ライトノベルにありがとこー

『好きでワクワク』をコンセプトにしたラノベブログです。

【現実】『現実でラブコメできないとだれが決めた?4』感想

こんにちは、とこーです。

今回はラブだめの最新刊を読んだので感想を……書きます。

えー、なんかちょっとですね、お通夜ムードでして。

これもう、五巻が出るまではろくに書けないじゃんって感じなので、今回は短めになると思います。

ネタバレありありですので、未読の方はご注意を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.ラスボス・THE BEGINING

今回は、これまでちょいちょい不穏な動きを見せていた芽衣さんが表紙を飾っておりまして。

あの三巻のラストからの四巻ということで、まぁ……はい。その表紙を芽衣さんが飾っている時点でお察しだったわけですが。

 

なんと、今回はほぼ全て芽衣さん視点。

しかも芽衣さんの中学時代を描くという……。あとがきで実際に仰っていましたが、外伝のようになってもおかしくないお話でした。

いや外伝というより異伝、秘伝というべきなのでは……という感じ。

 

今までの芽衣からは想像がつかないくらいに真っ直ぐで一生懸命な姿が描かれていました。

耕平の完全上位互換かよ、と思うほどに優秀な芽衣さん。

彼女とその周りの仲間たちの青春を、ちょっとびっくりしてしまうくらいに丁寧に描いていました。これまで名前すら出てきてなかったようなキャラをここまで出すとか、やっぱりこの作品はイレギュラーですね。

 

で、まぁ。

芽衣さんの過去編が描かれるだけならいいんですよ。

他のヒロインたちも、過去のことを描かれているわけですし。

けどね??

今の芽衣さんに至るまでの過程を描くということはつまり、ドン引きするほどの現実を突きつけてくるということでもあるんですよ。

 

築いてきた信用、仲間との絆、抱いていた理想。

そういうものが全部、がらがらと崩れていく。

その過程は、ちょっと本気で『ん????? 何を読んでるんだ????』となるほどでした。

絶望の音って聞こえるんですね。

しかも、紙で読んでるとだんだん気付き始めるんです。

『あれ、これってもしかして過去編で終わりじゃね……?』と。

三巻でああいう風に引いておいて、四巻でも救われないの⁉と。

ブコメ(?)を読んでて絶望って言葉を使うこととかめったにないですからね、ほんと。

 

 

ただ、それと同時に芽衣さんがラスボスではないんだな、ということも実感したのが今回でした。

あくまで敵は現実。

だって芽衣さんはあれだけ痛い目に遭ってもなお、皆が笑えることを望んでるじゃないですか。その方法は変わっていますし、冷たいものになっているかもしれない。でも、悪意をもっているわけじゃないですもんね。

 

そういう意味では、いつかは……

笑ってぇ……。

 

 

2.考え得る限り最悪のタイトル回収

エピローグのタイトル

『現実でラブコメできないと〝みんな〟が決めた』

これは、言うまでもなく作品タイトル『現実でラブコメできないとだれが決めた?』の回収です。

なんですけど……こんな最悪のタイトル回収あります?

 

いやね、『理想の結末』に『バッドエンド』ってルビを振るのはまだいいっすよ。

その他もろもろ、えぐい展開もまぁ、現実だしねってことでいけます。

けど、このタイトル回収は……あまりにもえぐい。

言葉を失いましたね。

今まで、なんだかんだ熱量で現実をぶっ倒してきたからでしょうか。

こういう回収の仕方もありうるってことが頭から抜けていました。

 

悪魔か?

 

軽くトラウマもんですよ、これ。

もう怖いので、マジで五巻を……。

 

 

3.希望……?

正直に言うと、四巻はもうちょい希望に満ちた巻だと思っていました。

芽衣さんも含め、皆を救っちゃうくらいに色々とやるのかとばかり。

けど開いてみれば、最悪最凶のバッドエンド。

 

でも、僅かな救いもあったのでした。

 

たとえば7番さん。

あの状況で、耕平を捜していました。まだ諦めていませんでした。それどころか情報まで集めてくれていましたよね。

他の人もそう。

三巻でメインとなっていた色んな人たちも、決して折れていないんです。

 

というか!!!!

四巻のあらすじ読みました????

『耕平は混乱し、後悔し、それでも皆の想いが、成し遂げたい理想があるから、次の策を必死に考える。』

これ読んだら、希望の方が先に来てくれると思いません?

どん底突き落とされた後に僅かに差し込む光とか、もはや全然光じゃないでしょ。届いてないよ、日光!

 

けどけど、五巻こそは!

五巻はようやく、救いがありそうな予感がしますね。

何しろ、耕平の元同級生らしきキャラの気配がありましたからね。

元はと言えば、どこにでもいる中学生Aだった耕平が立ち直れたきっかけは元同級生たちの言葉なわけで。

だったら今回も、何かしらの形で現状打破してくれるのかも……?

 

 

そして!

皆さん気付きました!?

ブログも下になってるし、引用しちゃいますけど。

 

〝メインヒロイン〟がいない、理想なんて。

〝メインヒロイン〟が、理想じゃ絶対に救えない話なんて。

(中略)

一番、近くにいる人を――。

不幸にするしかないのが、現実のラブコメだというのなら。

『現実でラブコメできないとだれが決めた?4』P324‐325

 

これは最後の最後、芽衣さんと耕平のやりとりなわけですが。

文脈を考えると、絶対『一番、近くにいる人』って7番さん、もとい上野原さんなんですよね。

この場面で上野原さんのことを意識し、不幸にしたくないと願う。

ここ、超絶好きなんですけど分かります??????

っていうか、四巻に関してはここ以外、全部大っ嫌いだけど大好きという倒錯した感情しか持てないんですが????

 

 

 

 

こほん。

何だかんだそれなりの文量になりました。

しょうがないです。あまりに辛い四巻でした。この四巻だけは、『いいから五巻が出るまで待ちなさい。買って積んでおくんだ』と思ってしまうレベルでバッド&バッドでしたから。

負け確イベントをラブコメに設けるの、やめてもらっていいですかね……。

 

そういうわけで、早く五巻が発売することを祈っております。

年内はキツイんでしょうけど……これは流石に年内、あるいは1月あたりに出してほしい。春まで待つとか拷問でしょ……。

 

では今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

 

【二番目】『わたし、二番目の彼女でいいから。』感想&おすすめ

こんにちは、とこーです。

今回は今話題の二番目彼女をようやく読めたので、感想を書いていきたいと思います。ネタバレは極力避けていきますが、完全になくすのは難しいのでご注意を。

 

それではいきます。

 

 

 

 

 

 

1.とにかく“巧い”作品

この作品は、あらすじやタイトルからも分かるように、ちょっと普通の恋愛とは違う恋愛を抱いた作品になっています。

その背徳感とか不純性とかキャラとかそういうところももちろん触れるのですが……

まず第一にこの作品を読んで思ったのは、『巧い』ということでした。

 

まず前提として、この作品では主人公と早坂さんが互いに『二番目に好きな相手』として付き合っています。

そもそもとして、この関係性がなかなかに複雑ですよね。

主人公は誰が好きで、早坂さんは誰が好き。

けど色々と事情があって叶わないかもしれないから、二番目同士で付き合おう。

その展開は分かりますが、これを書こうとするとそれだけでかなりの文量が必要となってくるはずです。

そこを、この作品では既に『二番目に好きな相手』同士で付き合っているところから始まります。

むしろ二人が付き合っているところを描写し、その甘さやドキドキ感を読者に与えた上で『二番目である』ということを提示しています。タイトルが直球だからこそ、読者は『この二人が二番目ってことなのかな』と自然に理解するようになりますし、読書意欲をものすごく駆り立ててくる構成であるように思います。

前提となるタイトルが示す展開へと至るまでに時間を費やす、という作品も多々ある現在。カットするべきところをカットし、描写すべきところを選び、その上で説明をきちんと入れる。

この選球眼のような編集力と全体の構成を考えて話の順番を決めていく力がとんでもないな、と思うわけです。

 

それは序盤だけではありません。

この作品は、とにかく構成が抜群に巧いのです。

登場する二人のヒロインとのエピソード自体も、非常に面白いでしょう。でもそのエピソードを選び、並び替え、速度感を調整する技術が凄いと思うんです。

無駄なところを省き、逆に必要なところをきちんと書くことで読者を置き去りにせずサクサクと進んでいけている作品だと思います。

これって、少しでも自分で書いたことがある人なら分かると思うんですけど、めちゃくちゃ難しいんですよね。

説明をつい書きすぎたり、展開と物語の速度感がアンマッチしていたり。

そういうことがないので非常に読み易いですし、どんどん次を読みたくなります。

正直なところ、この作品がここまで話題になっているのってそういうところが大きいのかも、と思ったりしています

 

 

2.叙述トリック?感のある話の連鎖

叙述トリック、というものを私はあまり理解できていません。

ミステリー作品に触れてこなかったので、そこは口惜しいのですが……たぶん、この作品には叙述トリック感のある描写がそこそこ見られます。

かの米澤穂信先生の古典部シリーズ『愚者のエンドロール』にて、奉太郎が考えた結末っぽさ、と表現するのが私的にはしっくりきます。ああいうのが叙述トリックなんですかね?

 

事実を淡々と描きつつ、後で綺麗に回収することでハッとさせられる。

そんな展開が結構ありました。そういう構成になっている、という部分もあるのでしょう。

これは1で挙げた構成の巧さにもかかわってくることだと思います。

勢いで話を進めたい際には、それを邪魔するような余計な説明は書かない。

逆に説明が一番効果的になるタイミングで挿入することで、説明自体に面白さを付与する。

そのことで『ああ、そういうことなのか……』となります。

もちろん、意図的に隠されているわけではないので読んでいくと自然に『もしかしてそういうことなのでは?』となります。考察や伏線と呼ぶほどのものではないですが、そこに近い『ひっかかり』がありました。

伏線回収ってみんな大好きですよね。

この作品でも『ひっかかり』を適度な頻度でドンドン回収しては更に展開しています。この繰り返しが、読書欲を駆り立ててきました。

一度するっと読んだ文章の意味が違うように思えたり、抱いていた感想に少量の毒が入ったりするような感覚はこの作品ならではかもしれません。

 

 

3.主人公の魅力

主人公至上主義を掲げる私とこー、やはりこういう作品でも主人公に対しては思うところがあります。

特にラノベや漫画だと、不純愛系の作品って主人公はかなりの正義漢だったり、初心なところが合ったりすると思うんですよ、私。

一人称描写だと、背徳なシーンはドキドキ感ばかりが出て、若干読者を置いてけぼりにしたり……。

もちろん、そういう作品もありですし、リアルだと思います。けど生々しさを出すうえでは、やはり主人公には理知的で理性的な面が必要ではないでしょうか。

そしてこの作品の主人公にはそういう面がありました。

何ならプロローグからして理屈っぽさがありますからね。

そういう理屈っぽさがあるからこそ、そこから溶けていくような背徳なシーンへの移り変わりが生々しく、引き込まれてしまうのです。

 

他の面で言っても、主人公はとても魅力的な人物でした。

というか、ちょっとびっくりです。

イラストとか見てる感じ、二人の女の子に振り回されて流されるだけの初心陰キャ男子かな、とか思っていたんですが(失礼)全然違いましたね。

周囲をよく見て、困っている人にすぐ手を差し伸べられる人です。

ぶっちゃけ、不純な要素とか入れなくともこの作品はめちゃくちゃ面白くなると思うんですよ。

それは1や2で挙げたような巧さもあるんですが、一番は主人公がそれだけ魅力的なことが理由です。

ちゃんとした哲学を持ち、きっちり行動できる人はかっこいいですよね……。

 

4.二人の魅力的なヒロイン

さて、ようやくヒロイン二人に触れられます。

早坂さんと橘さん。

主人公にとって『二番目』であり、彼女でもある早坂さんは周囲から清楚だと思われ、でも主人公の前では悪い子になるという絶対可愛いキャラです。

こんな子、惚れない人います????

適度でエッチで、どんどん主人公に甘えてくるところとかもうちょう可愛いでしょ。こんな彼女が欲しくない人がいるなら、ぜひ名乗り出てほしい。

皆との内緒の関係、というのもまた超いいです。

ものすごくドキドキします。

 

凄いのは、早坂さんも主人公をちゃんと好きなところなんですよね。

互いの恋を応援して……という男女ものがたいていの場合応援しあっていた二人で付き合うというラノベあるあるはよく聞きますが、この二人が既に付き合っているというのがこの作品のイレギュラーなところですね。

別に他の人と付き合っているわけではないので、何一つ悪いことをしているわけじゃない。

ただ秘密の恋を、『二番目』の恋をしているだけにすぎない。

なのに不思議と感じる背徳感。それは、早坂さんのいう『悪い子』という言葉に凝縮されているように思います。

 

どうして!!!

『悪い子』って言葉はこんなにも甘美なんでしょうねっ????

