の書籍化となります。

ただ他の書籍化作品とは異なり、色々と賛否両論な部分のある作品だったんですよね。

 

連載開始当初に読んだときの私は『おお、いいな……』と思いつつも、ちょっと癖が強かったので途中でやめてしまいまして。

ですが今回書籍化が決まったということで改めて読んでみたら、これがもう、めっちゃいいんですよ。

癖は強いですけど、面白い!

 

話の筋は、いわゆる甘々な青春ラブコメです。

目立たない少年が美少女と出会い、気に入られる。そんな作品。

ただ特徴的なのは、クラスにハーレムを形成している別の男子がいることなんですよね。その男子を好いているヒロインたちとも色々問題があって……という感じっぽいです。

『っぽいです』でとどまっているのは、書籍で読みたいと思ったのでWEBの方を読むのを途中でやめたからです。

モブを自認する男の子と美少女とのラブコメ、という意味ではある意味ありきたり。

でもメタな視点を取り入れて『主人公』とか『モブ』に焦点を当てているところが、本当に面白かった。

そもそも、私は『モブ恋』みたいなラブコメが好きですからね~。

こういう作品が嫌いなわけがない、という。

 

では、そんなこの作品のどこが賛否両論だったのか。

これは色々とあると思うのですが、『主人公』と『モブ』などの点への考察的な部分の癖が強かったことだと思うんですよね。

その尖り方がWEB小説媒体では刺さらないことが多かったのかな、と。

あとはハーレムを形成している存在の周りにいるヒロインとの関係性とか行動とか、そのあたりでしょうか。

 

そのあたりは悪いというより、癖が強いって感じかなとは思いました。

 

が、著者の八神鏡先生曰く、9割以上が書きおろしとのこと。

悪い部分を徹底的に直した……とおっしゃっていました。もちろんその言には冗談も混じっているそうではありますが。

ともあれ、プロの編集者の方の眼が入ったことで更にブラッシュアップされた作品になっていることは間違いなしでしょう。

だからこそ、もうめちゃくちゃ期待できるんですよね。

 

 

2.新レーベル創刊!看板作品となるかっ?

この作品は、GCN文庫と呼ばれる新しいレーベルから出版されるそうです。

今月から創刊される、とのこと。

なんだか『始まるぞぉぉ』って感じがしますよね。

この時点でワクワクだなぁって思うんですけど、まぁそれはさておいて。

 

ここからは私の持論なのですが。

ラノベレーベルが跳ねるためには、ラブコメ分野で看板となるような作品が必要だと思っています。それと同じくらいファンタジー分野でも看板となる作品が必要でしょうが。

 

そしてこの作品はまさにGCN文庫の看板となりうるのではないかと思います。

何しろプッシュされてますからね。

各種法人で特典が用意されていて。

メロンブックス様なんかだと、超かわいいタペストリーつき特装版まであるみたいです。

 

ラノベが色々と厳しいと言われてしまっている昨今。

新しいレーベルを創刊する意図は私には分かりませんが……GCN文庫の始まりを盛り上げてくれる作品になれるって確信がなければ、そもそもこういう書籍化の仕方はしないのでは……?って感じですしね(勝手な妄想)。

 

 

3.超絶可愛いイラスト!!!

作品の表紙を見れば分かるでしょうが、この作品は本当にイラストがいいんですよ!

いや最近のラノベ業界ってTwitterなどのSNSの普及によって色んなイラストレーターさんが参入してきてますよ?

でもその中でもずば抜けてるのでは?と思っちゃう表紙じゃないです?

 

まずそもそも、シンプルなのがいいですよね。

白バックにヒロイン一人っていう表紙こそ様式美だと思っている私的にも満足できるシンプルさ。

かと思えば窓から覗く外の光景が様々なものを妄想させ、『あぁ青春っぽいなぁ』って感じる。

ふと視線を落とせば、瑞々しい生足が輝いていて。

にこりと笑う美少女は、どこか悪戯っぽくもあり、なのに聖母のように優しくも見える。

制服の皴の入り方とかめちゃくちゃ可愛いですし、靴下の微妙な皴の感じが最高だと思うんですよ!!!!

それで、それで!

タイトルロゴもめっちゃおしゃれ!

霜月さんの『霜』の上にある六花とか、『霜月』『モブ』『好き』は白字水色枠、『さんは』『が』は少し濃い青字という変え方とか!

もう名作ラブコメってこういうロゴですよね!!

右端の『GCN文庫』の文字がきゅっと締まっててかっこいいですしね。

 

けど『表紙だけ綺麗で、中の挿絵は微妙なんじゃ……?』と不安に思うときってありますよね。

が、ご安心ください。

Amazonの紹介ページで見れる挿絵を見ると……もう、その時点でいい!

かわゆい。

これは勝った!

そして買った!

 

 

 

そんなわけで、今回はここまで。

読んでいた方は分かるでしょうけど、マジで早く読みたい気持ちをぶつけてるだけです、はい。

けどまぁ、楽しみな新作は推すのも含めて楽しみですからね。

ワクワクしながら発売まで(と言っても明日あたりにはゲットしたいですが)待ちたいと思います。

 

 

そんなわけで。

読んでくださってありがとこーございました!

 

 

【宝物みたいな夏】『ホヅミ先生と茉莉くんと。Day.3 青い日向で咲いた白の花』感想

こんにちは、とこーです。

10月に突入した今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。

本日はそんな今月発売された『とくんと。』三巻を読みましたので、感想を書いていきたいと思います。

ネタバレ要素はゼロじゃないと思うのでそのあたりはご注意を。

とはいえ今回はこの作品への愛がめちゃくちゃ高まったお話だったので、ぜひ未読の方は読んでみてください。

過去の記事を貼っておきます。

 

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それでは行きましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

いつもならば要素ごとに抽出して書いていくのですが、なんだか今日はそういう気分ではありません。

この作品が大好きで、より多くの人に読んでほしい、という気持ちがあります。

この感想を読んだ誰かが作品に手を伸ばそうとしてくれたなら、それはどんなに幸せな子とか。

でもそれ以上に、この感想は思うがままに書きたい、と思いました。それくらい心に染み入る物語だったのです。

 

と、そんな言い訳をしつつ。

今回の三巻は夏のお話でした。

一巻から積み上げたものの集大成、第一部完。そんな感じがあるかな、というTHE登場キャラ皆活躍回だったと言えるでしょう。

 

夏。

皆と遊ぶ、楽しい日々。

それを時に可笑しく、時にえっちく、時に泣きたくなるくらいにキラキラした文章で描いてくれるのがこの作品であるように思います。

他の作品がどうというわけじゃないですけど。

この作品には、ちっとも要らない文章がないんです。

どの文章にだって物語性があって、感情を揺さぶられるだけの優しさとか、楽しさとか、そういうのがこめられていて。

文庫本約10万文字。

全てが、眠る前に読み聞かせてほしくなるような優しさを伴っていて。

全部が、朝読んで元気になれるような輝きを持っていて。

その中にある少しの特別が、宝物の中の代表だよって顔をして、誇らしげに存在しているんです。

 

だから日常描写一つをとっても胸がきゅぅぅと心地よくて、優しい気持ちになれました。

物語の中で起こっていることって、ものすごく突飛なことってわけではないんですよね。

クリエイターものと日常ものの掛け算。三巻に至ってはちょびっと懐かしさのあるドタバタ青春ラブコメっぽさもあって、だからとっても読んでいて楽しい。

 

その日々をホヅミ先生の視点で素敵に切り取るから、物語が本当に素敵なものに感じるのではないかと思います。

これって、一人称ならではですよね。

単にキャラが語り部となるだけでなく、それ以上に日常の切り取り手になっているわけで。

そういう作品はもちろんないわけではないんですけど。

やっぱりその中でもこの作品はずば抜けて好きだなぁ、としみじみ思いました。

 

 

そんなこの作品ですが、なかには熱いシーンもありました。

というかいつも、終盤にかけて一気に熱くなってくれるんですよね。

ホヅミ先生はやっぱりハッピーエンドに連れて行ってくれるんです。

バッドエンドどころかメリーバッドエンドすら認めない。皆が幸せになるように、不幸な展開を書き換えてしまうんです。

 

今回もやはり、問題が発生しました。

今回は朗読劇での問題。

それに対して、茉莉ちゃんが叫び、泣いたのが印象的でした。というかもうその前の時点から号泣必至。

大人になれたら。

そんな歯痒さをどこかで抱いていた彼女が、子供だから諦めきれないと主張して。その涙にホヅミ先生が応えて、全力で駆け抜けて。

仲間の力を借りて、皆で成功へ。

展開が最高すぎるうえ、その最高な展開を彩る文章すら最高だから手に負えない。

こんなの、全部が宝物になるに決まってる。

 

もう夏は過ぎてしまったけど、まだ外は暑いです。

我が家では冷房がついたまま。

秋の気配はちっともなくて、だから『ああ、まだ夏なんだ』って思っちゃうことができました。

 

その後の展開は、本当にハッピーエンド一色でしたね。

作家もので、時にビターな一面も描くのに、本当の本当に大事なところは全部幸せ一色に塗っちゃうんですもんね、この作品。

夢物語みたいな展開じゃないときだって幸せな気持ちにさせてくれるのに、最後の最後には最高の夢見心地にさせてくれるから本当に好きです。

 

三巻を経て、また好きになりました。

というか私、今回のこのラノでもがっつり票を入れてるくらい好きです。

 

なのでぜひね、四巻も出てほしいなぁ、と。

秋を、冬を、またやってくるかもしれない春を。

そして恋の行方とか、まだ見ぬハッピーエンドとか。

そういうものをもっともっと見せてほしいなぁと思うわけですよ。

 

そういうわけで未読の方!

ぶっちゃけここまで書いた感想のほとんどがポエミーで、『なんだこいつ』みたいな感じだとは思うんですけど!

まとまりとか一ミリもなくて読書感想文なら再提出を求められること間違いなしな駄文の書き殴りなんですけど!

でもこの作品がいいことには変わりないので、ぜひとも読んでみてください!!!!!!