悪いことじゃなくとも、『悪い子』って言われると超ドキドキしません⁉

清楚だと思われてる子にそれを言われると、死ぬほどドキドキするんですけど。

 

しかも、そんな早坂さんが途中からだんだんおかしな様子になってくるのも超好き。

ぐだぐだと依存していく感じでしょうか……もう超好き。

 

 

……ここまで語れば分かるかもしれませんが、早坂さん派です。

 

 

でも、橘さんも好きなんですよね~。

どこかミステリアスな印象がある橘さんは、主人公の『一番目』に好きな相手です。

でも彼氏がいる、という噂が……

そして恋をあまり理解してなそうな様子もあって……

と、魅力的ですよね。

恋が分からないからと積極的になってくるこの感じ、たまらなくいいです。

この依存感よ。

主人公にぐだぐだと溶けていくところとか、死ぬほどいいんですけど……。

 

そんなわけで、見事に二人のヒロインの魅力を描いた第一巻でした。

 

5.ほかのキャラクターも。

主人公とヒロインに触れましたが、他のキャラクターもかなり魅力的でした。

いや、魅力的とは少し違うかもしれません。

ここでもやはり、『巧い』という言葉を用いたくなります。

 

登場人物一人一人に哲学と信念と物語上の役割を与えるのが、ドン引きしちゃうほどに巧いんですよ、この作品。

主人公たちの恋に対し、そして読者に示唆を与える。

その役割を、それぞれの立場のキャラクターがあまりに巧みにこなしすぎているのです。

それでいて、舞台装置のようには決してなっていません。

が、一冊の中ではあくまで主人公とヒロイン二人に徹底的にクローズアップしていると感じます。

この『感じる』ということが結構ポイントだと思うんです。

 

何しろ、他のキャラの出番もそれなりに多かったですからね。

そこにも読ませるシーンはありましたし、面白かった。

なのに読んだうえで、あくまで三人にクローズアップしていると感じるだけ、存在の主張が激しくなかったんですよ。

物語に溶け込む巧さが、もうとんでもないと思います。

 

 

6.背徳?不純愛?不健全?

この作品は、Twitterでも背徳だとか不純愛だとか不健全だとか色々と言われていますね。

あとはエロい、とかもでしょうか。

私はその全てに賛同し、同時にそうかな、と疑問を呈したいと考える派です。

 

というのも、すごくよく考えると言うほど背徳ではないんですよね。

だって『二番目に好きな子と付き合う』という妥協は別にありがちでしょ?

お互いに好きな子を応援しあう、というのもまぁよくあります。

応援していた相手が好きな相手に見せる笑顔にもやっとする主人公……とか、なんならぶっちゃけちょっと懐かしいですよ。

橘さんも……詳しい事情は避けますが、一部を除けば、言うほど倫理に反している存在でもありません。

エロさも、どうなんでしょうね。もちろんそういうシーンはたくさんあるんですけど、行為の進み方で言えばもっと進んだことをしてる作品も多いですよね。

 

それなのに、背徳で不純愛で不健全でエロく感じる。

その絶妙な巧さの正体は、『適度なストレス』とその『発散』にあると思います。

 

顕著なのは早坂さん。

『二番目』としてすっごく甘くてエロい展開が続くのに、唐突に現れる『一番目』の気配。

この瞬間のストレス(悪い意味ではないですよ)は、ヤバくないですか?

恋を応援系の作品は多々ありますが、その比じゃない。

甘々なだけじゃなくて、マジでエロめの展開に突入してるんですよ?

その寸止めだけでもモヤるのに、さらに別の男の陰でモヤらせてくるというこの感じ!

 

でも、そこで終わらないんですよ。

見事にかけたストレスを、きっちり過度に間を開けずに発散させてくれるんです。

しかもストレスの何倍にもなる快感で。

中毒症状になるでしょ、こんなの。もうヤバいです。

 

 

橘さんは……言うとネタバレになるので、おすすめ記事でもある今回は言及を避けます。

少なくとも橘さんは、早坂さんのようなストレスの方向性ではありませんでした。

どちらかというと純愛に近いのはこちらかも?

橘さんと主人公の純愛小説でも余裕で面白そうですし、多分どこかに類似作がありますね。

 

 

このストレス&発散のやり口が、私にはNTRものの作品に思えて仕方がない。

しかもすっごいゆっくりと堕としていくタイプのNTR。

主人公が橘さんのSNSを見ているところとか、物語終盤のところとか、マジでそう思います。

寝取り側のNTRと寝取られ側のNTRの両方の印象を兼ね備えつつ、そこがグダグダと崩壊していく感じ……。

それでいて青春感もあり、甘いし、それ以外の読み応えもあるという。

 

私は読んでいてつくづく思ったんですが、どうしてここまで好評な人がいるのか分からないんです。

このジャンルってクリティカルだけどニッチなあれじゃないです?

NTRものって地雷な人にはトコトン地雷な作品だと思うんですよ。

それなのにここまで人気が出てるのは、やっぱり巧さがあるからだと思います。

 

本来ならばそれなりに狭いターゲット層(と言ってもこういうジャンルが好きな人は多いですが)を、作品としての巧さでぐぐっと広げる。

そのおかげで、本来よりも更に堕ちる読者を増やせているのかな、と。

なのでぜひそういうジャンルが好きな方は読んでほしいですし、好きではない方も巧い作品なのでエンタメとして読んでみるといいかもしれないな、と思います。

 

 

今回はここまで。

到達文字数5000字。

文字を削れない悪い物書きがここにいますよ……。

この作品はきちんと省くところを省いているので、凝縮感がすごいのに。見習いたいものです。

あと、やっぱり早坂さんが好き。

二巻も出るっぽいですし、楽しみにしてます。早く読みたい……

でも性癖が歪む!

 

それでは、終わります。

読んでくださってありがとこーございました!

 

【危うくも、楽しい】『君のせいで今日も死ねない。』感想

こんにちは、とこーです。

今回は先月のうちに買いたかったのですが諸々の事情で買ていなかった作品、『君のせいで今日も死ねない。』を読みましたので感想を書いていきたいと思います。

ネタバレというほどのネタバレがある作品ではないと思いますが、一応内容には触れていくのでご注意を。

 

 

 

 

1.文字通り、『危うくも、楽しい。』

この作品の帯には、大きく『危うくも、楽しい。』と書かれています。

まさにこの一言がこの作品の面白さだったな、というのが第一印象です。

ストーリーは単純。

完璧だと思われていた少女が自殺しようとしているところに主人公が出くわし、色々と理由をつけて自殺を延期してもらいながら関わっていく、というもの。

はっきりと言ってしまうと、そこまで突飛ではないですよね。

もちろん死という重い題材を扱っていますし、自殺についての描写はなるほど、と思いました。

ですが、私はそこの描写自体にはそこまで魅力を感じませんでした。

というのも、自殺の理由とか苦悩に関しては『そうだろうな』という感想を抱いてしまったからですね。

完璧美少女だと思われていた子が実は苦しんでいて……って文脈は、ラノベにしろ他のジャンルにしろ、結構浸透してますもんね。社会的にはまだ自殺=いじめ、みたいな印象が強いように思いますが。

 

と、こう言ってしまうと酷評のように聞こえるかもしれないですけど、違うんですよ。

あ、これはフォローとかではなく真面目に。

この作品に於いては自殺の描写よりも、『自殺しようとしている少女』との儚くて危うい非日常な日常こそが魅力だと思ったんです。

 

自殺を引き延ばし、主人公のA君とヒロインの三峰さんは色んなことをします。

ドキドキで甘めのラブコメが展開されているところなんかはキュンキュンしましたし、三峰さん可愛いなぁ……とか、エモいなぁ……とかしみじみと思っていました。

そんな描写のなか、時折ぽつんと放たれる自殺の気配が『危う』くて、その度にA君が苦しみ、切なくなり、祈る姿が非常によかったんです。

この『危うさ』と『楽しさ』の間隙のA君や空気感の揺れが絶妙ですね。

まさに『危うくも、楽しい。』

言葉通りだったように思います。

 

2.A君がいい!

主人公のA君。彼の名前が一番のネタバレな可能性があるのであえてA君のまま行きますが、今作は彼が一番魅力的だったのではないかと思います。

あらすじにある通り、彼は陰キャでも陽キャでもなく、カーストもそこそこなモブキャラ男子でした。

三峰さんに対して憧れを抱いていたこと、彼女の気持ちに気付いていなかったこと。そういうことを含め、物語が始まるまではモブキャラにすぎなかったんだと思います。

 

だからこそ、手札全てで三峰さんに生きてほしいというエゴを通すために四苦八苦する。本音を誤魔化し、悲哀を誤魔化し、時に萌えて悶えて、けどやっぱり苦しみ。

そんな姿が最高に好きになれました。

過度に冷たく理知的なわけではなく、迷いなく情熱を通すわけでもなく、時に反省し苦悩しているところがよかったですね。彼のかっこ悪さとか無知さが最初になければ、この作品の雰囲気は台無しだったように思います。

 

物凄く言葉は悪いんですけど、童貞っぽさ、とでも表現すればいいんでしょうか。

虚勢を張るけど決定的な一歩だけは踏み出せなくて、それでも踏み出そうと在る様がよかったです。

 

 

 

 

今回はこんなところでしょうか。

小説家になろう』短編を読んでいた身として、非常に楽しめる書籍バージョンになっていました。

みー先輩に焦点を当てた短編もあるんですが、そっちはそっちですごく好きです。なのでみー先輩登場シーンはちょっと嬉しかったですね。

ただ、もう色んな状況が重なって完全に頭がドロドロに胸抉られる恋愛モノに向いてしまっていて、120%は楽しめなかったのが素で悔しいです。100%楽しむだけじゃもったいない作品だったのに……!

ということで多分読み返すと思います。それくらいいい作品でした。

 

 

それでは今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

 

【めんどくさっ】『推しが俺を好きかもしれない』感想

こんにちは、とこーです。

ラノベ感想記事はチラムネ六巻以来という、お前ラノベブロガーなのアアン?みたいな状況の私ですが、お財布にも余裕ができたので気になっていたラノベを買って読み漁っております。

というわけで今回は『推しが俺を好きかもしれない』について語ります。

若干ネタバレはあるかもです。ただ、そもそもネタバレを恐れるような種別の作品じゃない気もするのでご安心を。

じゃあ、いきます。

 

 

1.超面倒くさい主人公&ヒロイン

噂には聞いていて、面倒くさい的な単語が流れていたので「ふーん」と思っていたんですが、予想を超えるレベルとベクトルで面倒くさかったです。

プロローグの主人公のブログのところからして、もう面倒くささが溢れています。ここまで痛いジャブをかましてくる主人公もなかなかいません。そして、ブログ内で語られている『満月の夜に咲きたい』のことは分からないくせに、初っ端から『おおお!』と考察に感動する意味の分からんファンになったような錯覚を受けます。

それくらいに主人公の共感性が高すぎる。

推しをテーマにした作品というのは、近年むちゃくちゃ増えてますよね。ラノベに限らず、色んな分野で推しって言葉は汎用化されているように思います。

ちょっと推しの定義が軽くない?とか異議を唱える気持ちはさておいて、そういった『推し』を持つ人って、単純な愛だけでいられるハッピーな人ではないと思うんですよね。

絶対服従と言ってもいいほどの信仰心に似た何かを持っているでしょうし、謎のプライドだって持っているでしょう。絶対服従のくせに願望から離れた瞬間の失望とか、失望したことへの自己嫌悪とか、もうとにかく色んな感情があるはずなわけで。

それらを全部ひっくるめて、その上で病気かと思うほどの絶対的な愛を抱かずにはいられないファンの面倒くささが、こう、コトコト煮込まれてるんですよね……。

後で語りますけど、その面倒くささと共感性を引き出すのにぴったりな文章でしたし。

 

そして、ヒロインも相当に面倒くさい。

序盤は面倒くささより憎らしさと可愛さが勝つんです。一人称が自分の名前の女の子とかやばいな、いいな……ってなりましたし。

口が悪い系の女の子いいっすよね。ちょいちょい挟まる、乱暴と粗雑と男っぽさを混ぜたようなセリフがいい。

でも中盤から終盤にかけて、どんどん面倒くささが加速します。

最終的な言動とかくっっっそ面倒くさい。

どっちやねん、とツッコミたくなります。

けど、そこがいい。

ぐだぐだと依存されたい可愛さ。オタクの妄想シチューみたいな女の子じゃない?

オタクはね、単に優しくされるだけじゃ満足できないんですよ!!!(偏見)

 

主人公にしろ、ヒロインにしろ、面倒くささのベクトルがコミカルなのが個人的にはツボです。

面倒くさいのにも色々あるじゃないですか。

こじれる系の青春モノの登場人物たちって割とみんな面倒くさいですけど、面倒くささのベクトルが重めだったりしますし。

その点、この作品はコミカルであるがゆえに愛らしいんです。

愛おしいではなく、愛らしい。

「愛らしいなー、この子たち」って思いながら読めました。

 

2.惚れる一面のある主人公&ヒロイン

また主人公とヒロインの話かよ……ってなるんですけど、この作品に関してはしょうがない。

だって主人公とヒロインくらいしか登場しないんですもん。名前有りキャラはそれなりに出番を貰えてますが、ほとんど焦点を当てられてません。

逆に主人公とヒロインへのフォーカスがすごい。主人公の友達に飛ぶことすらなく、完全に二人にスポットライトを絞りまくってレーザービームにしているレベル。

 

そんな今作。

読んでいて「へぇ……ふぅん。ほーん」と、気にはいるけど恋とは認めていないぎりぎりの瞬間みたいな感じで主人公やヒロインに惚れそうになるところがちょいちょいあります。

 

たとえば主人公の行動。

オタクとしての一面はもちろんですが、偽善者とか自分のためとか、そういう彼の行動原理には惚れそうになります。

同時に、ヒロインの行動に対して感心したり、考えを改めたり、見直したり、美しいと思ったり。

そういうことができる主人公の心根にも惹かれます。面倒くさい面が多い分余計に。

ありきたりではあると思うんですよね。

別に特異な部分があるとかではなく。思考回路も、まぁ探せばゼロではないだろって感じ。

けど作品を通して見たときに、ギャップ萌えをしちゃうんです。普段のテンションからの落差。動と静の変化。すぅぅと一瞬だけ顔色が変わるかのように文章が変わるんですよ。それがキュンってします。

 

それはヒロインにも言えること。

主に描かれるのは主人公視点でのヒロインの見え方なわけです。

基本的には性格の悪い面ばかりな彼女。でもその奥底にある、当たり前みたいなピュアの部分だけはとても美しくて。

バスケのシーンとか、インタビューのところとか。

「あ、ここはこの子の読者からの好感度をあげるためのエピソードだな」ってぼんやり分かるんですよ。「主人公が見直すきっかけになるエピソードだな。ここで入れるのか」とか変な分析しちゃうんです。

その冷めた思考を透過してちょこんと胸に届くピュアさが綺麗でした。

 

3.まさにラノベな文章

ちょいちょい触れていましたが、この作品の文章がいい。

文章力や読み易さとは別のよさがあるように思います。

この感想は共感してもらえるかわかりませんが、私の中ではラノベの文章と言えばこの作品みたいな感じのものをイメージするんです。

地の文では主人公のモノローグが多めで割とハイテンションだったり、独り言っぽいモノローグが多かったりする感じ。このコミカルさはいいですよね、ラノベ感が超あります。

 

全体的に総括すれば、甘々なラブコメです。

会話量も多めで、割とサクサク進んでいました。

けど、その端々から上手さを感じたんですよね。私だけかもですが。

特に第十五話。

開幕から、ほとんど空白がなく埋め尽くされた文章。長々と連鎖するように日常を連ねていくのとか、主人公のそのときの心情にはまってた気がします。

あとはヒロイン視点。

会話主体で進んできたこれまでと打って変わった、一気に内に入り込むような話です。

雰囲気をがらりと変えて、かちっと切り替わったような感じがしました。

そういうところが、感覚的に「上手いなー」と思ったのでした。

 

4.抜群にはまる幾つかの文

ここまで書いてきてなんですが、実のところ、途中まではこの作品の感想をブログにまとめつるもりなかったんですよね。

というのも、ブログに書けるほど好きになれるか微妙だったので。

でも終盤にかけて息を呑む文章が幾つかあって、その言葉によって一気に全体の見方も変わってきた感があります。

 

俺の大好きなもので、この胸の穴を埋められないことが、本当に悔しかった。

『推しが俺を好きかもしれない』P251

 

とか、ぐさって胸に来ました。

共感性があまりにも高い。辛いとき、まさにこんな風に思うことがありましたもん。

 

でもですね、それよりも超絶好きなのが次の文章。

 

そう言った俺に対して、花房は一体、どんな顔をしてくれたのか。

それは、それを口にすることができた、俺だけが知っているのだった。

『推しが俺を好きかもしれない』P310

 

ここ、超好きなんです!

だってラノベって文章ですよ? 形容するんですよ?

イラストだってあるわけで。何ならこの作品、結構上手くイラストを使ってますよ。口絵とそれに入れ込む台詞の相乗効果は作品にめっちゃプラスに働いていますよ、と声を大にしたい。

でも、ここは文章とイラストのどちらでも形容しないんです。

だって、ちゃんと言った主人公へのご褒美みたいなものだから。

そこを読者が持っていったら、もうこの作品は主人公とヒロインの物語じゃなくなるんです。

ここのね、形容しないという形容が最高で。

ファンとして一線を引いてきた主人公が、ある意味では唯一独占欲を出したシーンだと思うんです。

超かわいい!

かっこかわいい(かっこいい×かわいいの造語)!

共感者がいるかは分からないですけど、本当にここは語りたかった。

このたった二文がこの作品の私の中での評価を三割増しにしてくれました。

 

 

 

そんなわけで、感想はここで終わりです。

久々に書くので、どんどんまとまりがない駄文になってしまいました。お恥ずかしい限りです。

続刊について調べてみましたけど、まだ明確な情報は出てないっぽい……?

ラノオンアワードで賞とってましたし、割と人気っぽいので二巻も出ると信じたいところです。

二巻以降、推しへの好きと女の子への好きがどう変容していくのか気になります。甘くて面倒くさい展開にもなるでしょうし。

 

というわけで今回はここまで。

最後まで読んでくださってありがとこーございました!

 

【読書の秋】9月の楽しみなラノベ新刊

こんにちは、とこーです。

もう八月も終わり、いよいよ秋に突入しようとしていますね。高校生活最後の夏休みが終わってしまった……と名残惜しくなる気持ちを振り払ってくれるくらい、九月は楽しみな作品がたくさんあります。

いや、今月は出費が多くて楽しみにしていた二作を買えてないんですけどね。このラノ投票前にはきちんと買うつもりです。このラノの対象は八月までですからね(協力者アピール)。

 

そういうわけで、今回もラノベ新刊をピックアップしていきます。

 

 

1.やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。結1

——願いの数だけ、想いの数だけ、語られない物語がある。

だからこれは、由比ヶ浜結衣の物語。

 

まずは、やはりこの作品。俺ガイル結でございます。

もちろん著者は渡航先生、イラストはぽんかん⑧先生です。

青春小説の金字塔と言ってもいい俺ガイルの新刊なわけですが……あらすじを見ても分かるように、『由比ヶ浜結衣の物語』であることは間違いありません。

ただそれをどう捉えるべきなのかが分からないんですよね。

 

由比ヶ浜さんルートとして見るのであれば、俺ガイルアニメ二期特典小説『another』が一応それっぽい感じではありました。

あれもクリスマスイベントのあたりから始まっていたので、それをリライトしているのかな? と思いつつ。

ただ、仮にそうだったとしても俺ガイル14巻を書いた後に書く『another』は大きく変わってくる気もします。

それにあらすじを見ると、原作の由比ヶ浜さん視点ストーリーと見れなくもないような感じ。

ナンバリングに『1』とありますし、『2』や『3』も出るのかな……とか色々と妄想が膨らみますね。

 

俺ガイルは私の青春小説の基盤を作ってくれた作品でもあります。

もうヒロイン皆好きなんですが、由比ヶ浜さんも超好きなので報われて! とか思うんですよね。あ、でもいろはすも……。

 

個人的に14巻で満足していたので14.5巻を読んでいないのですが、結1で俺ガイル熱が再点火する気もするのでワクワクしております。

 

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2.現実でラブコメできないとだれがきめた?4

――『実現するラブコメ』は、現実の大きな壁に阻まれる。

これは、彼女が彼女になる前の物語。

 

続いて、ラブだめ四巻!

衝撃の第三巻ラストの先を描く四巻は……先日、著者の初鹿野先生のTwitterアカウントで公開された表紙からしてめちゃくちゃ怖くてワクワクするデンジャーな物語になりそうです。

 

もはやこの作品はラブコメなのか、ラブコメを舞台にした頭脳戦もどきなのか、はたまたラブコメクリエイターモノなのか、ジャンルが分からなくなりつつありますけど……。

一巻では×××を作っちゃいますし、二巻では××××が印象を一気に変えますし、三巻もは熱い展開になるしで最高なんですよね。

テンションが鬱陶しくてポンコツで、でも真っ直ぐに頑張ろうとする主人公・耕平の姿を見ているととことん応援したくなります。

 

今回の四巻は、「こんなはずじゃなかった」三巻を終え、それでも次の策を練り始めるらしいです。てっきりそれで終わりかと思ってたら、ラスボス魔王ことメインヒロインが登場するとのこと。

某日南さんと同じくらいに怖いんですけど……魔王との直接対決となったとき、耕平がどう動くのか楽しみです。少なくとも三巻の時点では超絶BADエンドですからね。

 

それとは別に、個人的には七番さんとの絡みも楽しみなところ。

七番さん、超好きなんですよねぇ。こういう女の子好き。隣にいて、ちょいちょいツッコんでほしいです。

三巻の挫折は耕平以外の色んな人物にも影響を与えるはずですし、七番さんがどう感じるのかも気になります。

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3.楽園殺し2 最後の弾丸

――その日。渇いた夜空を割るような、最後の銃声が響いた。

 

ガガガ文庫の9月と言えば、こちらもあります。

先日発売され、とんでもなく面白かったファンタジー作品です。

著者・呂暇郁夫のデビュー作『リベンジャーズ・ハイ』の続編となるこの作品ですが、もちろん楽園殺し単体でも楽しめます……が、二巻は、『リベンジャーズ・ハイ』も読んでから読んだ方がよさそうな感じらしいです。

 

圧倒的に読み易く、男の子の心をくすぐられるかっこよさもあり、読んでいてものすごく引き込まれる作品です。

群像劇的な面が強くて様々な人物の思惑が交差しつつ事件が進んでいくのですが、何といっても私が好きなのはシン。二巻あらすじではチューミーと呼ばれている人物ですね。

 

シンは『リベンジャーズ・ハイ』にて主人公の色が強いキャラだったのですが、そのときからの成長とか変化が楽園殺しで描かれているのがたまらないんです。その上で楽園殺し内でも悩んでて、もう超好き。

楽園殺しでメインとなっているシルヴィも魅力的です。『完璧』を目指す姿が気高く、でも人間っぽさもあって色々と思わされるんです。

 

楽園殺し一巻ラストは、続きがすごく気になる感じでしたからね。予告のページだけでワクワクが止まりませんでしたし、一体どんなストーリーが待っているのか気になります。

しかも表紙は一巻と二巻で一枚絵なんですよ。もはや壁画になってもおかしくないほどの神々しさがあるイラストなので、早く買って並べたいなぁと思います。

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4.カノジョの妹とキスをした。3

――どうして俺は、晴香と出逢う前に、時雨と出逢えなかったんだろう。

 

続いてはいもキス新刊です!!!!!

超失礼なことを言うと、続刊出てよかった!

本気でそう思います。

二巻出たのがちょうど一年前くらいだった気がするので、もう結構待ちましたよね。一年くらい待つと「打ち切り……?」と不安になってしまうあたりラノベ業界には色々と思うところはありますが、まぁそれは置いておいて。

 

いもキスは、超毒々しい不純愛ラブコメディです。

一巻はまぁ「背徳かな」くらい。

でも二巻から毒が侵食し始めて、二巻終盤で一気に毒の甘美さに魅了された覚えがあります。

 

三巻は、もうあらすじ一行目からえぐいですよね。

不純愛、ここに極まれり。背徳すら超えた毒々しい純愛は、一体どうなっていくのか。

 

表紙も既に公開されていますが、これがすごい。

色気むんむんで、超絶引き寄せられるんです。本屋だと買いにくいんじゃね、ってくらい。けど過度な露出があるわけでもないんですよね。恐ろしいです。

 

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5.俺の彼女と幼なじみが修羅場過ぎる17

――俺修羅、堂々の最終章!

「恋愛を滅ぼす」真涼との戦い、医学部受験、そして……

 

九月は、俺修羅の新刊も出ます。17巻、長い!

私は15巻の表紙を見てどっぷり惚れてから読み始めたのですが、俺修羅は本当にいいです。泣ける熱い展開もあり、コメディもあり、息を呑むような怒涛の展開もあり……。

 

まさにラブコメディだな、とつくづく思います。

ヒロインたくさんでハチャメチャな青春感もあって、すごく好きです。あえてカテゴリーに当てはめれば、残念系青春ラブコメの一つになるのでしょうか。

気になるところはたくさんありますが、個人的には鋭太の医学部受験がどうなるのかはすごく気になります。受験生ど真ん中だったこともあり、15巻の展開は胸にぐさっと刺さりましたからね。ぜひ打ち勝ってほしいところ。

 

前回フューチャーされたカオルがどうなっていくのかも気になります。

カオルは読むきっかけになったキャラでもあり、私もとても好きです。真那との恋の行方も含め、幸せになってほしいな……。

 

そして、ハーレム王の話。

本気でハーレムを目指す彼と彼女らは、本当にハーレムを築くのか。それとも誰かを選ぶのか、選ばないのか。

期待して待ちたいと思います。

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6.君の足のためなら死ねる

――お前らの足、最高だ……!

 

今月の新作で気になっているのが、この作品となります。

理由は言わずもがな、タイトルの引きの強さです。

まだあらすじもろくに公開されていない頃、タイトルだけを見て「なんだ、これは……!」となったのは記憶に新しいです。

 

著者は刈野ミカタ先生。最近だと『そうだな、確かに可愛いな』を書かれていた覚えがあります。私の観測範囲だと『そうだな、確かに可愛いな』は評判がよかったのですが、好みの感じではなさそうだったので読んでいないんですよね……。

でもその他に数多くの作品を書いていらっしゃる先生なので、実力があることは間違いなし。超楽しみです。

 

ストーリーは、あらすじを見る感じだと「女の子たちのフットサルチームのコーチになって……」というスポ根ものみたいです。

主人公はとんでもない脚フェチっぽいので、女の子たちの年齢によってはやばいことになりそうですね。

 

私としては読んだことがないジャンルなので、楽しめるか未知数な部分もあります。

スポーツをどこまで押し出してくるのか、女の子たちは可愛いのか、主人公はかっこいいのか。

今後出てくる情報をもとに判断したいです。

 

イラストを担当するのはBLADE先生。

ロリっぽいキャラを可愛く描いている方、という感じでしょうか。pixivを見に行ったのですが、可愛い子ばっかり並んでてテンションが上がりました。

けど結構ロリ振りしてるイラストレーターさんなので、そもそも作品の方向性がそっち系なのかもですね。『ロウきゅーぶ!』みたいな感じになるのかも?