 

 

 

 

 

 

……あと一つ。

読んだ人なら分かってもらえると思うんですけど、私はあとがきで泣きました。

なんかすっと、泣けました。なんででしょうね。ちょっとだけ自分のことが好きになれた気がします。チョロいのかな。

 

 

 

今回はこんなところで。

読んでくださってありがとこーございました。

【現実】『現実でラブコメできないとだれが決めた?4』感想

こんにちは、とこーです。

今回はラブだめの最新刊を読んだので感想を……書きます。

えー、なんかちょっとですね、お通夜ムードでして。

これもう、五巻が出るまではろくに書けないじゃんって感じなので、今回は短めになると思います。

ネタバレありありですので、未読の方はご注意を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.ラスボス・THE BEGINING

今回は、これまでちょいちょい不穏な動きを見せていた芽衣さんが表紙を飾っておりまして。

あの三巻のラストからの四巻ということで、まぁ……はい。その表紙を芽衣さんが飾っている時点でお察しだったわけですが。

 

なんと、今回はほぼ全て芽衣さん視点。

しかも芽衣さんの中学時代を描くという……。あとがきで実際に仰っていましたが、外伝のようになってもおかしくないお話でした。

いや外伝というより異伝、秘伝というべきなのでは……という感じ。

 

今までの芽衣からは想像がつかないくらいに真っ直ぐで一生懸命な姿が描かれていました。

耕平の完全上位互換かよ、と思うほどに優秀な芽衣さん。

彼女とその周りの仲間たちの青春を、ちょっとびっくりしてしまうくらいに丁寧に描いていました。これまで名前すら出てきてなかったようなキャラをここまで出すとか、やっぱりこの作品はイレギュラーですね。

 

で、まぁ。

芽衣さんの過去編が描かれるだけならいいんですよ。

他のヒロインたちも、過去のことを描かれているわけですし。

けどね??

今の芽衣さんに至るまでの過程を描くということはつまり、ドン引きするほどの現実を突きつけてくるということでもあるんですよ。

 

築いてきた信用、仲間との絆、抱いていた理想。

そういうものが全部、がらがらと崩れていく。

その過程は、ちょっと本気で『ん????? 何を読んでるんだ????』となるほどでした。

絶望の音って聞こえるんですね。

しかも、紙で読んでるとだんだん気付き始めるんです。

『あれ、これってもしかして過去編で終わりじゃね……?』と。

三巻でああいう風に引いておいて、四巻でも救われないの⁉と。

ブコメ(?)を読んでて絶望って言葉を使うこととかめったにないですからね、ほんと。

 

 

ただ、それと同時に芽衣さんがラスボスではないんだな、ということも実感したのが今回でした。

あくまで敵は現実。

だって芽衣さんはあれだけ痛い目に遭ってもなお、皆が笑えることを望んでるじゃないですか。その方法は変わっていますし、冷たいものになっているかもしれない。でも、悪意をもっているわけじゃないですもんね。

 

そういう意味では、いつかは……

笑ってぇ……。

 

 

2.考え得る限り最悪のタイトル回収

エピローグのタイトル

『現実でラブコメできないと〝みんな〟が決めた』

これは、言うまでもなく作品タイトル『現実でラブコメできないとだれが決めた?』の回収です。

なんですけど……こんな最悪のタイトル回収あります?

 

いやね、『理想の結末』に『バッドエンド』ってルビを振るのはまだいいっすよ。

その他もろもろ、えぐい展開もまぁ、現実だしねってことでいけます。

けど、このタイトル回収は……あまりにもえぐい。

言葉を失いましたね。

今まで、なんだかんだ熱量で現実をぶっ倒してきたからでしょうか。

こういう回収の仕方もありうるってことが頭から抜けていました。

 

悪魔か?

 

軽くトラウマもんですよ、これ。

もう怖いので、マジで五巻を……。

 

 

3.希望……?

正直に言うと、四巻はもうちょい希望に満ちた巻だと思っていました。

芽衣さんも含め、皆を救っちゃうくらいに色々とやるのかとばかり。

けど開いてみれば、最悪最凶のバッドエンド。

 

でも、僅かな救いもあったのでした。

 

たとえば7番さん。

あの状況で、耕平を捜していました。まだ諦めていませんでした。それどころか情報まで集めてくれていましたよね。

他の人もそう。

三巻でメインとなっていた色んな人たちも、決して折れていないんです。

 

というか!!!!

四巻のあらすじ読みました????

『耕平は混乱し、後悔し、それでも皆の想いが、成し遂げたい理想があるから、次の策を必死に考える。』

これ読んだら、希望の方が先に来てくれると思いません?

どん底突き落とされた後に僅かに差し込む光とか、もはや全然光じゃないでしょ。届いてないよ、日光!

 

けどけど、五巻こそは!

五巻はようやく、救いがありそうな予感がしますね。

何しろ、耕平の元同級生らしきキャラの気配がありましたからね。

元はと言えば、どこにでもいる中学生Aだった耕平が立ち直れたきっかけは元同級生たちの言葉なわけで。

だったら今回も、何かしらの形で現状打破してくれるのかも……?

 

 

そして!

皆さん気付きました!?

ブログも下になってるし、引用しちゃいますけど。

 

〝メインヒロイン〟がいない、理想なんて。

〝メインヒロイン〟が、理想じゃ絶対に救えない話なんて。

(中略)

一番、近くにいる人を――。

不幸にするしかないのが、現実のラブコメだというのなら。

『現実でラブコメできないとだれが決めた?4』P324‐325

 

これは最後の最後、芽衣さんと耕平のやりとりなわけですが。

文脈を考えると、絶対『一番、近くにいる人』って7番さん、もとい上野原さんなんですよね。

この場面で上野原さんのことを意識し、不幸にしたくないと願う。

ここ、超絶好きなんですけど分かります??????

っていうか、四巻に関してはここ以外、全部大っ嫌いだけど大好きという倒錯した感情しか持てないんですが????

 

 

 

 

こほん。

何だかんだそれなりの文量になりました。

しょうがないです。あまりに辛い四巻でした。この四巻だけは、『いいから五巻が出るまで待ちなさい。買って積んでおくんだ』と思ってしまうレベルでバッド&バッドでしたから。

負け確イベントをラブコメに設けるの、やめてもらっていいですかね……。

 

そういうわけで、早く五巻が発売することを祈っております。

年内はキツイんでしょうけど……これは流石に年内、あるいは1月あたりに出してほしい。春まで待つとか拷問でしょ……。

 

では今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

 

【二番目】『わたし、二番目の彼女でいいから。』感想&おすすめ

こんにちは、とこーです。

今回は今話題の二番目彼女をようやく読めたので、感想を書いていきたいと思います。ネタバレは極力避けていきますが、完全になくすのは難しいのでご注意を。

 

それではいきます。

 

 

 

 

 

 

1.とにかく“巧い”作品

この作品は、あらすじやタイトルからも分かるように、ちょっと普通の恋愛とは違う恋愛を抱いた作品になっています。

その背徳感とか不純性とかキャラとかそういうところももちろん触れるのですが……

まず第一にこの作品を読んで思ったのは、『巧い』ということでした。

 

まず前提として、この作品では主人公と早坂さんが互いに『二番目に好きな相手』として付き合っています。

そもそもとして、この関係性がなかなかに複雑ですよね。

主人公は誰が好きで、早坂さんは誰が好き。

けど色々と事情があって叶わないかもしれないから、二番目同士で付き合おう。

その展開は分かりますが、これを書こうとするとそれだけでかなりの文量が必要となってくるはずです。

そこを、この作品では既に『二番目に好きな相手』同士で付き合っているところから始まります。

むしろ二人が付き合っているところを描写し、その甘さやドキドキ感を読者に与えた上で『二番目である』ということを提示しています。タイトルが直球だからこそ、読者は『この二人が二番目ってことなのかな』と自然に理解するようになりますし、読書意欲をものすごく駆り立ててくる構成であるように思います。

前提となるタイトルが示す展開へと至るまでに時間を費やす、という作品も多々ある現在。カットするべきところをカットし、描写すべきところを選び、その上で説明をきちんと入れる。

この選球眼のような編集力と全体の構成を考えて話の順番を決めていく力がとんでもないな、と思うわけです。

 

それは序盤だけではありません。

この作品は、とにかく構成が抜群に巧いのです。

登場する二人のヒロインとのエピソード自体も、非常に面白いでしょう。でもそのエピソードを選び、並び替え、速度感を調整する技術が凄いと思うんです。

無駄なところを省き、逆に必要なところをきちんと書くことで読者を置き去りにせずサクサクと進んでいけている作品だと思います。

これって、少しでも自分で書いたことがある人なら分かると思うんですけど、めちゃくちゃ難しいんですよね。

説明をつい書きすぎたり、展開と物語の速度感がアンマッチしていたり。

そういうことがないので非常に読み易いですし、どんどん次を読みたくなります。

正直なところ、この作品がここまで話題になっているのってそういうところが大きいのかも、と思ったりしています

 

 

2.叙述トリック?感のある話の連鎖

叙述トリック、というものを私はあまり理解できていません。

ミステリー作品に触れてこなかったので、そこは口惜しいのですが……たぶん、この作品には叙述トリック感のある描写がそこそこ見られます。

かの米澤穂信先生の古典部シリーズ『愚者のエンドロール』にて、奉太郎が考えた結末っぽさ、と表現するのが私的にはしっくりきます。ああいうのが叙述トリックなんですかね?

 

事実を淡々と描きつつ、後で綺麗に回収することでハッとさせられる。

そんな展開が結構ありました。そういう構成になっている、という部分もあるのでしょう。

これは1で挙げた構成の巧さにもかかわってくることだと思います。

勢いで話を進めたい際には、それを邪魔するような余計な説明は書かない。

逆に説明が一番効果的になるタイミングで挿入することで、説明自体に面白さを付与する。

そのことで『ああ、そういうことなのか……』となります。

もちろん、意図的に隠されているわけではないので読んでいくと自然に『もしかしてそういうことなのでは?』となります。考察や伏線と呼ぶほどのものではないですが、そこに近い『ひっかかり』がありました。

伏線回収ってみんな大好きですよね。

この作品でも『ひっかかり』を適度な頻度でドンドン回収しては更に展開しています。この繰り返しが、読書欲を駆り立ててきました。

一度するっと読んだ文章の意味が違うように思えたり、抱いていた感想に少量の毒が入ったりするような感覚はこの作品ならではかもしれません。

 

 

3.主人公の魅力

主人公至上主義を掲げる私とこー、やはりこういう作品でも主人公に対しては思うところがあります。

特にラノベや漫画だと、不純愛系の作品って主人公はかなりの正義漢だったり、初心なところが合ったりすると思うんですよ、私。

一人称描写だと、背徳なシーンはドキドキ感ばかりが出て、若干読者を置いてけぼりにしたり……。

もちろん、そういう作品もありですし、リアルだと思います。けど生々しさを出すうえでは、やはり主人公には理知的で理性的な面が必要ではないでしょうか。

そしてこの作品の主人公にはそういう面がありました。

何ならプロローグからして理屈っぽさがありますからね。

そういう理屈っぽさがあるからこそ、そこから溶けていくような背徳なシーンへの移り変わりが生々しく、引き込まれてしまうのです。

 

他の面で言っても、主人公はとても魅力的な人物でした。

というか、ちょっとびっくりです。

イラストとか見てる感じ、二人の女の子に振り回されて流されるだけの初心陰キャ男子かな、とか思っていたんですが(失礼)全然違いましたね。

周囲をよく見て、困っている人にすぐ手を差し伸べられる人です。

ぶっちゃけ、不純な要素とか入れなくともこの作品はめちゃくちゃ面白くなると思うんですよ。

それは1や2で挙げたような巧さもあるんですが、一番は主人公がそれだけ魅力的なことが理由です。

ちゃんとした哲学を持ち、きっちり行動できる人はかっこいいですよね……。

 

4.二人の魅力的なヒロイン

さて、ようやくヒロイン二人に触れられます。

早坂さんと橘さん。

主人公にとって『二番目』であり、彼女でもある早坂さんは周囲から清楚だと思われ、でも主人公の前では悪い子になるという絶対可愛いキャラです。

こんな子、惚れない人います????

適度でエッチで、どんどん主人公に甘えてくるところとかもうちょう可愛いでしょ。こんな彼女が欲しくない人がいるなら、ぜひ名乗り出てほしい。

皆との内緒の関係、というのもまた超いいです。

ものすごくドキドキします。

 

凄いのは、早坂さんも主人公をちゃんと好きなところなんですよね。

互いの恋を応援して……という男女ものがたいていの場合応援しあっていた二人で付き合うというラノベあるあるはよく聞きますが、この二人が既に付き合っているというのがこの作品のイレギュラーなところですね。

別に他の人と付き合っているわけではないので、何一つ悪いことをしているわけじゃない。

ただ秘密の恋を、『二番目』の恋をしているだけにすぎない。

なのに不思議と感じる背徳感。それは、早坂さんのいう『悪い子』という言葉に凝縮されているように思います。

 

どうして!!!

『悪い子』って言葉はこんなにも甘美なんでしょうねっ????

悪いことじゃなくとも、『悪い子』って言われると超ドキドキしません⁉

清楚だと思われてる子にそれを言われると、死ぬほどドキドキするんですけど。

 

しかも、そんな早坂さんが途中からだんだんおかしな様子になってくるのも超好き。

ぐだぐだと依存していく感じでしょうか……もう超好き。

 

 

……ここまで語れば分かるかもしれませんが、早坂さん派です。

 

 

でも、橘さんも好きなんですよね~。

どこかミステリアスな印象がある橘さんは、主人公の『一番目』に好きな相手です。

でも彼氏がいる、という噂が……

そして恋をあまり理解してなそうな様子もあって……

と、魅力的ですよね。

恋が分からないからと積極的になってくるこの感じ、たまらなくいいです。

この依存感よ。

主人公にぐだぐだと溶けていくところとか、死ぬほどいいんですけど……。

 

そんなわけで、見事に二人のヒロインの魅力を描いた第一巻でした。

 

5.ほかのキャラクターも。

主人公とヒロインに触れましたが、他のキャラクターもかなり魅力的でした。

いや、魅力的とは少し違うかもしれません。

ここでもやはり、『巧い』という言葉を用いたくなります。

 

登場人物一人一人に哲学と信念と物語上の役割を与えるのが、ドン引きしちゃうほどに巧いんですよ、この作品。

主人公たちの恋に対し、そして読者に示唆を与える。

その役割を、それぞれの立場のキャラクターがあまりに巧みにこなしすぎているのです。

それでいて、舞台装置のようには決してなっていません。

が、一冊の中ではあくまで主人公とヒロイン二人に徹底的にクローズアップしていると感じます。

この『感じる』ということが結構ポイントだと思うんです。

 

何しろ、他のキャラの出番もそれなりに多かったですからね。

そこにも読ませるシーンはありましたし、面白かった。

なのに読んだうえで、あくまで三人にクローズアップしていると感じるだけ、存在の主張が激しくなかったんですよ。

物語に溶け込む巧さが、もうとんでもないと思います。

 

 

6.背徳?不純愛?不健全?

この作品は、Twitterでも背徳だとか不純愛だとか不健全だとか色々と言われていますね。

あとはエロい、とかもでしょうか。

私はその全てに賛同し、同時にそうかな、と疑問を呈したいと考える派です。

 

というのも、すごくよく考えると言うほど背徳ではないんですよね。

だって『二番目に好きな子と付き合う』という妥協は別にありがちでしょ?

お互いに好きな子を応援しあう、というのもまぁよくあります。

応援していた相手が好きな相手に見せる笑顔にもやっとする主人公……とか、なんならぶっちゃけちょっと懐かしいですよ。

橘さんも……詳しい事情は避けますが、一部を除けば、言うほど倫理に反している存在でもありません。

エロさも、どうなんでしょうね。もちろんそういうシーンはたくさんあるんですけど、行為の進み方で言えばもっと進んだことをしてる作品も多いですよね。

 

それなのに、背徳で不純愛で不健全でエロく感じる。

その絶妙な巧さの正体は、『適度なストレス』とその『発散』にあると思います。

 

顕著なのは早坂さん。

『二番目』としてすっごく甘くてエロい展開が続くのに、唐突に現れる『一番目』の気配。

この瞬間のストレス(悪い意味ではないですよ)は、ヤバくないですか?

恋を応援系の作品は多々ありますが、その比じゃない。

甘々なだけじゃなくて、マジでエロめの展開に突入してるんですよ?

その寸止めだけでもモヤるのに、さらに別の男の陰でモヤらせてくるというこの感じ!

 

でも、そこで終わらないんですよ。

見事にかけたストレスを、きっちり過度に間を開けずに発散させてくれるんです。

しかもストレスの何倍にもなる快感で。

中毒症状になるでしょ、こんなの。もうヤバいです。

 

 

橘さんは……言うとネタバレになるので、おすすめ記事でもある今回は言及を避けます。

少なくとも橘さんは、早坂さんのようなストレスの方向性ではありませんでした。

どちらかというと純愛に近いのはこちらかも?

橘さんと主人公の純愛小説でも余裕で面白そうですし、多分どこかに類似作がありますね。

 

 

このストレス&発散のやり口が、私にはNTRものの作品に思えて仕方がない。

しかもすっごいゆっくりと堕としていくタイプのNTR。

主人公が橘さんのSNSを見ているところとか、物語終盤のところとか、マジでそう思います。

寝取り側のNTRと寝取られ側のNTRの両方の印象を兼ね備えつつ、そこがグダグダと崩壊していく感じ……。

それでいて青春感もあり、甘いし、それ以外の読み応えもあるという。

 

私は読んでいてつくづく思ったんですが、どうしてここまで好評な人がいるのか分からないんです。

このジャンルってクリティカルだけどニッチなあれじゃないです?

NTRものって地雷な人にはトコトン地雷な作品だと思うんですよ。

それなのにここまで人気が出てるのは、やっぱり巧さがあるからだと思います。

 

本来ならばそれなりに狭いターゲット層(と言ってもこういうジャンルが好きな人は多いですが)を、作品としての巧さでぐぐっと広げる。

そのおかげで、本来よりも更に堕ちる読者を増やせているのかな、と。

なのでぜひそういうジャンルが好きな方は読んでほしいですし、好きではない方も巧い作品なのでエンタメとして読んでみるといいかもしれないな、と思います。

 

 

今回はここまで。

到達文字数5000字。

文字を削れない悪い物書きがここにいますよ……。

この作品はきちんと省くところを省いているので、凝縮感がすごいのに。見習いたいものです。

あと、やっぱり早坂さんが好き。

二巻も出るっぽいですし、楽しみにしてます。早く読みたい……

でも性癖が歪む!

 

それでは、終わります。

読んでくださってありがとこーございました!

 

【危うくも、楽しい】『君のせいで今日も死ねない。』感想

こんにちは、とこーです。

今回は先月のうちに買いたかったのですが諸々の事情で買ていなかった作品、『君のせいで今日も死ねない。』を読みましたので感想を書いていきたいと思います。

ネタバレというほどのネタバレがある作品ではないと思いますが、一応内容には触れていくのでご注意を。

 

 

 

 

1.文字通り、『危うくも、楽しい。』

この作品の帯には、大きく『危うくも、楽しい。』と書かれています。

まさにこの一言がこの作品の面白さだったな、というのが第一印象です。

ストーリーは単純。

完璧だと思われていた少女が自殺しようとしているところに主人公が出くわし、色々と理由をつけて自殺を延期してもらいながら関わっていく、というもの。

はっきりと言ってしまうと、そこまで突飛ではないですよね。

もちろん死という重い題材を扱っていますし、自殺についての描写はなるほど、と思いました。

ですが、私はそこの描写自体にはそこまで魅力を感じませんでした。

というのも、自殺の理由とか苦悩に関しては『そうだろうな』という感想を抱いてしまったからですね。

完璧美少女だと思われていた子が実は苦しんでいて……って文脈は、ラノベにしろ他のジャンルにしろ、結構浸透してますもんね。社会的にはまだ自殺=いじめ、みたいな印象が強いように思いますが。

 

と、こう言ってしまうと酷評のように聞こえるかもしれないですけど、違うんですよ。

あ、これはフォローとかではなく真面目に。

この作品に於いては自殺の描写よりも、『自殺しようとしている少女』との儚くて危うい非日常な日常こそが魅力だと思ったんです。

 

自殺を引き延ばし、主人公のA君とヒロインの三峰さんは色んなことをします。

ドキドキで甘めのラブコメが展開されているところなんかはキュンキュンしましたし、三峰さん可愛いなぁ……とか、エモいなぁ……とかしみじみと思っていました。

そんな描写のなか、時折ぽつんと放たれる自殺の気配が『危う』くて、その度にA君が苦しみ、切なくなり、祈る姿が非常によかったんです。

この『危うさ』と『楽しさ』の間隙のA君や空気感の揺れが絶妙ですね。

まさに『危うくも、楽しい。』

言葉通りだったように思います。

 

2.A君がいい!

主人公のA君。彼の名前が一番のネタバレな可能性があるのであえてA君のまま行きますが、今作は彼が一番魅力的だったのではないかと思います。

あらすじにある通り、彼は陰キャでも陽キャでもなく、カーストもそこそこなモブキャラ男子でした。

三峰さんに対して憧れを抱いていたこと、彼女の気持ちに気付いていなかったこと。そういうことを含め、物語が始まるまではモブキャラにすぎなかったんだと思います。

 

だからこそ、手札全てで三峰さんに生きてほしいというエゴを通すために四苦八苦する。本音を誤魔化し、悲哀を誤魔化し、時に萌えて悶えて、けどやっぱり苦しみ。

そんな姿が最高に好きになれました。

過度に冷たく理知的なわけではなく、迷いなく情熱を通すわけでもなく、時に反省し苦悩しているところがよかったですね。彼のかっこ悪さとか無知さが最初になければ、この作品の雰囲気は台無しだったように思います。

 

物凄く言葉は悪いんですけど、童貞っぽさ、とでも表現すればいいんでしょうか。

虚勢を張るけど決定的な一歩だけは踏み出せなくて、それでも踏み出そうと在る様がよかったです。

 

 

 

 

今回はこんなところでしょうか。

小説家になろう』短編を読んでいた身として、非常に楽しめる書籍バージョンになっていました。

みー先輩に焦点を当てた短編もあるんですが、そっちはそっちですごく好きです。なのでみー先輩登場シーンはちょっと嬉しかったですね。

ただ、もう色んな状況が重なって完全に頭がドロドロに胸抉られる恋愛モノに向いてしまっていて、120%は楽しめなかったのが素で悔しいです。100%楽しむだけじゃもったいない作品だったのに……!