 

今後の情報公開によっては私の好みではないなぁと感じるかもしれませんが、ワクワクすることは間違いない一作です。

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今回はこんな感じでしょうか。

九月は気になる作品、というか追いかけてる作品の続刊が多いです。

ただ、今月中旬までで受験の方がどうなるか決まってきたりするので、その結果によってはラノベ断ちも視野に入れないといけなくなってくるんですよね。

 

しかし、今月はこのラノの投票もあります。序盤にもアピールしましたが、今回も協力者続投です。
冊数自体は少ないんですけど、ブログとインスタで更新してるのでいいかな……と応募してみたら通りました。よかった。

たくさん読んではいませんが、その分吟味は人一倍しまくってるので買った作品はほとんど大好きになる私だからこそできる投票をしたいなーと思っております。同じ作品を読んだ回数なら負けない(無駄な張り合い)。

 

その他、HJ文庫の公式レビュアーにも選んでいただけたので来月から活動することになると思います。そちらもご覧いただけると助かります。

 

それでは、今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

『千歳くんはラムネ瓶のなか 6』感想(ネタバレ微)

こんにちは、とこーです。

今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか 6』の感想を極力ネタバレなしで書いていきたいと思います。

いや、本当はネタバレしまくる感想とかも書きたいんですよ。ブログなら注意書き書けば十分ですし。

でも、ちょっと頭の整理がつかないというか……そんな細かく語れるくらいちゃんと読めてないんですよね。かといって再読するエネルギーもないくらい疲れていて。

 

じゃあなぜそうなったのか。

その理由がまさに六巻にあるわけで、今回はそこに触れつつ『面白いから分厚さでチラムネ読めよ!』ということを前面に押し出して書いていきたいと思います。

 

 

それではいきます。

シリーズ前半を締めくくる第六巻は、来るべくしてきた衝撃展開の後から始まったものでした。

綴られたのは、それぞれの弱さ、人の繋がり、そして優しさなど様々なものだったと思います。

恋や友情、そしてそれだけでは言い表せない『仲間』であるチーム千歳の物語。その第一章終結にこれほどふさわしい巻はないと言っていいでしょう。

 

読んでいて、私は泣きました。正直なことを言えば、読書なんてろくにできないくらいにわんわん、わんわん泣きました。電子書籍で読んでいてよかったと思えるほどに、ぐちゃぐちゃになるくらいに泣いて、視界が滲んで文字が読めなくなった回数は数えきれないでしょう。

読み終えた今でも、『読書をした』という実感がもはやありません。

美しい地の文や文章的な工夫は、もちろんこれまで同様、あるいはそれ以上に凄まじいでしょう。読書ならではの楽しみは詰まっていて、もちろんその楽しみはきちんと享受できました。

それでも、やっぱり『読書をした』とは思えないのです。

タイトルになぞられるのならば、まさに自分がこの作品というラムネ瓶の底に沈んでいたかのように。世界に沈み込んで、色んな感情で胸がいっぱいにさせられていたのです。

青春をサイダーにしたのなら、きっと一巻から六巻までのこの作品のような味がするんじゃないかと思います。

最初はコミカルさがあって、シュワっと爽快感に満ちている。でも次第に苦しくて、喉が焼けるくらいにヒリついて、胸がずくんと痛んで、けど飲み終えた後にちょっぴり寂しくなる。

そんな作品でした。

 

そして……一巻から続いてきた前半シリーズの集大成ということもあってでしょう、伏線回収が凄まじい。いや、明確に『伏線』と呼べるほどかは別としても、明らかにそれまでの巻を意識して上塗りしているような描写がすごいのです。

というか……正直に言うと、かなりの割合で特典SSからの伏線があったような気がするんですよね。特に四巻までの特典。特装版に出したのをいいことに、マジで特典SSが本編と化している気がするんですけど……。

一巻から五巻まで、全ての内容を凝縮したような伏線回収の数々。ドラマCDの部分や、特典SSすらも当然のようにぶっこんで来るのは凄まじいですが……ここまでくると、もはや『伏線回収すげぇ』と思うこと自体間違っているような気すらしてくるから不思議です。

チラムネの物語に生きる彼ら彼女らにとっては、紡がれた物語の全てが青春であり、彼ら彼女らに蓄積されている記憶や財産なのです。それが辛いとき、誰かに手を差し伸べたいとき、助けを求めたいとき、自然と表面化するのはもはや当然でしょう。まして相手と共有できている記憶や財産ならば猶更です。

その人物一人一人の歴史が愛おしく思えたのが、まさにこの六巻だったと言っていいでしょう。

 

五巻までを読んでいて、チーム千歳みんなが狂おしいほど愛おしく思えていました。

朔だけじゃない、みんなに歴史があり、歴史によって形成される今があり、意思があり、大切にしたいものがあり……。

そういうのを読み解いていくと、六巻は超ど真ん中のストーリーだったと言えるでしょう。

物語的な捻りを強引に加えることはなく、『この人はこの状況でどう思い、何をするだろう』を描き切り、それをうまく表現することで、まさに青春小説の名にふさわしい夏の終わりへと導いていました。

健太が空気化しているとか一巻不要説とか諸々あったりしますが、そういうのも全部ひっくり返しているんじゃないかと思います。

六巻にたどり着くために必要な歴史を、この夏を終わらせるために必要な春の始まりを、春の終わりを、梅雨を、夏の始まりを、夏の輝きを、全て一巻から描いてきたのです。

 

ゆえに、六巻を以てこの作品は伝説の名を冠するに値する青春小説になったのではないかと私は思います。

六巻がいい、ではなく。

一巻から繋がって辿り着いた六巻が、いいのです。

 

長くなった割に内容に踏み込んでいないのは苦笑するしかありませんが……今回はこれくらいにしておきます。ストーリーについては語りたいこと、もちろん山ほどあるんですよ? だって推しである優空ちゃん大活躍だったわけですし。彼女の一年生の頃の話とか……いや、もう圧倒的に好きなんですけど。それに男たちも(げふんげふん

 

このあたりのことはまたいずれ。

考察というよりは、解説というか読み解きメモみたいになるのかな、とは思いますが。

どうやら後半戦突入の前に六・五巻的なヒリヒリしない話を入れるらしいんですけど……この話でどんだけ暴走するんでしょうね笑

五、六巻の特典の本編具合を見ると一ミリも信用できないんですよねぇ……。

 

いずれにせよ、後半戦突入までは時間がありそうですし、もう何度も読んで何度も泣こうと思います。後半戦は、まだ出てこない朔のもう一人の身内がひっかきまわしてきそうな気がしますね……。

個人的にはチラムネ好きという贔屓目を一切除いても、どう考えても『このライトノベルがすごい!』そのものみたいな話だったんですが、どうなんでしょうね。正直二年連続は無理やろと思ってましたが、今回の出来的にマジで行きそうな気もしちゃいます。

 

ともあれ、とりあえずはこんなところで。

 

終わる前に言いたいことが三つあります(多い)。

1つ、読む前に絶対五巻特装版のSS冊子を読んでください!

2つ、読むときは絶対に人がいないところで。嗚咽レベルで泣きます!

3つ、できるだけこの“夏”に読んでください!

 

それでは、読んでくださってありがとこーございましたっ!

 

【8月はこれ!】楽しみな新刊をPICK‐UPするコーナー!

こんにちは、とこーです。七月も残ること数日。夏休みも既に一週間が過ぎようとしている私でございますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

今回は8月に発売する新刊を取り上げていきたいと思います。

「ワクワクと物語」を重視して、私がビビッときた作品(と前から推している作品)を挙げていきます。一応、8月発売の文庫サイズ作品については全部タイトルを見てはいるはずです……。

 

ではいきます。

 

1.君のせいで今日も死ねない。

──「君のせいで死ねないじゃん」

そう笑顔で告げることができる幸せな青春へと悩める少女を導く、青春譚。

 

8月発売の新作のなかでは、一番推したいのがこちらの作品。

著・飴月先生、イラスト・DSマイル先生で送る青春譚でございます。

何がすごいって、まずタイトルですよね。

『君のせいで今日も死ねない。』

このワードの強さって、すごくないですか?

『死』という、ともすればネガティブなワードを『死ねない。』と記すことで、死にたいと思っている誰かがいることを明示し。

けれども『君のせい』で『死ねない。』ことから『君』が誰かを死なないように何かをするんだろうと想像を膨らまさせ、『せい』という言葉で『君』が余計なことをしているように表現することで、あえて希望が増しているように見えるこの感じ……(オタク特有の勝手な解釈)。最高ですよね。

 

とはいえ、流石にタイトルだけで激推しを決めるわけがありません。そりゃビビッときますけど、どう見ても重そうなタイトルですしね。重いのはあんまり好きじゃないので。

実はこちらの作品、『小説家になろう』様にてかつて短編で投稿されたものの書籍化作品でもあるのです。

その際に私も読んだのですが、もうこれが素晴らしかったのです。

エモい文章、切ないように思えて希望がある展開、主人公の男の子の姿……どれも素晴らしいんです。

WEB小説を馬鹿にするつもりは一ミリもありませんが、ここまでの名作に出会えるとは思っていなかったので当時、ふわふわな気分になったのを覚えています。

 

全体的なストーリーは、あらすじを見ても変わってはいないようです。

『神に愛された』と言われる完璧美少女・三峰彩葉が自殺していようとしているところに遭遇した主人公が、それを止めて、色んな日々を過ごしていく物語です。

この日々が何とも尊く、じんとくるものがあるんです。

少なくとも短編ではそうだった! ……ので、長編でもそのまま、いえ更にパワーアップしてくれているといいなぁ、と期待。

 

 

少し分析的な視点を入れましょうか。

小説家になろう』短編からの文庫化というのは、私の知るところだと例が少ないように思います。短編集に収録という形ならともかく、短編をそのまま一冊の長編へと変えるのは珍しいかな、と。

今話題のロシデレはそうでしたよね。

あちらの作品は結構変えている箇所が多いのですが、今回はどうなることやら……。

こちらも『小説家になろう』でも人気でしたし、一体どうなってくるのか。著者様の『小説家になろう』活動報告でのコメントによると、書き下ろしマシマシで三峰(ヒロイン)視点も結構あるとか……!

三峰の自殺願望にもさらに寄り添ってくださるらしく、これはもう、夏の終わりに読みたい作品となること間違いなしでは??

雑誌の方では試し読みや書影も公開されているらしいのですが、そちらは買っていないので大人しく発表を待つとします。いずれにせよ、最高に楽しみな作品です。

 

イラストレーターがDSマイル先生というのもヤバいですよね。

DSマイル先生と言えば、私が大好きな作品でいうとホヅミ先生のイラストを担当しています。

エモエモで綺麗、そして儚い世界を切り取ったみたいなイラストは本当に好きです。あのイラストとのコンビネーションとか、凄まじい気しかしなくて楽しみ。

 

富士見ファンタジア文庫より8月20日発売となります。

 


7月30日追記

本日、今作の特設ページが作成されていました。同時に書影の方も、アップされています。

……やばくないですか??????

この澄み渡る青空と、女子高生の程よい清涼感。スカートはともすれば下着が見えそうなくらいになっているはずなのに、下品さは微塵も感じず、とにかくあふれるばかりの爽やかさがそこにある。

ベストオブベストな表紙なのでは?

と思わざるを得ません。

この魚のヘアピンのアクセントがまた幻想的で、心をぐっと奪われそうになります。

スマホでもいいんですけど、可能ならPCで特設ページを覗いてみてください。溜息出ますよ。

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2.継母の連れ子が元カノだった7 もう少しだけこのままで

──新たな日常、そして両片思い編スタート。

 新キャラ続々な生徒会は恋に体育祭に大忙し?

アニメ化も決まった連れカノ、待望の第七巻も発売です。というか発売自体は7月なんですよね……なんなら、もう二日後。これ書く必要あるん? とか思ったりしますが、書きたいので書きますね。

 

四巻「ファースト・キスが布告する」にて一歩踏み出すことを決意した結女。

六巻「あのとき言えなかった六つのこと」でこの手は離さないと決めた水斗。

とうとう元カップルそれぞれの準備が整い、七巻から両片思い編に突入するよ! という今作。

もちろん単に両片思いになるだけでなく、結女が生徒会に加入するという変化もあるらしく、それに伴って新キャラも続々登場してくるそうです。

四巻~六巻まではニヤニヤと共に重めの展開も待ち受けていた連れカノですが、七巻は割とニヤニヤに振りそうな感じがしますね。

私は結女と水斗のカプのやり取りが最高に好きなので、もうそれだけで楽しみです。あと、生徒会活動とかって否が応でもワクワクしますよね。俺ガイルを読んで育ったからでしょうか……学校行事とかに奮闘するの、それだけで好きです。

 

発売は7月30日です。

 

公式HPはこちら

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3.千歳くんはラムネ瓶のなか6

──私を見つけてくれてありがとう。

夏はまだ終わらず。今、交わされた誓いとそれぞれの弱さが明かされる。

最後はこの作品。

語る必要あります?????