ということで多分読み返すと思います。それくらいいい作品でした。

 

 

それでは今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

 

【めんどくさっ】『推しが俺を好きかもしれない』感想

こんにちは、とこーです。

ラノベ感想記事はチラムネ六巻以来という、お前ラノベブロガーなのアアン?みたいな状況の私ですが、お財布にも余裕ができたので気になっていたラノベを買って読み漁っております。

というわけで今回は『推しが俺を好きかもしれない』について語ります。

若干ネタバレはあるかもです。ただ、そもそもネタバレを恐れるような種別の作品じゃない気もするのでご安心を。

じゃあ、いきます。

 

 

1.超面倒くさい主人公&ヒロイン

噂には聞いていて、面倒くさい的な単語が流れていたので「ふーん」と思っていたんですが、予想を超えるレベルとベクトルで面倒くさかったです。

プロローグの主人公のブログのところからして、もう面倒くささが溢れています。ここまで痛いジャブをかましてくる主人公もなかなかいません。そして、ブログ内で語られている『満月の夜に咲きたい』のことは分からないくせに、初っ端から『おおお!』と考察に感動する意味の分からんファンになったような錯覚を受けます。

それくらいに主人公の共感性が高すぎる。

推しをテーマにした作品というのは、近年むちゃくちゃ増えてますよね。ラノベに限らず、色んな分野で推しって言葉は汎用化されているように思います。

ちょっと推しの定義が軽くない?とか異議を唱える気持ちはさておいて、そういった『推し』を持つ人って、単純な愛だけでいられるハッピーな人ではないと思うんですよね。

絶対服従と言ってもいいほどの信仰心に似た何かを持っているでしょうし、謎のプライドだって持っているでしょう。絶対服従のくせに願望から離れた瞬間の失望とか、失望したことへの自己嫌悪とか、もうとにかく色んな感情があるはずなわけで。

それらを全部ひっくるめて、その上で病気かと思うほどの絶対的な愛を抱かずにはいられないファンの面倒くささが、こう、コトコト煮込まれてるんですよね……。

後で語りますけど、その面倒くささと共感性を引き出すのにぴったりな文章でしたし。

 

そして、ヒロインも相当に面倒くさい。

序盤は面倒くささより憎らしさと可愛さが勝つんです。一人称が自分の名前の女の子とかやばいな、いいな……ってなりましたし。

口が悪い系の女の子いいっすよね。ちょいちょい挟まる、乱暴と粗雑と男っぽさを混ぜたようなセリフがいい。

でも中盤から終盤にかけて、どんどん面倒くささが加速します。

最終的な言動とかくっっっそ面倒くさい。

どっちやねん、とツッコミたくなります。

けど、そこがいい。

ぐだぐだと依存されたい可愛さ。オタクの妄想シチューみたいな女の子じゃない?

オタクはね、単に優しくされるだけじゃ満足できないんですよ!!!(偏見)

 

主人公にしろ、ヒロインにしろ、面倒くささのベクトルがコミカルなのが個人的にはツボです。

面倒くさいのにも色々あるじゃないですか。

こじれる系の青春モノの登場人物たちって割とみんな面倒くさいですけど、面倒くささのベクトルが重めだったりしますし。

その点、この作品はコミカルであるがゆえに愛らしいんです。

愛おしいではなく、愛らしい。

「愛らしいなー、この子たち」って思いながら読めました。

 

2.惚れる一面のある主人公&ヒロイン

また主人公とヒロインの話かよ……ってなるんですけど、この作品に関してはしょうがない。

だって主人公とヒロインくらいしか登場しないんですもん。名前有りキャラはそれなりに出番を貰えてますが、ほとんど焦点を当てられてません。

逆に主人公とヒロインへのフォーカスがすごい。主人公の友達に飛ぶことすらなく、完全に二人にスポットライトを絞りまくってレーザービームにしているレベル。

 

そんな今作。

読んでいて「へぇ……ふぅん。ほーん」と、気にはいるけど恋とは認めていないぎりぎりの瞬間みたいな感じで主人公やヒロインに惚れそうになるところがちょいちょいあります。

 

たとえば主人公の行動。

オタクとしての一面はもちろんですが、偽善者とか自分のためとか、そういう彼の行動原理には惚れそうになります。

同時に、ヒロインの行動に対して感心したり、考えを改めたり、見直したり、美しいと思ったり。

そういうことができる主人公の心根にも惹かれます。面倒くさい面が多い分余計に。

ありきたりではあると思うんですよね。

別に特異な部分があるとかではなく。思考回路も、まぁ探せばゼロではないだろって感じ。

けど作品を通して見たときに、ギャップ萌えをしちゃうんです。普段のテンションからの落差。動と静の変化。すぅぅと一瞬だけ顔色が変わるかのように文章が変わるんですよ。それがキュンってします。

 

それはヒロインにも言えること。

主に描かれるのは主人公視点でのヒロインの見え方なわけです。

基本的には性格の悪い面ばかりな彼女。でもその奥底にある、当たり前みたいなピュアの部分だけはとても美しくて。

バスケのシーンとか、インタビューのところとか。

「あ、ここはこの子の読者からの好感度をあげるためのエピソードだな」ってぼんやり分かるんですよ。「主人公が見直すきっかけになるエピソードだな。ここで入れるのか」とか変な分析しちゃうんです。

その冷めた思考を透過してちょこんと胸に届くピュアさが綺麗でした。

 

3.まさにラノベな文章

ちょいちょい触れていましたが、この作品の文章がいい。

文章力や読み易さとは別のよさがあるように思います。

この感想は共感してもらえるかわかりませんが、私の中ではラノベの文章と言えばこの作品みたいな感じのものをイメージするんです。

地の文では主人公のモノローグが多めで割とハイテンションだったり、独り言っぽいモノローグが多かったりする感じ。このコミカルさはいいですよね、ラノベ感が超あります。

 

全体的に総括すれば、甘々なラブコメです。

会話量も多めで、割とサクサク進んでいました。

けど、その端々から上手さを感じたんですよね。私だけかもですが。

特に第十五話。

開幕から、ほとんど空白がなく埋め尽くされた文章。長々と連鎖するように日常を連ねていくのとか、主人公のそのときの心情にはまってた気がします。

あとはヒロイン視点。

会話主体で進んできたこれまでと打って変わった、一気に内に入り込むような話です。

雰囲気をがらりと変えて、かちっと切り替わったような感じがしました。

そういうところが、感覚的に「上手いなー」と思ったのでした。

 

4.抜群にはまる幾つかの文

ここまで書いてきてなんですが、実のところ、途中まではこの作品の感想をブログにまとめつるもりなかったんですよね。

というのも、ブログに書けるほど好きになれるか微妙だったので。

でも終盤にかけて息を呑む文章が幾つかあって、その言葉によって一気に全体の見方も変わってきた感があります。

 

俺の大好きなもので、この胸の穴を埋められないことが、本当に悔しかった。

『推しが俺を好きかもしれない』P251

 

とか、ぐさって胸に来ました。

共感性があまりにも高い。辛いとき、まさにこんな風に思うことがありましたもん。

 

でもですね、それよりも超絶好きなのが次の文章。

 

そう言った俺に対して、花房は一体、どんな顔をしてくれたのか。

それは、それを口にすることができた、俺だけが知っているのだった。

『推しが俺を好きかもしれない』P310

 

ここ、超好きなんです!

だってラノベって文章ですよ? 形容するんですよ?

イラストだってあるわけで。何ならこの作品、結構上手くイラストを使ってますよ。口絵とそれに入れ込む台詞の相乗効果は作品にめっちゃプラスに働いていますよ、と声を大にしたい。

でも、ここは文章とイラストのどちらでも形容しないんです。

だって、ちゃんと言った主人公へのご褒美みたいなものだから。

そこを読者が持っていったら、もうこの作品は主人公とヒロインの物語じゃなくなるんです。

ここのね、形容しないという形容が最高で。

ファンとして一線を引いてきた主人公が、ある意味では唯一独占欲を出したシーンだと思うんです。

超かわいい!

かっこかわいい(かっこいい×かわいいの造語)!

共感者がいるかは分からないですけど、本当にここは語りたかった。

このたった二文がこの作品の私の中での評価を三割増しにしてくれました。

 

 

 

そんなわけで、感想はここで終わりです。

久々に書くので、どんどんまとまりがない駄文になってしまいました。お恥ずかしい限りです。

続刊について調べてみましたけど、まだ明確な情報は出てないっぽい……?

ラノオンアワードで賞とってましたし、割と人気っぽいので二巻も出ると信じたいところです。

二巻以降、推しへの好きと女の子への好きがどう変容していくのか気になります。甘くて面倒くさい展開にもなるでしょうし。

 

というわけで今回はここまで。

最後まで読んでくださってありがとこーございました!

 

【読書の秋】9月の楽しみなラノベ新刊

こんにちは、とこーです。

もう八月も終わり、いよいよ秋に突入しようとしていますね。高校生活最後の夏休みが終わってしまった……と名残惜しくなる気持ちを振り払ってくれるくらい、九月は楽しみな作品がたくさんあります。

いや、今月は出費が多くて楽しみにしていた二作を買えてないんですけどね。このラノ投票前にはきちんと買うつもりです。このラノの対象は八月までですからね(協力者アピール)。

 

そういうわけで、今回もラノベ新刊をピックアップしていきます。

 

 

1.やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。結1

——願いの数だけ、想いの数だけ、語られない物語がある。

だからこれは、由比ヶ浜結衣の物語。

 

まずは、やはりこの作品。俺ガイル結でございます。

もちろん著者は渡航先生、イラストはぽんかん⑧先生です。

青春小説の金字塔と言ってもいい俺ガイルの新刊なわけですが……あらすじを見ても分かるように、『由比ヶ浜結衣の物語』であることは間違いありません。

ただそれをどう捉えるべきなのかが分からないんですよね。

 

由比ヶ浜さんルートとして見るのであれば、俺ガイルアニメ二期特典小説『another』が一応それっぽい感じではありました。

あれもクリスマスイベントのあたりから始まっていたので、それをリライトしているのかな? と思いつつ。

ただ、仮にそうだったとしても俺ガイル14巻を書いた後に書く『another』は大きく変わってくる気もします。

それにあらすじを見ると、原作の由比ヶ浜さん視点ストーリーと見れなくもないような感じ。

ナンバリングに『1』とありますし、『2』や『3』も出るのかな……とか色々と妄想が膨らみますね。

 

俺ガイルは私の青春小説の基盤を作ってくれた作品でもあります。

もうヒロイン皆好きなんですが、由比ヶ浜さんも超好きなので報われて! とか思うんですよね。あ、でもいろはすも……。

 

個人的に14巻で満足していたので14.5巻を読んでいないのですが、結1で俺ガイル熱が再点火する気もするのでワクワクしております。

 

www.shogakukan.co.jp

2.現実でラブコメできないとだれがきめた?4

――『実現するラブコメ』は、現実の大きな壁に阻まれる。

これは、彼女が彼女になる前の物語。

 

続いて、ラブだめ四巻!

衝撃の第三巻ラストの先を描く四巻は……先日、著者の初鹿野先生のTwitterアカウントで公開された表紙からしてめちゃくちゃ怖くてワクワクするデンジャーな物語になりそうです。

 

もはやこの作品はラブコメなのか、ラブコメを舞台にした頭脳戦もどきなのか、はたまたラブコメクリエイターモノなのか、ジャンルが分からなくなりつつありますけど……。

一巻では×××を作っちゃいますし、二巻では××××が印象を一気に変えますし、三巻もは熱い展開になるしで最高なんですよね。

テンションが鬱陶しくてポンコツで、でも真っ直ぐに頑張ろうとする主人公・耕平の姿を見ているととことん応援したくなります。

 

今回の四巻は、「こんなはずじゃなかった」三巻を終え、それでも次の策を練り始めるらしいです。てっきりそれで終わりかと思ってたら、ラスボス魔王ことメインヒロインが登場するとのこと。

某日南さんと同じくらいに怖いんですけど……魔王との直接対決となったとき、耕平がどう動くのか楽しみです。少なくとも三巻の時点では超絶BADエンドですからね。

 

それとは別に、個人的には七番さんとの絡みも楽しみなところ。

七番さん、超好きなんですよねぇ。こういう女の子好き。隣にいて、ちょいちょいツッコんでほしいです。

三巻の挫折は耕平以外の色んな人物にも影響を与えるはずですし、七番さんがどう感じるのかも気になります。

www.shogakukan.co.jp

 

3.楽園殺し2 最後の弾丸

――その日。渇いた夜空を割るような、最後の銃声が響いた。

 

ガガガ文庫の9月と言えば、こちらもあります。

先日発売され、とんでもなく面白かったファンタジー作品です。

著者・呂暇郁夫のデビュー作『リベンジャーズ・ハイ』の続編となるこの作品ですが、もちろん楽園殺し単体でも楽しめます……が、二巻は、『リベンジャーズ・ハイ』も読んでから読んだ方がよさそうな感じらしいです。

 

圧倒的に読み易く、男の子の心をくすぐられるかっこよさもあり、読んでいてものすごく引き込まれる作品です。

群像劇的な面が強くて様々な人物の思惑が交差しつつ事件が進んでいくのですが、何といっても私が好きなのはシン。二巻あらすじではチューミーと呼ばれている人物ですね。

 

シンは『リベンジャーズ・ハイ』にて主人公の色が強いキャラだったのですが、そのときからの成長とか変化が楽園殺しで描かれているのがたまらないんです。その上で楽園殺し内でも悩んでて、もう超好き。

楽園殺しでメインとなっているシルヴィも魅力的です。『完璧』を目指す姿が気高く、でも人間っぽさもあって色々と思わされるんです。

 

楽園殺し一巻ラストは、続きがすごく気になる感じでしたからね。予告のページだけでワクワクが止まりませんでしたし、一体どんなストーリーが待っているのか気になります。

しかも表紙は一巻と二巻で一枚絵なんですよ。もはや壁画になってもおかしくないほどの神々しさがあるイラストなので、早く買って並べたいなぁと思います。

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4.カノジョの妹とキスをした。3

――どうして俺は、晴香と出逢う前に、時雨と出逢えなかったんだろう。

 

続いてはいもキス新刊です!!!!!

超失礼なことを言うと、続刊出てよかった!

本気でそう思います。

二巻出たのがちょうど一年前くらいだった気がするので、もう結構待ちましたよね。一年くらい待つと「打ち切り……?」と不安になってしまうあたりラノベ業界には色々と思うところはありますが、まぁそれは置いておいて。

 

いもキスは、超毒々しい不純愛ラブコメディです。

一巻はまぁ「背徳かな」くらい。

でも二巻から毒が侵食し始めて、二巻終盤で一気に毒の甘美さに魅了された覚えがあります。

 

三巻は、もうあらすじ一行目からえぐいですよね。

不純愛、ここに極まれり。背徳すら超えた毒々しい純愛は、一体どうなっていくのか。

 

表紙も既に公開されていますが、これがすごい。

色気むんむんで、超絶引き寄せられるんです。本屋だと買いにくいんじゃね、ってくらい。けど過度な露出があるわけでもないんですよね。恐ろしいです。

 

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5.俺の彼女と幼なじみが修羅場過ぎる17

――俺修羅、堂々の最終章!

「恋愛を滅ぼす」真涼との戦い、医学部受験、そして……

 

九月は、俺修羅の新刊も出ます。17巻、長い!

私は15巻の表紙を見てどっぷり惚れてから読み始めたのですが、俺修羅は本当にいいです。泣ける熱い展開もあり、コメディもあり、息を呑むような怒涛の展開もあり……。

 

まさにラブコメディだな、とつくづく思います。

ヒロインたくさんでハチャメチャな青春感もあって、すごく好きです。あえてカテゴリーに当てはめれば、残念系青春ラブコメの一つになるのでしょうか。

気になるところはたくさんありますが、個人的には鋭太の医学部受験がどうなるのかはすごく気になります。受験生ど真ん中だったこともあり、15巻の展開は胸にぐさっと刺さりましたからね。ぜひ打ち勝ってほしいところ。

 

前回フューチャーされたカオルがどうなっていくのかも気になります。

カオルは読むきっかけになったキャラでもあり、私もとても好きです。真那との恋の行方も含め、幸せになってほしいな……。

 

そして、ハーレム王の話。

本気でハーレムを目指す彼と彼女らは、本当にハーレムを築くのか。それとも誰かを選ぶのか、選ばないのか。

期待して待ちたいと思います。

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6.君の足のためなら死ねる

――お前らの足、最高だ……!

 

今月の新作で気になっているのが、この作品となります。

理由は言わずもがな、タイトルの引きの強さです。

まだあらすじもろくに公開されていない頃、タイトルだけを見て「なんだ、これは……!」となったのは記憶に新しいです。

 

著者は刈野ミカタ先生。最近だと『そうだな、確かに可愛いな』を書かれていた覚えがあります。私の観測範囲だと『そうだな、確かに可愛いな』は評判がよかったのですが、好みの感じではなさそうだったので読んでいないんですよね……。

でもその他に数多くの作品を書いていらっしゃる先生なので、実力があることは間違いなし。超楽しみです。

 

ストーリーは、あらすじを見る感じだと「女の子たちのフットサルチームのコーチになって……」というスポ根ものみたいです。

主人公はとんでもない脚フェチっぽいので、女の子たちの年齢によってはやばいことになりそうですね。

 

私としては読んだことがないジャンルなので、楽しめるか未知数な部分もあります。

スポーツをどこまで押し出してくるのか、女の子たちは可愛いのか、主人公はかっこいいのか。

今後出てくる情報をもとに判断したいです。

 

イラストを担当するのはBLADE先生。

ロリっぽいキャラを可愛く描いている方、という感じでしょうか。pixivを見に行ったのですが、可愛い子ばっかり並んでてテンションが上がりました。

けど結構ロリ振りしてるイラストレーターさんなので、そもそも作品の方向性がそっち系なのかもですね。『ロウきゅーぶ!』みたいな感じになるのかも?

 

今後の情報公開によっては私の好みではないなぁと感じるかもしれませんが、ワクワクすることは間違いない一作です。

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今回はこんな感じでしょうか。

九月は気になる作品、というか追いかけてる作品の続刊が多いです。

ただ、今月中旬までで受験の方がどうなるか決まってきたりするので、その結果によってはラノベ断ちも視野に入れないといけなくなってくるんですよね。

 

しかし、今月はこのラノの投票もあります。序盤にもアピールしましたが、今回も協力者続投です。
冊数自体は少ないんですけど、ブログとインスタで更新してるのでいいかな……と応募してみたら通りました。よかった。

たくさん読んではいませんが、その分吟味は人一倍しまくってるので買った作品はほとんど大好きになる私だからこそできる投票をしたいなーと思っております。同じ作品を読んだ回数なら負けない(無駄な張り合い)。

 

その他、HJ文庫の公式レビュアーにも選んでいただけたので来月から活動することになると思います。そちらもご覧いただけると助かります。

 

それでは、今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

『千歳くんはラムネ瓶のなか 6』感想(ネタバレ微)

こんにちは、とこーです。

今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか 6』の感想を極力ネタバレなしで書いていきたいと思います。

いや、本当はネタバレしまくる感想とかも書きたいんですよ。ブログなら注意書き書けば十分ですし。

でも、ちょっと頭の整理がつかないというか……そんな細かく語れるくらいちゃんと読めてないんですよね。かといって再読するエネルギーもないくらい疲れていて。

 

じゃあなぜそうなったのか。

その理由がまさに六巻にあるわけで、今回はそこに触れつつ『面白いから分厚さでチラムネ読めよ!』ということを前面に押し出して書いていきたいと思います。

 

 

それではいきます。

シリーズ前半を締めくくる第六巻は、来るべくしてきた衝撃展開の後から始まったものでした。

綴られたのは、それぞれの弱さ、人の繋がり、そして優しさなど様々なものだったと思います。

恋や友情、そしてそれだけでは言い表せない『仲間』であるチーム千歳の物語。その第一章終結にこれほどふさわしい巻はないと言っていいでしょう。

 

読んでいて、私は泣きました。正直なことを言えば、読書なんてろくにできないくらいにわんわん、わんわん泣きました。電子書籍で読んでいてよかったと思えるほどに、ぐちゃぐちゃになるくらいに泣いて、視界が滲んで文字が読めなくなった回数は数えきれないでしょう。

読み終えた今でも、『読書をした』という実感がもはやありません。

美しい地の文や文章的な工夫は、もちろんこれまで同様、あるいはそれ以上に凄まじいでしょう。読書ならではの楽しみは詰まっていて、もちろんその楽しみはきちんと享受できました。