いや、私のブログを読むような方はほとんどチラムネ読んでいるでしょう? なんなら、チラムネ読んでいない方と接する機会を持ててないコミュ障なんですけど、私。

 

……というジョークはさておいて。

待望の激エモ青春小説、第六弾。

“あの”五巻のラストを経て、全てが変わってしまったあとに朔の隣にやってきた彼女が表紙を飾る巻となっております。

何を隠そう、私は三巻を読んで以来の優空ちゃん推し。この時点で待望なのですが……そういった個人的な話を除いても、六巻は大注目の話となっております。

 

まず第一に、優空と朔とのストーリーが今まであらゆる箇所で仄めかされながら、その実ほとんど明かされてこなかった点。

「あの日」だとか「あのとき」といった表現を使ったり、他のキャラとの会話でも誤魔化したり抽象的な話をしたりして、今まできっちり明かされてきませんでした。ですが、その一方で朔の生活に一番身近だったのも優空だったりします。

「いや、嫁か?」というシチュエーションは、作品を通してちょいちょい描かれていましたよね。

だからこそ、一体二人に何があったのか。これが明かされるとき、私たちが一層深いチラムネを知ることになるのは間違いないでしょう。

 

そして、今回が前半戦のフィナーレであることもまた、注目点です。

もちろんこの「前半戦」というのはチラムネが12巻ぴったりで終わることを明示しているわけではありません。あくまで話として、ここが前半の区切りだ、という話。

そしてだからこそ、大きな変化があると言ってもいいのではないかと思います。

自分の気持ちに、そして誰かの気持ちに向き合った彼らの夏は終着点はどこなのか……。

楽しみであると同時に怖く、だからこそより楽しみにもなります。

 

ページ数は616P、値段は935円と大ボリュームになっています、1P2円以下とか、お得ですね(錯乱)

でも実際、ページ数を加味すると935円は安いなぁって思うんです。

 

これまで丁寧に一人一人のヒロインとの日々を描き、青春の模様を描写し、その上でたどり着いた六巻。

五巻の“あの”展開を読んでいる方はもちろん、まだ読んでいない方にもぜひ急いで五巻まで読んでから読んでいただきたいと思います。

というかもう、私が早く読みたいっ!

 

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 7月30日追記

先日、ついに書影が発表されました。カバーイラスト自体はもう少し前に出ていたのですが、加えて今回はロゴも登場です。

チラムネと言えばいつも、青系統の色+黒+もう一色でタイトルロゴを形成しているのですが、今回の色は緑っぽい色。

調べたところピーコックグリーンとライトシーグリーンの間かな、と言った感じの色でした。

全体的に落ち着いている感じがするのに明るさもあり、綺麗ですよね。

てっきり夕湖のカラーであるオレンジがくるかな、とか思っていましたけど、そうじゃなかったですね……そしてこっちの方がすごくいい。

私的には、タイトルロゴによってより優空ちゃんの表情が笑顔に見えるようになりました。皆さんはいかがでしょう? 切なげに見えたりもするのですが……。

ともあれ今後特典などについても公開されていくと思うので要チェックです。

 

 

今回はここでおしまいです。

お察しの通り、8月の購入予定は3冊となっております……我ながら偏読家だなぁ。

まぁそもそも高校生はお金も少ないですしね。偏読家の方がちょうどいいかも。

その分今回取り上げた3冊は超吟味しているので、ぜひ読んでみてください!

 

読んでくださってありがとこーございました!

【輝け、負けヒロイン】『負けヒロインが多すぎる!』感想&おすすめ

こんにちは、とこーです。

今月下旬は、ワクワクするラブコメ三作品が揃っている最高な期間。

というわけで今回は『負けヒロインが多すぎる!』を読んだのでおすすめポイントと感想を交えながら書いていこうかなぁ、と。

作品の構造上致命的なネタバレはないので基本的に配慮せず書いていきますが、まったく情報入れずに読みたいという方は先に買いましょう。

いむぎむる先生のイラスト可愛いでしょ? 普段マンガしか読まないって人でもOKだと思うの。

 

 

 

 

 

1.文章が読み易すぎる!

発売前から「マケイン」という略称で親しまれ、広告戦略もばんばん打たれまくっているこの作品。

発売前からこれだけ盛り上げられている作品からは、天邪鬼な私みたいな人間はちょいと遠ざかりがちだったりします。宣伝されまくっている作品って地雷な時あるしね……。

ですがこの作品に関してはちっとも離れませんでした。それだけの引力があり、発売を心待ちにしていたからです。

 

そんな今作ですが、まず読んでいて思うのは「読み易っ!」ってことです。

 

しばしば文章力とは何かという議論は創作界隈だとされているわけですが、私は文章力にも色々種類があると思います。

ものすごく描写が綺麗でエモいのも文章力。逆にWEB小説のようにほとんど台詞で、要らない地の文は全部そぎ落としているのも文章力です。

そんななか、この作品はあまりにもバランスのいい文章だったように思います。

 

大筋は主人公・温水くんの一人称視点で進みます。一つ一つの文は過剰に長くなく、また、難しい語句もそれほど使っていません。描写は細かすぎるわけでも雑すぎるわけでもなく、想像力をちょうど程よく補完するくらいでした。

そして何より、台詞が入ってくるときの地の文とのテンポ感が絶妙です。

というか、なんか私のなかで「ラブコメ」ってこういう軽快なリズムが揃っているイメージがあります。最近はなかなかそういうラブコメと出会えていなかったんで、「そうそう、これだよこれ」という心地よさがありました。

 

軽やかでリズム感たっぷりに進んでいく文章なのですが、ふとした瞬間、急にふぁっと綺麗になる瞬間があったように思います。

語彙たっぷりな表現だったり、詩的でうっとりする表現という意味での「綺麗」ではなく、たとえば学校の帰り道に何となくぼーっと思うような、それくらいの「綺麗」さ。

「空綺麗だな」よりはちょっとだけ詩的で、でも詩として綴るには淡泊な感じ。

それが全体の空気感や温水くんという人物の視点によく合っている感じがしたんですが……たまたまなのかも?

 

でもとにかく、読み易いのは間違いないんです。

個人的に巧いなぁと思ったのは、こういう作品のイラストレーターをいむぎむる先生がやっていること。

マンガしか読まないタイプの人でも楽しく読める系の文章だから、『この美術部には問題がある』ファンの人も取り込めるじゃんって思うんですよ。

逆に『この美術部には問題がある』ファンで、ラノベを普段読まず、この作品を買おうか迷っている人がいればぜひ読んでほしいなって思います。

 

 

2.読んでいるのが楽しすぎる!

ご存じの通り、この作品は「負けヒロイン」をテーマとしていると言ってもいいくらいに負けヒロインたちがたくさん出てきます。

その筆頭と言えるのが表紙を飾る、八奈見さん。

八奈見さんの、初っ端からフルスロットルな自虐があまりにも不憫で読んでいてげらげら笑えました。

いや、本人からしたら笑いごとじゃないんですけどね?

でも可哀想すぎて笑える……。

まぁなぜ笑えるかと言えば、もちろん八奈見さんは「負けヒロイン」であって失恋していますし吹っ切れてなんかないんですが、それでも青春を生きているからだと思うんですよ。

 

高校生なんて、失恋一つが世界の終わりに思える年頃です。

失恋とかすごい傷つくし、周囲に気を遣われるのが辛い。振られたことを笑い話にするのだって難しいでしょう。

でもお腹は空くわけで。誰かに吐き出したいわけで。面白いことがあれば興味を持つし、楽しいことがあればはしゃいだりもするわけじゃないですか。

そのね、微妙なラインがスレスレで描かれているなぁ、と。

 

……とヒロインをいい感じに語ってみましたが、それ以上に彼女たちが残念すぎるっていうのはありますよね、うん。

ヒロインだけじゃなく、温水くん含め登場人物みんなが残念だしツッコミところがあって、超ラノベチックな感じがします。何度も言いますが、私が「ラノベ」と聞いてイメージする、わちゃわちゃ楽しいラブコメの雰囲気と見事に一致してるんです。

どこか現実味がないおかしさがあるくせに、彼ら彼女らなりに青春を生きてるなぁって感じがして。

だからこそ、なんだか読んでいて笑えるし、楽しくなるんです。

この「楽しくなる」という言葉が、この作品の肝だと思っています。

ギャグセンス、コメディセンスとはまた別の、楽しいからげらげら笑えるって感じの面白さが詰まっていました。

 

3.ヒロインが好きすぎる!

さぁ、やっと負けヒロインについて語ります。

というか、この作品については事前のSSを読みすぎて三人のヒロインが負けヒロインだって印象がつきまくってるんですよね。しかも楽しげに皆で話すから、既に魅力もイメージも定着しまくっている、という。

事前情報ありすぎてほぼ他人スタートな一巻とか、まるで最新刊が出る前に読み直しているような感覚がありましたよ。

 

ただ、登場してきた三人の魅力については作品を読んでみて改めて理解できたなぁ、と。

事前情報はきっちりSSで定着させてきた上でこんな風に魅力を描かれたら、そりゃ好きになるじゃん……っていう。

 

どのヒロインも、それぞれに残念さがあり、不憫さがあります。負けヒロインですからね。でもそれ以上に恋に一生懸命で、本当に相手のことが好きだったんだなぁっていうのが伝わってきました。残念さも不憫さもあって、でもそのせいで負けただなんて絶対言わせねぇ、と思うくらい。

そんな彼女たちはもちろん失恋するわけなのですが、じゃあその失恋の傷を誰かに助けてもらうかと言えばそうじゃないんですよね。

もちろん温水くんに愚痴ったり、話したりするわけではあるのですが。

でも、八奈見さんも焼塩ちゃんも小鞠ちゃんも、誰かの言葉に救われるとか以上に、自分で失恋と向き合って、生きてるんです。

 

なかでも私が好きだったのは小鞠ちゃん。

あの挿絵と共に放たれた台詞は、可愛いとか綺麗とか、そういうのを超えたところにある何かを持っているように思えました。

 

焼塩ちゃんについても言いたい。

二話と三話の間に挿入されたほんのちょっとした小話みたいに描かれてるあそこ、くっっそよかったんすよ。

青春すぎる!!!!

女前にもほどがあるだろっ!

って思うくらい。

 

八奈見さんは……言うに及ばず。

四章のあのシーンは、まぶしくて、かっけぇなって思いました。

 

……あれ、気付いたら全員語ってる?

 

けど、本気でそれくらい皆魅力的なんですよ。

負けるからこそ輝く負けヒロインたち。

でも、そもそも彼女たちが輝いていなかったはずがないんです。

負けることができるくらい誰かを好きになれている女の子が、輝いていないはずがない。

負けた瞬間の輝きは、いわば線香花火の落ちるその瞬間がひと際人の目を引くようなもの。

そしてそんな負けを超えて、それでも青春を生きる姿はたとえ輝いていなくなって眩しいんです。

 

……と、なんかそれっぽいことを言いましたが、最終的な結論は一つ。

推しはやっぱり、決められません。

 

 

4.主人公もよすぎる!

負けヒロイン要素を押しまくっている今作。

ヒロインの要素を押し出すと主人公はバランスを取る意味でも影が薄くなったりしますよね。

実際この作品も主人公の温水くんはモブキャラで、空気キャラ。友達はいないし、何なら知り合いもいないんじゃねぇのってくらいの背景オブ背景なんですよね。

 

けど、じゃあ印象に残らないかと言えばそういうわけでは決してなく、影が薄いけどきっちり存在感はあるんですよね。

温水くんはどう見てもぼっちですし、教室での過ごし方とかは「あー、それ分かる!」となるようなところがありました。

面倒ごとにはできるだけお近づきになりたくないし、大なり小なりの事件は勝手に周りでやってくれって思ってる。

でも、何だかんだ巻き込まれてみると楽しかったりして。

小鞠ちゃんの“あの”シーンの後の「何か書こうと思った。」という一文は、力強い感情がモノローグで付随するわけでも、誰かに叫ぶ激情的なものでもないのに、すっごいずしんと力強く胸に残りました。

 

負けヒロインだけがこの作品の魅力だと思ったら大間違いだと、心底思います。

ラノベ好きな人の中には温水くんに共感できる人、何気に多いんじゃないかな。私は少なくともその一人でしたね。

 

あと、主人公のことになるか分からないですけど、この作品の受賞時のタイトル『俺はひょっとして、最終話で負けヒロインの横にいるポッと出のモブキャラなのだろうか』が最終話でいい感じに頭をよぎって、「うわぁ」と唸りました。

 

 

こんなところにしておきましょうか。

なんか取り留めない感じになった感が否めないですね、ごめんなさい。

実はこの作品、こうして感想を書いてはいるのですが、あまりつかみ切れていない作品という印象が強く……。

軽く読めるくせに一度で魅力をうまいことつかみ切れない、今までになかった作品だったりします。時間ができたらもう一度読み直して、改めてそこで言語化できるんだろうな、と。

いずれにせよ二巻以降が楽しみな作品です。

っていうか、一巻でヒロインたちを丁寧に負けさせすぎじゃない????

二巻以降、どんな風に描いていくのかワクワクするんですけど。

ヒロインの残念なところも不憫なところも可愛いところも、全部もっと見たいですね。

 

それでは今回はここまで、

読んでくださってありがとこーございました!

【ぶっとびラブコメ】『五人一役でも君が好き』がクソ面白い話。

こんにちは、とこーです。

七月は「ワクワクするよ!」というラブコメが三作も出てくれるというわけで先月からずっと騒いでいたのですが……ついにその発売日となりました!

今回は三大ワクワクラノベの切り込み隊長、ぶっ飛んでるタイトルと主人公でお馴染み(?)『五人一役でも君が好き』について書いていきます。

ネタバレはあらすじの範囲内で収めつつ、最後にはがっつりネタバレな部分も書きますので、ご注意を(もちろんスペースはきちんと開けます)。

 

それではいきましょう。

 

 

 

1.案の定ぶっ飛んでたよ、という話

この作品について一番に語るべきところは、「ヒロインが五人一役」というところでしょう。

まぁテーマ的にも一部では「〇等分の花嫁じゃん」という声も上がっていたわけですが……あっちは、それでも何だかんだ普通のラブコメ(もちろん悪い意味ではなく)ですよね。私はあちらも大好きですが。

しかしこちらは違うのです。

普通なんてものは余裕でぶち砕いていきます。

 

まず単に似た顔のヒロインが五人いるだけではないのです。それぞれに特技のある五人が、たった一人の存在を演じているのです。

そしてなんとこの作品の主人公は、そんなヒロインに恋をし、全力でアプローチをかけていくことになります。

きっかけは肥溜めから助けてもらったこと。

もちろん五人一役なヒロインなのですから、主人公を助けたのは一人です。

そうなるとおかしなことになってきますよね。

全く身に覚えがない四人が主人公にアプローチされる瞬間もあるわけですから。

 

面白いのはここ。

主人公が猛アピールするわけですが、なんだかんだ結構腹黒い戦略家なんですよ(ばかだけど)。

だから身に覚えない四人も主人公に惹かれていき、ついに五対一のラブコメが開幕しちゃうわけです。

 

「へぇ、じゃあ他の人には『五人一役』だって内緒にしつつハーレムラブコメする感じ? 最終的にはやっぱりあの作品に似てるじゃん」

そう思った方、ちょっとお待ちください。

なんとこの作品、一番ぶっ飛んでるのはヒロインの設定じゃなくて主人公なんです。

主人公はひょんなことからヒロインが「五人一役」であることを、ヒロインたちが気付かれない状態で知ってしまいます。気付けば自分を助けてくれたヒロインだけでなく、五人全員に惚れていたことに気付いた彼は――全員彼女にしようとするのです。

 

つまるところこの作品は、ハーレムを本気で目指す主人公の一代記と言っても過言ではないのです!!

……過言かも?

 

2.ハーレムを目指す主人公、その実態は?

さて、ではそんな主人公について見ていきましょう。

名前は牧原大河。高校生一年生で、政治家やお金持ちの子供ばかりが通う名門校『煌導学院』に通っている少年です。

ただ彼の両親は普通の会社員らしく……じゃあなぜそんな名門校に通えたかと言えば、それは彼が野球で名の売れた選手だったから。

 

U‐15の日本代表に選ばれ、スポーツ特待生として彼は入学しました。

が、しかし、不運なことに彼は入学前にクラスメイトを庇って交通事故に遭い、選手生命を断たれてしまうのです。

選手生命を断たれた彼に待っていたのは、世間の色んな反応。

冷笑、憐憫などなど……。それでも外聞を気にした学院の配慮で入学は認められたらしく、そんな彼が林間学校で肥溜めに沈んでいくところから物語が始まります。

 

ここでヒロインの一人に助けられた彼は、肥溜めに入って手を差し伸べてくれるその姿に惚れ、『ノーブレス』という組織に入ることを決意します。

ただ、そのために必要なのは成績。

名門校にスポーツ特待生として入った彼は当然のように成績は最下位近いわけですが、『ノーブレス』に入るためにはトップ三位にならなければならないのです。

それ故に彼は、努力します。引くほどの努力の末、彼は夏休み明けに『ノーブレス』に入ることができたのです。

 

うんうん、真っ直ぐな主人公ですね。一途な子。推せます、頑張れ!

そんな風に思って読み進めていくと、だんだんと雲行きがおかしくなっていきます。

好きだった生徒会長が五人一役だったと知った彼は……ハーレムを築こうと決意。

そしてそのハーレムのために、ガチで色んなことをやっていくのです。

 

例を挙げましょうか。

ハーレムを形成したときにお金に困らないよう、医者を志します。いやもう、医者目指してる全世界の人に謝れ笑。

夜の営みで困りたくないからと、筋トレを始め食生活を改善します。早速邪すぎる……。

 

ハーレムに備えることだけではありません。

五人にハーレムを認めてもらうため、げっすい心理作戦までやっていきます。罪悪感を抱かせるとか……一途主人公の風上にも置けねぇっ!!!!

一人一人に好かれるために、発生するトラブルはあらかた利用しますし、周囲の生徒のことのことも心の中ではぼろくそなくせに好感度のために平気で演技します。

善の心はどこへやら、全てがヒロイン五人の好感度アップという目的に帰結するという……。

 

ここまで「いや、おまえ割とクズだな?」と思えるのに本気でヒロインたちのことは好きで、ハーレム形成への折れない心は持っているから「いいぞ、もっとやれ!」となってしまうのがすごいところ。

純愛とか甘々を求めたら百パーセント合わないんですが、ラブコメとして見た場合にはこういう尖った主人公とか超ウェルカムだし、応援したくなります。まぁ、それでもクズなんですけどね……。

 

おかしな方向を向いてはいますが、とにかく真っ直ぐなことは事実です。

この捻じれたような状況がまさにラブコメだしラノベじゃん!と思いました。

 

3.展開もいい! 次回からどうなる……?

ここまでとにかく「ぶっ飛んでる」ということを前面に押し出してきたわけですが、全体的に展開がするっと読みやすく面白いなぁとも感じました。

作品の仕様上視点があちこちにズレざるをえないんですが、その際に切り取るべきシーンのセレクションがうまいな、と。

上手く編集されたアニメを見ている感覚、といえば伝わりやすいかもしれません。ダレることがなくどんどん進み、けど奇抜すぎないから読者を置いていきもしない。そんな感じがありました。

 

 

ただまぁ、最後については「えっ????」ってなったり。

何故「えっ????」となったかはネタバレになるのでスペースを空けるとして……とりあえず、未読の方は自分の目で確かめてみてください。

Amazonのリンクを先に貼っておきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これくらいでいいかな。

最後のところについて。

まさか一巻で「五人一役」であることを暴露される展開になるとは思いませんでした。続刊が確定していないからこそ、なのかもしれないなぁとしみじみ。

それでも色んな積み重ねによってハーレムが叶いそうになったのは「おお」と思いましたし、ここからどうなるんだとハラハラさせられました。
そんなときに現れる、まさかの六女。

伏線はばらまかれてましたし、何ならちらっと挿絵を見てしまったので「もしや」と思ってはいました。

けれどまさか、あんな風に登場するとは。

前述したように展開と構成がうまくて基本的には読んでいて置いていかれることがなかったですけど、最後については「えっ? えっ?」ってぽかんとしてしまいましたね。

あっさりハーレムが瓦解するとは思いませんでした。

 

一見するとバッドエンドのまま、ラスト数ページ。

六女・双六の視点が差し込まれ「このままどうなるんだろう」と読み進めていくと、またしても雲行きがおかしなことに。

主人公が助けたクラスメイトが実はアイドルで……は、まぁいい。

その告白をするっと断り、彼は何と言いました?

六姉妹ハーレムを目指すとが言いやがりましたよ。

自分のハーレム計画を瓦解させた張本人ともいえる双六にすら惚れて、諦めるどころか更なる高みを目指すなんて……ほんまもんの漢(クズ)じゃないですか。

 

 

さて、こんな風にとんでもないぶっ飛び方をしたラブコメディである今作。

むちゃくちゃ続きが気になるんですが、どうなっていくんでしょうね。

個人的にはこれだけ真っ直ぐクズな主人公はすごい推せますけど、その上で今後グッとくるような展開になって主人公がかっこいいところとか見せてくれたらもっと推せるんですよねぇ。

ヒロインたちがなぜ「五人一役」することになったのか。お母さんはどこに行ったのか。

その辺りのところも解明されていないですし、どうなっていくのはマジで気になる。

けどまぁ、気になるからといって必ずしも続刊が出ないのがラノベ業界の世知辛いところです。

 

そういうわけで、改めて。

この作品面白いから読みましょう!!!!!!!!

 

今回はこんなところで。

読んでくださってありがとこーございました!

『好きラノ』今期は数を読めてないけど面白い作品には票を入れる、の巻

こんにちは、とこーです。

今回はですね、『好きラノ』の投票が始まったのでブログ投票をしていきたいと思います。いや、ブログ投票とかするほどお前読んでないだろって言われてもしょうがないくらい今期に関しては新刊を読んでないんですけどね……。

 

ただまぁ、このブログに載せていなくとも読んでいる作品はあります。私は読んだ上で「面白い!」と思った作品にしか感想を書かないことにしているので。もちろんそれとは別にファンタジーは書きにくくて書いていないものもありますが。

というわけで十作品ピックアップ、いきますー!

 

①千歳くんはラムネ瓶のなか(5)

【21上ラノベ投票/9784094518993】

まずはもちろん、この作品。今期一番面白かったと言っても過言ではない作品です。チラムネファンだから、とか抜きにしても。

初読だとピンとこなかったんですが、先日再読して、息を呑みました。その感想はTwitterの方にあげたためリンクを貼っておきます。

 

②ホヅミ先生と茉莉くんと。Day.1女子高生、はじめてのおてつだい

【21上ラノベ投票/9784049135343】

③ホヅミ先生と茉莉くんと。Day.2 コミカライズはポンコツ日和

【21上ラノベ投票/9784049138382】

この作品って一巻今年だったんですね、と作品一覧を見ていて思いました。

そういえば今年、なかなか好みの作品と出会えずに唸っていた時に読書の楽しさを思い出させてくれたのがこの作品だった気がします。

日常モノ(若干違うかもですが)の中じゃ一番好きです。文章は綺麗でうっとりしますし、何よりハッピーエンドに連れて行ってくれるのがいい。一巻、二巻ともに涙でぐしゃぐしゃになりました。

 

④継母の連れ子が元カノだった(6)あのとき言えなかった六つのこと

【21上ラノベ投票/9784041110430】

こちらももちろん選んでます。

ブログには書いてないんですよね、感想……。というのもこの作品、初読で感想が出てこなかったんですよ。よかったけど感想なんて言えばいいのか分からない、みたいな。

でも改めて先日読み直してぐわんぐわん心が揺さぶられました。やっぱり好きなシリーズほど二度目、三度目と読まなきゃだなぁ……と思います。

 

⑤現実でラブコメできないとだれが決めた?(3)

【21上ラノベ投票/9784094530063】

ラブだめ、第三巻は最近でしたね。時期としては五月なので、私としては一つ前のテストが終わったところでした。気分うきうきで読んだらむちゃんこ熱くて萌える話で感動したことを覚えています。

ラストについては……ね?

一刻も早く四巻が読みたいです。

 

⑥楽園殺し 鏡のなかの少女(1)

【21上ラノベ投票/9784094530124】

ファンタジーは数を読んでいないですが、この作品は本当に良かったです!

楽園殺し。前作リベンジャーズ・ハイのキャラや世界観を引き継いだ続編といった感じなのですが、チャーミー(シン)が好きだったのでその時点で楽しいという。

くそかっこいいシーンも多いですし、読みやすさも群を抜いていました。

 

⑦主人公にはなれない僕らの妥協から始める恋人生活

【21上ラノベ投票/9784865549287】

空気感がダントツで好きだったのがこの作品。ストーリーが奇抜なわけじゃないのに展開一つ一つにじっとりとした重みがあり、読んでいて心を揺さぶられる作品でした。

主人公やヒロインの視点を通した世界観がうまく描かれていて、そのあたりも最高ですね。二巻が出ることを心より願っている作品です。

 

⑧経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。その2

【21上ラノベ投票/9784040739939】

この作品の幸せ度が半端ない!!!!!!!

……と荒ぶりましたが、まぁ実際この言葉に尽きます。この手の甘々なシチュエーションラブコメとは距離をとることが多い私ですが、この作品については本当に読んでいて胸がハッピーになるので好きです。

 

⑨キミの青春、私のキスはいらないの?

【21上ラノベ投票/9784049135749】

「刺さった」度で高い位置にくるこの作品も選出。プロローグの時点でものすごく引き込まれて、あとはずっと共感が続いていった気がします。背中を押してくれる作品でした。

特に主人公にはすっごく共感しまくりです。

 

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる(16)

【21上ラノベ投票/9784815607555】

俺修羅、十六巻も面白かったです。何と言っても十五巻を超え、カオル/リと向き合うことが主になっていく物語だったように思います。

これまでの積み重ねもあり、心がぐわーってきました。次巻も近いですし、楽しみな作品です。どこに落ち着くのか……。

 

 

 

と、こんなところです。

本当に私、読んでいる冊数が少ないな……どうしても既存の作品を何回も何回も読み直したくなっちゃうタチなので、新作には手が出ないんですよね。

ということで今日はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!

『カーストクラッシャー月村くん1』試し読みでテンションUPな話

こんにちは、とこーです!