それでも、やっぱり『読書をした』とは思えないのです。

タイトルになぞられるのならば、まさに自分がこの作品というラムネ瓶の底に沈んでいたかのように。世界に沈み込んで、色んな感情で胸がいっぱいにさせられていたのです。

青春をサイダーにしたのなら、きっと一巻から六巻までのこの作品のような味がするんじゃないかと思います。

最初はコミカルさがあって、シュワっと爽快感に満ちている。でも次第に苦しくて、喉が焼けるくらいにヒリついて、胸がずくんと痛んで、けど飲み終えた後にちょっぴり寂しくなる。

そんな作品でした。

 

そして……一巻から続いてきた前半シリーズの集大成ということもあってでしょう、伏線回収が凄まじい。いや、明確に『伏線』と呼べるほどかは別としても、明らかにそれまでの巻を意識して上塗りしているような描写がすごいのです。

というか……正直に言うと、かなりの割合で特典SSからの伏線があったような気がするんですよね。特に四巻までの特典。特装版に出したのをいいことに、マジで特典SSが本編と化している気がするんですけど……。

一巻から五巻まで、全ての内容を凝縮したような伏線回収の数々。ドラマCDの部分や、特典SSすらも当然のようにぶっこんで来るのは凄まじいですが……ここまでくると、もはや『伏線回収すげぇ』と思うこと自体間違っているような気すらしてくるから不思議です。

チラムネの物語に生きる彼ら彼女らにとっては、紡がれた物語の全てが青春であり、彼ら彼女らに蓄積されている記憶や財産なのです。それが辛いとき、誰かに手を差し伸べたいとき、助けを求めたいとき、自然と表面化するのはもはや当然でしょう。まして相手と共有できている記憶や財産ならば猶更です。

その人物一人一人の歴史が愛おしく思えたのが、まさにこの六巻だったと言っていいでしょう。

 

五巻までを読んでいて、チーム千歳みんなが狂おしいほど愛おしく思えていました。

朔だけじゃない、みんなに歴史があり、歴史によって形成される今があり、意思があり、大切にしたいものがあり……。

そういうのを読み解いていくと、六巻は超ど真ん中のストーリーだったと言えるでしょう。

物語的な捻りを強引に加えることはなく、『この人はこの状況でどう思い、何をするだろう』を描き切り、それをうまく表現することで、まさに青春小説の名にふさわしい夏の終わりへと導いていました。

健太が空気化しているとか一巻不要説とか諸々あったりしますが、そういうのも全部ひっくり返しているんじゃないかと思います。

六巻にたどり着くために必要な歴史を、この夏を終わらせるために必要な春の始まりを、春の終わりを、梅雨を、夏の始まりを、夏の輝きを、全て一巻から描いてきたのです。

 

ゆえに、六巻を以てこの作品は伝説の名を冠するに値する青春小説になったのではないかと私は思います。

六巻がいい、ではなく。

一巻から繋がって辿り着いた六巻が、いいのです。

 

長くなった割に内容に踏み込んでいないのは苦笑するしかありませんが……今回はこれくらいにしておきます。ストーリーについては語りたいこと、もちろん山ほどあるんですよ? だって推しである優空ちゃん大活躍だったわけですし。彼女の一年生の頃の話とか……いや、もう圧倒的に好きなんですけど。それに男たちも(げふんげふん

 

このあたりのことはまたいずれ。

考察というよりは、解説というか読み解きメモみたいになるのかな、とは思いますが。

どうやら後半戦突入の前に六・五巻的なヒリヒリしない話を入れるらしいんですけど……この話でどんだけ暴走するんでしょうね笑

五、六巻の特典の本編具合を見ると一ミリも信用できないんですよねぇ……。

 

いずれにせよ、後半戦突入までは時間がありそうですし、もう何度も読んで何度も泣こうと思います。後半戦は、まだ出てこない朔のもう一人の身内がひっかきまわしてきそうな気がしますね……。

個人的にはチラムネ好きという贔屓目を一切除いても、どう考えても『このライトノベルがすごい!』そのものみたいな話だったんですが、どうなんでしょうね。正直二年連続は無理やろと思ってましたが、今回の出来的にマジで行きそうな気もしちゃいます。

 

ともあれ、とりあえずはこんなところで。

 

終わる前に言いたいことが三つあります(多い)。

1つ、読む前に絶対五巻特装版のSS冊子を読んでください!

2つ、読むときは絶対に人がいないところで。嗚咽レベルで泣きます!

3つ、できるだけこの“夏”に読んでください!

 

それでは、読んでくださってありがとこーございましたっ!

 

【8月はこれ!】楽しみな新刊をPICK‐UPするコーナー!

こんにちは、とこーです。七月も残ること数日。夏休みも既に一週間が過ぎようとしている私でございますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

今回は8月に発売する新刊を取り上げていきたいと思います。

「ワクワクと物語」を重視して、私がビビッときた作品(と前から推している作品)を挙げていきます。一応、8月発売の文庫サイズ作品については全部タイトルを見てはいるはずです……。

 

ではいきます。

 

1.君のせいで今日も死ねない。

──「君のせいで死ねないじゃん」

そう笑顔で告げることができる幸せな青春へと悩める少女を導く、青春譚。

 

8月発売の新作のなかでは、一番推したいのがこちらの作品。

著・飴月先生、イラスト・DSマイル先生で送る青春譚でございます。

何がすごいって、まずタイトルですよね。

『君のせいで今日も死ねない。』

このワードの強さって、すごくないですか?

『死』という、ともすればネガティブなワードを『死ねない。』と記すことで、死にたいと思っている誰かがいることを明示し。

けれども『君のせい』で『死ねない。』ことから『君』が誰かを死なないように何かをするんだろうと想像を膨らまさせ、『せい』という言葉で『君』が余計なことをしているように表現することで、あえて希望が増しているように見えるこの感じ……(オタク特有の勝手な解釈)。最高ですよね。

 

とはいえ、流石にタイトルだけで激推しを決めるわけがありません。そりゃビビッときますけど、どう見ても重そうなタイトルですしね。重いのはあんまり好きじゃないので。

実はこちらの作品、『小説家になろう』様にてかつて短編で投稿されたものの書籍化作品でもあるのです。

その際に私も読んだのですが、もうこれが素晴らしかったのです。

エモい文章、切ないように思えて希望がある展開、主人公の男の子の姿……どれも素晴らしいんです。

WEB小説を馬鹿にするつもりは一ミリもありませんが、ここまでの名作に出会えるとは思っていなかったので当時、ふわふわな気分になったのを覚えています。

 

全体的なストーリーは、あらすじを見ても変わってはいないようです。

『神に愛された』と言われる完璧美少女・三峰彩葉が自殺していようとしているところに遭遇した主人公が、それを止めて、色んな日々を過ごしていく物語です。

この日々が何とも尊く、じんとくるものがあるんです。

少なくとも短編ではそうだった! ……ので、長編でもそのまま、いえ更にパワーアップしてくれているといいなぁ、と期待。

 

 

少し分析的な視点を入れましょうか。

小説家になろう』短編からの文庫化というのは、私の知るところだと例が少ないように思います。短編集に収録という形ならともかく、短編をそのまま一冊の長編へと変えるのは珍しいかな、と。

今話題のロシデレはそうでしたよね。

あちらの作品は結構変えている箇所が多いのですが、今回はどうなることやら……。

こちらも『小説家になろう』でも人気でしたし、一体どうなってくるのか。著者様の『小説家になろう』活動報告でのコメントによると、書き下ろしマシマシで三峰(ヒロイン)視点も結構あるとか……!

三峰の自殺願望にもさらに寄り添ってくださるらしく、これはもう、夏の終わりに読みたい作品となること間違いなしでは??

雑誌の方では試し読みや書影も公開されているらしいのですが、そちらは買っていないので大人しく発表を待つとします。いずれにせよ、最高に楽しみな作品です。

 

イラストレーターがDSマイル先生というのもヤバいですよね。

DSマイル先生と言えば、私が大好きな作品でいうとホヅミ先生のイラストを担当しています。

エモエモで綺麗、そして儚い世界を切り取ったみたいなイラストは本当に好きです。あのイラストとのコンビネーションとか、凄まじい気しかしなくて楽しみ。

 

富士見ファンタジア文庫より8月20日発売となります。

 


7月30日追記

本日、今作の特設ページが作成されていました。同時に書影の方も、アップされています。

……やばくないですか??????

この澄み渡る青空と、女子高生の程よい清涼感。スカートはともすれば下着が見えそうなくらいになっているはずなのに、下品さは微塵も感じず、とにかくあふれるばかりの爽やかさがそこにある。

ベストオブベストな表紙なのでは?

と思わざるを得ません。

この魚のヘアピンのアクセントがまた幻想的で、心をぐっと奪われそうになります。

スマホでもいいんですけど、可能ならPCで特設ページを覗いてみてください。溜息出ますよ。

fantasiabunko.jp

 

2.継母の連れ子が元カノだった7 もう少しだけこのままで

──新たな日常、そして両片思い編スタート。

 新キャラ続々な生徒会は恋に体育祭に大忙し?

アニメ化も決まった連れカノ、待望の第七巻も発売です。というか発売自体は7月なんですよね……なんなら、もう二日後。これ書く必要あるん? とか思ったりしますが、書きたいので書きますね。

 

四巻「ファースト・キスが布告する」にて一歩踏み出すことを決意した結女。

六巻「あのとき言えなかった六つのこと」でこの手は離さないと決めた水斗。

とうとう元カップルそれぞれの準備が整い、七巻から両片思い編に突入するよ! という今作。

もちろん単に両片思いになるだけでなく、結女が生徒会に加入するという変化もあるらしく、それに伴って新キャラも続々登場してくるそうです。

四巻~六巻まではニヤニヤと共に重めの展開も待ち受けていた連れカノですが、七巻は割とニヤニヤに振りそうな感じがしますね。

私は結女と水斗のカプのやり取りが最高に好きなので、もうそれだけで楽しみです。あと、生徒会活動とかって否が応でもワクワクしますよね。俺ガイルを読んで育ったからでしょうか……学校行事とかに奮闘するの、それだけで好きです。

 

発売は7月30日です。

 

公式HPはこちら

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3.千歳くんはラムネ瓶のなか6

──私を見つけてくれてありがとう。

夏はまだ終わらず。今、交わされた誓いとそれぞれの弱さが明かされる。

最後はこの作品。

語る必要あります?????