今回は楽しみにしている新作、『カーストクラッシャー月村くん1』を一部試読したので、思ったことを書いていきます。

 

まず、細かく語る前に一言。

マジで絶対買いだぞ、この作品!!!!

もうその一言に尽きます。それくらいに序盤だけで魅力を感じました。某リア充主人公作品のファンだからっていうのもあるんでしょうけど、すごい好き。マジでこの作品は皆に読んでほしい。

……と言いつつ、実は私、試読は全部は読んでません。ページ数で言うと40Pくらいで止まりました。

何故かって?

発売日に堪能したいからです。もう、読んでてすっごいワクワクしたんですから。

 

さて、ではもう少し細かく書いていきましょうか。

試読はこちらから↓

over-lap.co.jp

 

1.読みやすく、テンポが心地いい地の文

今作は月村くんの一人称によって綴られる青春ラブコメです。その主軸となってくるのは『カースト』。とはいえまずはその前提として必要になってくる、文章面に触れましょう。

どんなに面白くとも、文章が合わなければ面白く感じない、というのはよくあることです。たどえば私は地の文がそれなりの頻度、量でなければ読みにくいと感じるのですが、台詞主体の作品は多いです。逆もまたしかり。その辺りのバランスは人それぞれでしょう。

この作品はどうかと言えば、台詞と地の文はちょうどよかったです。地の文は過剰ではなく、必要なところでは多めに、会話主体なところでは控えめになっていたように思います。素直にすっごい上手いと思いました。

この時点で「読みやすい」というのはあるのですが、読んでいて感じたのはそれ以上のこと。「読んでいて心地が良い」という次元に達していた、というのが私の中で衝撃的でした。それくらいに私に合っていたんでしょうね。

文体の心地よさはもちろんなのですが、適度に差し込まれる表現の心地よさがすごい。

序章のタイトルとか、すっげぇ綺麗だなぁって思いました。これも私が好きな、かのリア充作品に似る部分もあるんですが、「一人称」をきちんと踏まえた描写をしているなぁ、と。

エモみがありますし、本当に早く読みたい作品です。

 

2.キャラが魅力的

先述した通り私はまだ試し読みを全て読んではいません。登場キャラとしては主要キャラの半分といったところ。

でもその半分ですら、序盤の時点で魅力をびしばし感じます。

主人公・月村くんはその筆頭。序章の時点で彼の魅力はばりばりに伝わるのですが、その後の彼女・牧田とのやり取りからも滲み出てきます。というか序盤の時点で二人のやり取りがエモい……!

そんな牧田も、とても魅力的な子でした。自分が人気者であり憧れていることを自覚し、だからこそ周囲に気を遣う。人としてできている女の子なのは確かですし、普通に月村くんとのやり取りでは超かわいいという素晴らしいキャラ。ビジュアルの時点でね、という話よ。月村くんとは恋人らしいんですが、そのあたりにも何かあるのかな、ないのかな……といった感じ。この作品が青春ラブコメなのはあらすじ見ても確実なので、ラブい何かも起こるんでしょうね。

その他にもキャラはいたのですが……ここで語るほど読み込む前に私は読むのを我慢しました(えらい)。

気になる方は是非読んでみてください。私も発売日まで我慢しきれなかったら読みます。

3.あの作品に似てるの?

この作品の話が出てから、ちょいちょい話題に上がっていて、私自身感じていたことがあります。それが『千歳くんはラムネ瓶のなか』に似てるの? ということ。

実際リア充主人公ですし、一巻の頃のチラムネとは結構被るところがあるように思いますよね。

まぁ似ていたところでパクリではないんだろうしウェルカムなんですが……それはともかく。

読んでみて、それで改めて考えてみると『似てない……とは言えない』っていう、煮え切らない感じの回答になる気がします。

 

実際前述したように、チラムネが持つ良さに似たものを持っていると感じます。文章の綺麗さやリア充主人公という設定を見ても、全く別物というには近いかな、と。

ただそれは『真似』と感じるようなものでもありませんでした。言ってみればそういうジャンルが確立していく萌芽を感じる、といったところでしょうか。

具体的に言います。

まずそもそもとして、チラムネとこの作品とでは『スクールカースト』の位置づけが異なります。

あくまでチラムネでの『スクールカースト』は一巻で朔たちの世界を教えるための、いわば入場チケットのような形で取り扱われて描写され、二巻以降ではそれほど描写されません。

一方こちらの作品は、かなり『スクールカースト』が軸になってくると思われます。まぁタイトルにも入ってますしね。

好きだったのは序章のところ。

スクールカースト』を壊すために動き出す月村くんを見れば、同ジャンルの別作品だ、ということがわかるように思います。同ジャンルでありつつも扱うものが違いますし。

ぼっちを主人公にしていても作品によってテーマが全く違うでしょう? あれと同じです。

そういう意味で、この作品は本当に楽しめると思います。少なくとも私は楽しめる!!!!!

 

というわけで、今回はここまで。

いやぁ、ちょっとこの作品は本当に楽しみです。

今月目をつけている三作品のうちの二作品の試し読みをしましたが、どちらも最高なので発売がすっごい楽しみです。

 

それでは読んでくださってありがとこーございました!

『五人一役でも君が好き』が試読した感じでもうイイ!!って話

こんにちは、とこーです。

本日は今月発売の『五人一役でも君が好き』の試し読みをしたため、そこで思ったことを書いていきます。

元々楽しみにしている作品ですし、発売まではがっつり推していきますよ……!

 

まず、今作『五人一役でも君が好き』について。

こちらは元から楽しみにしていた作品であります。そしてその試し読みが先日公開されたんですよ……。

 

カクヨムおよびキミラノで公開されています(ほかでも公開されてるかも?)。

とりあえずURLを貼っておきます。

kimirano.jp

プロローグ込みで九話が公開されています。これを読んでいると、あらすじでは分からなかった魅力も伝わってきました。それを一つずつ挙げていければな、と。

 

1.ヒロインのキャラが濃ゆい

今作の特徴は、何と言ってもヒロインが「五つ子」かつ「五人で一人を演じている」ということ。五〇分の花嫁感はありつつも、そこからは明確に切り分けられている感じがいいですよね。

とはいえ、ヒロインが五人もいるとキャラがぶれそうですよね。

実はそこについては心配していたのですが……試読してみて、思っていたよりキャラが濃かったなぁ、としみじみ感じました。

どんなヒロインなのか、まずは設定的なところから見ていきましょう。

 

長女・知佳 勉強担当

次女・楓子 運動担当

三女・光莉 コミュニケーション担当

四女・舞姫 演説担当

五女・愛  ボランティア担当

 

……と、こんな感じ。

この辺りの個性付けに関しては複数ヒロイン系ならありがちですかね?

でも、読んでみると設定以上の癖が強いこと、強いこと。

作中では主人公だけでなく、五人の視点でも物語が進んでいます。公開されている九話だけでも、ほぼ全員網羅している気が。

何が違うって、口調ですよね、口調。

最近ここまでわかりやすく口調で差別化してこないだろって感じなくらい、がっつり口調で差別化を図ってくる。だからそういうのが苦手な方からすると微妙かな……?と読んでいる途中は思いました。

ですが、そういった考えは公開されている中の最後の話で吹っ飛びます。

ヒロインたちの個性の強さなど一瞬で蹴散らすほどの主人公の濃さがあるからです。

おかげでヒロインたちの個性は程よく緩和され、物語全体を軽く読める「ラフさ」へと変わっているように感じました。

 

2.主人公が濃い!恋!来い!

本作の特徴はヒロインたちが「五人一役」をしていることであると同時に、主人公が開き直って「全員彼女にしよう」となるところ。

既にその開き直りの時点で濃いのですが、試し読みによって彼のことも分かってきました。

まず第一に、主人公は元野球選手らしいということ。特待生として高校に入学した彼は、どうやら同級生をかばった結果、野球ができなくなったらしいです。そのせいで勉強についてもいけず、周囲にもバカにされて……というところがプロローグで描かれています。

ですがそこを助けられ、ヒロインに一目ぼれ。そして学年トップ三位の成績でなければ入ることが許されない「ノーブレス」という団体に所属するため、成績最下位から半年ほどで成り上がります。

この努力、まずそこが尊い。頑張る男の子とか好きすぎる。

でもそれだけじゃないんです。結構打算的なところもあります。もっと言えば、『打算的だけど空回り』という面が見えているように思いました。まぁ試読範囲ではヒロインたちが「五人一役」であることが最後にようやく明かされるので、その後どうなっていくかは本編を読むしかないのですが。

 

ただ、とにかく主人公のテンションが好きです。

特に試し読み公開時点でのラスト。『パラダイムシフト その2』での主人公のテンション、というか勢いが読んでいてものすごく気持ちいいです。

 

あらすじ通り、ハーレムを目指す主人公。

彼が本編でどう暴れるのか、それとも暴れないのか……?

その辺りが気になってくる試読でした。

 

改めて、面白いといいなぁとしみじみ思います。

表紙もいい感じですしね?

ネックなのはページ数かなぁ。300Pくらいはあった方が読み応えがあるのになぁ……とは思ってしまいます。

まぁ結局は面白けりゃなんでもいい、って感じなので楽しみにしてます。

 

それでは読んでくださってありがとこーございました!

『主人公にはなれない僕らの妥協から始める恋人生活』おすすめ&感想

こんにちは、とこーです。

本日はオーバーラップ文庫から発売された『主人公にはなれない僕らの妥協から始める恋人生活』を読みましたので、感想を書いていきます。

ネタバレは極力排除しておすすめがメインになっていきますので、まだ読んでいない方は参考にしてください。

とりあえず一言言えることは、

面白かった!!!!!

ってことですので。

 

 

 

それではいきます。

 この作品は、実は当初は読む予定がない作品でした。

 理由は二つ。まず、ファーストインプレッションでビビッとこなかったから。そして、内容を見てみたら僕が最近避けているじれじれ系ラブコメっぽかったから。

 それでも読んだのはTwitterでの評判がよく、表紙の女の子にも惹かれたからだったりします。

 そしていざ読んでみてどう思ったか。

 先述の一言です。

 僕がこの作品を読まずに終わっていたパラレルワールドがあるかもしれないと思うとぞっとするくらいには好みでしたし、面白かったのです。

 

 この作品をおすすめするうえで注目したいのは、四点です。一つずつ説明していきたいと思います

 

1.きっと共感できる、『妥協』を信条とする主人公

 本作は、『人生はつまるところ妥協』を信条とする少年・朝井秀侑が主人公に位置付けられています。ただ注意しておきたいのは、タイトルにもあるように、彼は『主人公になれない』というところ。彼には友人がおり、彼の中ではその友人の方が主人公だと思っている節を感じます。

 が、それについては後程。

 まずは彼について、もう少し書いていきましょう。

 彼は自らを偽り、お調子者を演じています。特に序盤に関してはそれが顕著であり、友人二人に対してジョークを放ちつつもモノローグでは理性的に考えている、という一面が描かれています。

 この点は、割と珍しくて、それでいてありふれているのかな、と。

 ぼっちを描くラブコメと同様にリア充サイドのラブコメも増えている昨今、彼のように人気者というほど人気者ではなく、けれども友達と仲良くしたいがために本当の自分を『妥協』する。そんな、確かに『主人公になれない』と思ってしまいそうな男の子の姿に、僕は結構惹かれました。

 基本的に彼は『妥協』を是とし、妥協が悪いことのように思われている風潮に疑問を呈しすらします。そんな彼ですが、もちろんその信条を抱くに値する理由がありました。

 そのエピソードについてはぜひ実際に読んでいただきたいのです。

 彼のエピソードには重さがあり、それは『重力感のあるストーリー』と言い換えてもいいようなものでした。単に重くて気分が暗くなるのではなく、そこに人生を垣間見た気がします。

 そして彼の人生を垣間見るからこそ、彼に共感する人は多い気がします。違うかな。少なくとも僕は共感を覚えました。

 

2.「面倒くさい女」って感じのヒロイン

 皆さんは『面倒くさい女』が好きでしょうか? 僕は今作を読んでいて、改めて自分が『面倒くさい女』好きなのだと実感しました。

 今作のヒロインに位置付けられ、表紙を飾っているのがそんな『面倒くさい女』である(と僕が感じている)楠木乃菜です。

 朝井とはクラスメイトであり、そして朝井とは図書委員として一緒に図書室番をするような関係でした。

 基本的に無口な彼女に朝井が話しかけ、話しかけ、話しかけ、そしてようやく本編開始時には容赦のない言葉の応酬ができるような関係になったのです。罵倒とか平気でしますからね、うん。

 無口な性格からも分かる通り、彼女には友達がいません。ぼっちです。ぼっち少女が好きな方、いますよね。僕も好きです。

 ですが、ここで注目しておきたいのは彼女は単なるぼっち少女ではないということ。どういうことなのかは、実際に読んでみていただきたいところです。言えるのは、読んでいるうちに彼女のことを『知る』物語、という一面がこの作品にあるように思えたということです。

 彼女は非常に面倒くさい性格をしています。そもそも、『恋愛小説好きだから彼氏がほしい』という発想が結構めんどうくさい。普通、ラブコメヒロインの恋愛観はもう少しお堅いんじゃないですかね……という。

 他にも面倒くさいところがあるのですが、それに関してはネタバレにならない範囲で後術します。

 

3.『妥協』で始まる彼氏彼女の関係

 作中、朝井と楠木は互いに好き合っていない中で恋人関係になります。

 偽恋という話はよくあるわけですが、この作品の場合は『偽』の意味合いが少し異なり、ある意味では偽恋ではなく単なる恋だと言えるでしょう。

 ここで話に出てくるのが、朝井の友人の話です。

 彼には親友とも言える二人の友人がいます。

 まず一人が真島隆一。目つきは悪いが人が良く、能力はあるがそれを活かす熱意はない……という存在。彼は『ラブコメ主人公』と思えるような立ち位置でした。

 そしてもう一人が奈良岡詩音。真島の幼馴染であり、学校一のアイドルと呼ばれてもおかしくない少女です。

 注目したいのは、朝井は二人と幼馴染ではないということです。中学校からの付き合いではありますが、二人の幼馴染同士の関係とはどうしてもへだたりがあります。三人でつるみ、仲良くしている。けれども二人の中にどうしても入れない部分があり、そこに若干の疎外感を抱きます。

 その上で辛いのは、朝井が奈良岡のことを好きだということでした。

 事実はともあれ、朝井はその想いが片思いであると感じています。理由は単純な話で、奈良岡は真島のことが好きだと思っているから。もしかしたら、に賭けて告白するような選択はせず、彼は今の関係に『妥協』していました。

 しかしそんなある日、図書室にて楠木と話している中で、彼は『妥協』を信条としながら詩音への恋心を『妥協』できていないことに気付きます。

 そして、彼氏が欲しいと思っている楠木で『妥協』して――あるいは、『妥協』されて――二人は付き合うことになります。

 

 冗談と『妥協』で始まった恋人関係の中で、二人は恋人らしいことをしていきます。

 メッセージの送りあい、勉強会、デート。

 この関係はじれじれとは少し違うように思いました。言葉をうまく尽くせないのが悔しいですが、多分少し違うのです。けれどそれは暗い意味合いではなく、妥協から始まった恋愛が意外と楽しかったというところが丁寧に描かれていたように思います。

 

4.偽物と不幸の引力、そして厭世っぽさ

 『妥協』から始まった恋は、意外と楽しく進んでいきます。

 しかし、それは偽恋ではないにしろ、〝偽物〟であることには変わりがなく……。

 そこで起こる問題が、物語終盤にかけて描かれました。

 

 終盤だけではなく全体を通して僕は、この作品にペシミスティックな色を感じました。厭世っぽさ、とでもいうのでしょうか。

 『妥協』を信条とする朝井と、胸にとある秘密を抱えた楠木。

 二人には、どこか生きにくさがあるように感じました。そしてその生きにくさを手を取り合って抗うような、そんな関係性の歪さと真っ直ぐさがものすごくよかったのです。

 世界には僕らしかいない、みたいな独我的な感じではないのですが……なんでしょうね。閉塞感とも少し違う、排他的というわけでもない感じ。厭世っぽさという言葉も少し違う気がします。

 とにもかくにも、彼と彼女の関係がすごくよかったってことです。

 

 同時に、朝井の抱える信条とその信条の変容(いや、変化はしてないかも)にも胸を打たれました。

 彼が作中で出した結論は前向きなはずなのに後ろ向きに聞こえて、後ろ向きかと思えば前向きに見えるような……そんなものでした。

 彼の語る中で最も好きだったのが、不幸の引力の話。

 僕らは幸せより、どうしても不幸に引き寄せられてしまう。

 この考え方は好きでしたね。そして、この考え方ができる彼がどんな青春を歩んでいくのか、気になる部分でもあります。

 

 

 あとがきでも語られているのですが、第一巻はこの物語の序盤にすぎないようです。まだまだ書きたい展開はあるのだとか。

 ならば絶対読みたい。

 そう思うくらいにいい作品でした。

 Twitterでは読んでいる方も多いので既に読まれている方もいらっしゃるでしょうが、まだ読んでいない方はぜひ。

 それでは、読んでくださってありがとこーございました!

 

 

 

 P.S.

 僕はくそださいパーカーが可愛いと思ってます。どういうことか気になる方は本編をチェック。

 

 

 

『八城くんのおひとり様講座』おすすめ&感想

こんにちは、とこーです。

もうすぐ夏が始まる時分、皆さまいかがお過ごしでしょうか。本日は『八城くんのおひとり様講座』を読んだので、おすすめとちょろっと感想を書いていきます。

ネタバレはスモールに収めたいところですが、どうしても内容には触れることになるので、ぜひ作品を読んでみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

それではいきますね。

今回、この作品において触れたいのは大きく分けて三つです。

そのうち最後の一つはネタバレの色が強いので、まずは二つから。

 

1.スクールカーストへの新たなアプローチ

作中で語られているように、かつて『ぼっち』『陰キャ』を主人公とし、彼ら彼女らが頑張っているよってことを描くような作品がありました。というか、今もあるにはありますね。

私が好きなところだと、俺ガイルなんかはその典型でしょう。

で、この俺ガイルを例に挙げてみると分かりますけど、『ぼっち』を主人公とした作品を通して、確かにオタクたちはスクールカーストの『上』にいるような人たちが苦悩していることを知ったんですよね。

そんな中で、最近ではいわゆるオタクカルチャーが一般に受け入れられている現在。スクールカーストは、確かにその存在を変容させています。

そしてそんな変わったスクールカーストについて描いているのがこの作品なわけなのですが……いやはや、ここがなかなかすごい。

実際に学生である私だからこそ、「そうだよな」と実感するところがあります。

薄っすらとした立場の違いはあれど、近年では明確な上下関係は存在していないように思います。

そんな中で、主人公が『ぼっち』的な立場でありつつも、そうではない人間の生き方を一切否定せず、ただ併存という形で描くようなアプローチは面白かったですね。

なんだか単なる物語というよりも、メッセージ性が強い作品だったように思います。

 

その上で思うのは、本編終盤の動き。

主人公の動きは、特によく考えられたものだなぁって感じがしました。しっかりと人を考察していなければ、あんな風には書けないと思います。

どんな風なのか……未読の方は、ぜひ読んで確かめてください。

 

これぞ最前線!

というのは、ある意味で真理なのかな、と思いますね。そういう意味じゃ、今学生の人にも、かつて学生だった人にも、ぜひ読んでほしいものです。

 

2.特殊な構成と感じられる基本的な読みやすさ

この作品は、次の事項でも語りますが、非常に特殊な形式の作品であるように思います。そもそもこれは、ジャンルとしてどう捉えるべきなんでしょうね……?って感じ。

大まかにいえば、作中では三人の悩める女の子が主人公とかかわることになります。そしてそんな彼女らに対し、ある時は一人で楽しむ方法を、ある時は彼視点で見えている人間関係についての話を、彼女らに告げていきます。

短編的な要素も結構あり、それゆえに全体的な盛り上がりとしては『あ、クライマックスだな』っていうような感動は感じませんでした。

一方で、だからといって淡々としすぎているわけではなく、テンポよく語られていくストーリーは非常に面白い。

タイトルにもある『おひとり様講座』の内容はもちろんのこと、それにまつわる主人公たちの会話がテンポがよくていいですね。実に読みやすい。それでいて、ところどころに私が知らないような作品の引用があり、「あ、よくわからないけど知的な要素が詰め込まれてるな」というのも感じました。引用されているものを知ってから読めば、きっともっと楽しめるような気がします。

 

何はともあれ、この時点で「いいよ!」と胸を張って言える今作。

でもできれば私は次を語りたい。私が特殊だな、と思った要素であり、この作品の好きなところです。

ネタバレになるので、読む方はご注意を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.主人公の彼女——ヌエの存在

ずばり、これにつきます。

Twitterなんかを見ていると主人公の一途さがいいって言っている方が散見されたので、「あー、これは表紙の女の子に告白して終わる感じかな? この子のために頑張って問題解決して終わるのかな?」とか思ってました。

でも、うん、違いましたね。全く違う。そして、その違いが最高でした。

 

ストーリー開始時点で、主人公には彼女がいた、というあの展開。

物語には直接的にかかわることは少なく、なんなら代名詞でしか呼ばれず、ぼやかされているような彼女。

でも、序盤の時点で彼女の存在感は確かに作品に内包されていて、ところどころで主人公の彼女への愛が滲み出ていました。

というか!!!!!

そういう言葉を抜きにしてはっきり言いましょう。

 

そうだよそう! こういう展開が見たかったんだ!!!!!

 

ぼっち主人公に彼女がいる。そんなの、特別なことじゃないんですよね。

作中でヌエも語っていましたけど、一人でいられる強さがある人は、誰かといることだってできるんです。

ぼっち主人公だからって彼女なしだと決めつけるなよ???という。

 

そして、こういう彼女持ち主人公にありがちの「いやいや、もうちょっと彼女に気を配ろうぜ???」って思うところも、しっかりこの作品ではカバーしていたように思います。

登場するヒロインは完全に恋に落ちる前に撃沈し、けれどもその上で最後のあの展開になるわけですからね。

ノンストレス、とはこのことか? って感じがします。

まぁ一言「ノンストレス」と片づけるのは、それはそれで違和感があるんですけどね。

 

 

 

ということで、今回はここまで。

今月気になっている作品はこれが最後なので、次に読むのは来月の三大ラブコメになります。

本当に楽しみにしてます。気になった方はぜひ下記より。

toko-96463.hatenadiary.jp

 

 

それでは、読んでくださってありがとこーございました!!

『楽園殺し 鏡のなかの少女』おすすめ&感想

こんにちは、とこーです。

本日は、『楽園殺し』を読みましたので感想を書いていきたいな、と。

とはいえ今作はファンタジーです。ファンタジーの感想を書くのはあまり得意ではないので、今回はストーリーには極力タッチせず、「面白いよ」というのを語っていければと。

とはいえネタバレ完全になし、というのは難しいので読んでない方はまず読むことをおすすめします。くっそ面白いので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それではいきます。

『楽園殺し』は、第十三回小学館ライトノベル大賞にて優秀賞を受賞した『リベンジャーズ・ハイ』の世界観やキャラを引き続きつつ、新作として発売された作品となっています。

私は『リベンジャーズ・ハイ』の方も読んでいるのですが……確かにそちらは読んでいなくても、ストーリーとして問題はなかったように思います。というか『リベンジャーズ・ハイ』の内容が軽く触れられるので、『楽園殺し』から読み始めてもいいでしょう。

 

ですが、『リベンジャーズ・ハイ』を読むとさらに楽しめるのもまた事実かな、と思いました。

なのでそちらもセットで買うことを推奨します。

 

で、そんな感じで読み始めていく『楽園殺し』だったのですが……。

『リベンジャーズ・ハイ』を読んでいた私がまず思ったのは、ずば抜けて読みやすくなっているということでした。文字数自体が減っているわけではないんでしょうが、なんだか前作よりもすっきりしている印象があります。それでいて戦争の迫力の凄まじさは変わらないどころは増しているように感じます。

 

戦闘は、細かく描写をされているかと思えばあえて過度に語らず『とにかくかっけぇ』と思える場面もあり、特に詳しくない私ですら上手いと思えるほどです。下手なバトル漫画よりもよっぽど読みやすい気すらするのは私だけでしょうか……。

 

その読みやすくかっこいい戦闘を織りなすのは、もちろんかっこいいキャラクターたち。

表紙からして分かるように、もう全キャラがくそかっこいい。特に私が好きなのは、『リベンジャーズ・ハイ』の主人公であったシンです。この人のかっこよさと言ったら、もうね……。

でもって、今作の主人公となっているシルヴィもまたかっこいい。それでいて、『美しい』という感想が出てくるのが彼女の魅力のようにも思えましたね。っていうか、表紙イラストからして美しすぎますしね?

 

これだけ『かっこいい』が揃っているにもかかわらず、それにとどまらない濃密な群像劇が繰り広げられているのも最高でした。

悩みを抱えているキャラは多くおり、それらが三人称によってあまりにも読みやすく、うまく描かれています。個人的にはやっぱりシンのことが気になってしょうがなくて、シンとシルヴィの間の色んなあれこれが印象的なのですが……敵と言われるキャラにも、そうではない第三者的なキャラにもきっちり焦点が描かれていてすごい。

っていうか、そういうのが描かれている作品は多いんですよ、実際。でもこんなに読みやすく、読みたくなるように書かれてる? っていう。

視点移動と時間の移動がうまいんですかね。過去話の挿入のタイミングとか、死ぬほどうまいと思う。まぁ、そういう専門知識とかないんだけども。

 

総括して、ぶっちゃけ過去のファンタジーの中で一番好きかもしれないと思うくらいには面白かったです。

何よりも、読んでいて一切辛くなかったのがぱない。ファンタジーあんまり読まない人間にとって、この点はでかいですからね。

 

そして、今作は次巻があります。上下巻、とのこと。その後は人気次第ってことかな、と。

次回予告も巻末にはあったのですが、これがすっごいワクワクするの。

だから早く読みたいなーって。いや、その前に読み返したい。すっごい面白いから。っていうか、次巻はあの一枚絵のもう半分、シン側の表紙のはずなんすよね。

キャラの中ではシンが一番好きなので、そちらも楽しみだったりします。

 

私は基本的にラブコメばっかり感想を書くのですが、心底この『楽園殺し』は面白いと思うので、ぜひ読んでみてくださいね。

増量版試し読みもあるらしいですよ?

 

 

 

それでは、今回はここまで。

読んでくださってありがとこーございました!