いや、私のブログを読むような方はほとんどチラムネ読んでいるでしょう? なんなら、チラムネ読んでいない方と接する機会を持ててないコミュ障なんですけど、私。

 

……というジョークはさておいて。

待望の激エモ青春小説、第六弾。

“あの”五巻のラストを経て、全てが変わってしまったあとに朔の隣にやってきた彼女が表紙を飾る巻となっております。

何を隠そう、私は三巻を読んで以来の優空ちゃん推し。この時点で待望なのですが……そういった個人的な話を除いても、六巻は大注目の話となっております。

 

まず第一に、優空と朔とのストーリーが今まであらゆる箇所で仄めかされながら、その実ほとんど明かされてこなかった点。

「あの日」だとか「あのとき」といった表現を使ったり、他のキャラとの会話でも誤魔化したり抽象的な話をしたりして、今まできっちり明かされてきませんでした。ですが、その一方で朔の生活に一番身近だったのも優空だったりします。

「いや、嫁か?」というシチュエーションは、作品を通してちょいちょい描かれていましたよね。

だからこそ、一体二人に何があったのか。これが明かされるとき、私たちが一層深いチラムネを知ることになるのは間違いないでしょう。

 

そして、今回が前半戦のフィナーレであることもまた、注目点です。

もちろんこの「前半戦」というのはチラムネが12巻ぴったりで終わることを明示しているわけではありません。あくまで話として、ここが前半の区切りだ、という話。

そしてだからこそ、大きな変化があると言ってもいいのではないかと思います。

自分の気持ちに、そして誰かの気持ちに向き合った彼らの夏は終着点はどこなのか……。

楽しみであると同時に怖く、だからこそより楽しみにもなります。

 

ページ数は616P、値段は935円と大ボリュームになっています、1P2円以下とか、お得ですね(錯乱)

でも実際、ページ数を加味すると935円は安いなぁって思うんです。

 

これまで丁寧に一人一人のヒロインとの日々を描き、青春の模様を描写し、その上でたどり着いた六巻。

五巻の“あの”展開を読んでいる方はもちろん、まだ読んでいない方にもぜひ急いで五巻まで読んでから読んでいただきたいと思います。

というかもう、私が早く読みたいっ!

 

公式HPはこちら

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 7月30日追記

先日、ついに書影が発表されました。カバーイラスト自体はもう少し前に出ていたのですが、加えて今回はロゴも登場です。

チラムネと言えばいつも、青系統の色+黒+もう一色でタイトルロゴを形成しているのですが、今回の色は緑っぽい色。

調べたところピーコックグリーンとライトシーグリーンの間かな、と言った感じの色でした。

全体的に落ち着いている感じがするのに明るさもあり、綺麗ですよね。

てっきり夕湖のカラーであるオレンジがくるかな、とか思っていましたけど、そうじゃなかったですね……そしてこっちの方がすごくいい。

私的には、タイトルロゴによってより優空ちゃんの表情が笑顔に見えるようになりました。皆さんはいかがでしょう? 切なげに見えたりもするのですが……。

ともあれ今後特典などについても公開されていくと思うので要チェックです。

 

 

今回はここでおしまいです。

お察しの通り、8月の購入予定は3冊となっております……我ながら偏読家だなぁ。

まぁそもそも高校生はお金も少ないですしね。偏読家の方がちょうどいいかも。

その分今回取り上げた3冊は超吟味しているので、ぜひ読んでみてください!

 

読んでくださってありがとこーございました!

【輝け、負けヒロイン】『負けヒロインが多すぎる!』感想&おすすめ

こんにちは、とこーです。

今月下旬は、ワクワクするラブコメ三作品が揃っている最高な期間。

というわけで今回は『負けヒロインが多すぎる!』を読んだのでおすすめポイントと感想を交えながら書いていこうかなぁ、と。

作品の構造上致命的なネタバレはないので基本的に配慮せず書いていきますが、まったく情報入れずに読みたいという方は先に買いましょう。

いむぎむる先生のイラスト可愛いでしょ? 普段マンガしか読まないって人でもOKだと思うの。

 

 

 

 

 

1.文章が読み易すぎる!

発売前から「マケイン」という略称で親しまれ、広告戦略もばんばん打たれまくっているこの作品。

発売前からこれだけ盛り上げられている作品からは、天邪鬼な私みたいな人間はちょいと遠ざかりがちだったりします。宣伝されまくっている作品って地雷な時あるしね……。

ですがこの作品に関してはちっとも離れませんでした。それだけの引力があり、発売を心待ちにしていたからです。

 

そんな今作ですが、まず読んでいて思うのは「読み易っ!」ってことです。

 

しばしば文章力とは何かという議論は創作界隈だとされているわけですが、私は文章力にも色々種類があると思います。

ものすごく描写が綺麗でエモいのも文章力。逆にWEB小説のようにほとんど台詞で、要らない地の文は全部そぎ落としているのも文章力です。

そんななか、この作品はあまりにもバランスのいい文章だったように思います。

 

大筋は主人公・温水くんの一人称視点で進みます。一つ一つの文は過剰に長くなく、また、難しい語句もそれほど使っていません。描写は細かすぎるわけでも雑すぎるわけでもなく、想像力をちょうど程よく補完するくらいでした。

そして何より、台詞が入ってくるときの地の文とのテンポ感が絶妙です。

というか、なんか私のなかで「ラブコメ」ってこういう軽快なリズムが揃っているイメージがあります。最近はなかなかそういうラブコメと出会えていなかったんで、「そうそう、これだよこれ」という心地よさがありました。

 

軽やかでリズム感たっぷりに進んでいく文章なのですが、ふとした瞬間、急にふぁっと綺麗になる瞬間があったように思います。

語彙たっぷりな表現だったり、詩的でうっとりする表現という意味での「綺麗」ではなく、たとえば学校の帰り道に何となくぼーっと思うような、それくらいの「綺麗」さ。

「空綺麗だな」よりはちょっとだけ詩的で、でも詩として綴るには淡泊な感じ。

それが全体の空気感や温水くんという人物の視点によく合っている感じがしたんですが……たまたまなのかも?

 

でもとにかく、読み易いのは間違いないんです。

個人的に巧いなぁと思ったのは、こういう作品のイラストレーターをいむぎむる先生がやっていること。

マンガしか読まないタイプの人でも楽しく読める系の文章だから、『この美術部には問題がある』ファンの人も取り込めるじゃんって思うんですよ。

逆に『この美術部には問題がある』ファンで、ラノベを普段読まず、この作品を買おうか迷っている人がいればぜひ読んでほしいなって思います。

 

 

2.読んでいるのが楽しすぎる!

ご存じの通り、この作品は「負けヒロイン」をテーマとしていると言ってもいいくらいに負けヒロインたちがたくさん出てきます。

その筆頭と言えるのが表紙を飾る、八奈見さん。

八奈見さんの、初っ端からフルスロットルな自虐があまりにも不憫で読んでいてげらげら笑えました。

いや、本人からしたら笑いごとじゃないんですけどね?

でも可哀想すぎて笑える……。

まぁなぜ笑えるかと言えば、もちろん八奈見さんは「負けヒロイン」であって失恋していますし吹っ切れてなんかないんですが、それでも青春を生きているからだと思うんですよ。

 

高校生なんて、失恋一つが世界の終わりに思える年頃です。

失恋とかすごい傷つくし、周囲に気を遣われるのが辛い。振られたことを笑い話にするのだって難しいでしょう。

でもお腹は空くわけで。誰かに吐き出したいわけで。面白いことがあれば興味を持つし、楽しいことがあればはしゃいだりもするわけじゃないですか。

そのね、微妙なラインがスレスレで描かれているなぁ、と。

 

……とヒロインをいい感じに語ってみましたが、それ以上に彼女たちが残念すぎるっていうのはありますよね、うん。

ヒロインだけじゃなく、温水くん含め登場人物みんなが残念だしツッコミところがあって、超ラノベチックな感じがします。何度も言いますが、私が「ラノベ」と聞いてイメージする、わちゃわちゃ楽しいラブコメの雰囲気と見事に一致してるんです。

どこか現実味がないおかしさがあるくせに、彼ら彼女らなりに青春を生きてるなぁって感じがして。

だからこそ、なんだか読んでいて笑えるし、楽しくなるんです。

この「楽しくなる」という言葉が、この作品の肝だと思っています。

ギャグセンス、コメディセンスとはまた別の、楽しいからげらげら笑えるって感じの面白さが詰まっていました。

 

3.ヒロインが好きすぎる!

さぁ、やっと負けヒロインについて語ります。

というか、この作品については事前のSSを読みすぎて三人のヒロインが負けヒロインだって印象がつきまくってるんですよね。しかも楽しげに皆で話すから、既に魅力もイメージも定着しまくっている、という。

事前情報ありすぎてほぼ他人スタートな一巻とか、まるで最新刊が出る前に読み直しているような感覚がありましたよ。

 

ただ、登場してきた三人の魅力については作品を読んでみて改めて理解できたなぁ、と。

事前情報はきっちりSSで定着させてきた上でこんな風に魅力を描かれたら、そりゃ好きになるじゃん……っていう。

 

どのヒロインも、それぞれに残念さがあり、不憫さがあります。負けヒロインですからね。でもそれ以上に恋に一生懸命で、本当に相手のことが好きだったんだなぁっていうのが伝わってきました。残念さも不憫さもあって、でもそのせいで負けただなんて絶対言わせねぇ、と思うくらい。

そんな彼女たちはもちろん失恋するわけなのですが、じゃあその失恋の傷を誰かに助けてもらうかと言えばそうじゃないんですよね。

もちろん温水くんに愚痴ったり、話したりするわけではあるのですが。

でも、八奈見さんも焼塩ちゃんも小鞠ちゃんも、誰かの言葉に救われるとか以上に、自分で失恋と向き合って、生きてるんです。

 

なかでも私が好きだったのは小鞠ちゃん。

あの挿絵と共に放たれた台詞は、可愛いとか綺麗とか、そういうのを超えたところにある何かを持っているように思えました。

 

焼塩ちゃんについても言いたい。

二話と三話の間に挿入されたほんのちょっとした小話みたいに描かれてるあそこ、くっっそよかったんすよ。

青春すぎる!!!!

女前にもほどがあるだろっ!

って思うくらい。

 

八奈見さんは……言うに及ばず。

四章のあのシーンは、まぶしくて、かっけぇなって思いました。

 

……あれ、気付いたら全員語ってる?

 

けど、本気でそれくらい皆魅力的なんですよ。

負けるからこそ輝く負けヒロインたち。

でも、そもそも彼女たちが輝いていなかったはずがないんです。

負けることができるくらい誰かを好きになれている女の子が、輝いていないはずがない。

負けた瞬間の輝きは、いわば線香花火の落ちるその瞬間がひと際人の目を引くようなもの。

そしてそんな負けを超えて、それでも青春を生きる姿はたとえ輝いていなくなって眩しいんです。

 

……と、なんかそれっぽいことを言いましたが、最終的な結論は一つ。

推しはやっぱり、決められません。

 

 

4.主人公もよすぎる!

負けヒロイン要素を押しまくっている今作。

ヒロインの要素を押し出すと主人公はバランスを取る意味でも影が薄くなったりしますよね。

実際この作品も主人公の温水くんはモブキャラで、空気キャラ。友達はいないし、何なら知り合いもいないんじゃねぇのってくらいの背景オブ背景なんですよね。

 

けど、じゃあ印象に残らないかと言えばそういうわけでは決してなく、影が薄いけどきっちり存在感はあるんですよね。

温水くんはどう見てもぼっちですし、教室での過ごし方とかは「あー、それ分かる!」となるようなところがありました。

面倒ごとにはできるだけお近づきになりたくないし、大なり小なりの事件は勝手に周りでやってくれって思ってる。

でも、何だかんだ巻き込まれてみると楽しかったりして。

小鞠ちゃんの“あの”シーンの後の「何か書こうと思った。」という一文は、力強い感情がモノローグで付随するわけでも、誰かに叫ぶ激情的なものでもないのに、すっごいずしんと力強く胸に残りました。

 

負けヒロインだけがこの作品の魅力だと思ったら大間違いだと、心底思います。

ラノベ好きな人の中には温水くんに共感できる人、何気に多いんじゃないかな。私は少なくともその一人でしたね。

 

あと、主人公のことになるか分からないですけど、この作品の受賞時のタイトル『俺はひょっとして、最終話で負けヒロインの横にいるポッと出のモブキャラなのだろうか』が最終話でいい感じに頭をよぎって、「うわぁ」と唸りました。

 

 

こんなところにしておきましょうか。

なんか取り留めない感じになった感が否めないですね、ごめんなさい。

実はこの作品、こうして感想を書いてはいるのですが、あまりつかみ切れていない作品という印象が強く……。

軽く読めるくせに一度で魅力をうまいことつかみ切れない、今までになかった作品だったりします。時間ができたらもう一度読み直して、改めてそこで言語化できるんだろうな、と。

いずれにせよ二巻以降が楽しみな作品です。

っていうか、一巻でヒロインたちを丁寧に負けさせすぎじゃない????

二巻以降、どんな風に描いていくのかワクワクするんですけど。

ヒロインの残念なところも不憫なところも可愛いところも、全部もっと見たいですね。

 

それでは今回はここまで、

読んでくださってありがとこーございました!

【ぶっとびラブコメ】『五人一役でも君が好き』がクソ面白い話。

こんにちは、とこーです。

七月は「ワクワクするよ!」というラブコメが三作も出てくれるというわけで先月からずっと騒いでいたのですが……ついにその発売日となりました!

今回は三大ワクワクラノベの切り込み隊長、ぶっ飛んでるタイトルと主人公でお馴染み(?)『五人一役でも君が好き』について書いていきます。

ネタバレはあらすじの範囲内で収めつつ、最後にはがっつりネタバレな部分も書きますので、ご注意を(もちろんスペースはきちんと開けます)。

 

それではいきましょう。

 

 

 

1.案の定ぶっ飛んでたよ、という話

この作品について一番に語るべきところは、「ヒロインが五人一役」というところでしょう。

まぁテーマ的にも一部では「〇等分の花嫁じゃん」という声も上がっていたわけですが……あっちは、それでも何だかんだ普通のラブコメ(もちろん悪い意味ではなく)ですよね。私はあちらも大好きですが。

しかしこちらは違うのです。

普通なんてものは余裕でぶち砕いていきます。

 

まず単に似た顔のヒロインが五人いるだけではないのです。それぞれに特技のある五人が、たった一人の存在を演じているのです。

そしてなんとこの作品の主人公は、そんなヒロインに恋をし、全力でアプローチをかけていくことになります。

きっかけは肥溜めから助けてもらったこと。

もちろん五人一役なヒロインなのですから、主人公を助けたのは一人です。

そうなるとおかしなことになってきますよね。

全く身に覚えがない四人が主人公にアプローチされる瞬間もあるわけですから。

 

面白いのはここ。

主人公が猛アピールするわけですが、なんだかんだ結構腹黒い戦略家なんですよ(ばかだけど)。

だから身に覚えない四人も主人公に惹かれていき、ついに五対一のラブコメが開幕しちゃうわけです。

 

「へぇ、じゃあ他の人には『五人一役』だって内緒にしつつハーレムラブコメする感じ? 最終的にはやっぱりあの作品に似てるじゃん」

そう思った方、ちょっとお待ちください。

なんとこの作品、一番ぶっ飛んでるのはヒロインの設定じゃなくて主人公なんです。

主人公はひょんなことからヒロインが「五人一役」であることを、ヒロインたちが気付かれない状態で知ってしまいます。気付けば自分を助けてくれたヒロインだけでなく、五人全員に惚れていたことに気付いた彼は――全員彼女にしようとするのです。

 

つまるところこの作品は、ハーレムを本気で目指す主人公の一代記と言っても過言ではないのです!!

……過言かも?

 

2.ハーレムを目指す主人公、その実態は?

さて、ではそんな主人公について見ていきましょう。

名前は牧原大河。高校生一年生で、政治家やお金持ちの子供ばかりが通う名門校『煌導学院』に通っている少年です。

ただ彼の両親は普通の会社員らしく……じゃあなぜそんな名門校に通えたかと言えば、それは彼が野球で名の売れた選手だったから。

 

U‐15の日本代表に選ばれ、スポーツ特待生として彼は入学しました。

が、しかし、不運なことに彼は入学前にクラスメイトを庇って交通事故に遭い、選手生命を断たれてしまうのです。

選手生命を断たれた彼に待っていたのは、世間の色んな反応。

冷笑、憐憫などなど……。それでも外聞を気にした学院の配慮で入学は認められたらしく、そんな彼が林間学校で肥溜めに沈んでいくところから物語が始まります。

 

ここでヒロインの一人に助けられた彼は、肥溜めに入って手を差し伸べてくれるその姿に惚れ、『ノーブレス』という組織に入ることを決意します。

ただ、そのために必要なのは成績。

名門校にスポーツ特待生として入った彼は当然のように成績は最下位近いわけですが、『ノーブレス』に入るためにはトップ三位にならなければならないのです。

それ故に彼は、努力します。引くほどの努力の末、彼は夏休み明けに『ノーブレス』に入ることができたのです。

 

うんうん、真っ直ぐな主人公ですね。一途な子。推せます、頑張れ!

そんな風に思って読み進めていくと、だんだんと雲行きがおかしくなっていきます。

好きだった生徒会長が五人一役だったと知った彼は……ハーレムを築こうと決意。

そしてそのハーレムのために、ガチで色んなことをやっていくのです。

 

例を挙げましょうか。

ハーレムを形成したときにお金に困らないよう、医者を志します。いやもう、医者目指してる全世界の人に謝れ笑。

夜の営みで困りたくないからと、筋トレを始め食生活を改善します。早速邪すぎる……。

 

ハーレムに備えることだけではありません。

五人にハーレムを認めてもらうため、げっすい心理作戦までやっていきます。罪悪感を抱かせるとか……一途主人公の風上にも置けねぇっ!!!!

一人一人に好かれるために、発生するトラブルはあらかた利用しますし、周囲の生徒のことのことも心の中ではぼろくそなくせに好感度のために平気で演技します。

善の心はどこへやら、全てがヒロイン五人の好感度アップという目的に帰結するという……。

 

ここまで「いや、おまえ割とクズだな?」と思えるのに本気でヒロインたちのことは好きで、ハーレム形成への折れない心は持っているから「いいぞ、もっとやれ!」となってしまうのがすごいところ。

純愛とか甘々を求めたら百パーセント合わないんですが、ラブコメとして見た場合にはこういう尖った主人公とか超ウェルカムだし、応援したくなります。まぁ、それでもクズなんですけどね……。

 

おかしな方向を向いてはいますが、とにかく真っ直ぐなことは事実です。

この捻じれたような状況がまさにラブコメだしラノベじゃん!と思いました。

 

3.展開もいい! 次回からどうなる……?

ここまでとにかく「ぶっ飛んでる」ということを前面に押し出してきたわけですが、全体的に展開がするっと読みやすく面白いなぁとも感じました。

作品の仕様上視点があちこちにズレざるをえないんですが、その際に切り取るべきシーンのセレクションがうまいな、と。

上手く編集されたアニメを見ている感覚、といえば伝わりやすいかもしれません。ダレることがなくどんどん進み、けど奇抜すぎないから読者を置いていきもしない。そんな感じがありました。

 

 

ただまぁ、最後については「えっ????」ってなったり。

何故「えっ????」となったかはネタバレになるのでスペースを空けるとして……とりあえず、未読の方は自分の目で確かめてみてください。

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これくらいでいいかな。

最後のところについて。

まさか一巻で「五人一役」であることを暴露される展開になるとは思いませんでした。続刊が確定していないからこそ、なのかもしれないなぁとしみじみ。

それでも色んな積み重ねによってハーレムが叶いそうになったのは「おお」と思いましたし、ここからどうなるんだとハラハラさせられました。
そんなときに現れる、まさかの六女。

伏線はばらまかれてましたし、何ならちらっと挿絵を見てしまったので「もしや」と思ってはいました。

けれどまさか、あんな風に登場するとは。

前述したように展開と構成がうまくて基本的には読んでいて置いていかれることがなかったですけど、最後については「えっ? えっ?」ってぽかんとしてしまいましたね。

あっさりハーレムが瓦解するとは思いませんでした。

 

一見するとバッドエンドのまま、ラスト数ページ。

六女・双六の視点が差し込まれ「このままどうなるんだろう」と読み進めていくと、またしても雲行きがおかしなことに。

主人公が助けたクラスメイトが実はアイドルで……は、まぁいい。

その告白をするっと断り、彼は何と言いました?

六姉妹ハーレムを目指すとが言いやがりましたよ。

自分のハーレム計画を瓦解させた張本人ともいえる双六にすら惚れて、諦めるどころか更なる高みを目指すなんて……ほんまもんの漢(クズ)じゃないですか。

 

 

さて、こんな風にとんでもないぶっ飛び方をしたラブコメディである今作。

むちゃくちゃ続きが気になるんですが、どうなっていくんでしょうね。

個人的にはこれだけ真っ直ぐクズな主人公はすごい推せますけど、その上で今後グッとくるような展開になって主人公がかっこいいところとか見せてくれたらもっと推せるんですよねぇ。

ヒロインたちがなぜ「五人一役」することになったのか。お母さんはどこに行ったのか。

その辺りのところも解明されていないですし、どうなっていくのはマジで気になる。

けどまぁ、気になるからといって必ずしも続刊が出ないのがラノベ業界の世知辛いところです。

 

そういうわけで、改めて。

この作品面白いから読みましょう!!!!!!!!

 

今回はこんなところで。

読んでくださってありがとこーございました!